再構成の新世界 融合世界『インフィニット・エターナル・ギア・ライダー』 作:金宮 来人
『世界を終わらせる・・そのきっかけは・・お前ではない。』
アナザーディケイドを指さしてそう告げる。
「なんだと!?」「どういう事だ!?」
『・・何を言っているんだ貴様は?』
他の全員は驚く。
そして、腕を動かして指さしたのは四人の集団。
それは男が一人と女性が三人。
この戦闘を遠くから見ていた・・否、仕組んでいた者たちだ。
『これはライダーの世界の問題だけではなく・・【並行世界】をまとめた事変だ。そのすべてはお前の画策したこと。そうだろ?』
そう言うと男が、
「気が付かれるとは思わなかった。」
そうつぶやいたのは、髪が半分以上グレーで一部が黒いだけの見た目には若くも見えるが、壮年にも見える男。
『並行世界をまとめてつぶすには最適だよな?なぁ・・【ニコラ・テスラ】?』
俺が見た男はそれに答えるように口を開く。無感情に、無表情に。
「私の名を知っているとは驚きだ・・。称賛に値する。」
『目的はやはり・・?』
「決まっている。我らの理想の世界を・・理想郷を造る。そのためだけだ。」
そう言うと三人の女性は構えて変身した。
紫の鎧に剣、青い鎧に盾、赤い鎧に斧。
それぞれが武器を構え、
「私たちの目的」「ララの目的」「アタシたちの目的」
「「「理想郷のために!」」」
『ははは!アッハハハハハハ!!』
イチカ・ダインスレイフは大きな声で笑った。
『くだらない・・。非常にくだらない!本当にくだらない事だ!』
そうしてハンマーを叩きつけると地面が割れ、雷が鳴る。
『こうして【神】にまで昇格した俺が、【何故ここに居るのか】わからないとは、実に滑稽だなぁ?【先導者】よ。』
「なんだと?」
『神としての意味は世界の秩序。貴様らは【スサノヲ】を知っているかもしれんがそれは神の管理システムの端末に過ぎない。【アヌンナキの残した遺物】。その存在する理由はただ一つ・・』
『【理想郷 高天原〈タカマガハラ〉に至らせない】。それは神が居る位。それに等しくなる世界は滅ぶ。かつて神に近づこうとした【カ・ディンギル】〈バベル〉のように。』
「我らの理想郷に貴様は邪魔をすると?」
『貴様らの御託は関係ない。それは神が許さない。神となった俺ではなくその位に居る存在、貴様らの言う上位存在【カストディアン】【アヌンナキ】そう言うくくりを越えて、神たる存在はその世界を認める事は無い。何故ならそこに住める【ソレ】は人ではない。それを超えた存在だ。なれば我らが管理する世界の秩序に乗っ取り、理【コトワリ】をゆがめる事を我らは許すことは断じてない。故に世界を壊し、秩序を乱す貴様等を、許すことなどありはしない。』
そう叫び、腕を振るう。
紫色の女が剣を構えてつっ込んできたからだ。
「テスラ様を侮辱するな!」
腰の剣『レーヴァテイン』を掴んで振った腕は地面を切り裂き、海を切り裂く。その衝撃で女は吹き飛ばされる。それと共に高い空に浮かぶ装置のようなものを破壊した。
「きゃぁああ!?」
【レーヴァテインとは【魔を切り裂く杖】の意味でもあり、錬金術師にとっても杖と言う存在は力を高める。剣という扱いはのちの考察から来ている。テインとは杖、枝の意味であり、魔を払い切り裂くことができる杖。そして、高き鳥を落とすことができる剣の意味でもある。故に高いくらいにある物も魔を持つ物も一振りで薙ぎ払える。】
『この世界は、【始まりの織斑一夏】と【金宮立木】が元となる【エクシリア】より生まれた統合世界。それを壊し、自ら【ミズカラ】の世界を理想郷へと近づける。そのための企て、ソレがこやつ等の目的。それに至るには世界を知る【イチカ・ダインスレイフは邪魔】でしかない。故に我を害し、他の者の手を使い殺した。しかし、それは我が身の昇格につながる道筋であった。故に傍観者からこの場に出てきたと言う事だ。』
それは『先駆者』が描いたように見せられた筋書きで、【外の者】はそれすらも道筋に選んだ。故に我【オレ】が此処にこうある事は必然。世界を木に見立てて描いたのが間違いだったな。それを見下ろして破壊するつもりの高みの見物を叩き落す。その装備だ。
「邪魔をするなら消す。理想郷をなさねばならんのだ・・。私が愛する彼女のために!」
『それは貴様らのエゴだ!我らはそれを断じて許す事は無い!』
今度は赤と青の鎧が斧とエネルギー体で攻撃してくるが、それを『タスラム』で打ち落とす。
「こうなれば・・」「三人の力で・・」「アレを・・」
そう言って三人が俺の上空に移動する。
「ハァアアアア!」
「セヤァアアア!」
「フゥゥゥン!!」
エネルギー同士をつなぎ中心へと集めて、
「「「三位一体、【シュタルリンク・カノーネ】!!!」」」
エネルギーを打ち出す。
『能わず。この程度で世界を動かせると思ったか?・・愚か者めが!!』
腕にエネルギーを纏い、それを突き出して相殺する。
「そんな・・」「効かない・・?」「ララたちの力が・・。」
『確か・・【エレクライト】・・だったな?シンフォギアの世界を壊すこともできずに、大それたことを仕組んだ、自らの愚かさを後悔するがいい!』
俺は三人の女とニコラ・テスラをまとめてエネルギー体に閉じ込める。
「これは・・?」
『貴様らの世界へと帰るがいい。二度とその面を見せるな、痴れ者ども。どうせこの世界と貴様らの世界は分離する。この世界はシンフォギアの並行世界ではなくなる。貴様らは貴様らの理想を勝手に追いかけろ。そして、理想におぼれて溺死するがいい。理想は理想・・現実にありはしない。・・真なる死者は蘇らないのだと・・。我の様に魂を造り替えられたまがい物とは違う、【人】という存在のはかなさを自覚せよ。』
腕を振るとその場から手をかざしたところから消え去るように、エネルギー体と四人は消えた。
「・・これで終わりなのか?」
『いや、アナザーディケイドとオーマジオウ。その力を借りたい。』
俺が言うと二人は近くに寄る。
『神の俺が世界の調整をする。オーマジオウは時間と世界を分けて、アナザーディケイドは力を消費させて世界を作り直せ。そうすれば今回の融合世界の事変は終わる。』
『・・そうすれば元通りなのか?』
『いくらかの改変はできる。例えば・・そうだな、先にしておこう。』
アナザージオウとなった金宮立木へ手を向けて振ると、その姿は黒い鎧へと変わりさらに腰にベルトが付いた。
『これで、アナザージオウから別の存在となった。ベルトがある限り彼はその身をむしばまれる事は無く変身できる。ある意味、別なアナザーライダーみたいになっている。名前を付けるなら・・『仮面ライナー・クルスニク』と言った存在かもな。』
そう言うと、
『立木が・・戻った・・。これで・・世界は変わる・・。』
そう言って涙を流す。・・アナザーディケイドのままなので、実に不気味な姿だがな・・。
この世界にいなかったはずの金宮立木は光りの粒子になって消える。
世界を再構成する力で戻るはずだ。
さらに神の力をもう一度使い、アナザーディケイドの中からもう一人の織斑一夏を出す。
「ダークライダー一夏とでも呼ぶか。」
「基本的に俺はエターナルだがな。いや、ありがたい・・。本当に分離できるのかわからなかった。しかし、錬金術じゃできないはずだが?」
「今の俺は神だ。昇格した魂の状態ならできない事は無い。」
そう言うと乾いた笑いで、
「ははは・・、ホント、どうやっても勝てないや。」
そう言っていたが顔は泣き笑いだった。
「さぁ、世界を解き明かそうじゃないか。」
そう言って俺は手に持った賢者の石を使い、レイラインを構成。
龍脈と星の動きを同調させる。
太陽系の惑星が、太陽を中心に十字に並ぶ。
星々を、世界を掌握しグランドクロスを描く。
神の輝石で奇跡を起こし、軌跡を描く。
「時を刻み、世界に刻む。」
オーマジオウのクロノスは時を動かし、世界の修復を開始する。
時を刻み、世界はそれを記録する。
時計の針は時を刻み、世界に歴史を刻み込む。
オーマジオウは時を操り逆転させて、世界の歴史を流転する。
「世界を壊し、世界を再生する。」
アナザーでもディケイドの力である世界を破壊する力を使い、その後世界を再構成する。
世界は繋がりを断つ。歴史を破壊し、世界を破壊する。破壊は再生をもたらし、生成された世界は新たな歴史を造り、世界を作り上げる。
全ての並行世界は元に戻り、繋がり一つになっていた世界は、繋がりから離れてその歴史を紡いで、それぞれの世界は再構成を始める。
「これで、この事変は終わる。クロノス、一夏、アナザー、エボルト・・それに、ダークライダー一夏。元の世界でまた幸せに生きろ。不幸だと思えば足掻け。再構成した俺たちには未来へ生きていくものを見届ける義務がある。」
一番初めに手を上げてオーロラカーテンが迫ってきたのはダークライダーの一夏だ。
「色々と面倒かけた。それは悪いんだが先に帰らせてもらうぜ。愛する妻の元へ行きたいんでな・・。じゃぁな!」
そう言ってオーロラカーテンへ飛び込み、光の粒子へとなり消えた。
「ありがとうダインスレイフ。・・世界を、仲間を救ってくれて・・。立木と共に世界をやり直す。」
アナザーディケイドの姿が解けて、ただの織斑一夏に戻った。その姿は消えてオーロラカーテンの向こうへと吸い込まれて行った。
「んじゃ、俺もエボルトとして、アナザーと共に世界へ戻りますか・・。」
「そうだな。オレは、今度はもっと楽しんで遊びたいぜ。エボルトとな・・。」
「・・ん。わかった。それじゃ行くぜぇ。チャォ!」
「そんじゃな!」
そう言って二人はオーロラカーテンの向こうへと消えていった。
「それじゃ、クロノス・・もう一度、この世界はやり直すことに成る。つまりは、これまでの歴史は変わり、シンフォギアとのつながりは消える。君一人となるだろう。その際にシンフォギア装者は消えるだろう。この俺も、必要もない・・。この世界で時の管理はもう必要ないだろう。俺は再誕した際に因子を持ってしまったから、織斑一夏となるだろう。だから、これが終われば神の力を失い、ただの一人の男へと戻り、俺自身の世界で生きていく。また俺自身の、世界の歴史を見ることになるさ。」
「俺も織斑一夏らしいからな。俺自身の時を紡ぐ。歴史に俺を刻むよ。寂しいがな。」
首を振りながらも織斑一夏の因子としてこの世界をつなぐ意思を見せる。
「そうか・・。それじゃ、達者でな。」
「あぁ、それじゃぁな。」
拳を合わせてダインスレイフは消える。
そして、世界が光り、全てが再構成された。
◆
「鈴!レバニラ定食いっちょあがり!」
「了解!・・あいよ、レバニラ定食ね。・・あ、いらっしゃい。席は奥にね。二名様入ります!」
「はいよ、いらっしゃい!・・くぅ・・忙しいぜ。・・だが、悪くないな。」
そんな定食屋を営む二人の幸せな時。
コレは幸せを取り戻した【永遠】の世界。
本当の永遠はなくとも、今の幸せは永遠に続くと思いたい。
そんな日常。
◆
△
「立木そろそろ遅刻するぞ!?」
「大丈夫だって・・。あれ?」
騒がしい声が聞こえると思ったら叫び声がする。
「行かなくちゃ。一夏、言い訳を頼んだよ。」
「いや、俺も行くぜ。」
「分かった、一緒に行こう。」
走る二人はベルトをつける。
「「変身!」」
【カメンライド・ディケイド!】
【時を刻む・針と槍・・・チェンジ・クルスニク!】
二人のヒーローとなり、平和を守る存在となった。
それは未来の話。世界を壊して造り替えた【創生】の話。
△
〇
「エボルト―、ゲームしようぜ?」
「いいからアナザー・・お前はもう少しおとなしくしてろ。」
其処へ銀髪の少女が声をかける。
「クロノス・・おっと、今はエボルトか。そろそろ、新しいガシャットはできないか?」
「いいから、お前もおとなしくしてろよ!あー、もう!破壊衝動に身を任せて壊してぇ!!」
コレは【アナザー】と【世界を作り直した正義の味方】の話。
異常は収まり、ただの日常に変わった。
世界を巻き込んだ【クラック】や【スカイウォール】も存在しない。
ただ、少し騒がしい幸せの話。
〇
★
「・ち・・ま、・・か・ま・・」
「・・ん?」
意識が浮上するように目が覚める。声が聞こえる?
「一夏様!?大丈夫デスか!?どうかしたのデスか!?運ぶなら義体を使って運びますよ?」
「こんなところで寝ていたら、風邪をひいてしまう。切ちゃんが面倒見る羽目になるから起きて。」
「・・主として・・もう少し、しっかりしてほしい。でも、陽だまりは暖かいからわかる気もする。」
三人の少女がこちらを見ていた。それは・・
「あぁ・・、ごめん。転寝をしていたみたいだ・・、切歌、調、響・・。」
そして、向こうからは、
「おーい一夏!探したぞ?行くぞ、クリス!」
「もう、翼。そんなに大声出さないの。」
「姉さん、一夏さんの寝顔が見たかったの?」
「い、いや・・そう言う訳じゃ・・。あ、またからかってるな!?セレナ!」
そんな声が聞こえて笑ってしまった。
そうか・・彼女たちもそばにいてくれるんだ・・。
寂しくはないな・・。
でも、なぜ消えてないんだろう?装者は消えるはず・・。
そう思いながらも喜びをかみしめた。小さな奇跡を。
コレは【王様を選ばなかった時の王者】の話。
★
【アナザー】・・。特別な存在となったか・・。
あの世界は【アナザーライダー】が存在したが、それは消した。
しかし、世界に【アナザー】と言う因子が結びついたようで、それぞれの【異世界同位体】が存在したようだ。
是もまた世界が再構成した際に選んだ結果。
そして、アウターたる存在の求めた答えなのだろう。
資料をまとめ、研究室から出るといつも通りに騒ぎまくるオートスコアラーたちとキャロルにエルフナイン。
「どうしたんですかぁ?」「これは卑怯だゾ!?」
「地味に嫌がらせを!?」「ふふ、舞い踊りなさい。」
「あぁ、エルフナインめ!いやらしい位置へ!?」
「あはは、こう来ると読んでいましたから。」
そんな喧騒を聞きながらも空を見上げて呟いた。
あの日に昇華した体は、結局元に戻って人の身へ・・。
「・・結局は、神さえ知らない世界の未来がある。そう言う事だな。」
未来は、明日は、誰にも分らない。
神様さえも。
だから、みんなで作るんだ。
それぞれが望む未来の形を。
神様さえも知らないヒカリで歴史を刻む。
それが、答えなのだから。
FIN
以上になります。
長々、だらだらとすいませんでした。
また、何か機会があったら、ちまちまと書き溜めたいと思います。
では皆さんありがとうございました。
またどこかで。
チャォ!