凄く普通の決闘者が幻想入り   作:うー☆

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いいタイトルが全然思いつかない……


第十話 博麗神社にて

~博麗神社~

 

「はい、到着よ」

「おー此処が……」

 

少しずつ太陽が沈んでいく中、目の前にはイメージ通りの博麗神社があった

 

「とりあえず上がりなさい。貧乏だけどお茶くらいは出すわよ。」

「貧乏って……ここ神社だろ?お賽銭とか入らないのか?」

「お賽銭ね……そんなもの久しく見てないわ……。」

 

霊夢が乾いた笑みを浮かべながらこちらを見る。外の世界にいた頃の俺と似てるな

 

「まぁ何もないところだけどどうぞ。」

「お邪魔しまーす。」

 

中はそれなりに片付いている。……まあ散らかすほど物がないともいえる

 

「ちょっと待ってて、今お茶入れてくるから。適当にくつろいでていいわよ。」

「りょーかーい。」

 

俺が適当に返事をすると霊夢は奥に引っ込む

 

「ふぅ……。」

 

とりあえずくつろいでていいと言われたのでゴロン、と横になる。……畳のいい香りがする。そういえば俺がここに来てから外の世界ではどんな事があったのだろうか。突然俺が居なくなってバイトはどうなったのだろう。

 

「こんばんわ。」

「どわぁっ!?」

「「ぎゃっ!?」」

 

突然目の前に女の人の顔が現れ、びっくりして頭をぶつけてしまう。物凄く痛い。

 

「待たせたわね。……って紫、あんた何してんの?」

「れ、霊夢……すごく痛いわ。助けて。」

「あーそれはもうどうにもならないわね。諦めなさい。ほいお茶。」

「いてて……あ、こりゃどうも。」

 

左手で頭を抑えながら、右手でお茶を飲む。うむ美味い。

 

「霊夢ー私のお茶はないの?」

「あー?あるわけ無いでしょ。欲しかったら自分で入れてきなさい。」

「そんなこと言わずにさー。頼むよ霊夢ー。」

「あーこら暑いんだからベタベタ触るんじゃない!もうわかったわよ!入れてくりゃいいんでしょ入れてくりゃ!」

 

霊夢はめんどくさそうに奥に引っ込む。なんだかんだでやってくれるのな。

 

「で?あんたは誰?」

「え?ああ自己紹介が遅れたわね。私は八雲紫。妖怪よ。」

 

八雲紫……ああ、あのスキマ妖怪か

 

「ふーん。俺は伊藤大輔。吸血鬼兼決闘者だ。」

「吸血鬼ってどういう事か知らないけど、名前は知ってるわよ。何せ貴方をこの幻想郷に導いたのはこの私なんだから。」

「へ?」

 

そんなことを話していると、奥から霊夢が出てくる

 

「はいはいお茶ですよ!」

 

指を入れたままのお茶を

ちゃぶ台に置く。熱くないのだろうか。

 

「霊夢ーそんなことしてたらお嫁に行けないわよ?」

「あー?そもそもこの幻想郷に男なんて……あ、霖之助さんがいたか。でも霖之助さんとはそんな事にならないだろうから安心しなさい。」

「もう一人いるじゃない」

「え?」

「貴方の目の前に。」

 

そう言って紫は俺を指さす。

 

「あ、大丈夫ないない。」

「即答かよ」

 

霊夢は即答した。……何か若干傷ついたな。

 

「まずはなんで俺がこの幻想郷にいるか説明して欲しいんだが。」

「あ、そうね。紫、さっさと説明なさい。」

 

霊夢がちゃぶ台を挟んで俺の前に座る。図で表すとこうだ。

 

霊〇俺

 

そしてゆっくりと紫が話し始める

 

「貴方は人一倍カードとの絆が強い。貴方をあのまま外の世界に放置していたら、間違いなく能力が覚醒してしまう。そう思った私は貴方をこの幻想郷に連れてくることでカードとの絆を断ち切ろうとしたのよ。でも……」

「でも?」

「……誤算だったわ。まさかあんなにカードの力があんなに強かったなんて。カードの中でも特に強力な「No.」と呼ばれるカードは私のスキマを無理矢理こじ開け、この幻想郷にやってきたのよ。貴方の後を追うように」

「ゆ〜か〜り〜」

「な、なに霊夢?そんな怖い顔しないでよ」

「あんたのせいで……」

 

霊夢は紫の両肩をがっしり掴む

 

「私はそのNo.に殺されかけたのよ!私が死んだらどう責任取ってくれるんじゃオラァァァ!」

「れ、霊夢落ち着いて!そんなに激しく揺らさないで!あ、ヤバイ吐きそう。い、伊藤くんヘルプ!ガチでヘルプ!」

 

紫の顔がどんどん青くなっていく。このままだと本当に吐きそうなので助けることにした

 

「まあまあ霊夢。結果的に助かったんだからいいじゃないか。」

「……それもそうね。」

そう言うと霊夢は紫から手を離す

 

「げほっ……死ぬかと思ったわ。」

 

紫が涙目で言う

 

「そういえばさっき俺の能力が覚醒するとか何とか言ってたよな?それってどんな能力なんだ?」

「ん?貴方の能力?それはね……」

「うん」

「……「No.の力を操る程度の能力」よ。」

「えーっと……具体的には?」

「No.をその身に取り込み、そのNo.がもつ能力を使えるの。」

「……成程、紅魔館で戦った時に使ったのはその能力か。」

「正確には違うな。」

「ん?おお相棒。正確には違うってどういう事だ?」

 

突然相棒が俺の体の中から出てくる。……なんかちょっと嫌だな。

 

「あの時は主に戦う意思がなかったため、無理矢理主の体に憑依させてもらったのだ。まぁ幻想入りしたてでな。力を試してみたかったのだ。反省はしている。だが後悔はしていない。」

「駄目だこいつ早く何とかしないと……」

 

俺は頭を抱える。……まぁあの戦いがあったから紅魔館にも行けたし、そして今は白麗神社でお茶を飲んでいる。あまり攻める気にもなれない

 

「あんた誰?」

「申し遅れた。私はNo.69 紋章神コートオブアームズ。先程話していたNo.の1枚だ」

「意外と礼儀正しいのね。あいつみたいなやつじゃなくて助かったわ。」

「あいつ?」

 

そう紫が言うと突然No.96が現れる

 

「呼ばれた気がした。」

「「呼んでねぇ!!」」

 

俺とコートオブアームズがNo.96一緒に殴りかかる

 

「ち、ちょっと!何でこいつがこんなところにいるのよ!」

「いや、これには少し深い訳が……」

「問答無用!夢想封印!」

「いやちょっと待っt アッーーー!!」

 

〜数分後〜

 

「……なるほどね、そう言う事」

「いきなり夢想封印は酷いよ……ってこんな感じのやりとりが前もあった気がする。」

「まぁとりあえずそいつをぼこらせなさい。」

「ち、ちょっと待て!今戦ったら俺死ぬぞ!」

「……どういう事?」

「今こいつの力は俺が封印してるんだ。だから今のこいつと戦えばそこら辺に飛んでいる妖精でも勝てるだろうな。」

「へぇ……そう言う事……」

「な?だからとりあえずその手に持っている札を降ろしてくれないか?お嬢さんよ。」

「お嬢さんじゃなくて……私は霊夢よ!夢想封印!」

「え、ちょっとm(ピチューン」

「あ、殺っちゃった。」

「大丈夫でしょ?どうせまた復活してくるわよ。」

「それもそうか。」

「ま、まぁそんな訳で貴方を外の世界に出すわけにはいかないわね……そういえば貴方、今夜の宿は決めてあるの?」

 

今まで蚊帳の外だった紫が無理矢理話に割り込んでくる。

 

「決めてあると思うか?」

「でしょうね。霊夢、貴女泊めてあげなさいよ。」

「何で私が?紫の家に連れてけばいいじゃない。」

「貴女一応その人に命を助けられたのよ?その事について貴女は何にも思わないの?」

「ぐっ……分かったわよ、今日はここに泊まっていいわよ。」

「マジっすか!?感謝するぜ!!」

「あ、それとここに食べ物とかは無いからね。我慢して寝なさい。」

「大丈夫だ!空腹には慣れている!」

「あんた……一体外でどんな生活をしてきたのよ……。」

「ふふふ。それじゃあ私は帰るわね。それじゃあね。」

「おやすみー。」

「あーさっさと帰りなさいそしてもう来んな。」

「酷いわ霊夢。まぁツンな霊夢もそんなにキライじゃないけどね。」

「さっさと帰れ!」

「そんなに怒らないでよ……。あ、そうそう霊夢。」

「今度は何よ?」

「いい事すると、必ず自分にもいい事が返ってくるわよ。」

「?どういう事?」

「何でもないわ。それじゃあ今度こそさようなら。」

 

そう言うと紫はスキマを閉じる

 

「ほら!さっさと寝るわよ!布団の準備なさい!」

「え!?俺が準備するの!?」

「当たり前でしょう!ほらさっさとしなさい!」

「何か思ってたのと違う気がする。」

「何か言った?」

「イエベツニナニモ」

 

こうして俺達は眠りにつき、夜は老けていった――――




何か思っていた霊夢と違った伊藤くん!次回の内容はあんまり決まってない!それじゃあ次回もゆっくり見ていってね!

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