凄く普通の決闘者が幻想入り   作:うー☆

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注意。今回ギャグは全くと言っていいほどありません。


第四話 俺の記憶

――――ここはどこだ?俺は一体何をしてるんだ?……ってあれは……

 

「お父さん!お母さん!早く行こうよ!」

「そんなに早く歩くと転ぶぞ。もう少し落ち着いたらどうだ?」

「いいじゃないのお父さん。男の子は元気が一番よ」

 

あれは子供の頃の俺?それにあれは父さんに母さん?ということはこれは俺の記憶?……しっかしまぁ無邪気だな……俺にもあんな時があったのか……

 

「早く早く!こっちこっち!」

「ハハハ、もう少し待ってくれよ。母さんが大変だろ?」

「ごめんなさいね。私のせいで」

「いいんだよ。大輔、もっとゆっくり歩こう。母さんのお腹にはお前の弟がいるんだぞ?」

「うん、わかった!」

 

そう言えばこの頃母さんは妊娠してたんだっけな……友達のお母さんから聞いたのすっかり忘れてたな……

 

「ねぇねぇ、次はどこ行こうか!?」

「んー?そうだな……母さんは行きたいところあるか?」

「いえ別にありませんよ……貴方は?」

「うーん俺もないなぁ……それじゃあこの辺をブラブラするか!」

「賛成!」

 

……いい親子だな……すっかり忘れてしまってた……俺にもこんな記憶があったんだな……こんな毎日がずっと続いていればいいのに……

 

しかし俺の思いは次の瞬間無残に砕かれてしまう

 

 

 

 

 

ズブリ

 

 

 

…………!?!?!?

 

 

 

異様な音を聞き俺はすぐにそこを見る――――

 

 

 

――――そこにはナイフで刺されて血まみれの父さんが倒れていた

 

「おとう……さん……?」

「ククク……アーッハッハッハッハ!皆死ねばいいんだ……てめぇらなんか皆死んじまえばいいんだ!」

 

狂ってやがる……こいつ……間違いなく狂ってやがる……

 

「大……輔……」

「お、お父さん!」

 

父さんが最後の力を振り絞り、自分の息子の名前を呼ぶ

 

「逃げ……ろ……」

 

それっきり父さんは動かなくなった――――

 

……嘘だろ?おい嘘だと言ってくれよ。さっきまであんなに元気だったじゃないか。なんで今はピクリとも動かないんだ?……そうだこれは夢だ。そうに違いない。だってこんなことある筈がない。さっきまであんなに元気だった人間が死ぬなんて。そうだこれは夢だ。夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢ダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダユメダうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

俺は頭を掻きむしりながら叫ぶ。目の前のことから必死に目を背ける。

 

「おとう……さん……お前ェェぇぇぇぇ!!」

 

少年の叫びで俺はハッと我に返る。

 

!?バカやめろ!お前で敵う相手じゃない!!お前まで死ぬぞ!!

 

少年に届く訳がないのに俺は必死に叫ぶ。「止めろ」と――――

 

「あぁ?何だこの糞ガキ、舐めてんじゃねぇ!!」

 

少年は信じられない程遠くまで殴り飛ばされた

 

「ガハッ……」

「そうか……そこまでパパの所に行きたいか……じゃあ今すぐ送ってやるよぉ!!」

 

男は少年に向かってゆっくりと歩みを進める……そして目の前で立ち止まる

 

「あばよボウズ!!」

 

男はナイフを振り上げる――――

 

っ!!やめろぉぉぉぉぉぉ!!

 

そして――――

 

ズブリ

 

…………っ!?

 

そこには息子を庇ってナイフに刺された母さんの姿があった――――

 

「大……輔……」

「お……かあさん?」

「貴方は……生きな……さい……」

 

その言葉を最後に母さんはピクリとも動かなくなった――――

 

俺はその光景を見て何も言葉を発することが出来ない……

 

「ちぃっ!!邪魔だ!!」

 

男は母さんをまるでゴミのように投げ飛ばす

 

「待たせたな……今度はお前の番だ!!」

 

男がナイフを振り上げる――――その瞬間

 

「っ!?ガハッ!?」

「確保!!」

「僕、大丈夫か!?」

 

突然銃声と共に警察官たちが駆けつける

 

そこで俺の意識は途切れた――――

 

 

 

 

 

 

 

「………………っ」

「お、気がついたか」

 

目の前には俺の相棒――――のような奴がいた

 

「……何だその格好」

「ん?あぁこれか?あの姿のままだと色々と不便でな。姿を変えさせて貰った。」

 

そこにはまるで人間の騎士のような格好をしたコートオブアームズがいた

 

「……そんなこと出来るのか」

「一応な。所でさっきまで酷くうなされていたが大丈夫か?」

「……あぁ、大丈夫だ」

 

さっきの話を上手く話せる自信がない。それにこいつに話したところでなんの得もないだろう

 

「……そうか。まぁいいだろう。とりあえずどうする?」

「?どうするって……あぁそうだったな」

 

ちょいと目をやるとそこには地面に倒れている紅美鈴がいた

 

「そうか……俺たち戦っていたんだよな……」

「……お前本当に大丈夫か?って誰か来たぞ」

「ん?あれは……」

 

紅白の巫女服に身を包んだ人間が飛んでくる――――

 

 

霊夢side

 

「……ようやく見えてきたわね」

 

先程チルノを倒した霊夢が空を飛んでいる。そして目の前には目に悪そうな真っ赤な館があった

 

「……あそこに今回の異変の首謀者がいるのね。魔理沙はもう侵入してるかしら。私も急がないとね……ってん?」

 

門の所に誰かいる。二人。しかも片方は倒れている

 

「……少し急ぎましょうか」

 

そう言うと霊夢は飛ぶスピードを上げる――――

 

 

 

伊藤side

 

紅白の巫女が飛んでくる。恐らくあれは霊夢だ。いつもの俺だったら嬉しくて踊っていただろう。しかし……今はそんな気分じゃない。そうこう考えていると、霊夢は俺の前に降り立つ

 

「……あんた誰?」

 

いきなりそれか。まぁ一応知らないふりだけでもしておくか

 

「俺は伊藤大輔。ここに来たばかりの人間だ

「来たばかり……ということは外来人ね。それで?貴方はここで何してるの?」

「ここの門番と戦っていた」

「……成程ね。貴方も異変の解決にきたというわけ?」

 

霊夢がちらと目をやると、そこには門番らしき妖怪が倒れている

 

「まぁそんなところだ」

「ふぅん……何で外来人の貴方がこの異変の解決をしようとしてるのかしら?

「……何でだろうな。俺にも良く分からない」

「……貴方はもう帰りなさい。異変解決は私の仕事よ。」

「乗り掛かった船だ。最後までやり通したい」

「……私の邪魔をしないのなら、ついてきてもいいわ」

「俺がそんな人間に見えるか?」

「みえるわ」

「……見えてるのか」

 

こうして、なんだかんだで霊夢と組むことになった俺だった――――

 




どうも、主です。今回は少し重い話になってしまいましたね……。反省はしていない(キリッ)
まぁとりあえず、次回もゆっくり見ていってね!

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