再構成の新世界 融合世界『インフィニット・エターナル・ギア・ライダー』 作:金宮 来人
俺は腹を貫かれ、ソレが抜かれると力が入らず地面に崩れ落ちそうになる。
貫いた手を抜く際に、俺の体を蹴って反動で抜いたので俺は地面を何度かバウンドしアリーナの地面に転がる。
なんとか体制を変えて仰向けになるが、腹部に空いた穴から血があふれて体が冷たくなっていくのを感じる。
「「「「マスター!?」」」」
「おい、しっかりしろ!マスター!!」
「マスター・・いや、パパ!・・死んじゃダメ、ダメだよ!」
オートスコアラーやキャロル、エルフナインが抱えて俺を起こそうとするが、力が入らない。
「ゴォッフゥ・・グブゥ・・ハァハァ、・・さすがに・・これは、無理だな・・はぁ・・。」
血を吐き、息を切らせて俺は気を失う前に声をかける。
いや、死ぬ前にと言った方がいいだろう・・。
「一夏・・、ソレはどういうことか・・説明、しろ・・。」
そう言うと織斑一夏が手に持ったのは『アナザー・ライドウォッチ』。
それを構えた。そしてボタンを押すとそれの絵柄が変わり、
『アナザーディケイド・・』
音声がなった、ソレを一夏自身の胸に押し当てる。
「うおぉおおおおおお!!ハァ!!」
そして、禍々しい、世界の破壊者の姿となった。
「『俺』の中には二人の人格が存在する。」
「『普通のIS『白式・雪羅』の操縦者だった俺は、火星にいた。火星移住計画は金宮立木の残した願いだったからな。そこにエボルトのような人型ではないが明らかに不明な生物によって火星は破壊された。その時、俺はちょうど宇宙空間で作業中だった。だが、いきなり目の前で火星が崩壊し、人が生きていた区域が爆発した。そこには俺の世界の篠ノ之箒がいたのに・・。俺の帰りを待っていたというのに・・。俺は憎んだ。運命を、神を!・・そして、黒い憎しみと似た黒い波動の光に包まれた。そしてこの世界に来た。その時にもう一人を感じた。』【それがもう一人の俺・・【仮面ライダー・エターナル】の俺だ。そして、同じく【織斑一夏】・・。俺は今までいなかった新たなウィルス生命体・【バグスター】が広まる世界で仮面ライダーとしてバグスターを退治していた。初めはISとライダーで対立しかけたがそれもなくなり新たな共通の敵に立ち向かうようになった。しかし、それでも戦いは無くならない。戦いつかれた俺を癒すのは家族の存在だった。ここにはそれが無い。ただ消耗し疲弊する。それに耐えきれなくなった俺はもう一人の俺を受け入れた。この力を手に入れて世界を壊し、元の世界へと帰る。力さえあればバグスターさえ消せるだろうと・・。だから、おれは・・、協力した。否、俺たちだな・・。世界を壊し、再生する力を求めた。】」
『【だから、俺達はお前らと戦い、全てを破壊する!!】』
アナザー・ディケイドと化した『一夏』・・織斑一夏。
その正体は二人の世界が混ざった存在だった。
一人は火星のプロジェクトを行い、のちにビルドの世界で火星の文明を破壊したブラッド族『エボルト』と同じような存在に消されることとなった世界の『織斑一夏』。
もう一人は『仮面ライダー・エターナル』・・ダークライダーの力を得てISと心を通わせた世界の『織斑一夏』。
二人の願いは偶然にも重なってしまった。
『この世界から去る。そのために世界を破壊し、再生する力を使う事。』
片方は自分の世界での破壊を、そして親友の命を助ける為にやり直す。
火星での事故に巻き込まれた、愛する人の死を無かったことにする。その力を欲した。
もう片方は、愛する自分の妻の居る世界への帰還を求めた。
◆
それを聞き届けた【イチカ・ダインスレイフ】は最後の思いを託すこととする。
「それならば・・、俺に言えばよかった・・んだがなぁ・・。グハッ・・。」
『すでに無理だった。気が付いた時点で完全に融合していたのだ。』
【これを切り離すのは錬金術でも神の力でもない・・。世界の融合から、根底から破壊しなければならない。】
【『だから、この世界を破壊し、再生させる・・俺たちの世界をやり直す。』】
そう言って『アナザー・ディケイド』は手を広げるとそこからライダーの敵があふれだす。
時には雑魚が、時にはラスボスが、時にはモンスターが・・。
「そう・・か・・。なら仕方ないか・・。クロノス!もう目が見えないから居るのかよくわからないが、それでも誰かが伝えると思いこの言葉を残す!」
「世界を・・時を超え、時代を超え、世界を超え、想いさえ超えろ!お前にならそれができるはずだ!この世界の真の王!それは魔王であり覇王である、時の王『ジオウ』こそが、すべてを救える。だから、お前の想いを、全てに込めろ!これが終われば、お前はすべての世界を統べる王となるだろう。その先は好きなようにするが良い。そして、これこそが最後に与えれる物・・それは絶望でも悪意でも破壊衝動でもない・・希望だ!」
俺はキャロルとエルフナインに手をつなぐと、俺の体とオートスコアラーが光りだし二人の姿を変えた。
キャロルは白を基調とした聖なる服に四色の『エレメンタルジュエル』を周りに浮かべた姿、
『エレメンタル・ユニオン』の姿に・・。
エルフナインは、小柄な姿のままダウルダブラを装備し、さらに錬金生物のライオンのエネルギーさえも内包し背負う。そして、背中の弦が開き帽子にも四色のクリスタルが装備される。二人のエネルギー派で地面が割れる。
『あの状態でまだここまでの力があったか・・。まるで奇跡だ・・。』
「奇跡だと?ふざけるな・・。」
『何?』
「「オレは、奇跡の殺戮者だ!」」
キャロルと弱気なはずのエルフナインさえ声を合わせて吠えた。
その声でその場の空気が振動した。
「あのマスターが残した力を奇跡などと安っぽい言葉でまとめるな!」
「マスターが託した力を、そんな言葉で表せると思ったら大間違いだ!」
「「これは、希望だ!!」」
「キャロルさん・・、エルフナインさん・・。」
織斑マドカが背中から声をかける。
「イチカ・・ダインスレイフさんは・・?」
「命を昇華し、錬金術を発動させた。普通は体と構成する物質だ。」
「だが、今回の錬成は魂ごとだ。もうこの先、転生はできないだろう。本当の最後だ。」
「「すでにイチカ・ダインスレイフと言う魂は存在しない。」」
コレは神の次席という大きさの魂だからできた事。
代理の管理者だったが、それは魂の転生があるからこそ。
次の世界に神の力を持っても転生はできない。
それは、魂の昇華によっての消滅を意味する。
命を燃やし、エネルギーとして、二人を一つ上の存在に押し上げた。
それは、自身の全てをもっての奇跡。
生きてきた軌跡を、命の輝石に変えて『ラピスフィロソフィカス』の錬成術式を使い、錬金術の最後の力を使った。
『ラピスフィロソフィカス』は命の輝き・・。
それを使い切ったのならば持ちうるすべてを燃やし尽くす。
昇華し、消化し、燃やし尽くして、力と変える。
記憶も、願いも、体も、魂さえも・・すべてを力と変えた。
軌跡を奇跡に変えて。
だから・・、
「マスターの願いを・・、全ての想いを!」
「奇跡を希望に変えるため、希望を明日に変えるため・・!」
「「オレ達は負ける事は無い!!」」
二人で声を合わせてエレメンタルと背中の弦を使い、力場を作る。
BGM;戦姫絶唱シンフォギアXV『スフォルツァンドの残響』
『『~♪』』
その歌で大量の雑魚が吹き飛ぶ。
弦を手から放てばモンスターが切り裂かれ。
クリスタルが輝けば燃えて、凍り付き、切り裂かれて、粉々に砕け散る。
それでも二人は目から涙を流しながらも歌う。
思い出が子だけ散った、その残骸を燃やすように・・。
大事な思いは亡くさないように・・。
そして、雑魚は消え『アナザーディケイド』とライダーたちが対面した。