デート・ア・オルガ   作:宮本竹輪

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琴里「前回までのあらすじ。転生した鉄華団団長、オルガ・イツカは、雨の中、一人で失くしたパペットを探す、よしのんこと四糸乃との再開を果たし、彼女のヒーローになってみせると誓った」

士道「おっ!今回は珍しく早い投稿だな」

琴里「まぁね、ここ最近なんて半年とか一年以上、失踪してたぐらいだからね。空いたのが一ヶ月だけだから随分と早く感じるわ。でも士道、知ってる?」

士道「ん?どうした、琴里?」

琴里「四糸乃編に入ってから、ずっとこの作品の投稿ペースって一ヶ月に一回なのよ。今まで大分空いてたから今回は早いと思ったかもしれないけれど、このペースって作者が四糸乃編に入ってからのペースに戻っただけなのよ……」
  
士道「……そういやそうだったな。というか、オルガと三日月はどうしたんだよ?いつもだったらここで前回のあらすじを紹介してるけど、今日はここに居ないぞ?」

琴里「オルガたちなら、『鉄血のオルフェンズ』の特別総集編の方に行ったわ。丁度、これを投稿した日が番組の放送日に被ったみたいでね」

士道「ちょっと待て!それはあんまり触れちゃいけないようなことな気がする!」

琴里「まぁ、いいわ。前置きはここまでよ。それじゃ第十八話スタート!そういえばデート・ア・ライブのアニメ4期も始まったわね」

士道「だからそういう裏の話は辞めておけ!」



第十八話 注文の多い鳶一家

「ここ……だな」

 

左手に菓子折の入った紙袋、右手に地図の描かれたメモ用紙を持った三日月は、目の前に聳えるマンションを見上げた。

 

「……オルガの命令じゃなきゃ、こんな仕事やってない」

 

『しょうがないでしょ。彼女とまともに話せるのなんてあなたぐらいなんだから』

 

三日月がぼやくと、右耳のインカムから琴里の言葉が聞こえてくる。

 

そう___三日月は今、鳶一折紙の自宅があるマンションを訪れていた。

四糸乃が消失(ロスト)した際の映像を丁寧に洗ってみたところ、帰投する寸前、折紙がパペットをその場から持ち去ったことが判明したのである。

それを入手するために数日前に折紙に連絡を取り、家に招いてもらうことになった。

 

本来であれば、パペットを取り返すのは、四糸乃と対話をしているオルガに任せるべきなのだが、あいにく折紙と面と向かって話ができるような人間は、三日月ぐらいしかいなかったのである。

 

だが、三日月が折紙の家に行く気があまり進まないという気持ちもオルガは分からなくもなかった。

 

折紙は4月21日、士道と十香の初デートの日に一度()()()()()()

家族に手を出そうとする者は誰であろうと許さない性格の三日月にとって、折紙は士道の仇なのである。

だからこそ、家族を一度手に掛けた折紙の家に行くということに、三日月は、どうしても気が進まないのであった。

 

「……オルガが言うんだからいいけどさ。というか、パペットを取り返すのなんて俺じゃなくて〈ラタトスク〉なら……」

 

『……やったわよ、とっくに』

 

それぐらいのこと簡単にできるでしょ、と言いかけたところで琴里の溜め息が聞こえてくる。

 

『数日前から三度に渡って潜入を試みたけれど、全部失敗したって言ってるの。___部屋中に赤外線を張り巡らされてるわ、催涙ガスは噴射されるわ、要所にセントリーガンまで設置されてるわで、うちの機関員6人が病院送りよ。一体何と戦っているの彼女は?』

 

「何それ?めんどくさ」

 

『数にものを言わせて強引に押し入ればもちろん奪取は可能でしょうけど__向こうからお誘いいただけるなら、それに越したことはないじゃない?』

 

「まぁ、確かに」

 

正直あまり気が進まない仕事だったが、オルガの命令と〈ラタトスク〉の一人として、精霊を救う為に必要な仕事ならば仕方がないことだ。

それに__三日月自身、折紙ときちんと話しておきたいこともあった。

 

マンションの自動ドアをくぐり、エントランスに設えられている機械に、折紙の部屋の番号を入力すると、すぐに折紙の声が聞こえてきた。

 

『だれ』

 

「三日月。三日月・オーガス」

 

『入って』

 

そう名乗ると、すぐさまエントランス内側の自動ドアが開く。

三日月は、マンションに入り、そのままエレベーターに乗って六階まで上がり、指定された部屋番号の前に到着した。

 

「んじゃ、よろしく」

 

『ええ。任せてちょうだい』

 

言うと、琴里がそう返してくる。そして呼び鈴を鳴らすと、すぐさま折紙が玄関で待ち構えていたかのようなタイミングで、扉が開かれた。

 

「ごめん。何その格好?」

 

琴里に言われた通りの軽い挨拶を言おうとしたが、玄関から出てきた折紙の姿を見て、三日月は首をかしげた。

 

ここは鳶一家。折紙がどんな格好をしていようと、それは彼女の自由だ。

だが今の折紙の姿は、さすがに予想外のものだった。

 

濃紺のワンピースに、フリルの付いたエプロン。頭には可愛らしいヘッドドレス。

そう、今彼女は、頭頂から爪先まで、完璧なメイドさんスタイルだったのだ。

 

三日月に言われ、折紙は、不思議そうに自分の装いに目を落としてから、首を傾げる。

 

「きらい?」

 

「いや、別に」

 

「なら、入って」

 

質問に短く返すが、折紙は気にする素振りも見せず、そのまま三日月を部屋に招き入れた。

 

「お邪魔します」

 

ノブを掴んで扉を閉め、靴を脱いで部屋に上がると、三日月は眉を潜めた。突然インカムから、ノイズのような音が鳴ったのである。

 

『く……っ、まさ__ジャミング__三___、通__ない__、なんとか__』

 

そこまで聞こえたところで、ぷつん、と音声が途切れ、何も聞こえなくなる。

 

「ジャミング?」

 

「どうしたの」

 

「いや、なんでもない」

 

「そう」

 

折紙にそう言って廊下を進んでいく。

 

琴里の言った通り、鳶一家には色々と細工が施されているらしい。恐らくそのせいで、ここでは通信ができないらしい。もしかしたら、カメラも同様に操作不能になっているかもしれない。

今は〈フラクシナス〉との通信が取れない以上、三日月一人でこの任務を成功させねばならなくなってしまったということだった。

 

そして、折紙に促されるままに、リビングに足を踏み入れる。

 

「……ん?なんだ、この匂い……」

 

と、リビングに入った瞬間、ふわっと甘い香りがした。

 

「ねぇ、折紙。この匂いなに?」

 

「お香を炷いている」

 

「ふーん……」

 

「座って」

 

言われて、リビングの中央に置かれていた背の低いテーブルの前に座る。

 

「…………」

 

そして、三日月が座ったのを見届けてから、折紙も腰を落ち着けた。

三日月の、すぐ隣に。

 

あまりにも距離が近かったので、折紙から少し離れた位置に座ろうとする。

すると、折紙も離れる前と同じ距離感で近づき、すぐ隣に座ってきた。

 

「………………?」

 

「なに」

 

「……いやなんでもない」

 

三日月は涼し気な顔で、隣に座ってきた折紙を見ると、折紙が不思議そうに首を傾げる。

一瞬、なぜ隣に座るのか聞こうとも思ったが、言ったところでこの状態は変わらない気がしたので、もうあまり気にしないことにした。

 

「あのさ」

 

短く切り出すと、三日月は気になっていたことを口にした。

 

「一つ訊きたいことがあるんだけど」

 

「なに」

 

「アンタ、精霊が嫌いなんだろ。なんで嫌いなの?」

 

「……………」

 

三日月がその言葉を発した瞬間、折紙の雰囲気が変わった気がした。

 

「なぜ」

 

折紙は、三日月の目を見ながら問うてきた。

 

「いや、別に。前に聞いて単純に気になっただけだよ」

 

はっきり言って、三日月にとって折紙は敵であり仇でもある。状況次第では潰さなければいけない人物である。

特に必要ない情報ではあるが、三日月が持っていた純粋な疑問だった。

 

「精霊は現れるだけで世界を壊す。そこに『居る』だけで世界を殺す。あれは害悪。あれは災厄。生きとし生けるものの敵」

 

「…………」

 

「___私は、忘れない」

 

無言で見る三日月の横で、さらに言葉を続けていく。

表情も、抑揚も、何も変わっていないというのに、その言葉には折紙が持つ精霊への怒りを三日月は感じ取った。

 

「五年前、私から両親を奪った精霊を」

 

「五年前…………もしかして、それって南甲町での火災のこと?」

 

「知ってるの?」

 

「うん。なんとなくだけど、覚えてる。あの日のことは」

 

折紙の質問に三日月は、小さく頷いた。

現在、三日月が住んでいる家から、南甲町は少し離れているのだが、そこにはかつて五河一家が住んでいた家があったため、遊びに行く機会が何回かあったのだった。

 

「公式には伏せられているけれど、あの火災は__精霊が起こしたもの」

 

「…………そうなんだ」

 

三日月は間を空けて小さく返す。

 

「その身に、真っ赤な炎を纏った精霊。私は__あの精霊に全てを奪われた。絶対に許さない。精霊は、全て私が倒す。もう、私と同じ思いをする人は、作らせない」

 

静かな、しかし強固な意志を思わせる声でそう言い、折紙はくっと拳を握った。

 

「そして、無論それは___夜刀神十香も例外ではない」

 

「へぇ…………」

 

折紙が発した言葉に、眉根を寄せた。

 

「彼女は今、精霊とは認められていない。でも、私は彼女の存在を許容できない」

 

「ふぅん……」

 

「それに、私の敵は精霊だけではない」

 

そう言うと折紙は、三日月のことを真っ直ぐ見つめて言い放ってきた。

 

「それは___ガンダム・バルバトス」

 

折紙が放った言葉に目を細める。

 

「恐らく貴方も見たはず。4月20日、あのとき現れた。巨大なロボットの姿を」

 

「……あーアレか」

 

見たというより、バルバトスに乗っているのは三日月だが、敵に正体を明かすわけにもいかないので、ここは大人しく話を合わせておくことにした。

 

「アレもアンタたちの敵?」

 

「そう」

 

三日月の問いに、折紙は抑揚のない声で続けてくる。

 

「……?どうかした?」

 

「丁度いい機会。私もあなたに訊きたいことがある。つかぬことを訊くかもしれない」

 

「なに?」

 

「…………っ」

 

その言葉に三日月が首を傾げて、折紙がじっと見つめ、声を発しようとした、その時である。

 

 

ウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ________

 

 

と、外から空間震警報が鳴り響いた。

 

「警報……?」

 

「…………」

 

折紙は数瞬の間黙りこくると、小さく息を吐くと立ち上がった。

 

「___出動。あなたは早くシェルターへ」

 

それだけ言って、折紙は廊下に出ていった。一人部屋に残されて三日月は呆然としていたが、

 

「……とりあえず、パペット探そ」

 

そう小さく口にした後に、その場から立ち上がると、リビングを後にした。

 

 




どーも毎度毎度お久し振りです、竹輪です。
今回も約一ヶ月以上空いてしまいました、申し訳ございません!学校が色々忙しく、最近になってようやく小説の書き方思い出してきました。

色々とぐだぐだしてる間にデアラ4期と鉄血のオルフェンズの特別総集編が始まってしまいましたね。自分は、ココ最近総集編のOPと4期の『OveR』を無限に再生しています。果たして、4期のアニメが終わる前に四糸乃編終わらせることできるんでしょうか……。

なるべく早めに次回を上げます(というか上げたい)ので、暖かく見守って頂けると幸いです……。
それではまた次回をお楽しみに!
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