〜紅魔館〜
一日ぶりに紅魔館に来た。相変わらず館は真っ赤に染められており、目が痛い。そして門にはいつも通り門番がいる。
「あっ!貴方は!」
「ああえっと確かちゅ……美鈴だったかな?」
「今中国って言いかけましたよね?まぁそんなことは置いといて、あの異変以来ですね。まともに言葉を交わすのは。」
「そうだな。俺が紅魔館にいた時もあまり会わなかったからな。」
「そんなことより、今日はどんな用で?」
「レミリアに宴会のことを伝えに来たのと、後は話があるとかなんとか言われてたのを思い出したから来た。」
「そうですか。まぁ入れても大丈夫そうですね。どうぞ。」
そう言って美鈴は門を開ける。
「ところで今日は寝てないんだな。何かあったのか?」
「ええまぁ……色々と。」
〜紅魔館内部〜
中に入ると、咲夜さんが鋭い目つきで俺を見る
「っ!……貴方でしたか、申し訳ありません。」
入ってきたのが俺だと分かると、すぐに頭を下げて謝る。
「いや別にいいんだけど……何かあったのか?」
「……まぁ、色々と。それで今日はどんな用で?」
「ああ、宴会のことと、後レミリアの話を聞きに来た。」
「わかりました。それではこちらにどうぞ。」
〜レミリアの部屋〜
レミリアの部屋の前に着くと、咲夜さんがノックをする。
「お嬢様、伊藤さんがお見えになりました。」
「……入りなさい。」
部屋に入ると、そこには片手にグングニルを持ったレミリアが椅子に座っていた。
「まさかこんな大変な時に戻ってくるとはね……。」
「……なぁレミリア、話しをする前に……教えてくれないか?何で皆こんなに緊迫しているんだ?まるで何かに怯えているみたいに。」
「怯えている、ね……あながち間違いじゃないわね。いいわ、教えてあげる。」
「お嬢様……」
「大丈夫よ咲夜。こいつは巻き込まれてもすぐに死ぬような男じゃないのはあなたも知っているじゃない。」
「ですが……」
「大丈夫だ。教えてくれ。」
俺がそう言うと、レミリアはゆっくりと話始める
「私にはね……妹がいるの。フランドール・スカーレットという、ただ一人の妹がね……。」
「フランドール……」
聞いたことがある。外の世界のシューティングゲームで何度もピチュられたのを覚えている。
「それで?その子がどうしたんだ?」
「フランは……貴方が霊夢と一緒に博麗神社に向かった後、突然おかしくなったの。……まるで何かに取り付かれたように。」
何かに取り付かれたように、という言葉を聞いて、俺は嫌な予感がした。
「今までも何度か暴れることはあったんだけど……今度は今までの比じゃないわ。下手したらこの館にいる人間を全て殺せるかもね。」
冷や汗が頬を伝う。
「今はパチュリーの魔法で何とか押さえ付けているけれど……破られるのも時間の問題ね。」
その時だ。ズン、と紅魔館全体が揺れる。震源地は……ここの地下、か。
「……まさか、こんなに早く破られるとはね……。仕方ないわね、私が行くわ。」
レミリアが椅子を立った時、再び紅魔館が大きく揺れる。そのせいでレミリアはバランスを崩し、床に倒れてしまう。
「……レミリア、ここは俺に行かせてくれないか?」
「あ、あんた!何言ってんの!?さっきの話聞いてた!?死ぬかもしれないのよ!」
「俺も成りたてだが、これでも吸血鬼だ。少しは戦えるだろう。それにこれは俺の推測だが……」
「何よ?」
そして俺はゆっくりと口を開く
「……フランドールは恐らくNo.に取り付かれている。」
「「なっ……!」」
〜紅魔館地下入口〜
地下の入口にはパチュリーがいた。今まで魔法でフランドールを押さえつけていたらしいが、ついさっき破られてしまったらしい。かなり疲弊している。
「レ、レミィ……もうダメだわ。私の魔法じゃフランを押さえつけられない。このままフランを外に出したら不味いわ。ここでなんとかしないと……。」
「伊藤……本当に大丈夫なの?」
「……大丈夫だ。念の為皆は外に避難しててくれ。幸い今は曇りだ。レミリアも今なら外に出られるだろう。」
「……分かったわ。フランの事、頼んだわよ。」
「伊藤さん……。」
咲夜さんが今にも泣きそうな目で俺を見つめる。
「咲夜さん……大丈夫だ。俺はそう簡単に死なないさ。あ、フラグじゃないからな?」
「でも……」
「咲夜。……こいつに任せましょう。悔しいけど本当にフランにNo.が取り付いてるなら、私達は無力……。頼んだわよ、伊藤。フランを……妹を取り戻して頂戴。」
「……行ってくる。」
そう言って俺は地下への階段を下っていく。
「勝算はあるのか?」
また体の中からコートオブアームズが出てくる。今は突っ込む気にもなれない。
「フランドールにNo.が取り付いてるなら、No.を持っていないレミリアや咲夜さんでは勝てない。それならNo.を持っている俺の方が勝機はあるだろう?」
「だが……。」
「俺を信じろ。ほら、こんな時こそいつものノリで!」
「……そうだな。心配するだけ無駄か。ところで主よ。そんな装備で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない!さあ行くぞ! 」
〜紅魔館地下室入口〜
「……ここか。」
中からとんでもない量の妖力が溢れている。これには俺も少し驚いたが、直ぐに落ち着きを取り戻し、重い扉を開ける。ズゥン、と低い音がする。あちこちがボコボコになった部屋の中央には金髪の少女がいた。フランドールだ。少々歪だが、背中に羽も生えている。
「っ!この気配は!」
フランドールを見て、コートオブアームズが驚きの声を上げる。
「ああ、No.だ。だが……」
「ああ……」
俺とコートオブアームズが同時に言う
「「二体も憑依してやがる……」」
「……ダレ?」
フランドールが振り向く。無表情だが、その目は鋭く俺を見つめる。
「俺は伊藤大輔。君と同じ吸血鬼だ。」
「ドウミテモニンゲンナノダケレド……マァイイワ。トコロデオニイサン。ワタシトアソバナイ?」
そう言うとフランは真っ赤に燃える剣を右手に持つ。あれがレーヴァテインか。
「望むところだ……フランドールスカーレット!」
俺は新しいスペルカードを頭の上に掲げる
「吸血鬼となった俺の新しい力……受けてみろ!」
紋章剣『メダリオン・ソード』
スペルカードに光が集まり、やがて真っ白く光る剣へと変わってゆく。
「フフフ……アハハハハハハハ!!アソボウ、アソボウヨ!!」
「行くぞ相棒!お前の力を貸してもらうぞ!」
「勿論だ!!」
そして俺とコートオブアームズが同時に叫ぶ。
「「あいつをNo.の呪縛から解き放つ!」」
咲夜&美鈴&パチュリー&レミリアside
「……大丈夫でしょうか……。」
咲夜が大きく揺れる紅魔館を見て呟く。
「館は私が防御魔法をかけているとはいえ……これでは正直持つかどうかわからないわね。」
同じくパチュリーが呟く。
「伊藤さん……どうかご無事で……!」
美鈴が両手を合わせて祈る。
「大丈夫よ……信じなさい。あいつが簡単に死ぬものですか……。」
レミリアが自分に言い聞かせるように呟く。
「フラン……」
伊藤side
「うおおおおおおおおお!」
「グッ……チィッ!!」
今の所、俺が優勢だ。俺が一方的に攻撃する一方、
フランは防戦一方だ。
「これで――――」
「!!」
フランのレーヴァテインを破壊しようと、俺は剣を思いっきり振り上げる。
「終わりだ!!」
「キャアアアアアア!!」
俺の渾身の一撃がフランのレーヴァテインに直撃し、粉々に粉砕する。そしてその衝撃でフランを床にたたき落とす。これで多少はダメージが入るだろうと思っていたが――――
「ククク……アハハハハハハハ!!オモシロイ、オモシロイヨオニイサン!!」
「何!?」
粉塵の中でフランが立っていた。まるでダメージを受けていないようだ。
「ソレジャア……ワタシモソロソロホンキヲダサナイトネ!!」
そう言うとフランは右手を天井に掲げる
「キナサイ……No.40!」
「なっ!?」
突然フランの右手の甲に40という数字が現れる。その瞬間、天井に暗雲が立ち込め、雲から細くて赤い糸が降り注ぐ。
「これは!?」
「不味い!!避けろ!!」
俺は空から降ってくる糸を一つ残らず剣で叩き切る。
「この糸は……ヘブンズストリングスか!!くそ!!厄介な物を!!」
ヘブンズストリングスの効果はフィールド上のモンスターをすべて破壊するという恐ろしい効果を持ったモンスターだ。恐らくあの糸に捕まったら……俺は死ぬだろう。
「ナンデ!?ナンデコワレナイノ!?ソレジャアワタシガコワシテアゲル!!」
フランが今度は左手を俺達に向ける。
「キナサイ!!No.15!!」
「げっ!?」
今度はフランの左手の甲に15という数字が現れる。するとフランの左手の指一本一本から赤い糸が俺達に向かって放たれる。
「今度はジャイアントキラーか!!これも不味いぞ!!」
俺に向かってくる糸を一本残らず叩き切る。すると今度はまた空から糸が降り注ぐ。
「げぇぇぇぇぇ!?またかよ!?」
「アハハハハハハハ!!モット、モットアソボウヨ!!」
またフランの左手の指から糸が放たれる。
「チィッ!うおおおおおおおおお!!」
俺はなんとか全ての糸を叩き切ることに成功するも、また糸が降ってくる。
「クソっ!!キリがない!!」
「モット、モット、モットアソボウヨ!!オニイサン!!」
二体のNo.の力を手に入れたフランドール!!伊藤は果たして勝てるのか!?次回、フランドール戦、決着!!それでは次回もゆっくり見ていってね!!