ダイに大転生   作:液体クラゲ

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14 紋章共鳴の脅威!!

 あの後ベンガーナでデートの続きを楽しんだ俺たちは、今度こそテラン王国にやって来た。

 ナバラとメルル? 会ってない。

 

 住民たちにいろいろと話を聞いてみると、最終的に湖に案内された。

 ここに竜の神の魂が眠るとされる神殿が沈んでいるという。

 

 俺とレオナはふたりで湖に潜り、神殿を目指した。

 いやだってレオナひとりで置いてくのもアレだし……。

 

 湖底。

 門は固く閉ざされており、開ける機構が存在しないようだ。

 しかし門に嵌った巨大な宝玉?に触れると、吸い込まれていく感覚――あっレオナと繋いだ手が引っかかった。

 

「はああああああああ!!!!!!」

 

 俺は紋章を出し、竜闘気(ドラゴニックオーラ)で自分ごとレオナも覆った。

 すると、ふたりで通ることが出来た。

 結構ガバいな、こいつ。粉砕する必要がなくて良かった。

 

 内部で竜水晶と出会う。

 

「誰だ……!?」

 

 こいつ喋るぞ!!

 

「ダイです」

「レオナよ」

「竜水晶だ」

「バランだ」

 

 なんだと!?

 慌てて振り返る。そこには髭の偉丈夫が……!

 レオナと繋いでる手の感触に夢中になってて、まるで気付かなかった……!!

 

「ディーノ……我が子よ……。迎えに来たぞ」

 

 バランは語った。

 (ドラゴン)の騎士とは何か。

 そして自分にどんな悲劇が起きたのか。

 内容は原作通りだ。

 

 竜水晶の出番はもうなかった。

 何のために来たんだ、ここまで。

 

 で、結論。

 

「私の部下になれ!! 共に人間どもの世界を滅ぼすのだ!!」

「いいえ」

 

 俺はキッパリと断った。

 

「なぜだ! お前もゴリラ扱いで迫害されていると聞いたぞ!」

「真面目にゴリラとか言い出すんじゃねえよ!?」

 

 笑うだろうが!!

 

「俺はレオナとか、ブラスじいちゃんやゴメちゃん……大切な奴らと平和に暮らしたいだけなんだよ。だから邪魔な魔王軍は潰すけど、人間は別に……」

「人間がいる限り、平和には暮らせんぞ!! くっ……! 人間に飼われたゴリラに成り果ておって!!」

 

 ゴリラ言うなっつってんべ!?

 ともあれ、どうやら戦闘の気配である。

 バランは剣を抜き、俺は手を繋いだままのレオナを背後に庇った。

 

「足手纏いを連れて戦えるか、ディーノ!」

「オラァ!!!!!!!!!」

「おげッ……!!!」

 

 神殿の外まで吹っ飛ばした。

 湖も出て地上に戻り、仕切り直し。

 

「ごほっがはっ……!! バカな、竜闘気(ドラゴニックオーラ)をまだ纏っていないとは言え!! たった一撃で……私がここまで……!!」

 

 バランは既に膝をついているが。

 

「だが(ドラゴン)の騎士としては私が上のハズ!! うおおッ!!」

 

 バランが紋章を出した。

 俺はレオナを逃がすと、自分も紋章を出した。

 

「ギガデイン!!!」

 

 バランの剣が落雷を受け止め、激しく帯電する……!!

 

「受けよ、(ドラゴン)の騎士最強の秘剣! ギガブレイク!!!」

「アストロン!!!!!!!!!」

 

 俺は全力で防御した。

 直撃。

 真魔剛竜剣が折れた。

 

「えぇ……」

 

 バランは涙目になった。

 いやクロコのときみたいに自爆にならんだけ凄いわ。

 

「リンガイアを滅ぼしたって聞いたぜ。覚悟はいいか……。バラン!」

「かくなる上は!!」

 

 バランが闘気を消した……。

 しまった、この技は!!

 

「うおおおおおお!!!」

「ぐええええええええええええええええ」

 

 紋章が勝手に共鳴する! 頭が割れるように痛い!

 新しいのも古いにも、無数の想い出が浮かんでは消えて――

 

「ダイ君!!!」

 

 レオナがいる。後ろにいる。

 俺は全身全霊を振り絞った。

 

「かあああああああああああああああああああッッッ!!!!」

「バカな、思念波を……跳ね返し……!? うげっーー!!」

 

 共鳴は止んだ。

 レオナが駆け寄ってきた。

 俺も疲れた……。彼女に身を支えてもらう形。

 

 バランは、

 

「ソアラ!? ディーノ!! ここはいったい……!?」

「よう親父」

 

 俺は紋章を輝かせながら言った。

 

「なにッ!? そ、その紋章……ではお前が……!?」

「ああ。俺がディーノだ。親父、あんた大魔王バーンの呪いで記憶を消されたんだよ」

「えっ!?」

 

 レオナがめっちゃこっちを見てくる。

 今は静かにしてて!!!

 

「バーン! 冥竜王ヴェルザーと魔界を二分していた、あの男が……!」

「母さんもバーンが殺した」

「ソアラ……そんな……! ついさっきまで、共に……!!」

「俺とも生き別れになって、今再会したところなんだ」

「そうだったのか……! すまないディーノ、寂しい思いをさせてしまったのだな……!!」

 

 レオナがめっちゃジト目でこっちを見てくる。

 お願い、もうちょっと黙ってて!!!

 

「更にぶっちゃけると、親父あんた大魔王に操られてたんだよ。危うく俺と殺し合いだ」

「なんだと!?」

「何とかその支配は解いたんだけど、すると支配されてた間の記憶はなくなるみたいだな」

「おのれバーン!! 赦さん……!! 絶対に赦さんぞ!!!」

 

 バランは怒りに燃えた。

 

「ところで人間をどう思う?」

「脆弱で、時に愚かだが、温かみもまた持つ、慈しむべき生き物だ」

「人間を滅ぼそうとするバーンを一緒に倒そうぜ!! 親父!!」

「ああ!!」

 

 俺たちは固く握手を交わした。

 バランが仲間に加わった!

 

「――って騙されるかあッッ!!!!!!! 今記憶が戻ったわ!!!!!」

 

 ダメか~。

 


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