ファイアーエムブレム覚醒~炎の紋章と蒼の魔道書~   作:生徒会長月光

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第二章です。今回のサブタイの出会いはラグナとある一人の人物の出会いになります。

駄文ですが今回も楽しく読んで頂ければ幸いです。

それではどうぞ。


第二章 死神異変に遭遇。そして出会い

異界の門を通り偶然、イーリス聖王国の領地にやって来たラグナ・ザ・ブラッドエッジ。町へと足を運んだラグナはそこで自警団をしているクロム、リズ、フレデリク、記憶喪失な軍師ルフレと出会い成り行きで彼の自警団に加わることにした。そして彼らはイーリス聖王国の王城へと向かうのであった。

 

俺はクロムたちとこの国の王城に向かって歩いている。どうやらクロムたちはしっかりと土地勘があるようで迷わずに進めているようだ。昔セリカに道案内を頼んだら目的地に着かず途中でやって来たナインに悪態をつかれながら向かった苦い思い出がある。

 

まぁそんなことはおいておこう。

 

歩き続ける内に気付けば夜になっていた。

 

辺りも暗いので今回は野宿になった。リズが文句をいっていたがそこら辺はしょうがないとして納得をしてもらった。

 

各自で食料調達することになり周辺を詮索することになった。

 

「たくっ。まさか違う世界でも野宿とはな…あいつらは元気でやってるか心配だが、俺は世界から消えた存在、覚えてる奴なんて…祐希一人ぐらいか。」

 

彼を育てた養父であり、あらゆることを教わった師匠の一人出雲祐希。そんな憂いを抱いているときに、目の前に熊がやって来た。

 

「丁度良い。今日の夕飯はあいつだな。行くぞ。V-SW。」「キョウノショクザイゲットナノ。」

 

一方のクロムたちは山菜をとり、薪を集め終わり何か肉を探そうとしていた。

 

「こう山菜ばかりだと栄養にならんな。」

 

「もーう。お兄ちゃんいーじゃん。辺りも暗いし今日はこれぐらいで。」

 

「残念ですがリズ様の言うとおりです、クロム様。安全のため今日はこれで。」

 

「こんなとこにいたのかお前ら。探しちまったぜ。」

 

「クロムさん。ラグナさんが帰ってきたみたいですよ。」

 

「遅かったな。一体何をして……ラグナお前が担いでいるのはもしや熊か?」

 

「あぁ丁度良いところにいたからな。血抜きは済ませたから、後は調理するだけだ。」

 

「助かる。山菜だけだと腹が膨れんからな。」

 

「えぇー熊!?獣臭いじゃん。」

 

「ちゃんと処理をしっかりやれば臭みも取れてしかも栄養もあって美味いぞ。」

 

「しかし熊を調理するための道具がないので些か難しいのでは?」

 

「ん?道具なら俺が持ってるぞ。」

 

そう言いながらラグナはまな板に包丁、鍋などの調理セットを何処からともなく出した。

 

「なっ?!一体何処から持ってきたんだ?こんなに。」

 

「あぁこのバッグから出した。こいつの中身は空間を拡大してほぼ無限に物が入るってこいつをくれた奴は言ってたな。」

 

「何というか俺は魔法に詳しくないからなんとも言えんがその俺から見ても凄いものと思うんだが。」

 

「そうですね。兵士の食料など持つだけ持てるだけでなく、それだけ負担が軽くなる優れものと言えます。」

 

クゥー

 

話をしてると誰かの腹の音がなる。ふとその音のした方を見るとルフレがお腹を押さえて顔を赤くしていた。

 

「あっすいません。その聞かなかったことにしてくださぃ…」と恥ずかしがって言う。

 

「まぁ今はその話は良いか。フレデリク頼めるか。」

 

「お任せを。ラグナさん。料理の心得は?」

 

「旅の時は大体自分で作っていたから、それなりにできるぞ。」

 

「それは心強い。では手早く済ませましょう。」

 

そうして二人して料理に取りかかり30分ほどで完成した。

 

そのまま一度日を通して臭みを抜き焼いた熊肉、山菜と共に煮込み出しを取ったスープを人数分ラグナの持っていた容器に入れて全員に配り食べる。

 

「美味しい。獣臭いと思ってたけど、甘いし体が暖まるよ。」

 

「熊肉は滋養作用があるから全身に栄養もいくし肌にも効果的らしいからな。」

 

「えっそうなの。良かった。お肌が荒れちゃうからどうしようかと思ってた。ありがとね。ラグナさん。」

 

「まさかここでこんなに美味い飯にありつけるとは思わなかった。戦闘だけでなく料理も出来るとは…ますます自警団に入ってくれたのはとても嬉しいことだ。ありがとうラグナ。」

 

「料理なんてコツと経験があれば大抵のやつなら出来るもんだ。今度教えてやろうか?」

 

「機会があれば頼むとしよう。」

 

「それにしてもラグナさんとても手慣れてましたね。どなたに教わったんですか?」

 

「あぁまぁ。育ての親にな。」

幼い頃にシスターの手伝いをしてその手際を覚えていたラグナ。更には祐希の手持ちのソーナンスにも料理を教わっていたので、階層都市では咎追いの他に短期で料理店でバイトをしていたこともあった。

 

ん?祐希に教わらなかったのかだって?あいつの料理は手際よくて味が良くても見た目がゲテモノにしか見えないんだよ。デザートとかの菓子系は大丈夫らしいがそれ以外は信用できん。

 

クイクイっと誰かに服を引っ張られる。そちらを向くとルフレが器を出しておかわりを要求していた。

 

「あの。ラグナさん。おかわり良いですか?」

 

「おう良いぞ。食わないと力もでないし成長しないからな。」

 

「ルフレさんよっぽどお腹すいてたんだね。」

 

「それもあるが美味いからな。」

 

そうして鍋が空になる頃には全員満足して食べ終えた。そうして近くに川があるようだったので、そこで軽く食器と鍋を洗い流し、四次元バックへと戻す。

 

そうして明日に備え寝ることにした5人。

 

真夜中に近い時間。ふと誰かに揺すられている感じがして目を開けると、ルフレがいた。

 

「ラグナさん。すいません。実は、クロムさんたちがいないんです。」

 

「何だって?こんな夜更けにどっか行くって、仕方ねぇな。おいフレデリク起きろ。」

 

「むっ如何なさいましたか?クロ、ん?ラグナさんでしたか。」

 

「今間違えかけたな。まぁいい。クロムたちがいないらしいんだ。」

 

「何ですって?!このフレデリク一生の不覚。急いで探さなければ。」

そうしていると、遠くからゴゴゴゴッと地鳴りがする。

 

ドン

 

と爆発音がし火の手が上がる。

 

「何ですか?あれは?!」

 

「ともかく行ってみましょう。」

 

そうして三人は急いで火の手へ急いで走る。

 

走る三人は遠くに人影が見えた。クロムたちだ。

 

「クロム様ご無事ですか!!」

 

「フレデリク!あぁ大丈夫だ。それよりも戦闘準備だ。」

 

そういうクロムの先にはゾンビのようなグールのような正体不明の敵がいた。

 

「何ですかあれ!この国ではこんな化け物がいるのですか?」

 

「俺たちも見たのは初めてだ。来るぞ。」

 

そうしてグールのような敵が攻めてくる。剣を持った敵にクロムが応戦し、そして隙ができるとルフレがサンダーで倒す。

 

フレデリクはリズを馬に乗せ斧の敵に対処する。少し手傷を負うもののリズが回復する。

 

ラグナはV-SWで斧を持った敵と接敵する。

 

スラスターを吹かし早々と片付ける。そしてある程度敵が少なくなると遠くで、馬に乗った女騎士と弓兵が此方に向かってくる。

 

「おいっテメーら何もんだ?」

 

「クロム団長?!ってあれ違う。でも確かに声がしたような。」

 

「そこの彼が話しかけたのだよ。美しいマドモワゼル。」

 

「だから僕はソワレだって言っただろう。それで君は一体だれだい?敵かそれとも味方?」

 

「さっきから涌き出てくるこいつらの敵だ。」

 

「わかった。味方だね。さっさと片付けるよ。」

 

「そこの弓持ったやつ。」

 

「私かい?私はヴィオールしがない弓兵さ。」

 

「それは後だ。援護を頼む。」

 

「任せたまえ。私の華麗なる弓捌き見ると良い。」

 

そうして他のグールを倒していく。剣の敵にはソワレが対応し、斧の敵はラグナが対処する。そしてヴィオールは隙が出来ると抜群の精度を見せ敵を倒す。

 

そしてあらかた倒し終えてクロムたちと合流する。

 

「無事だったか?ラグナにソワレと誰だ?」

 

「クロム団長この男はヴィオールという流れの者らしく自警団に入ってもらおうと思ってる。」

 

「私はヴィオール。よろしく頼むよ。」

 

「あぁ頼む。」

 

「クロム団長。こっちのクロム団長に似た声の男は?」

 

「ラグナという。自警団に入ってくれたんだ。」

 

「そうか。これからは仲間だね。僕はソワレよろしく。」「あぁ。ラグナだ。よろしく頼む。」

 

少し待っていろと言われ、ソワレとヴィオールは暫くその辺で休むと言い、ラグナはクロムに着いていく。

 

そしてフレデリク、リズ、ルフレたちと合流する。

 

目の前にはもう一人仮面を被った人物がいた。

 

「先程は助かった。リズを助けてくれてありがとう。」

 

「助けてくれてありがとう。」

 

「いや、僕は当然のことをしただけ。気にしないでくれ。」

 

「俺はクロム。こっちは妹のリズとフレデリクにラグナだ。」

 

「フレデリクです。先程は助太刀助かりました。」

 

「僕はマルス。」

 

「そうか。古の英雄王と同じ名前か。先程の剣捌き見事だった。誰かに習ったのか?」

 

「僕のことは良い。それよりも気を付けてほしい。今回のこれはこれから起こる災厄の前触れ。」

 

「?どういうことだ。あんた何か知ってんのか?」

 

「!?!おとゴホンクロムさんと同じ声?」

 

「あぁ俺も最初はビックリしたな。」

 

「そうなのか。今は言えない。ただ気を付けてほしい。それでは。」

 

「待てっ。こいつを持っていくと良い」とラグナは熊肉のスープの入った水筒と、全員に内緒で朝御飯として用意していた握り飯を渡す。

 

「少ないかもしれないが、持っていってくれ。」

 

「いや、僕は別に。」

 

「助けられた恩は返すのが俺の流儀だ。後で捨てても構わん。」

 

「それならありがたくもらうよ。」

 

そうしてマルスはその場を去っていく。

 

そうして一先ずの危機を乗り越えたクロム一行。

 

次に目指すはイーリス王城だ。

 

マルスside

私はある存在の助力によりここへ来ることができた。危機一髪リズさんを助け、その後…おとゴホンクロムさんと共にあの存在屍兵を倒す。

 

全て倒し終わり、クロムさん、リズさん、フレデリクさん、ルフレさんと話す。そしてもう一人私が知らない男の人がいた。ラグナというらしい。声がクロムさんと同じだったので少し素が出てしまった。

 

そしてこれからの出来事に対する警告をし、その場を去ろうとする私をラグナさんが呼び止めた。

 

彼からスープの入った水筒、おにぎりの入った笹袋を頂いた。そうして彼らと別れ、暫くし丁度良い切り株の上で一休みする。

 

そして先程もらったおにぎりとスープを飲む。

 

おにぎりとスープは少し冷めていたが、私の心は暖かくなった。久しぶりに人の優しさに触れた私にとってそれはとても嬉しかった。

 

味は少ししょっぱかったけど美味しく頂いた。そして顔をふいて空を見上げる。

 

私は一層の決意をする。どんなに孤独な戦いでも必ず、お父様を救うと。

 




あとがき
今回も読んでいただきありがとうございました。ゲームでは熊はクロムかフレデリクが取ったようでしたがこのssではラグナが取りました。彼はシスターから料理の手解きの基礎を学び、祐希の手持ちのソーナンスに様々な料理を教わったので大抵の料理を作れ、一時期咎追い以外での仕事でレストランで働いていました。その美味さは通常の店の売り上げの1,5倍を記録するほど。

最後のマルスの独白はオリジナルです。初めて来た大地に一人でやって来た覚悟と孤独。そこにラグナから渡された手作りおにぎりとスープは心に響いたと思います。人の優しさと温もりを久しぶりに感じた彼?は一層の決意をして瞳から流れる物をふき夜空を見上げる。

果たしてその瞳には何が写るのか。

そして次回からはイーリス王城での話になると思います。今回も読んでいただきありがとうございました。次回も楽しみにしてもらえると助かります。


いたたっ前回のエイブキラーからの傷が…

ん?これは木の実と軟膏と手紙?

傷に良く聞く、早く治す。 キテルグマ。

キテルグマ!?!そうかありがたい。おっとどうやら雨が降ってきたようだ。これは土砂降りかな。

作者が帽子を深くかぶり直したのを見た、こっそり見ていたキテルグマはその場を離れるのであった。

クロムの結婚相手について

  • ルフレ一択
  • ルフレ、スミアの一夫多妻制

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