士道「戦いに巻き込まれた俺たちは気絶してしまう。そして目覚めた場所は・・・フラクシナス?という場所だった。なぁオルガ、フラクシナスって何のことだ?」
オルガ「分かんねぇ、俺たちが目覚めた場所としか台本に書いてねぇけど」
士道「台本ってなんだよ!」
オルガ「まぁ、今回登場する司令という方がまた詳しく説明してくれるはずだから安心しとけ。それじゃ、第四話スタート!」
士道「なぁオルガ、前回司令が誰か出てたけど」
オルガ「シーッ、言わなきゃばれへん」
「___でこれが精霊と呼ばれてる怪物でさっき
「ちょ、ちょっと待った!待った!」
説明を始めた琴里に士道は声を上げた。
「何よ?折角司令官直々に説明してあげてるのに。もっと光栄に咽び泣いたらどう?今なら特別に足の裏くらい舐めさせてあげるわよ?」
「ほ.....ッ本当ですか!?」
喜んで声を上げたのは、琴里の隣に立っていた神無月だった。琴里は即座に、「あんたじゃない」と鳩尾に肘鉄を放つ。
「ぎゃぉふッ.....!あ、ありがとうございます.....!」
神無月は満足げに倒れた。そんなやりとりを眺めながら、士道とオルガは呆然としていた。
「・・・・こ、琴里・・・・だよな?」
「あら、妹の顔を忘れたの、
「呼び捨てかよッ!」
「物覚えが悪いとは思っていたけど、さすがにここまでとは予想外だったわね。今から老人ホームを予約しておいた方がいいかしら」
果たしてどうなっているのだろうか。そう思いながら、士道とオルガは頬に汗を一筋たらした。
士道とオルガの可愛い妹は、お兄ちゃんたちのことは呼び捨てにしないはずだが。
「お前、何してんだ?ここどこだ?それに___」
琴里が、はいはい、と言いながら手を広げて士道の言葉を止めさせる。
「とにかく、詳しいことはまた後で説明してあげるから、次のことだけ理解しなさい。」
言って、琴里が艦橋のスクリーンを指さす。
そこには、先程士道とオルガが遭遇した黒髪の少女と、巨大なロボット、機械の鎧を纏った人間たちが映し出されていた。
「一つ、彼女は、精霊。本来この世界存在しないモノであり____出現するだけで己の意思とは関係なく、辺り一帯をどーんと吹き飛ばす。」
「どーんと.....」
オルガは渋面を作った。
すると、琴里が「頭、悪いわね」とかたをすくめる。
「つまり、空間震って、呼ばれてる現象は、彼女みたいな精霊が、この世に現れるときの余波だって言ってるのよ」
「「な___」」
士道とオルガは眉根を寄せた。
空間そのものが揺れる空間の地震。空間震。
人類を、世界を蝕む蝕む理不尽極まりない災害。
先程の空間震もあの少女が引き起こしたというのか____?
「二つ目、これはAST。陸自の対精霊部隊。精霊が出現したらその場に急行し、処理する。要はぶっ殺す」
「・・・・・ッ!」
「なんだと・・・・!?」
別に琴里の言葉を予想していなかったわけではない。だが、いざその言葉を聞いた途端に士道とオルガは心臓を掴まれるような感覚が襲った。
士道とオルガは琴里の言っていることは理解できた。精霊。確かに人類にとっては空間震を引き起こす危険な存在ではある。
そのとき、ふと、士道の脳裏に先程の少女の台詞が浮かんできた。
(____おまえも、私を殺しに来たのか?)
少女の言葉の意味が理解できた。
そしてあのときの顔の意味も。
「三つ目、あなたたちが見た巨大なロボット。モビルスーツ。これは元々対精霊用に作られた兵器。まぁ今回はASTはモビルスーツを出してはいなかったけど。あなたたちが見たのはガンダムバルバトス。通常のモビルスーツとは異なるガンダムと呼ばれてる機体よ」
「......」
オルガは先程の情景そしてを思い起こす。悪魔のように戦うロボット、ガンダム。
だがオルガの中で違和感が引っかかる。
オルガは琴里に問う。
「待ってくれ、んじゃあなんで本来対精霊用に作られたモビルスーツがなんで精霊を庇っているんだ・・・・?」
オルガは表情を歪めながら言うと、琴里は興味深そうにあごに手を当てた。
「まぁ、確かにその点については気になると思うわ。なんで本来精霊を倒すために作られたはずモビルスーツが庇ってるということね。それはバルバトスを《ラタトスク》が所持しているからよ。」
「んじゃあ、パイロットはどうなる?あんなにデカいやつを器用に動かせるやつがいないとバルバトスはあんな速い動きできねぇだろ。あれを____」
「皆まで言わなくても分かるわよ。つまり、あんたはバルバトスのパイロットが誰なのか、聞きたいのね。それなら、そこにいるじゃない。」
「ん?」
琴里は隣にいる少年を指さす。
それは士道とオルガの親友である、三日月・オーガスだった。
三日月はこちらを振り向いた。
「.....ミカ?あれはおまえが動かしていたのか?」
「うん」
三日月はオルガの質問に対し、短くこたえる。
「ええ、三日月はガンダムバルバトスのパイロットよ」
「.....」
オルガは頬に汗を一筋たらした。
まさか、自分の親友があのロボに乗り込んでいるなんて思ってもいなかった。
「三日月、お前」
「なぁ、ミカ」
「ん?」
オルガが口を開き、三日月はこちらを振り向く。
「お前も精霊のことは知ってガンダムに乗っているのか?」
「うん」
オルガの質問に対し、またも三日月は短く答える。そして三日月は続ける。
「俺はあれを見たとき助けたいって思った。自分の意思でもないことで怯えているのを見て放っておけなかったから」
三日月はオルガの目をじっと見つめて言う。
すると士道が口を開いた。
「・・・な、なぁ三日月」
「どうしたの?」
「お前と琴里ははいつ精霊のことを知ったんだ?」
「それは・・・」
「はいはい、その話はまた今度にして、次よ」
三日月が答えようとした途端琴里に遮られてしまった。
そのまま琴里が続ける。
士道は少し腑に落ちなかったが、そのまま琴里の話を聞いた。
「四つ目、精霊の対処方法にはASTのやり方の以外にもう一つあるわ。それには士道とオルガの力が必要不可欠なの」
「「え?俺たち?」」
士道とオルガは互いの顔を見る。
三日月のことについては聞きたいことは山ほどあったが、なんとかこらえて、話を進める問いのみを士道が発する。
「・・・・んで、その方法ってのは、何なんだよ」
言うと、琴里は小さく笑みを浮かべた。
「それはね」
そしてあごに手を置き、
「精霊に____恋をさせるの」
「「......はい?」」
◆
「だ~か~ら~、さっきから言ってるでしょ!あんたたちはコンタクトして、精霊に恋をさせなさいって!」
「いやだから、なんで精霊に恋をさせれば、空間震が無くなんだよ!大体この組織が俺たちの為に作られたってどういうことだよ!?」
「あんたたちは特別なの!」
「......何これ?」
「......さぁな?」
オルガは琴里の話したことの意味が分からず、琴里とオルガはケンカをしていた。
士道と三日月は二人のケンカを見ていた。
なぜこうなってしまったかというと、それには先程の琴里の言葉の続きにあった。
二つ目の精霊の対処方法は、対話によって解決させるということ。ASTが武力での対処ならば、《ラタトスク》は対話による対処だ。
だが、問題はここからだ。その対話の手段がまさかの『精霊に恋をさせる』というものだった。
そして〈ラタトスク〉はなんと士道とオルガのために設立されたというのだ。
士道とオルガはなぜなのか、納得はいかず、オルガが琴里にそのことを話した結果現在に至る。
琴里がオルガにビシッと指差す。
「いいから覚悟決めなさい!このカミキリムシ!とりあえず、精霊をデートしてデレさせるのよ!」
「いやだからって.....」
「あなたの意見は聞いてないの。返事はYESだけよ」
「.....ぐっ」
さすがにそう言われ、オルガもぐぅの音も出なかった。
オルガは壁を向いた。そして軽く、壁を蹴る。
オルガは小声で不機嫌そうに口を開いた。
「.....ほんっと上から目線だよな」
「.....はぁ、オルガ」
琴里は息を吐くと、司令席から立ち上がり、背中を向けているオルガを呼んだ。
「.....なんだよ」
不機嫌そうにオルガは振り向く。すると....。
琴里がオルガの頬を殴った。
「ぐはっ!」
オルガはそのまま後ろに倒れ込み、いつもの台詞を言う。
「・・・・・だからよ、止まるじゃねぇぞ・・・」
「司令の悪口を言った罰よ。少しは反省しなさい」
琴里は倒れこむオルガを一瞥し、士道を見ながら言う。
「士道」
「お、おう」
「どうするかは、あんたの自由だけど、あの子を助けたいのならば、手段は選んでいられないんじゃないの?」
琴里は不適な笑みを浮かべる。
実際その通りだった。
ここまでされたら、士道に逃げ道はなかった。
だが士道はもう一度あの少女と話をしたかった。
もしもなんの後ろ盾を持っていない士道が、少女と話したくても、無理な話だ。
だが、ASTのやり方は論外だったし、この方法以外にないのも事実だった。
そのとき、士道は決意した。
「(もう、あの子にあんな顔させたくない)」
「.....わかったよ」
士道は苦々しくうなずくと、琴里は満面の笑みを作った。
「____よろしい。んで、さっきから倒れてるあんたはどうすんの、オルガ?」
すると後ろのオルガが体を起こした。
「......はぁ」
オルガは一つ大きな溜息を漏らし、そして声を張り上げた。
「あぁ解ったよ、救ってやるよ!どうせ他に方法がねぇんだ、救ってやろうじゃねぇか!途中にどんな地獄が待ってようとあいつを救ってやるよ!」
「いいわ。さっきの発言は見逃してあげる。今までのデータから見て、精霊が限界するのは最短でも1週間後。早速明日から訓練よ。」
「は?くんれん....?」
士道は呆然と呟いた。
◆
「あぁそうだ、あなたたちちょっと待ちなさい」
「・・・どうした?」
士道たちが帰ろうとした途端に背後から琴里が声をかけてきた。
とっさに声をかけられ、士道たちは振り向く。
「あなたたちにもう一つ話さなきゃいけないことがあったわ」
「なんだ?」
士道が訊くと、琴里が話始める。
「オルガについてなんだけど。オルガあんた、さっき〈プリンセス〉の攻撃をまともにくらっていたわよね?」
「そういえば、オルガ大丈夫なのか?」
確かにあのときは色々あって気にしてなどいられなかったが、改めて考えてみると、なぜ精霊の攻撃をくらってまともに生きているのか疑問に思う。
「それについてなんだけど。あんたはあのとき一度死んでる」
「「......なっ?」」
琴里の発言にオルガと士道は目を白黒させる。
「.....俺が.....死んだ?」
「ど、どういうことですか!?」
何を言っているのだと戸惑いつつ令音に問う。
それはそうだ。誰しも自らが一度死んだなど急に切り出されても信じれるはずがない。
「.......君は既に一度死んでいる。安心してくれ。一度死んでいるとは言っても、本当に死んでいる訳ではない。」
「.....は、はぁ」
そう言われても、安心できなかった。自分が死を経験しているとなると少し恐怖を覚えた。
「........君の体は特殊でね。外部からの衝撃を受ける際に一度リセット・つまり一度死ぬ。君にも心当たりがあるんじゃないか」
「.....そんなこと、あ」
「心当たりがあるのか?」
「そういえば______」
今朝琴里に踏まれたとき、精霊の攻撃を食らったとき、先程琴里に殴られたときも意識がなくなったのである。
「......一度リセットされた君の肉体は自動的に君の体を癒す。最終的に君の体は完全に修復。それが君の体に備わっている能力だ。しかしその力は君の気力と体力が尽きなければ_____という話だがね」
「....いやいや、待ってくれ!なんで俺にそんな力があるんだよ!?」
「そんなの知らないわよ。だけどオルガのその力は精霊との対話にも使えるかもよ」
「それはどういうことだよ」
「あんたのその体質なら精霊の攻撃を受けても容易にコンタクトができるはずだわ」
「それは俺が盾になれってことか?」
「まぁそうとも捉えられるわね。でもあんたがあの子を救いたいって言ったんでしょ。だったらやって見せなさい」
「.....................」
なんか納得出来なかった。自分の生死がなんとかなるなどすこし納得いかない。
だが______精霊を救いたいという気持ちはオルガにとっても同じだ。
彼女のように悲しそうにしているのを見ていると、それが例え他人であろうと、救ってやりたい。
「......よし」
士道と同じ重い荷物を背負い込んでしまったが、一度決めたからには絶対救ってみせる。
オルガはそう深く心に刻んだ。
どうでしたか?ペースを考えていると、やはり一週間投稿ということになりました。
多分このペースで投稿すると思うので、これからも応援よろしくお願いしまする。
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