再構成の新世界 融合世界『インフィニット・エターナル・ギア・ライダー』 作:金宮 来人
最近寒くなってきて、炬燵が恋しいです。
地元も急に冷えてストーブを出したりしているようです。
皆さんも、火事には気を付けてください。
そして、男子寮完成。
錬金術の応用とスコアラーたちの力で作るなら、そもそも材料さえあれば問題ないのだ。
「・・おい、明らかにデカくないか?これ一日で作ったのか?」
「時間経過の術式と補強の術式で作ったから、コンクリートさえ固まるのに時間を必要としない。それに、各設備の燃料はソーラーからの蓄電と外の海の海流を利用した水力発電。さらに海風を使う風力発電も込みだからな、まったく問題はない。」
「うわぁ・・、まるで老舗旅館みたいな外装じゃんか。竹藪の庭とかいる?」
「当然だな。衝立で目隠しをしなければ絶対に監視がある。故にそれで狭く感じる空間の利用だ。まずは設備の説明をしよう。中に入るぞ。」
そうして中に入り、建物内の地図を見る。
「入り口に館内通路や部屋の配置を看板で出すとか・・マジ旅館か?」
「おい、あそこ見ろ。内風呂と大浴場、露天と家族風呂まで書いてあるぞ!?」
「俺の知る限りは・・露天は知らんな?どういうことだ?それは覗きが出るんじゃないか?」
そう言って俺はスコアラーの方を見る。一歩前に出たのはキャロルだ。
「そこはオレが考えた。上空からは特殊ミラーで見えないが内側からは見える。ただのマジックミラーではなくて、錬金術式もあるから上空からは見えない。海の音は聞こえるが。衝立で外からは見えない仕様だ。空は見えるが高い位置でのガラスがあると言う事で正確には完全な露天風呂ではないが、十分にその雰囲気は楽しめるはずだ。打たせ湯に電気風呂、ジャグジーに薬湯まで用意したし、サウナと水風呂も完備している。これらはすべて完璧に管理してあるのでくつろいでくれ。」
「・・お前・・そこまでこだわる派だったか?」
「自分で一からやるならとことんまでする。」
「・・はぁ、そうか。」
俺は予想していた以上にキャロルの性格を勘違いしていたようだ。こんなことになるとは全く思わなかった。
「と言う事で、とりあえず部屋は好きに使ってくれ。明日からはここの看板に部屋の記載をするから、自己申告してくれ。」
「キャロル、何故おまえが仕切る!?」
「ここの指揮者はオレだ!ならば支配人として当然だ!」
「誰が支配人だボケェ!?いつからそんなことになった!?」
「作った時からだ!」
「がぁあああ!?なんでこんな性格になってんだよ!?愉快犯ではあっても実直なお前はどこに行った!?」
「そんな物、システム上の仕事に決まっている。」
「・・・。」
もうあきらめた。
そして、この男子寮の入り口には認証システムがあり、普通からキャロルが監視しておくそうだ。支配人としての義務だと言ってきかない。・・もう好きにしろ。
それから俺たちはそれぞれの部屋を選んでそこに名前を書いた。俺は入り口に近い部屋。アナザーは最も遠い部屋で、織斑はその真ん中だ。
「何でお前らこんなにスカスカなのに部屋をそんな配置に取る?」
「有効に使いたいからだろ。」
「面倒ごとになった際に一番被害がない場所だから。」
とりあえずは部屋でくつろいで風呂にも入り、一日を終える。
布団と畳は言っておけば干したりシーツを交換してくれるらしい。
俺は女将を雇った覚えなどは無い。
こんなことになったと学園長と生徒会長に報告すると、
「貴方たちが卒業したら来賓を受ける迎賓館にしましょうか?」
「お願いだから露天風呂とか使わせてもらえないかしら?入浴料とかお金は払うわよ?」
と言う事で受け入れられる。俺がおかしいのか?
正直、周りの当たり前のような態度に自信が無くなってきた。
憂さ晴らしに錬金術のバイクで大海原を滑走する。
途中でサメがいたが銛で一突き。バイクの後部に乗せて学園島に戻る。
海端で巨大なマグロ包丁を使いサメを解体する。
新鮮な身を刺身と湯引きにして、一人で食べる。
気が付いたミカが近くに来て食べてみたいというので二人で食い尽くした。
残りは身ではないのでよく細かく砕いて錬金術で栄養にして地面に埋めた。
後からミカだけずるいと言われたが、俺は知るかと放っておいた。
最近の俺は心がすさんできているようだ。
それから生徒会の仕事に授業、教師たちから生徒との距離感を相談されたりIS委員会からの依頼を断ったり、質問に答えたりといろいろとしていく。
「なんで俺だけなんだよ!?」
キレた。
俺はとうとうキレた。
耐えたと思う。
かなり頑張ったと思う。
それでも、もう俺ばかりに負担がかかる事でストレスが募るばかりだ。
発散してもすぐにたまるのでどうにかしないと八つ当たりでいろいろと問題を犯しそうだ。
どうにか理性で抑えてるが・・織斑もアナザーも手伝おうとも言わない。むしろ逃げている分俺の方に回ってきている。
アイツらに切れていいよな?
そう言いながらも俺は各所に回ることにした。
先ずはIS委員会のお偉方についてだ。
「先ずは挨拶を・・。IS委員会代表でもある会長の【トーマス・エンブリオ】だ。出身はアメリカだが、日本語はマスターしている。」
「それは楽なことで・・。男子生徒代表、イチカ・ダインスレイフです。」
そう言うとエンブリオは握手のために手を出してきた。
「まだ、貴方たちとなれ合うかはわからないので握手は遠慮します。」
そう言うと後ろにいたエンブリオの護衛らしき黒服がイラつきを隠しもせずに舌打ちをした。
「ガキが・・。大人をなめてんのか?」
「そっちこそ、この俺をなめているんだろ?」
「武器もないガキが・・なっ!?」
そう言った黒服のサングラスが二つに分かれて落ちる。
俺は椅子に支柱に使われていた鉄と炭素を合わせて鋼を作り、剣の形にして振り下ろした。
剣は黒服の眉間をかすめ、少し手首を返せば目をつける位置に構えていた。
「これでも?武器など、そこに物質があるだけでいくらでも用意できる。武器にしないなら酸素と水素を混合させて、一部の温度を急激に上げるだけで大爆発だ。上に居るのはお前らではない、この俺だ。そこを肝に銘じろ三流の雑魚が。」
そう言って俺は剣をその場で分解し、鉄くずに変えた。
「わかった、ミスター・ダインスレイフ。しかしこれでも昔は軍に居たし、幾度かの戦争は経験した。それなりに修羅場はくぐってきた私よりもあなたは上だと?」
「それこそ数が違う。俺はこのような『なり』だが、ガキではなく幾度も体を造り替えている。それこそ数百を超えた年齢だ。しかし、今回はどうやらこの世界に送り込まれる際に一番最盛期の体にされて送り込まれたようだ。我々三人が異世界から来たという報告は受けているのだろう?それは真実であり、並行世界の同位体を基本とした他存在という物だ。」
そう言って魔法陣を手元に造り、亜空間から本を持ち出す。
「俺がこのページの人間で、アナザーイチカは三ページ前、織斑一夏は十ページ先だ。その同じ小説の中にある短編集で同じ存在の主人公がいくらかの違いで存在すると仮定する。それが何らかの理由で同じ世界、本で言うなら同じページに集められたとする。それが今回の騒動であり、我々の存在だ。原因はあまり知らんがどうやら世界の統合が起きたと思われる。本に例えるなら隣のページ同士がくっ付いてしまったようなものだ。」
「・・あまり、理解ができてないようで申し訳ない。」
「そうだな話が長くなった。端的に言えば、1つ、俺は見た目の年齢ではない。2つ、俺達は特殊であり、攻撃を受けるなら反撃するが、基本的にはどうこうしてこの世界を何かするという訳でもない。ただそこに集まってしまっただけだ。3つ、俺達にあまり干渉するな。基本的にはIS学園の学園長と生徒会長、織斑千冬に任せるのが一番だということだ。」
「なるほど。ならば、我々はそれを各国に伝えよう。手を出せば火傷では済まないとな。」
「あぁ、そうしてくれ。・・だが、そういう風に友好的にするなら・・」
そう言って近づく。さっき握手をしようと出していたエンブリオの手を取り、引いて握る。
「手を出してもこうして握ることもやぶさかではない。」
「これは一本取られたな。では、これからもよろしく頼む。ミスター・ダインスレイフ。」
お互いににこやかに会合は終わった。
そして学園に帰ってから数日後、IS委員会より通知が届いた。
『男子生徒代表 イチカ・ダインスレイフ 彼の者をIS委員会代表の名のもとに【IS委員会名誉会員 兼 IS学園男子生徒代表役員】とし、生徒会長と同格の権限を与える。
さらに、それによってIS委員会はIS学園に所属する彼ら男子生徒に対し敵対行為を取る者を逮捕し法の下に罰する権利がある事を世界に発する。
IS委員会代表 トーマス・エンブリオ』
そんな発表があったことの通知が届いたのだ。
「・・だから、俺はなんで・・こんな風に大事に・・。」
疲れて生徒会室に戻ると肩を叩きながら、紅茶を入れてくれた布仏のやさしさが目に染みた。
「お疲れ様です。」
「おたがいに・・。」
俺達は結構分かり合える気がする。
では、また次回。