程々にありふれた職業で世界最速(ガバがないとは言っていない)   作:神影 森羅

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久しぶりに本編で前書きを書いた希ガス。
いよいよあいつが登場。三人称です。
ガチ病みルート確定しますた。今までで一番作者過労といい勝負したと思う。
……いや、わりとマジで作者過労ルートが毎回すっげえ大人気なのはなに?これ、週一投稿の予定だったんだぜ?


試練の神 明石 カナト

◆◇──────◇◆

 

 

誰も、何も喋らない。

皆、凍ってしまったかのように動くことすらしない。

しかし、それも当然のことだろう。

目の前で人が死んだ、というより殺されたに近い状況なのだから。(なお被害者はわりと健康体である)

そして、一番最初に声を出したのは…

 

「おや、なかなか大変なことになっているみたいだね?」

 

いつの間にか、橋のあったところの中央部付近にいた日本人のように見える少年だった。

勿論のこと、先程橋は落ちたので、少年は空中に浮いている訳である。

そして、メルド団長が警戒しながら言う。

 

「お前は誰だ?これはお前の仕業か?」

「ん~、実行犯がそこで倒れている彼で、黒幕が私、といったところだよ。まずは彼を回復してあげることだね。魔力をほとんど使い果たしている。」

 

それを聞いて振り向けば、確かに檜山が倒れていた。

メルド団長が叫ぶ。

 

「…!香織!治療を!」

「………………。」

 

しかし香織はうつむいて治療どころか動く気配すらない。

メルド団長は声を荒らげる。

 

「何してる!香織!早く治療を!」

「……なんで。」

 

香織が呟く。

しかしやはり治療をする気配はない。

再びメルド団長が声をかけようとしたとき

 

「なんで、檜山くん()()()を治療しなくちゃいけないんですか?」

「か、香織?」

 

香織の今まで聞いたこともないような冷えた声と言動に疑問を含んだ声を出したのは光輝だ。

メルド団長もまた、今までの誰にでも優しい香織とはかけ離れているといっても過言ではない今の香織に目を見開いている。

 

「だって、さっきの魔法は檜山くんのでしょ?あれを撃ったから、檜山くんは倒れてるんだよね?()()()()()()()()()()()()()()()()あの魔法を自分の意志で撃って、倒れたんだよね?なんで助けなくちゃいけないのかな?かな?」

 

息継ぎする事なく早口で捲し立てるように喋る香織。団長も騎士達もクラスメイトのほとんどもそれに気迫されて声を出せない。

しかし極一部…勇者パーティの少女たちは別だ。

 

「私は治療するべきだと思うわよ、香織。ここで死なれたら()()()()()()()()()()()じゃない。」

「そうそう。冷静になってよカオリン。もしもの時()()()()()()()()()()()()()()()()!」

「僕は二人の言う通りだと思うよ、香織。()()()()()()()()()()()()()()()()と思う。」

 

雫は落ち着かせるように。鈴はにっこり笑いながら。恵里は冷静に。それぞれが言うが、その声色は香織と同じように冷えきっていて、感情が抜け落ちたかのようだ。

 

「……………ああ、確かにそうだね。じゃあ、死なないギリギリで………」

 

その三人の言葉により治療を開始する香織。しかしあくまで致命傷ではないというところまで来ると治療をやめる。

メルド団長もクラスメイト達も、口出しする事は出来ない。何故だか、香織は今口出しをされたら、今にも爆発してしまいそうな感じであったからだ。

しかし、恐れを知らない者もいる。

 

「おやおや、最近の少女ってのは恐ろしいねぇ。」

「…何かしら?私にとっては黒幕のアンタが一番殺意がわくんだけど。」

 

おどけた口調で言う少年。

それに対して目一杯の敵意を込めてにらむ雫。

しかし少年は怯えた様子はない。それどころか

 

「おや?どうした?私を殺したいか?どうぞどうぞ。私は意識的な抵抗は一切しないから、さっさと殺してくれないか?」

 

とまで言う始末。

これにはさすがの雫も不気味さを感じ引き下がる。

そして、ようやくだと言わんばかりに少年は名乗る。

 

「……はぁ。私は明石カナト。神代において()()()()と呼ばれた現人神だ。」

「なっ……!?」

 

その試練の神という単語に目を見開いたのは団長を含めた騎士達だった。

それもそうだろう。ハジメや新はともかく、クラスメイト達は異世界トータスについて、細かなことはほぼなにも知らないのだから。

 

試練の神カナト。

それは神代において、人々に試練を与える、エヒトと並ぶ最高神の片割れ。人々にかなり難しい試練を与えるが、それを攻略すれば正に神の加護とも言える強大な力が授けられるという人類の味方とされる神の一人だ。

 

「さて、君達は今の状況と事象に困惑していることだろう。……ところで、だが。もし彼らが…二人が生きていると言えば。その証拠があると言えばどうなる?」

「ふーん。じゃあその証拠、出してみてよ。」

 

カナトが言うと鈴がいつもの笑顔を消して限りなく無に近い表情で返す。

クラスメイト達も騎士達もいつものムードメーカーな鈴とは思えないような今の鈴に驚きを隠せない。

そして、〟()()()()は言う。

 

「交渉成立。これより明石カナトの名において汝らに試練を与える。その先にあるのは大いなる力と汝らの求める知識なり。試練は六つ。友情、不屈、勇気、殺戮、抑制、闘争。そうだね…今回は闘争でいこうか。なぁに、簡単なこと。雑魚敵をたったの一体倒すだけさ。……オルクス大迷宮、第1()0()1()()にて()()()()()を、ね。」

 

そして答えを聞く事なく魔方陣を発動させる。

またしてもの眩い光が満ちて、その場の人間はカナトを除き姿を消す。

一人残ったカナトは呟く。

 

「……()()()があるのは白崎香織、八重樫雫、谷口鈴、中村恵里、ギリギリ園部優花。……やはり彼は面白い。私を()()()()()()()()()()()()()()()()人材をここまで作り出してくれるとは。…さて、さっさとやろうかな。このままでは、()()()()()()()()()()()。この呪われた命に、早く終止符を打たなければ。……願わくば、最後は()()に頼みたいものだな。」

 

そう言うと、カナトは忽然と姿を消す。

まるで、今までそこにはなにもなかったかのように。

 

 

◆◇──────◇◆

 

 

クラスメイト達は困惑していた。

唐突に現れた神という存在、百層構成と言われるオルクス大迷宮の101層という単語、突然与えられた『闘争の試練』なるもの。

そして、どこからともなく声が響く。

 

「じゃあ、そろそろ試練を開始しようか。この空間では痛覚が非常に鈍くなり、致命傷を受けると脱落扱い、無傷の状態になりもといた場所に送還される。脱落した場合、報酬は得られない。…では、そろそろ蹴りウサギを召喚しよう。汝らに、祝福あれ………」

 

カナトらしき声は、まさしく神の所業と言うべきかまるでジグソーパズルをパチパチ組み立てるかのようにドーム状に作られていくバトルフィールドで反響して、やがて遠ざかるように消えていく。

 

そして、純白の魔方陣が出現する。

そして現れたのは…

 

「キュ?」

 

『蹴りウサギ』の名の通り、二足歩行で少し大きいウサギの魔物だった。

 

 

◆◇──────◇◆




短め。
ついでに後書きも短め。

サブウェポンを決めようか(上位二つ採用・作者過労は武器じゃないです。)

  • ビームやプラズマ砲等の近未来兵器
  • 属性を付与した歯車のフレイル的な武器
  • 飛んできた魔法等を弾き返すリフレクター
  • デバフを付与した歯車の手裏剣的な武器
  • いや別にそんなの知らないし。作者過労に投票。
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