桂ヒナギク in the 仮面ライダーカブト 作:桂ヒナギク
ハヤテはZECTの先輩隊員、
そこにはカブトエクステンダーが置いてある。
「宮本さん、これは?」
「カブト用に制作されたバイクよ。これをカブトに届けて欲しいの」
「分かりました」
ハヤテはカブトエクステンダーをヒナギクの家に運ぶ。
ピンポン──チャイムを鳴らすと、ヒナギクが出て来た。
「ハヤテくんじゃない。どうしたの?」
「ヒナギクさんにバイクをプレゼントします」
「何これ!? CBR1000RRじゃない! これ欲しかったのよね! ハヤテくん、これどうしたの?」
「貰ったんです。カブトであるヒナギクさんに、って」
「そうなんだ。ありがとう」
ヒナギクはカブトエクステンダーをガレージへ移動させる。
「ハヤテくん、ついでにお茶していかない? さっきおやつにクッキーを焼いたの」
「じゃあお言葉に甘えて」
ハヤテはヒナギクの家にお邪魔した。
ヒナギクの部屋でお茶を飲みながらクッキーを食べる。
「美味しい?」
「美味しいです。ヒナギクさんも女の子らしい所があるんですね」
「それ、どういう意味?」
ヒナギクがハヤテを
「ハヤテくん、それはつまり私が女らしくないということ?」
ヒナギクが正宗を掴む。
「そ、そう言う意味じゃないですよ!」
「問答無用!」
ヒナギクが正宗でハヤテを叩いた。
「痛っ、痛いです!」
「赦さないんだからね」
「分かりました! ヒナギクさんはか弱い女の子です──っ!」
「分かればよろしい」
ヒナギクは正宗を置いた。
「じゃあ、僕バイトがあるんで」
「それじゃあバイクで送っていくよ」
「いいんですか?」
「ハヤテくんだから」
「はい?」
「何でもない。さ、行きましょう」
ヒナギクとハヤテはガレージに移動してカブトエクステンダーで銀杏商店街の喫茶どんぐりに向かった。
どんぐりに着き、ハヤテは降りる。
そこへ、額に十字傷のある男性が現れた。
「イクサ……兄さん?」
「久し振りだな、ハヤテ」
「イクサ兄さん、今までどこにいたの!?」
「ああ、ちょっと色々あってな。元気にしてたか?」
「うん。よかった。てっきりワームに殺られたのかと思ったから」
「ワーム? 何それ? 俺は俺だよ」
「あ、僕これからバイトだから、後で連絡ちょうだい。じゃ」
ハヤテは嬉しそうな表情で店に入っていった。
「君は、ハヤテのお友達かい?」
「ええ、まあ……」
「じゃ、俺は行く。ハヤテのこと、よろしく頼むよ」
イクサは歩き去る。
兄が帰ってきたと有頂天になるハヤテに不安を感じたヒナギクはZECTの宮本に接触した。
「貴方がカブト?」
「ハヤテくんのお兄さんが現れたわ。ZECTで調べてくれる?」
その言葉通りイクサを調べたZECTは、イクサがワームである可能性が高いことを掴む。
事実を知らされ、おまけに調査から身内だからと外されるハヤテ。
ヒナギクに怒りをぶつけたハヤテは、もしも兄がワームだったら自分でケリをつけると言い放つ。
負犬公園でイクサと再開したハヤテだったが、そこにゼクトルーパーが。どうやらハヤテを尾行していたらしい。
発砲するゼクトルーパーを止めようとするハヤテの背後でベルクリケタスワームに変態。ゼクトルーパーを全滅させ、イクサに戻った。
イクサの背後に続々とサリスが現れる。
「ハヤテ、俺の仲間がハヤテに擬態したいって」
ハヤテは銃を構える。
「ワームは擬態すると記憶をも引き継ぐんだ。だから俺はイクサなんだよ。そんな俺をお前は撃てるのか?」
確かにベルクリケタスワームを殺してしまっては、イクサの思い出も消してしまうことになる。
思わず銃を下ろすハヤテの前にヒナギクが現れた。
「人は人を愛すると弱くなるわ。だけど恥ずかしがらないで。それは本当の弱さじゃないのよ」
「ヒナギクさん……」
ヒナギクは飛来したカブトゼクターをバックルにセットした。
「変身」
{Henshin}
電子音と共にカブトに変身したヒナギクは、降り出した雨の中、接近してくるサリスたちに対してカブトクナイガン・ガンモードで打ち倒していく。そしてベルクリケタスワームだけが残った。
しかし、カブト・マスクドフォームはベルクリケタスワームにやられるだけで戦おうとしない。ハヤテの気持ちを優先していたからだ。
「ヒナギクさん、何で戦わないんですか!?」
「ハヤテくん、貴方は私に自分でケリをつけるって言ったわね。どうするの? 決めるのは貴方よ」
防戦一方のカブト。
「もうやめて下さい……。カブト! お願いします!」
ハヤテの悲痛な叫びを受けて、カブトはゼクターホーンを展開した。
「キャストオフ」
{Cast off}
マスクドアーマーが吹き飛び、カブトホーンが起き上がってライダーフォームに移行した。
{Change beetle}
「クロックアップ」
カブトはライトサイドのバックルを叩いた。
{Clock up}
クロックアップし、動きの止まった雨粒を弾き飛ばしながらベルクリケタスワームを圧倒し。
{One two three}
フルスロットルを押してゼクターホーンを反対側へ倒し、「ライダー……キック……」と、元に戻す。
{Rider kick}
カブトは自身の必殺技、ライダーキックをベルクリケタスワームに浴びせた。
{Clock over}
雨が動き出す。
「は、ハヤテ……!」
ベルクリケタスワームは爆裂霧散した。
イクサを失った悲しみと兄に擬態したワームを倒せなかった口惜しさにひざまずくハヤテ。
その横でカブトが変身を解除。それと同時に雨が止んだ。
「ヒナギクさん、僕はいつか……貴方を越えてみせます!」
そう言い放つハヤテに、ヒナギクは言葉を返す代わりに微笑みを浮かべた。