桂ヒナギク in the 仮面ライダーカブト 作:桂ヒナギク
その日、ヒナギクは廃墟と化した渋谷に訪れていた。
崩壊した施設の階段を下りて地下へ行く。
「うう……!」
地下室の一角の扉の中から唸り声が聞こえる。
ヒナギクは扉を開け、唸り声の下にやってきた。
唸り声の主は牢屋の中で拘束されており、身動きが取れないでいた。
「久し振りね、ヒナギク」
拘束されているのはオリジナルのヒナギクだった。
「私をここから出して……」
「それは出来ない相談ね。貴方に出られると、私の居場所が無くなるの」
「ん──っ!」
「安心して。全て終わったら帰してあげるから」
「そんなこと言って、本当は後で私を殺して私になりすます気でしょう?」
「貴方を殺しても何の得にもならないわ」
「覚えてなさい。必ず貴方を懲らしめるんだから」
オリジナルのヒナギクがヒナギクを睨む。
「人間の貴方に私をどうにかすることなんて無理だと思うけど」
それじゃあね──と、ヒナギクは牢屋を後にした。
一方、ハヤテはどんぐりでバイトをしていた。
「ハヤテくん、オリーブオイル買ってきてくれる?」
そう頼むのは店長の
「いつものやつを切らしちゃってね。お願い」
「分かりました。行ってきます」
ハヤテはどんぐりを出て行く。
それから暫くして、ヒナギクが入店する。
「あれ? 北斗さんだけ?」
「今、ハヤテくんは買い足しに行ってるわ」
「そうですか。じゃあ後を追ってきます」
ヒナギクは店を出ると、カブトエクステンダーを走らせ、ハヤテの後を追った。
一方、ハヤテは食用油の専門店へやってきたが、誰もおらず、中は無惨にも荒れていた。
ゴト──倉庫で物音がする。
ハヤテは音の正体を確かめるため、倉庫へ行った。
倉庫では、サリスが一体、人間を殺している最中だった。
「ワーム!?」
ハヤテの言葉にサリスが気付いて振り返る。
「キシャアアアア!」
サリスがハヤテに接近する。
「そこまでよ!」
と、そこへカブトが現れた。
カブトが銃でサリスを狙い撃つ。
「ヒナギクさん、どうして?」
「心配だからついてきたのよ」
サリスは赤くなり、脱皮してランピリスワームになる。
「キャストオフ」
カブトはゼクターホーンを展開し、ライダーフォームへキャストオフ。吹き飛んだ無数のマスクドアーマーの破片が段ボールにぶつかり、中入っていたオリーブオイルの瓶が宙を舞う。
「クロックアップ」
カブトはサイドバックルを叩く。
オリーブオイルが落ちるまでの一瞬の出来事。
クロックアップしたカブトが、クロックアップしたランピリスワームを圧倒し、最後にとどめのライダーキックを浴びせる。
{Clock over}
爆裂霧散するランピリスワーム。
カブトは目の前に落下してくるオリーブオイルをキャッチした。
ゼクターが外れ、変身が解ける。
ヒナギクはハヤテを連れてどんぐりに戻っていくのだった。