オルガ「前回の......あらすじ........だからよ.......。前回俺オルガ・イツカと五河士道は〈ラタトスク〉のサポートもあってなんやかんや有りながらも精霊の少女である十香の封印に成功したからよ......止まるんじゃねぇぞ.......」
士道「いきなり出落ちかよ!?」
オルガ「おお、士道じゃねぇか......。こんくれぇなんてことはねぇ.......」
士道「ってか何でいきなり死んでんだよ!?」
三日月「それは俺が話すよ」
オルガ「おお、ミカじゃねぇか、何気にあらすじに出るのが初めての」
三日月「うん、初登場。メタイ話、この小説のタグに(オルガが)一話一死ってあるけど今回オルガが死なないから作者があらすじでオルガを殺すってことにしたから」
オルガ「飛んだとばっちりうけてんなぁ俺」
士道「呑気に話してる場合じゃないだろ!取り敢えず第十話どうぞ!」
第十話 兎の少女
「........ふはぁ」
「.........」
あの一件から数日が経過した。復興部隊の手によって完璧に復元がされた校舎には、もう相当数の生徒が集まっていた。
そんな中士道は、気の抜けた息を吐き、ぼうっと教室の天井を眺めていた。斜め前にいるオルガは三日月と何気ない会話をしていた。
あのあと士道は気を失ってしまった。その後、目が覚めた士道はオルガとともに〈フラクシナス〉の医務室で入念にメディカルチェックを受けさせられたのだが_______気を失って以降、十香の姿を見ていないのだ。十香と話がしたいといっても叶わずじまいで終わってしまった。
あの日から士道の思考にはずっと引っかかるものがあった。
あの時、十香とキスを交わした瞬間、何か自分の身体の中に温かいものが流れ込んでくるような感覚を覚えた。
______あれは一体、何だったのだろうか。
「_____士道!」
「........っ。いきなり大声出してどうした?オルガ」
「どうしたって、こっちのセリフだ。お前だってどうしたんだよ。さっきからずっと声掛けてんのに、ぼーっとしてよ。」
「い、いやなんでもない。てかもうすぐホームルームだぞ」
「いいんじゃねぇの?どーせタマちゃん遅れんだしよ」
「お前なぁ」
と、そこで教室のドアがガラガラと
______一瞬、教室がざわめく。
無理もない。何しろあの鳶一折紙が、額やら手足やらを包帯だらけにして登校してきたのである。
三日前の戦闘は三日月が十香と戦っていたが、三日月がくる前に十香が折紙を攻撃していたのである。
「おはよう、
「おはよう」
三日月はいつものように挨拶すると、折紙は返した。
「お、おう、鳶一。無事で何より________」
気まずげに士道が言いかけたところで、折紙は士道の目の前で深々と頭を下げる。
「と、鳶一.........!?」
「______ごめんなさい。謝って済む問題ではないけれど」
後に聞いた話によれば、十香を狙った一撃は、折紙が放ったものだったらしい。恐らくそのことを詫びているのだろう。
「.......なぁ、五河、お前鳶一になんかしたのか.......?」
「しとらんわ!してたら俺が謝る方だろうが!」
「じゃあオルガ、五河なんかやったか?」
「へ?いやなんもやってねぇんじゃねぇの?」
訝しげな視線を送ってくる殿町に突っ込みを入れると、折紙に視線を向き直した。
「い、いいから、取りあえず頭を上げてくれ......」
士道が言うと、折紙は案外素直に姿勢を戻す。
「.......分かった」
そう言うと折紙はそのまま士道の横を通り過ぎ、隣に立っていた三日月の腕にぴたりとくっつく。
「.........は?」「..........え?」
予想外の折紙の行動にクラスの面々の目が点になる。三日月は頭の上にはてなを浮かべたが、気にする素振りも見せず、そのまま折紙に声をかける。
「怪我、大丈夫なの?」
「問題ない」
「そう、ならよかった」
短い会話だったが、この間に士道含め、クラスの面々は
「えっ三日月くん、鳶一さんと付き合ってるの!?」
「いやでも、さ、流石にただの友達なんじゃ」
「友達であれはないでしょ!」
ご覧の通り女子は盛り上がり、一方男子は
「「「「「す、すげぇよ、
口を揃えて感嘆の声を上げた。
女子が恋バナに花を咲かせ、男子は呆然と三日月と折紙を見ている間に扉が開かれる。
「はーい、皆さん席についてくださーい」
タマちゃん先生が教室に入ってくる。タマちゃん先生の言葉で続々と席に着いていく。すると、タマちゃん先生がやたら元気そうに声を出す。
「そうそう、今日は出席を取る前にサプライーズがあるの!______入ってきて!」
言って自分の入ってきた扉に向けて声をかける。
「ん」
とそれに応えるように、そんな声がして。
「な......」
「は......!?」
「........」
「______」
「______今日から厄介になる、夜刀神十香だ。皆よろしく頼む!」
◆
「シドー!オルガ!クッキーというを作ったぞ!」
腰まであろうかという夜色の髪をなびかせながら、容器を手にし、士道とオルガの目の前にズイッと出してくる。
「と、十香」
「.......や、その」
言いたいことは色々あったが、その眩しすぎる笑顔に、何も言えなくなってしまう。
「そんなことよりも、二人とも。これを見てくれ!」
容器の中には歪な形だったり、所々焦げていたりはするものの、まぁ辛うじてクッキーと呼べることが出来なくもない物体が入っていた。
「おお、こいつは......」
「うむ、皆に教えてもらいながら、私がこねたのだ!食べてみてくれ!」
士道とオルガは、言いしれぬ殺意が向けられるのを感じた。
単純に______教室中から、男子たちの怨嗟に満ちた視線が注がれたのである。そうなるのも無理はない。何故なら女子から手作りクッキーをいただくなどというのは、他の男子からは嫉妬の的である。
一方、三日月は_______
「私が作った。食べて欲しい」
「いいよー」
折紙からクッキーを貰って食べていた。三日月も同じような視線を向けられていたが、特に気にする様子もなく、手作りクッキーを口に放り込んでいた。
◆
十香が転校して以降、折紙と険悪な仲だったのだが、三日月の仲裁もあって十香も学園生活を楽しんでいるようだった。その間にも士道とオルガは何度か巻き込まれたが。
最も二人は、
片や、世界を殺す災厄と呼ばれた『精霊』
片や、陸上自衛隊・
という人間の領域を遥かに超えた、規格外の異能を有する少女だった。そのため二人の喧嘩は口喧嘩という可愛いものではなかった。
実際一ヶ月前まで、何の比喩でもなく命のやり取りをしていた二人だ。すぐに仲良くなるというのは無理と言えば、当然のことであった。
まぁそれを止めに入る、三日月のバルバトスも似たようなものだが......。
「ん........?」
自分の阿呆さに溜息を吐こうとした瞬間。顔を上にやった。
突然、ぽつんと雨が降ってきた。いつの間にか空がどんより曇っていた。
「雨かよ。天気予報だと晴れって言ってたじゃねぇか」
最近的中率の低い気象予報士に恨み言を呟く。慌てて、小走りで家へと急ぐ。
しかし、雨はみるみるうちに激しさを増していった。
「おいおい、マジかよ.......」
士道にとっては、服が貼りついて気持ち悪いとか、風を引いたら嫌だなという思考より先に制服が明日まで乾くかという思考のほうが先に来た。
できるだけ濡れぬように、無駄な努力をしながら、自宅への道を走る。
だが、丁字路を右に曲がったところで。
「あ........?」
ふと、前方より気になるものが現れた。
「女の子........?」
目の前に現れたのは可愛らしい意匠の施された外套に身を包んだ、小柄な少女だった。
顔は窺えないが、ウサギの耳のような飾りのついた大きなフードが、顔をすっぽりと覆い隠していたからだ。
さらに左手にはコミカルなウサギ形のパペットが装着されていた。
そんな少女が、楽しげにぴょんぴょんと飛び跳ねていた。
「なんだ........?」
士道は、眉をひそめてその少女を凝視した。
なぜ少女は、こんな所で飛び跳ねているのかということは気になる。
しかしそこは問題ではなかった。
それよりも自分はなぜ______あの女の子に、目を引かれたのだろうか。そんな、疑問が脳裏をよぎる。
雨の冷たさも、濡れた衣服のことも気にならなくなっていた。
ただ、冷たい雨垂れのカーテンの中、軽やかに踊る少女に目を釘付けにされ______
________ずるべったぁぁぁぁぁぁぁんッ!
「........は?」
.......盛大に女の子が、コケた。
顔面と腹を思いっ切り地面に打ち当て、辺りに水しぶきが飛び散る。ついでに彼女の左手からパペットがすっぽり抜け、前方に飛んでいく。
うつ伏せになり、そのまま動かなくなる。
「........お、おいッ!」
士道は慌てて駆け寄ると、その小さな身体を抱き抱えるように仰向けにしてやった。
「だ、大丈夫か、おい_______」
そこで初めて少女の
と、そこで少女が
「あぁ.......よかった。______怪我はないか?」
士道が少女に問うと、彼女は顔を真っ青に染めて目の焦点をぐらぐら揺らし、士道の手から逃れるようにぴょんと跳び上がった。そして距離を取ると、全身を小刻みに震わせ、士道を怖がるような視線を送ってくる。
「......ええと、そ、そのだな。俺は_______」
「.......!こ、ない、で、........ください.......っ」
「え?」
「いたく、しないで......ください.......」
少女は怯えた様子で言ってくる。士道が自分に危害を加えるように見えるのだろうか、その様は、まるで震える小動物のようだった。
「ええと......」
対応に困る士道は、そこで地面に落ちていたパペットに気が付いた。
先程少女の手から抜け落ちてしまったのだろう。
「これ.......君のか?」
「.......!」
すると少女は目を大きく見開き、少し近づくのを躊躇うが、士道に近づき、パペットを奪い取り、それを左手に装着する。
と、そのとき_______
「______士道?」
後方からいきなり声をかけられる。
声のする方を振り向くと、そこには黒い傘をさした三日月の姿があった。
「何してるの?」
「あ.....いや、これは」
と、思わず言葉を詰まらせる。三日月になんと話せばいいのだろうか。土砂降りにも関わらず、この場にいるのは不自然なことだと、思われるだろう。
「......あ」
すると士道は三日月にあることを思い出した。
「そういえば、三日月。クラス委員長の仕事は終わったのか?」
「うん」
短く頷く。三日月は士道たちのクラス・二年四組でクラス委員長をしている。今日は委員長としての仕事があったため三日月は学校に残っていたのだ。
「帰らないの?予備の折りたたみ傘あるから貸すよ」
「あ、あぁ、悪いな」
士道が立ちあがると、少女を一瞥し、
「転ばないように気を付けろよ」
踵を返し、走り去っていった。
少女は走り去っていく士道の姿を見つめていた。
◆
天宮市のとあるカフェにて
「.......ん」
男はコーヒーカップを手にしながら、窓の外を眺める。外を見やると、雨がぽつりと降り始めた。
「........雨.......か」
呟くように言い放つ。先程まで晴天だったというのに、急に降り始めるとは運がない。
すると男の目の前に座っている長髪の男が口を開いた。
「______
「_______よかったとは何がだ?」
コーヒーを一口啜ると、長髪の男を見やる。
「いえ、
「問題はない。アレの輸送には時間がかかる。先に我々がこの町に来ても問題ない」
そのようなこと彼にとっては些末ごとに過ぎない。実際輸送に時間がかかるのは上からも伝えられていたことである。
「それに______」
男は切り出すと、もう一度コーヒーを啜り、コーヒーカップを置き、
「それに、我々には使命があるからな。精霊を
と、金髪の男________マクギリス・ファリドは言った。
どーもどーも、毎度お馴染み宮本竹輪です。
今回の投稿は前回より、早かったですが、やはり期間が空いてしまいました。一応タグに不定期更新とつけましたが、自分的には早く更新したいものです。
さて、話は変わりまして最新章『四糸乃アグニカ』編が始まりました。ほんへをご覧頂いた方でも見てない方でも一部の人はアグニカという単語で察したはずです........。
まぁ誰が登場したかは本編を見ていただければ分かります。
それと、先日おこなったアンケート結果ですが、四糸乃の封印をオルガがすることになりました!投票してくれた方々ありがとうございました!
よければ、高評価とお気に入り登録、感想をお願いします!
それではここら辺でさよなら~。