五等分の花嫁と五等分のジョジョ   作:Pに花咲かない

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第3話 獲者 その1

目の前に現れた黒服の男。

西部開拓時代のカウボーイを連想させる羽のついたハット帽を被り背中まで伸びる金髪が特徴的。彼の名前はロバート・E・O・スピードワゴン。

通常世界では食屍鬼街(オウガーストリート)でチンピラ集団のボスをやっていたがジョナサンと出会い共にディオ打倒に協力してくれ、アイズオブヘブンの世界でも幾度と助けられたジョースター家の人間には欠かせない人物である。

 

 

 

ジョナサン「君もこの時代に飛ばされていたのか!?」

 

スピードワゴン「そうだ!ディオの野郎に魂を奪われた時はマジで死んだかと思ったが、目が覚めたらこの時代に飛ばされていた!」

 

承太郎「やれやれだぜ」

 

ジョルノ「しかしこれでこの時代に飛ばされたのは僕たち5人だけという可能性は否定されましたね」

 

スピードワゴン「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

承太郎「……………………」

 

 

目の前に現れたスピードワゴンはどこかおかしかったことには5人はすぐに気がついた。マラソンランナーがフルマラソンを走り終わったかのように息を切らし顔は汗で覆われている。

 

 

ジョナサン「スピードワゴン、何があったんだ」

 

承太郎「………敵か?」

 

スピードワゴン「そ……そんなとこだ…お、俺にも何が起きてるのか…さ……さっぱりわからねえが…」

 

一花「ちょ、まーだいたのー?」

 

三玖「というか…1人増えてるし…」

 

仗助「悪い、もう少しだけ時間をくれないか?」

 

一花「え〜?そんなこと言われたって……」

 

ジョルノ「君ら2人は風呂場にいた彼女とは違い話がわかる人だ」

 

五月「だ れ が 話のわからない人なんですか?」

 

ジョルノ「…………………………」

 

 

一花と三玖の間からひょっこりと眉間にシワを寄せて五月が姿を現した。

 

 

五月「いい加減にしないと本当に警察を呼びますよ、不法侵入って理由で十分逮捕されるんですからね」

 

ジョルノ「やめてください、警察の方にまで怪我を負わせたくない」

 

五月「ちょ、この犯罪者予備軍!!」

 

 

ジョルノと仗助が5つ子の対処をしている反対の玄関前では片膝をついて息を切らしているスピードワゴンを囲むように他3人のジョースターが話を聞いていた。

 

 

ジョセフ「そんなことよりスピードワゴン!敵ってどういうことだよ!?吸血鬼か!?スタンド使いか!?」

 

スピードワゴン「わ…わからねえ、わからねえんだ。ただ…俺やジョースターさん達の敵ってことは間違いねえ!」

 

承太郎「この5人なら大体の敵は対処できる、安心しなスピードワゴン」

 

スピードワゴン「なら…1つ約束してくれ……」

 

ジョナサン「や、約束?」

 

 

スピードワゴン「今から来る敵が『どんな姿』をしていても、必ず倒してくれ」

 

 

承太郎「………なに?」

 

 

ピンポーン

 

スピードワゴンが発した言葉を理解できずに黙り込んでいた3人の静寂な空間を貫くように耳に入ったエレベーターの到着音。

そのエレベーターにスピードワゴンの言う『敵』が載っていることは簡単に想像がつく。

 

 

スピードワゴン「チッ!もう来やがったか!!気をつけろみんな!!」

 

承太郎「出てきた瞬間スタープラチナを叩き込むだけだ」

 

ジョセフ「吸血鬼なら、俺の波紋でチリにしてやっからよ!」

 

ジョナサン「待て!一般市民の可能性もあるぞ!」

 

 

ジョセフと承太郎は玄関を出てエレベーターの扉前に待機する。

ジョセフも承太郎も考えていることは同じだった。

エレベーターから出てくる奴を速攻でぶちのめせば終わり。とても単純だった。

 

 

ウィーーーン…

 

2人の視線の先にあるエレベーターの扉が静かな音を立てながらゆっくりと開いた。

 

 

ジョセフ「波紋疾走!!」

 

承太郎「スタープラチナ!!」

 

 

ジョセフは波紋を左手にまとわりつけ、承太郎はスタープラチナを出現させ右手を大きく振り上げた。

そして扉が腕を通るほどに開いた瞬間2人は自分の腕を扉の中へと突っ込み中にいる人物へと進ませた。

 

 

「うわーーーっと!!ストップストップ!!!!」

 

ジョセフ 承太郎「「!!??」」

 

 

エレベーターの中の人物は大声をあげて攻撃を止めるように呼びかけて来た。普通ならそんな言葉を馬耳東風してぶちのめせば終わる話なのはジョセフも承太郎もわかっていた。

 

だが…彼らはその人物の目の前で攻撃の手を止まらせた。

聞こえて来た声、そして扉の隙間から見えていたその人物の格好。2人には見覚えがあったからだ。

 

エレベーターから出てきた敵だと思っていた人物は意外な『姿』をしていたのだ。

 

 

 

ジョセフ 承太郎「「スピードワゴン!?」」

 

スピードワゴン「随分おっかない出迎えだなぁ!?ジョセフ 承太郎!」

 

 

エレベーターから出てきた人物は先ほど玄関前にいたはずだったスピードワゴンだった。

 

 

 

 

ジョセフ「おいオメエ!随分と笑えねえ冗談を言うじゃねえか!」

 

 

ジョセフは荒い足使いでエレベーター内のスピードワゴンの胸ぐらを掴みに行った。

 

ジョセフ「どういうトリック使いやがったぁ!?」

 

スピードワゴン「わ…笑えねぇ?ち…違う!」

 

承太郎「テメエ、随分とふざけた真似を——」

 

 

承太郎はその言葉を発しながら玄関の振り向いた瞬間その後に続く言葉を言えずにいた、承太郎自身も奇妙な光景に目を丸くした。

 

 

スピードワゴン「言っただろ!『どんな姿』をしていても必ず倒せと!!」

 

ジョナサン「中から出てきたのは…スピードワゴン……だって?」

 

承太郎「なっ…何ぃ!?」

 

 

息を切らしていたスピードワゴンはジョナサンと一緒に、玄関前にいた。

つまりどういうことか……という思考はすぐに吹っ飛びその場にいた3人はすぐに1つの答えを導き出した。

 

 

ジョナサン「スピードワゴンが2人だって!?」

 

ジョセフ「Oh!!No!!どうなっていやがる!!??」

 

エレベーターにいたスピードワゴン「見つけたぜテメエ!!みんなそいつから離れろ!スタンドで俺の姿に変装した偽物だ!!」

 

玄関にいたスピードワゴン「何言ってやがる!偽物はお前だろうが!!ジョースターさん!みんな!こいつに騙されちゃいけねえぜ!!」

 

仗助「随分とこっちが騒がしいっすね…ってどわぁあああああ!!!!???どうなってやがるこれは!!」

 

ジョルノ「スピードワゴンさんが……2人?」

 

エレベーターにいたスピードワゴン「仗助ジョルノ無事だったか!気をつけろ、先にお前達の前に姿を現したのは偽物の方だ!そいつを始末してくれ!」

 

玄関にいたスピードワゴン「断じて違う!偽物はあいつだ!どんな方法で俺になったかはわからないがとにかく敵であることは間違いねえ!」

 

 

 

スピードワゴン達は互いに指を指し合いながら偽物と言った、側から見れば双子の言い合いにしか見えないが奇妙な冒険をしてきた5人にとってはこのスピードワゴンがどちらかが敵でどちらかが本物であることはすんなりと理解できた。

 

 

 

エレベーターにいたスピードワゴン「俺の姿をパクリやがって!何が目的だ!」

 

エレベーターにいたスピードワゴンは玄関前に走り出しもう1人のスピードワゴンの胸ぐらを掴みながら玄関からリビングの方向へと連れて行った。

 

一花「うわうわ!何!?」

 

エレベーターにいたスピードワゴン「ゴメンよ嬢ちゃん達、少し家借りるぜ」

 

五月「もう他人は通しませんよ!!帰ってください!!」

 

五月はリビングの扉の前で仁王立ちをして進行経路を塞いだ。

 

玄関にいたスピードワゴン「どいてくれ!!」

 

ドカッ!!!!!!

 

五月「きゃ!!」

 

しかしスピードワゴン2人の特攻に耐えられるはずもなく大きく横に吹っ飛ばされてしまった。

 

五月「も……もう我慢できません!!警察呼びます!!」

 

ジョナサン「待て!待つんだスピードワゴン!!」

 

 

胸ぐらを掴み合っているスピードワゴンは玄関を抜けリビングへと足を運んだ。

 

バタン!!!

 

 

二乃「きゃあ!?またなんか変な奴が入ってきたわ!!もうなんなのよこのマンション!!」

 

四葉「双子さんですかね?まあなんにせよ喧嘩は外でお願いします!」

 

 

玄関にいたスピードワゴン「その言葉をそっくりそのままテメエに返すぜ、何者か答えやがれ!!」

 

エレベーターにいたスピードワゴン「ロバート・E・O・スピードワゴン!!」

 

玄関にいたスピードワゴン「それは俺の名前だ!!」

 

 

スピードワゴンの後を追いかけてジョースター5人と中野五つ子はリビングの中へと集結した。

 

 

ジョセフ「チッ!あれじゃあどっちかわからねえぜ」

 

仗助「並行世界からどっちも来てどっちも本物…ってことはないか」

 

ジョルノ「あり得ません、ファニー・ヴァレンタインが言ってたように並行世界の同じ者同士を合わせると消滅するからです、あーやって取っ組み合いは出来ないはず」

 

三玖「当たり前のようにこの家に戻ってきてるし……」

 

二乃「さっき出て行くって言ったわよね!?それなのにまた来て挙げ句の果てに仲間まで連れてくるってどういうこと!!??」

 

ジョナサン「ち…違うんだ!これが終わったらすぐに出て——」

 

五月「それは先ほども聞きました!!」

 

一花「あっ、後土足はダメだからね。ここ日本だから」

 

四葉「あわわ!そんなことよりあの双子さんの喧嘩止めないとぉ!!」

 

エレベーターにいたスピードワゴン「承太郎達に近づくんじゃねえ!」

 

玄関にいたスピードワゴン「こっちの台詞だ!ジョースターさん達にこれ以上近づくな!!」

 

 

「スピードワゴンが2人」「他人がまた家に侵入した」色々な出来事が重なり音楽も流れていないリビングがクラブハウスのようにうるさくなった、人の声が交わい続けそのザワつきが止まることはない。

 

 

承太郎「「やかましい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

 

しかし、1人の男による怒りを交えた大声によってザワつきが静寂の空間に速攻で変わることが出来た。

 

 

承太郎「ジョナサン ジジイ 仗助 ジョルノ、ひとまず状況を整理するぞ。どちらかが偽物であり、俺らの敵であることには間違いない」

 

ジョルノ「そ……そうですね」

 

 

一花「……ねぇ二乃、さっきの承太郎って人。ちょっとカッコいいって思ったでしょ?」

 

二乃「は…はぁ!?そんなワケないでしょ」

 

一花「いや、多分思ったね。頰も赤くなったし、口も緩んだ」

 

三玖「流石面食い」

 

二乃「アンタまで…黙っておきなさい」

 

二乃「…………………………………」

 

二乃(顔に出ていたかしら……いや、そもそも思ってないから!)

 

 

 

——————————————————————————

 

 

承太郎「まずお前ら2人に聞きたい、どうして俺たちがこの場所にいることがわかった?」

 

2人のスピードワゴン「「それは勿論」」

 

 

承太郎の目の先にいるスピードワゴン2人は自分のジャケットの内部に手を突っ込みある物を出した。

 

四葉「うわっなにあれ!?なんかピカピカ光ってるよ!?」

 

三玖「後……なんか見た目が気持ち悪い…」

 

 

それはこの世のどんなものにも例えることが出来ない奇妙な物、色は真っ白だが妙に黄色っぽい光で不気味に輝きを放っている。

 

 

2人スピードワゴン「「この聖なる遺体に導かれてきた!!」」

 

一花「あはは…この2人息ピッタリじゃん……」

 

ジョルノ「聖なる遺体……やはりこの時代にも転送されていたか…」

 

承太郎「聖なる遺体のことについては偽物をぶちのめした後に本物からゆっくりと聞いてやる」

 

承太郎「先に俺たちの前に姿を現したスピードワゴンをA、後からやってきたスピードワゴンをBとする」

 

仗助「えーっと…それじゃあどっちがAだ?」

 

スピードワゴンA「俺が先にアンタ達の前に姿を現した方さ」

 

スピードワゴンB「俺が後から追いかけてきた方さ」

 

仗助「あぁ、把握。右がAで左がBだな」

 

承太郎「先にやってきたスピードワゴンAは俺たちの前に敵だと伝えてその場で息を切らしていた」

 

承太郎「一方でBのスピードワゴンは息を特には切らしていなかった」

 

スピードワゴンB「当たり前よ!俺はエレベーターでやって来たからな」

 

承太郎「そう、Bの方はエレベーターでやってきた…つまり——」

 

二乃「あの、ちょっといい?」

 

承太郎「あ?なんだ」

 

二乃「さっきから偽物とか本物とか言ってるけどさ、普通に双子じゃないの?ドッペルゲンガーとか信じちゃってるのアンタ達」

 

ジョルノ「同じ顔、同じ背の高さ、同じ顔の傷、同じ服装、ここまで同じ双子はいませんよ」

 

一花「う〜ん、実はそうでもないんだなぁ…」

 

承太郎「………スピードワゴン、お前兄弟はいるのか?」

 

スピードワゴンA「いるわけねえだろ!」

 

スピードワゴンB「いたらこんな取っ組み合いしないっての!」

 

承太郎「だそうだ、数秒無駄にした。お前ら5人は黙ってな」

 

五月「………この人達と一緒にいるとイライラが止まりませんね、殺意も湧きます」

 

三玖「五月…どうどう」

 

 

承太郎「話を戻すぞ、後から来たBはエレベーターでやってきた。しかし先に来たAは階段だ、これはおかしな話だと思わないか?」

 

ジョルノ「そうですね。ましてやここはビルの最上階、エレベーターと階段どちらが早く到着するかは考える時間もなく答えは出せる」

 

承太郎「おいAのスピードワゴン、なんでお前はエレベーターじゃなく階段でここまで来たんだ?」

 

スピードワゴンA「俺がこのマンションに着いた時はエレベーターは1階になかった、いつ来るかもわからねえし後ろから俺の偽物が追いかけてきているから仕方なく階段で来たのさ」

 

承太郎「ならば今度はBに質問だ、お前は何故階段で追わずにエレベーターを待った?」

 

スピードワゴンB「呑気に待っていたんじゃねえ!俺がこの偽物を追ってここに着いた時にはたまたまエレベーターが降りてきてたから少し待って乗ったまでだ!早いとこ承太郎やジョナサン達に会って敵を倒したかっただけなんだ!」

 

スピードワゴンA「違うね!こいつはきっと俺に化けて承太郎達と合流し、隙を見て5人全員始末するつもりなんだ!」

 

スピードワゴンB「俺にスタンド使い3人と波紋戦士2人を倒せる力があるわけねえだろ!だからこそこうやって承太郎達に会いに来たんだ!」

 

承太郎「やかましい、お前ら2人が話していてもキリがねえ」

 

 

四葉「ねえみんな、この人達の話理解できてる?」

 

二乃「出来てたらそれはもう人間やめてるわよ」

 

三玖「お遊戯会で発表する劇の練習とかじゃないかな」

 

一花「あはは、もしそうなら演技相当上手いよね……本職が役者さん達かな?」

 

五月「なんにせよ他人の家でやることではありません」

 

 

スピードワゴンA「ジョースターさん達信じてくれ!俺はこの聖なる遺体がアンタ達5人のところに導いてくれたんだがその後ろでこいつが俺の姿をして着いて来たんだ!」

 

スピードワゴンB「デタラメを言うな!お前がスタンドで俺の姿に変装しているんだろうが!」

 

ジョセフ「ダメだこりゃ、どっちもどっち。マジでどちらも本物ってことあるんじゃねえか?」

 

ジョナサン「いや、よく聞いてみるんだジョセフ。僕は1つ違和感を覚えた箇所があったぞ」

 

ジョセフ「なっ!マジかよ!?」

 

承太郎「やれやれ………」

 

 

承太郎は制服のポケットに手を突っ込み、その場に立ち止まっていた承太郎がついにその手を出して2人のスピードワゴンの元へと足を進め……

 

 

承太郎「マヌケは見つかったようだな」

 

 

スピードワゴンA B「「!?」」

 

 

彼は確信した。

 

 

承太郎「まとめるとAは追われる側、Bは追う側。この構図が出来ているということはAとBの距離はさほど無かったはずだ」

 

四葉「うぅ…AとかBとか距離とか…数学の授業受けてるみたい……」

 

承太郎「さほど距離が変わらなかったにもかかわらずAは階段を使いBはエレベーターを使った」

 

承太郎「普通なら……どちらが速く30階に到着する?三玖とやら」

 

承太郎は身体を後方に向けヘッドフォンを付けた女性に右手の人差し指を突きつけ問いかけた

 

三玖「わ…私?」

 

五月「ちょっと!貴方達のくだらない演劇に私達を巻き込まないでください!」

 

承太郎「やかましい、お前に聞いてるんじゃねえ。俺はヘッドフォンを付けているこいつに質問をしている」

 

五月「や…やかましいって……もうっ」

 

三玖「えっと、エレベーターと階段の話だよね?」

 

承太郎「そうだ、俺はこのマンションのエレベーターがどのくらいのスピードが出るのか知らねえ。ヨーイドンで人間が全力で階段を登るのとエレベーターのスピード、どっちが早い?」

 

三玖「………エレベーターだよ。このマンションは30階建てだからそれに合わせてエレベーターはかなりのスピードが出る、人間が必死に階段を登ったとしても追いつくのは絶対無理」

 

承太郎「………ということだ、Aのスピードワゴン」

 

スピードワゴンA「…なっ……なにぃ?」

 

承太郎「なに、じゃねえ。お前は階段を使ったくせになんでBよりも先にここに着いたんだよ」

 

スピードワゴンA「し…知らねえよそんなもん!俺は偽物に追いつかれるわけにはいかなかったし一刻も早くこの事をジョースターさん達に伝えたかっただけなんだ!」

 

スピードワゴンB「そうか!こいつきっと階段の中でスタンドを発動させて高速で移動したんだ!じゃなきゃエレベーターより速く階段を登れるわけねえ!」

 

承太郎「……今のお前の発言が決定打となった、ぶちのめさなきゃいけない方は決まったようだな」

 

ジョナサン「承太郎……」

 

スピードワゴンA「た…頼む信じてくれぇ!!俺はアンタ達10人に伝えなきゃいけない事があるんだ!!この世界で生きていくための方法だ!!」

 

一花(……………10人?)

 

スピードワゴンB「往生際悪い奴だ!!あの世で俺に変装するという手段を選んだ事を悔いやがれビチグソ野郎!!ざまあみやがれぇええええ!!!!」

 

スピードワゴンA「待ってくれぇええええええ!!!!!!!」

 

承太郎「オラァッ!!!!!!!」

 

 

 

 

バキッィ!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

腕を振り上げずとも強烈な威力が出るスタープラチナの右フック、それをスピードワゴンの顔面に命中させた。

 

 

 

 

 

スピードワゴンB「ブホォ!!!!!!!!」

 

 

Bのスピードワゴンは大きく吹っ飛びリビング奥の大きなガラス張りの窓へと打ち付けられた。

 

 

スピードワゴンA「え…ええっ!?」

 

仗助「じょ…承太郎さん、今殴った方はBの方っすよ」

 

ジョルノ「いや…きっとこれで合っているんだ」

 

承太郎「…………………」

 

 

承太郎は殴った腕を再び制服のポケットへと戻し、何も言わずに窓に打ち付けられたBのスピードワゴンへと足を進めた。

 

 

スピードワゴンB「………………………」

 

承太郎「『今のお前の発言が決定打となった』…というのは、お前に対して言ったことだ、偽物」

 

スピードワゴンB「!?」

 

承太郎「A…いや、スピードワゴンはお前のことを『吸血鬼かスタンド使いかわからない』と言っていた。それに対してテメエは『スタンドで化けている』だの『スタンドで階段を高速で移動した』だの、スピードワゴンのことをスタンド使いと決めつけていた。そこが決定的な違いだぜ。人狼ゲームで例えると狂人や黒猫などの人外役職がたくさんある中で怪しい奴を『こいつは人狼』と決めつけてるのと同じだぜ」

 

スピードワゴンB「ッツ…」

 

承太郎「それに人間は身の危険を感じると止まることを恐れる、お前が本物ならば階段を登った偽物を階段で追うはずだ。エレベーターを使うと言うことはお前の中で絶対に攻撃されないという安心があったからだ」

 

ジョナサン「後は呼び方だよ。君は僕のことをジョナサンと呼んだ、僕は本来の世界でもスピードワゴンと旅をしていたからわかるんだが彼が僕を『ジョナサン』と呼んだことは一度もない」

 

スピードワゴンA「そうだ、俺はこの人の性格、そして覚悟に対して敬意を払っている。ジョースターさんを呼び捨てになんて出来ねえ!!」

 

ジョナサン「……流石だよ承太郎、君の洞察力。僕も見習わなければいけないね」

 

承太郎「ふっ、それはこちらの台詞だ。呼び方で違和感に気づくのは盲点だった」

 

 

四葉「うわっ、きっとこれクライマックスのシーンだよ!男の友情ってやつだね!」

 

ジョセフ「お前はまだ劇だと思ってんのかよ!?脳みそパープリンなんじゃねえのかぁ!?」

 

五月(劇ですよね……そうですよね…。でもそしたら彼が先ほど見せた非現実的な現象は?…あれが本当に超能力なら今目の前で起きてることは……)

 

 

承太郎「さて……オメエには色々と喋ってもらうぜ」

 

ジョナサン「まず何者だ、そして何故スピードワゴンに変装をした」

 

スピードワゴンB「お…俺は……」

 

 

承太郎「…………ドゥーユーアンダスタン?」

 

スピードワゴンB「!?」

 

承太郎「………テメエの口癖だったよな。化ける方は随分と上手くなったが、ツメが甘かったな。『節制』のスタンド野郎」

 

 

承太郎は先ほど殴った右手を偽物のスピードワゴンの前に出した、そこには小指球の辺りに黄色の液体のようなものがこびり付いていた。

 

 

ジョナサン「承太郎、それは?」

 

承太郎「こいつのスタンド能力だ。本来の世界でも俺はこいつと戦ったことがあってな…本体は馬鹿だが中々厄介なスタンドだ、気をつけろジョナサン」

 

承太郎「さあ話を戻すぜ。俺たちを殺そうとしてきたことはわかったがそれには何か理由があるはずだ、俺への復讐ならスピードワゴンに化ける必要はねえ。大人しく答えてこの右手にこびり付いたテメエのスタンドを解除してくれれば…痛い目に遭わずに済むぜ?」

 

スピードワゴンB「……ふっ」

 

承太郎「あ?」

 

スピードワゴンB「ふっふっふっ……ぎゃはははははははははっ!!!!!!」

 

 

スピードワゴンに化けた彼の変装はドロドロと溶け始めついに本体が姿を表そうとした

その瞬間だったドロドロと流れる彼のスタンドの中から「何か」飛び出した。

 

ラバーソール「喰らえやぁああああ!!!!!」

 

ジョナサン「気をつけろ承太郎!火炎瓶だ!!この家ごと燃やす気だ!」

 

承太郎「チッ、往生際が悪い奴だ…スタープラチナ・ザ・ワールド!!」

 

 

ズォオオオオオオオオン!!!!!

 

 

再び世界が灰色になる、地面の落下へと一直線だった火炎瓶もスレスレで止まっている

 

承太郎「オラァ!!」

 

スタープラチナで火炎瓶を回収しラバーソールの顔面へとパンチをしようとしたが…

 

承太郎「チッ…」

 

ラバーソールはまだスピードワゴンの変身を解除している最中のためイエローテンパランスに全身が覆われている、この段階で攻撃をしても本体にダメージは入らない。

 

承太郎「……時間だな…ん?」

 

時が再び通常の流れに戻る……

その時だった、何処と無く承太郎は違和感を感じた。この世界では体感できるはずもない人間の視線を感じた為だ。その視線の感じた後ろを振り向く、そこにはたった1人、承太郎と目が合った者がいた。

 

承太郎「………あのヘッドホン野郎、何故俺と目が合っている」

 

視線の先にはこの世界の住民である三玖がおり、その三玖の視線の先には承太郎がいる。非スタンド使いとは決して交わることのない視線、その違和感を感じている為、承太郎はいつの間にか自分が止めた世界が進み始めていることに気がつかなかった。

 

 

カッ!!!!!!!

 

承太郎「!」

 

ラバーソール「テメエが時を止めてそいつを拾うことは計算済みだぜぇ!!」

 

承太郎の目の前に立っているラバーソールがイエローテンパランスを承太郎が手に持っている火炎瓶の方へと進めた。

 

ジョナサン「承太郎!!」

 

承太郎「しまっ——」

 

気がついた時には黄色の液体は承太郎の火炎瓶の方へ届いていた。

 

 

バリィイイン!!!!

 

 

火炎瓶が承太郎の右手で爆発を起こし火炎瓶仕込まれていた油が火に移り渡り火炎、そして火に触れたイエローテンパランスは辺りに飛び散っり、承太郎の全身、そして近くにいたジョナサンの身体にもいくつかのこびり付いた。

 

 

承太郎「グゥウ!!」

 

ジョナサン「くっ、これは!!」

 

ラバーソール「バーカ!!時が動き始めた瞬間テメエ何処向いてんだよぉ!承太郎センパーーイ!!」

 

承太郎「ちぃ!!」

 

ラバーソール「俺のイエローテンパランスは炎に触れることで更に激しさを増す!195cmとかいう無駄にでかい図体のテメエの全身の全てにまとわりつくほどにな!」

 

ジョナサン「そうか…炎は囮で、本当はその炎にスタンドを近づかせることだったのか…」

 

 

二乃「な…なによ、あの人……身体になにかまとわりついているわ…気持ち悪い…」

 

三玖「……ねえ、二乃」

 

二乃「なっ、なによ三玖」

 

三玖「………きっと今見ているものは、私たちがまだ知らなかった世界なんだと思う」

 

二乃「はっ、はあ?」

 

三玖「世界は…広いんだね」

 

 

身体はイエローテンパランスと炎がまとわりつき、承太郎のダメージもかなり大きくその場で片膝をついた。

 

仗助「テメエ許さねえ!!クレイジーダイヤモンド!!」

 

ジョルノ「ゴールドエクスペリエンス!!」

 

仗助とジョルノはそれぞれスタンドを出し、ラバーソールの元へと走っていった。

 

仗助「ドラァッ!!」

 

ジョルノ「無駄ァッ!!」

 

 

仗助は右で、ジョルノは左でパンチを左右からラバーソールへと向けて繰り出す。

 

 

ガシッ!!

 

 

ラバーソール「承太郎の叔父の東方仗助と『あのお方』の息子のジョルノ・ジョバァーナ…か」

 

仗助「こいつ…受け止めやがった…」

 

 

クレイジーダイヤモンドとゴールドエクスペリエンスの腕は本体のラバーソールに届く事はなくガッチリとイエローテンパランスに止められている。

 

ラバーソール「イエローテンパランスの前では無力だビチグソ共!お返ししてやるぜ!ドラ無駄ぁ!!」

 

承太郎「仗助!ジョルノ!そいつから手を離せ!!」

 

2人のスタンドの腕にイエローテンパランスが高速にまとわりつこうとした。

 

仗助「のわっ!あぶね!」

 

ジョルノ「くっ……」

 

ラバーソール「あぶね!じゃねぇええんだよ!!テメエらの手の表面には既にイエローテンパランスが付いている!そいつはテメエらの肉体を食い尽くすまで消えて無くなる事はねえ!」

 

 

ジョセフ「ちっ、前回の世界でも何人かスタンド使いと出会ったけど。今回の野郎は対抗手段が思い浮かばねえ!!」

 

スピードワゴン「なんて奴だ!変装だけする奴と思っていたがここまでスタンド能力が厄介とはぁ!!」

 

四葉「一花!もっと強くつねって!!」

 

一花「だ…ダメだよ、これ以上はお肌に傷つく」

 

四葉「いいから!早くこんな夢終わらせたいよぉ!!」

 

 

ラバーソール「承太郎は死んだも同然、ジョナサン 仗助 ジョルノも放っておけば時間はかかるが確実に死が待っている。後はジョセフとスピードワゴンだけ……と言いたいところだが」

 

ラバーソール「ここで!ジョースター御一行様にラッキーでスペシャルな情報がありまぁああああす!!!」

 

ジョセフ「なっ、なんだぁ?」

 

ラバーソール「1つ。たった1つだ、条件を飲んでくれさえすれば俺はスタンド能力を解除し、お前ら5人を助けてやる」

 

承太郎「………………………」

 

 

5人の思考は同じ、こんなゲス野郎が提案する条件などろロクことではないと確信していた。

 

ラバーソールは人差し指立てとある人物達に向けた、それはジョースター家の人間でもスピードワゴンでもない。このスタンドの同士の戦いで一番場違いとも言える5人…。

ラバーソールは右の唇を上へやり、ニヤけた表情で口を開いた。

 

 

ラバーソール「そこの女5人」

 

 

ラバーソール「そいつらを俺に引き渡すことを許可してくれるなら、お前らを助けてやる」

 

五つ子「「「「「えっ」」」」」

 

 

ジョセフ「なっ……」

 

承太郎「なん……だと?」

 

 

 

その条件はとても意外であり、誰も予想しなかった第三者。

悪は関係のない第三者にも牙を容易く向ける。

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