おれはダイ! この島でたったひとりの人間だっ!!
まあ
いやハーフだから2/3くらいは人間なのか。人間でいいや。
でもそんなことはどうでもいいんだ。重要なことじゃない。
気が付いたらデルムリン島にいて、ダイと呼ばれて、ブラスじいちゃんと暮らしていた。
しかし何か忘れているような気がして、ずっとモヤモヤして気持ち悪かったのだ。助けてゴメちゃん! 助けてもらえた。めっちゃ前世の記憶蘇ってきたよね。ゴメちゃんはぱああーって光ってた。ゴメんな。これはダジャレだけど。
それでダイに転生? 憑依? してしまったことを自覚したわけ。どっちだ……?
ゴメちゃんどっちだと思う? ぱああー。ほう、転生。なるほどね。
つまりもしも「俺の精神を元の世界に戻してくれー!」って願ったところで、俺は戻れるが、それで『今ここにいるダイ』は空っぽになってしまうということだ。これはいただけない。残されるブラスじいちゃんが可哀想過ぎる。
だからこの際、ダイとして生きるのはいい。
でもこれ、結局俺がバーンやっつけないと、地上が吹っ飛ぶってことだよね……?
え、マジで……?
いやでも、俺が転生してる時点で原作とは違うだろう。バーンも襲ってこないかも。
その辺どうなのゴメちゃん? ぱああー。あ、なんか未来のヴィジョン見えてきたわ。地上めっちゃ吹っ飛んでるわ。大魔王が高笑いしてるわ。死ぬわ(絶望)。
よし、戦おう! これは侵略です! 侵略には戦います!
島のみんなには平和を楽しんでほしいしな。
問題は中身クソ一般人の俺がどこまでやれるか、ということだ。
頑張ったけどできませんでした~じゃ事は済まない。
仲間の問題もある。
クロコとかヒュンケルとか、もちろんポップやマァムの存在もあったが、何だかんだでダイの太陽の精神性に惹かれたことも仲間になった大きな理由だろう。
で、ないんだよね。太陽の精神性。俺だからね。
絶対仲間にできないよね。バランとの和解とかも無理そう。絶対どっちか死ぬわ。
結論、俺が強くなるしかない。力が正義だっ!!
じゃあどうやって強くなるか。
呪文はブラスじいちゃんに教えてもらえるとして、いや、ダイってその辺才能ないんだっけ。中身が俺だから行けるか? 中身が俺だから無理か。はい。
剣は才能あるって話だったけど、この島じゃ剣を使う奴はいないから教われない。
あ、格闘ならどうだろう? 暴れ猿とかゴーレムとか、先生になってくれそうじゃない?
じゃあとりあえず、技を教わりつつ、基礎練として1日1万回の正拳突きから始めるか。
応援してくれ、ゴメちゃん!
ぱああー。
よっしゃあ!!!!!! なんかめっちゃやる気出てきた!!!!!!!!!!
言うて最初の日は100回で死んだ。
だが次の日は200回行けたし、更に次の日は300回行けた。そして500回、800回、1300回――やればやるほど、体力も筋力も根性もついてくる。
1万回を超えてからも俺は続けた。そのうち数えるのが面倒になって、回数ではなく時間数で計るようになったが、まあたぶん1日数万回以上は打つようになったんじゃないかな。
もう秒間10発は余裕だし。
「のうダイ」
「なに? じいちゃん」
ブラスじいちゃんが現実逃避の目で見てくる。
俺の正拳突き祭にドン引きしているらしい。
照れる。
「ゴメの奴、最近縮んどらんか?」
「ね。ダイエットかな」
「ピィー」
ゴメんて。
あ、ゴメンテって呪文みたい。ゴメ犠牲呪文。
「ピィ! ピィー!!」
痛い、痛い。
ごめんなさい、調子こきました。
実際、感謝してるよ。これ以上は縮ませねえ。
ハッピーな未来を迎えてやるぜ!!!