ダイに大転生   作:液体クラゲ

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 バナナ禁止は自分で食べるのが禁止という意味らしく、レオナが俺にあーんってするのはセーフだったらしい。

 そうこうするうちに呪法が解けて、元の姿に戻った。

 

 俺の中のゴリラが、バナナで満足したから……???

 いや俺の中のゴリラって意味分からんけど。ゴリラじゃねえし。

 

 ともあれ、パプニカは復興を始めた。

 結構な数の民が逃げ延びていたらしく、何だかんだ復興は早く済みそうである。

 とは言え当然ながら死者も大勢いたワケで、やっぱりヒュンケルはギルティーなんだが。

 

 さて、俺たちはパプニカ城内に部屋を貰い、今後の対策を練っていた。

 

「まず魔王軍の現状について」

「百獣魔団は逃げ散り、不死騎団はマグマに沈んだ。氷炎魔団は?」

 

 ハドラーがフレイザードに聞いた。

 

「滅ぼしてきたぜ」

 

 何サラッと自分の軍団滅ぼしてんだ、こいつ。

 

「オレはハドラーさまの作った禁呪法生命体だからな。ハドラーさまが死ねば道連れ……。じゃあ一緒に魔王軍を裏切るしかねえだろ」

「ちなみに魔王軍では、どのようなご活動を?」

 

 俺はインタビューした。

 

「オレはオーザム王国の攻略を任されていてな。ぺんぺん草1本残さず国を滅ぼすため、綿密な計画を練っていたんだ」

 

 流石は炎の狂暴性と氷の冷徹さを兼ね備えた男よ。

 で?

 

「そしたら召集がかかったから、帰った」

 

 うん?

 

「計画を練って……?」

「練っただけだ。実行してねえ」

「ノットギルティー」

 

 フレイザードはあからさまにホッと息をついた。

 コイツはコイツで緊張していたのか。

 微妙に表情が分かりづらいんだよな……。

 

 しかしそうか、俺は原作よりも早く魔の森を抜けている。とにかく真っ直ぐに突っ切って、迷わなかったからな……。それでクロコを倒すタイミングが早まり、6大団長集結の巻も早まったのか。

 いやハドラーがこっちにいるのに、原作通りに進むのは意味分からんけど。原作の修正力ってやつ? まあ少なくともミストバーンがクソ適当な仕事してるのは分かる。

 

「でもフレイザードだっけ、つまり裏切り者なんでしょ? 本当に信用できるのかしら」

「ちょっとレオナさん! 話を混ぜっ返さないで!! ほら、俺もバナナ食べたいから」

「仕方ないわね……」

 

 今だ! 俺がレオナに餌付けされているうちに会議を進めろ!

 

「で、残りの軍団長が、この間のバルジの塔で一気に襲いかかってきたワケか。おっかなかったな……」

 

 ポップは震えた。

 

「でも、そのひとり……バランだっけ? アイツがダイの親父さんだったなんてな。すげえ強かったし、味方にできねえか?」

 

 ポップが珍しく建設的な提案をした。

 しかしハドラーは首を振る。

 

「息子がゴリラと化して、あれだけ嘆いていた男だぞ。もし素でもゴリラだと知れば、味方どころか、親子で骨肉の争いを演じる破目になるかも知れん」

「誰が素でゴリラだよ」

「いいじゃない、ゴリラ。あたしゴリラ好きよ」

 

 そういう話じゃないから黙っててレオナさん!!!

 でも嬉しい。

 いやゴリラじゃないけどね!? ないけど!!

 

「でもそのバランも軍団長なんでしょう? 大量殺人した人を味方にするのはちょっと……」

「リンガイア王国を滅ぼしたらしいぜ」

 

 レオナの懸念に、フレイザードがリークした。

 これはギルティーですわ。

 

「じゃあバランは殺すってことで。次に――」

「待ってダイ君。バランはあなたの紋章を見て息子だって言ったじゃない? その紋章は何なの?」

 

 あー……。

 

「教えてよ、ダイ君! やっぱりゴリラの紋章なの?」

「ゴリラじゃねえっつってんべ!? だいたいどこがゴリラに見えたよ!!」

「こう、ゴリラを上下逆にしたような」

 

 レオナが上下逆のジェスチャーをする。

 えぇ……? そう見えるか……?

 

 紋章の絵を描いてもらい、上下逆にしてみる。

 ……ゴリラの後ろ姿……?

 こう、あの、普段なら下端の竜の顎の部分が、今はゴリラの肩から頭の三角形めいたラインに……見えないこともないような……。竜の角部分が手足で。

 

「ってあり得ねえから!!!!!!!!!」

「えー残念」

 

 残念じゃないよ。

 危うく洗脳されるところだわ!!

 

「これは(ドラゴン)の紋章だよ。分かるべ?」

「ドラゴンとゴリラって似てないかしら」

 

 どこが!?!?!?!!?

 ラーとダーマくらいかけ離れてない?

 

「どっちも『ゴ』と『ラ』が入ってるわ」

 

 無理やり過ぎィ!!

 

「もう、ワガママねえ。まあいいけど、結局このドラリゴンの紋章って何なの?」

「サラッとゴリラ混ぜんな」

 

 前後逆なのが小賢しいわ!!!!

 しかし、実際、何なのか。

 原作知識はあるものの、この世界でも同じという保証はない。

 だから、

 

「さあな……。主に俺の怒りに反応して出て来て、めっちゃパワーアップするみたいな、そういうアレだということしか……」

 

 と答えるしかなかった。

 

「そうなのね……。うーん、ゴリラ――じゃない、ゴリラ――じゃない、ゴリラ――じゃない、ドラゴンの紋章なのよね。竜信仰のあるテラン王国なら何か分かるかも……」

 

 何でそんな言い間違ったの? 何でそんな言い間違ったの?

 しかしテランか。

 

「じゃあ行くか」

「行きましょう」

 

 行くことになった。

 ってレオナさん唯一残った王家なのにフットワーク軽過ぎない?

 

「このくらいじゃないと、ダイ君についていけないもの」

 

 いやたまに俺があなたのボケについていけないんですが。

 

「次の行先が決まったか……。しかしオレは別行動させてもらう」

 

 ハドラーが述べた。

 

「どこへ?」

「オレもレベルアップしないと、この先生きのこれないだろう。人間で言えば、オレは武闘家であり魔法使い……。師匠に当てがある。しばらく修行する」

「オレも別行動だ」

 

 フレイザードが述べた。

 

「鬼岩城の様子を窺ってくるぜ」

「そうやってこっちの情報を持ち帰るつもり? そうはさせないわ!」

 

 猛るレオナを、俺は押さえた。

 

「だからやめてレオナさん!! ホントに疑わしく思えてくるから!! フレイザードの炎と氷の鎧を着てみたかったのに鎧じゃなくてガッカリしたのは可哀想だと思うけどさあ!!!」

 

 フレイザードは悪くないからね!? それ!!

 

「ダイ君がデートしてくれたら許すわ」

「何で俺!?!?!?!?!」

 

 デートすることになった。

 

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