今日は転校生が来る日らしい。らしいというのは律から聞いたからだ。しかし私と律が来てからまだ2週間くらいしか経ってないのによくもまぁそんな立て続けに来れるもんだ。そう思っていると私の携帯から律が私の疑問に答えた。
『本来は私とそのもう1人の転校生が一緒に転校してきて殺せんせーに暗殺を仕掛ける予定だったんです』
「と言うと?」
『私が遠距離担当、そしてもう1人が近距離担当だったんですけど、2つの理由で別々の転校という形になりました。1つはその人の調整によって投入が大幅に遅れたこと、そしてもう1つが……私がその人よりも暗殺技術が大きく劣っていたからです』
律のあの性能でやっと一撃与えられるかだった。相性の問題もあるだろうけど……。そう考えるともう1人の転校生は殺せんせーに対する有効札があるということになる。
(……まぁまだ見てないのに考えすぎても仕方ないか)
律との会話を終えて私はE組校舎に向かった。
~そして~
転校生が来ると殺せんせーが言って入ってきたのは白装束だった。流石にあれが転校生って事はないよね?
ポンッ!
白装束の人は突然鳩を出した。手品師かなんかなの?
(……とはいえ何か企んでますよってオーラが隠しきれてないんだよね。まぁ殺せんせーを欺けてるなら上等なのかな?現に殺せんせーはビビってるのか液状化して隠れてるし)
転校生の性格が少し特殊らしく白装束の人が紹介するらしい。辺りを見渡している白装束の人は一瞬カエデの方を見たのを私は見逃さなかった。カエデを知っているのかな……?
「おーい、イトナ!入っておいで!」
その合図でイトナと呼ばれる転校生が入ってきた。……壁を突き破って。
『ドアから入れ!!』
クラス全員が突っ込んだ。しかし転校生を見て気になることがあった。
「ねぇイトナ君、ちょっと気になったんだけどなんで全然濡れてないの?外はあんなに土砂降りの雨なのに」
今赤羽君が言ったように転校生は全然濡れてない。その理由は彼から感じる異質さの正体が関係してそうだ。それにしても……。
(この異質さは感じ覚えがある……。有希子達と、そして殺せんせー初めて出会った日に感じた異質さだ)
「……おまえはこのクラスで2番目に強い。けど安心しろ。俺よりは弱いからおまえは殺さない。俺が殺すのは……」
転校生が殺せんせーの方を見て……。
「俺が殺したいと思うのは俺より強い奴だけ……。この教室では殺せんせー、アンタと1番後ろの席に座っている女だけだ。おい女、名乗れ」
殺せんせーだけじゃなくて私にも指名がきた。なんか教室中がざわめきだした。悪目立ちは余りしたくないんだけど、指名されたからには逃げる訳にはいかないな。
「大宮来夢」
「ラムさんに目を付けるとは中々良い目をしてますねぇ。ですがイトナ君、力比べでは先生と同じ次元には立てませんよ?」
とはいえ殺せんせーにはマッハ20の速度が出せる。そんな怪物に挑戦するってことは相性有利と見てもいいだろう。
「立てるさ。だって俺達は血を分けた兄弟なんだから」
『き、兄弟!?』
転校生の兄弟発言にクラス全員が吃驚していた。
「先に死んだ方が負けな。兄さん」
という転校生堀部糸成による殺せんせー暗殺が始まろうとしていた。
次回、対決編。そこでラムが取る一手とは……?