桂ヒナギク in the 仮面ライダーカブト   作:桂ヒナギク

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第03話

 ハヤテはZECTの先輩隊員、宮本 聡美(みやもと さとみ)と共に陸橋の下へやってきた。

 そこにはカブトエクステンダーが置いてある。

「宮本さん、これは?」

「カブト用に制作されたバイクよ。これをカブトに届けて欲しいの」

「分かりました」

 ハヤテはカブトエクステンダーをヒナギクの家に運ぶ。

ピンポン──チャイムを鳴らすと、ヒナギクが出て来た。

「ハヤテくんじゃない。どうしたの?」

「ヒナギクさんにバイクをプレゼントします」

「何これ!? CBR1000RRじゃない! これ欲しかったのよね! ハヤテくん、これどうしたの?」

「貰ったんです。カブトであるヒナギクさんに、って」

「そうなんだ。ありがとう」

 ヒナギクはカブトエクステンダーをガレージへ移動させる。

「ハヤテくん、ついでにお茶していかない? さっきおやつにクッキーを焼いたの」

「じゃあお言葉に甘えて」

 ハヤテはヒナギクの家にお邪魔した。

 ヒナギクの部屋でお茶を飲みながらクッキーを食べる。

「美味しい?」

「美味しいです。ヒナギクさんも女の子らしい所があるんですね」

「それ、どういう意味?」

 ヒナギクがハヤテを()め付ける。

「ハヤテくん、それはつまり私が女らしくないということ?」

 ヒナギクが正宗を掴む。

「そ、そう言う意味じゃないですよ!」

「問答無用!」

 ヒナギクが正宗でハヤテを叩いた。

「痛っ、痛いです!」

「赦さないんだからね」

「分かりました! ヒナギクさんはか弱い女の子です──っ!」

「分かればよろしい」

 ヒナギクは正宗を置いた。

「じゃあ、僕バイトがあるんで」

「それじゃあバイクで送っていくよ」

「いいんですか?」

「ハヤテくんだから」

「はい?」

「何でもない。さ、行きましょう」

 ヒナギクとハヤテはガレージに移動してカブトエクステンダーで銀杏商店街の喫茶どんぐりに向かった。

 どんぐりに着き、ハヤテは降りる。

 そこへ、額に十字傷のある男性が現れた。

「イクサ……兄さん?」

「久し振りだな、ハヤテ」

 綾崎(あやさき) イクサ。ハヤテの兄で二年前に失踪して行方知れずだった男。

「イクサ兄さん、今までどこにいたの!?」

「ああ、ちょっと色々あってな。元気にしてたか?」

「うん。よかった。てっきりワームに殺られたのかと思ったから」

「ワーム? 何それ? 俺は俺だよ」

「あ、僕これからバイトだから、後で連絡ちょうだい。じゃ」

 ハヤテは嬉しそうな表情で店に入っていった。

「君は、ハヤテのお友達かい?」

「ええ、まあ……」

「じゃ、俺は行く。ハヤテのこと、よろしく頼むよ」

 イクサは歩き去る。

 兄が帰ってきたと有頂天になるハヤテに不安を感じたヒナギクはZECTの宮本に接触した。

「貴方がカブト?」

「ハヤテくんのお兄さんが現れたわ。ZECTで調べてくれる?」

 

 その言葉通りイクサを調べたZECTは、イクサがワームである可能性が高いことを掴む。

 事実を知らされ、おまけに調査から身内だからと外されるハヤテ。

 ヒナギクに怒りをぶつけたハヤテは、もしも兄がワームだったら自分でケリをつけると言い放つ。

 

 

 負犬公園でイクサと再開したハヤテだったが、そこにゼクトルーパーが。どうやらハヤテを尾行していたらしい。

 発砲するゼクトルーパーを止めようとするハヤテの背後でベルクリケタスワームに変態。ゼクトルーパーを全滅させ、イクサに戻った。

 イクサの背後に続々とサリスが現れる。

「ハヤテ、俺の仲間がハヤテに擬態したいって」

 ハヤテは銃を構える。

「ワームは擬態すると記憶をも引き継ぐんだ。だから俺はイクサなんだよ。そんな俺をお前は撃てるのか?」

 確かにベルクリケタスワームを殺してしまっては、イクサの思い出も消してしまうことになる。

 思わず銃を下ろすハヤテの前にヒナギクが現れた。

「人は人を愛すると弱くなるわ。だけど恥ずかしがらないで。それは本当の弱さじゃないのよ」

「ヒナギクさん……」

 ヒナギクは飛来したカブトゼクターをバックルにセットした。

「変身」

{Henshin}

 電子音と共にカブトに変身したヒナギクは、降り出した雨の中、接近してくるサリスたちに対してカブトクナイガン・ガンモードで打ち倒していく。そしてベルクリケタスワームだけが残った。

 しかし、カブト・マスクドフォームはベルクリケタスワームにやられるだけで戦おうとしない。ハヤテの気持ちを優先していたからだ。

「ヒナギクさん、何で戦わないんですか!?」

「ハヤテくん、貴方は私に自分でケリをつけるって言ったわね。どうするの? 決めるのは貴方よ」

 防戦一方のカブト。

「もうやめて下さい……。カブト! お願いします!」

 ハヤテの悲痛な叫びを受けて、カブトはゼクターホーンを展開した。

「キャストオフ」

{Cast off}

 マスクドアーマーが吹き飛び、カブトホーンが起き上がってライダーフォームに移行した。

{Change beetle}

「クロックアップ」

 カブトはライトサイドのバックルを叩いた。

{Clock up}

 クロックアップし、動きの止まった雨粒を弾き飛ばしながらベルクリケタスワームを圧倒し。

{One two three}

 フルスロットルを押してゼクターホーンを反対側へ倒し、「ライダー……キック……」と、元に戻す。

{Rider kick}

 カブトは自身の必殺技、ライダーキックをベルクリケタスワームに浴びせた。

{Clock over}

 雨が動き出す。

「は、ハヤテ……!」

 ベルクリケタスワームは爆裂霧散した。

 イクサを失った悲しみと兄に擬態したワームを倒せなかった口惜しさにひざまずくハヤテ。

 その横でカブトが変身を解除。それと同時に雨が止んだ。

「ヒナギクさん、僕はいつか……貴方を越えてみせます!」

 そう言い放つハヤテに、ヒナギクは言葉を返す代わりに微笑みを浮かべた。

 

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