やりたい事やったけど
今後回収出来るかどうか
つーか、この小説に
伏線もクソもあるかい
翌日。俺とフミは屋上にいた
フミ「やる曲決まったのか?」
ヨウタ「とりあえず何曲か絞ってきたが歌ってみたからだな」
俺とフミは話し合いながら一通りパフォーマンスの練習がてら選曲を選ぶ
フミ「決まりそうか?」
ヨウタ「う〜ん…だいぶ絞れたが俺らの時間帯だと夜をイメージ出来そうなのも良いのか悩む」
フミ「確かにな」
俺とフミで選曲決めをしてると屋上の扉が開く
ことり「フミ、ヨウタ。おはよう」
ヨウタ「ウィッス…ん?」
今、俺らの事を呼び捨てにした?それに練習着がいつもと違うような…?
穂乃果「おはようございまーす!あ!ごきげんよう。」
次に穂乃果と海未もやって来たが今日は何か様子が変だな…つーか入れ替わってる?
フミ「今日、何か様子がおかしいぞ」
ヨウタ「あれ?入れ替わってね?」
フミ「まるで『君の名は』だな」
俺とフミは小声で話す
ことり「海未!ハラショー!」
穂乃果「絵里!早いですね!」
絵里の真似をすることりと海未の真似をする穂乃果。つーか何でこんな事になってるんだ?
穂乃果・ことり「そして凛も!」
凛の服を着ている海未。なんというかスカートの丈感が…ありがとうございます
海未「無理です!」
穂乃果「ダメですよ海未?凛になりきって下さい!あなたが言い出したのでしょ?空気を変えてみた方が良いと。さあ凛!」
海未「うう…にゃー!さあ!今日も練習!行っくにゃー!」
ヤバいな。これ動画撮ってアイツらに送ろうかな?
凛「何それ?イミワカンナイ」
真姫の服を着て真姫の真似をしてる凛。もう訳が分からないよ
穂乃果「真姫!そんな話し方はいけません!」
凛の真似は似てると思うけどな
凛「面倒な人」
そこに希の服を着た真姫が来る
真姫「ちょっと凛!それ私の真似でしょ!止めて!」
凛「お断りします!」
穂乃果「おはようございます希」
穂乃果の言葉に動揺する真姫。そりゃそうだよな。エセ関西弁なんて使いたくないよな〜
海未「ああ!喋らないのはズルいにゃ!」
海未が猫語尾で凛の真似をしてる…もう吹っ切れたんだな
ことり「そうよ?皆で決めたでしょ?」
真姫「べ、別にそんな事…言った覚え、無いやん///」
真姫らしい反応っちや反応だな。後で関西弁の事おちょくろっと
穂乃果「おお希!凄いです!」
すると、にこの姿をした花陽がやって来る
花陽「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー♡笑顔届ける矢澤にこにこー!青空もーにこ!」
ことり「ハラショー!にこ思ったよりにこっぽいよね!」
花陽はスゲーな。完全に役になりきってる
花陽「にこ!」
にこ「にこちゃん?にこはそんな感じじゃないよぉ〜?」
ことりの格好をしてるにこ。これ後でマサに送ろうかな?
フミ(本人が突っ込んでる)
ヨウタ(内心少しキレてるな)
けど、声真似は上手い
穂乃果「ことり!」
あーもう!訳分からんくなって来た!
希「いやー!今日もパンが美味い!」
穂乃果の格好した希がパンを食ってる。何かシュールだな
ことり「穂乃果、また遅刻よ?」
希「ごめ〜ん」
穂乃果「私って、こんな?」
確かに穂乃果はこんな感じだな
ことり「ええ」
最後は花陽の服を着た絵里が来る。やっと終わりか
絵里「大変です!」
穂乃果「どうしたのです?」
絵里「み、皆が!皆がーーーー変よ」
その一言で入れ替わりは終了した
そんなこんなで俺達は部室で戻る
穂乃果「んー…まずいまずい…」
ことり「このままじゃ時間がどんどんなくなっちゃう…」
海未「結局…何も変えられないままですね」
ヨウタ「無駄に終わったな…」
フミ「そういう俺らも曲決まってないけどな」
絵里「ねぇ、ちょっと思ったんだけど、いっそのこと一度アイドルらしいってイメージから離れるのはどうかしら」
フミ「アイドルらしくなくってことか?」
花陽「じゃあ、例えばかっこいいとか?」
凛「あ、それいいにゃー」
ことり「でも、かっこいいってどんな感じ?」
真姫「例えばロックとか?」
希「もっと荒々しい感じとか?」
フミ「その辺はコイツが詳しいぜ」
フミは俺を指差していう
ヨウタ「いや、ロックは詳しいというか好きなだけだ」
にこ「新しいというのは、そういう根本のイメージを変えること…」
穂乃果「ヨウタ君なんかない?」
俺は腕を組みながら考える
ヨウタ「ロックっていっても色々あるんだよ。例えば日本だとJロック。他にもV系やラウド。メロディックロックとか、…でも、荒々しさを求めるならハードロックとかヘヴィメタルとかあたりがいいと思う。後はメロコアとか?」
真姫「へぇ...具体的にはどんな感じなの?」
ヨウタ「ハードロックならKISSとかVan Halenみたいな感じかな。派手な格好や演出も含めて、観客を煽るような強いエネルギーがある」
穂乃果「うんうん、なんかすごく面白そうだね」
凛「かっこよさそうにゃ!」
ことり「私達にそんなそんなのできるかな…?」
ヨウタ「いや、できると思うぜ。お前らならその個性を活かせるはず。それに、ロックって本来、型にはまらない自由な音楽だし」
絵里「確かに、今までと全く違うアプローチね」
ヨウタ「まぁ、参考程度って事で」
そう言って俺はフミと選曲作りの為に屋上に戻る。まさかあんな事になるなんて俺はこの時、思いもしなかった
次の日穂乃果達は校門から登校していく生徒達の前でKISSの格好を披露するが、インパクトの方は逆効果となり理事長に呼び出しされる始末となった
理事長「説明してもらえるかしら…」
穂乃果「え、ええっと…なんでだっけ?」
海未「覚えてないんですか!」
絵里「理事長!違うんです!ふざけていたわけじゃないんです!」
ことり「そうなの!ラブライブに出るためには、どうしたらいいかってことをみんなで話し合って!」
海未「今までの枠に捕らわれていては新しい何かは生み出せないと思っていたのです!」
穂乃果「そうなんです!私達本気だったんです!怒られるのは侵害です!」
凛「そうですそうです!」
理事長「分かったわ、じゃあ最終予選はそれで出るという事ね?」
穂乃果「えっ?」
理事長「それならば、今後その服装で活動することを許可するわ」
穂乃果「あ、ああ………えー」
全員「すみませんでした!!!」
そして、μ'sは理事長に謝罪する事になった
ヨウタ「俺、KISSを参考にしろとは言ったが格好までしろとは言ってないよな?」
穂乃果「すいません…」
ヨウタ「つーか、お前らKISS世代じゃねーだろ?そんな曲もろくに聴いてもねーくせに格好だけは一丁前にしやがってよ〜」
シオン「珍しくアイツがキレてるな」
フミ「アイツ、バントの事になると老害みたいになるから」
ヨウタ「バンドってのはただ格好つけりゃいいってもんじゃねーんだよ!KISSだってステージの見せ方や音楽性をちゃんと追求してきたバンドなんだぞ!メイクや衣装は、その結果としてあるんであって…」
フミ「おい、いつまで説教してんだ?こっちもライブまで時間ねーんだぞ」
ヨウタ「でもよ…」
フミ「分かるよ、お前の言いてーこと。けどな、今は練習に集中した方がいいだろ?そっちの方が建設的じゃね?」
ヨウタ「...」
フミ「μ'sのやつらにロックの良さ教えたいなら、俺らが良い演奏見せりゃいいんだよ。な?」
ヨウタ「...ああ、そうだな。悪い」
穂乃果「ごめんなさい。私達も軽い気持ちでやっちゃってて…」
ヨウタ「いや、こっちこそ言い過ぎた。フミの言う通りだ。今は練習に集中しよう」
フミ「よし、ならスタジオ行くか」
それから練習してると俺達はμ'sにファーストフード店に呼ばれ話し合いに参加する事になった。しかし次第に揉め事となる
にこ「どうしてこうなるの!」
海未「そうです!もっとまじめにインパクトを与えるためにはどうしたらいいか話していたはずです!」
穂乃果「最初は海未ちゃんだよ!いろんな部活の格好をしてみようって!」
海未「それは…ですがそのあとは穂乃果達でしょう?」
希「それはそうやけど…」
シオン「なあ、今はそんな事言っている場合じゃねぇだろ?」
ヤヨイ「シオン君の言う通りですよ。責任のなすりつけ合いしてもしょうがありません」
真姫「そうよ、それより今は具体的に衣装をどうするかを考えたほうがいいんじゃない?」
ヨウタ「ことり、衣装の案は出来てるのか?」
ことり「うん…一応考えてはみたんだけど…やっぱり、みんなが着て似合う衣装にしたいって思うんだ。だから…あまりインパクトは…」
にこ「でも、それじゃA-RISEには…」
フミ「いや、ここはことりの意見に賛同しよう」
そして話し合いが終了し店から出ると、辺りはもう暗くなっていた
花陽「あぁ…どうしたらいいんだろう…」
絵里「それはまた明日考えましょう?とにかく衣装作りだけでも始めて行かなくちゃね」
シュウジ「俺らも協力した方がいいか?」
凛「あれ?穂乃果ちゃんは?」
ヨウタ「さっきまでいたけど」
俺と凛は穂乃果の姿が見えなくなったので周りを見渡す。そしたら穂乃果は街並みを眺めていた
海未「穂乃果、置いていきますよ?」
穂乃果「あ、ごめーん」
ヨウタ「何みてんだ?」
穂乃果「うん。ハロウィンって昼と夜とじゃ印象が全然違うんだな~って思って…綺麗だなぁ」
ヨウタ「確かに。夜だとイルミネーションが映えるもんな」
絵里「さぁ、行くわよ、遅くなるわ」
穂乃果「うん」
その頃、フミはというと
フミ「ことり、衣装の方間に合うのか?」
ことり「うーん…ちょっと時間がないかな…」
フミ「じゃあ、俺も手伝うよ。シュウジも協力するって言ってるし」
ことり「フミ君ありがと」
そして俺はことりと共に衣装作りをする事になるが、作業はあまりにも難航していた
その夜、ことりの家で衣装作りを始めていた俺達だったが、作業は難航していた。
花陽「あぁっ…うぅっ…あーうぅっ、ごめんなさい、間違えちゃった…」
フミ「落ち着いてやれば大丈夫だ」
花陽「うん!」
にこ「…おかしいと思うんだけど!」
マサ「何が?」
にこ「何がって、決まってんでしょ!なんで私達が衣装作りやってんの!」
花陽「みんなは…ライブの他の準備があるから…」
シュウジ「他は他で忙しいからな」
にこ「よく言うわ!くだらないことで時間使っちゃっただけじゃない!」
ことり「そんなに無駄じゃなかったんじゃないかな?」
にこ「はぁー?どこがー?」
ことり「私は楽しかったよ?おかげで衣装のデザインのヒントももらえた!」
にこ「衣装係って言われて、そんな役割に慣れちゃっているんじゃない?」
マサ「にこ。そんな言い方は良くないぞ」
にこの発言を聞いたマサが注意すると、ことりは手を止めてにこの顔を見つめる
ことり「私には私の役目がある。今までだってそうだよ、私はみんなが決めたこと、やりたいことにずっとついていきたい。道に迷いそうになることもあるけれどそれが無駄になるとは私は思わない」
フミ「役割か…」
ことり「この衣装はにこちゃんのだよ。みんなが集まってそれぞれの役割を精一杯やりきれば素敵な未来が待ってるんじゃないかな?」
にこは一瞬言葉を失い、そして小さく溜息をつく
にこ「...ごめん」
ことり「にこちゃん?」
マサ「何だ?怒るんじゃないのか?」
にこ「うるさいわね。マサはさっさと縫いなさいよ」
にこは作りかけの衣装を手に取りじっと見つめる
にこ「...これ、本当に私のなの?」
ことり「うん!にこちゃんが一番輝けるように考えたの!」
にこ「はぁ...仕方ないわね。せっかく作ってくれるんだから、他のも完璧な仕上がりにしなきゃダメよね」
マサ「じゃあ、ちゃっちゃと終わらせますか」
シュウジ「スピードも大事だが丁寧さを忘れないようにな」
まるで、先程の言い合いが嘘だったかのように、部屋の空気が和やかになっていく。その様子をことりは優しく微笑みながら、また縫い物を始めた
そして夜も更けスマホの着信が鳴る。画面に「穂乃果」の名前が表示され、俺は少し面倒くさかったけど通話ボタンを押した
ヨウタ「…もしもし?」
穂乃果「ヨウタ君!今、大丈夫かな?」
ヨウタ「ああ大丈夫だけど、どうした?」
穂乃果「ヨウタ君達は練習どうかなって思って…うまくいってる?」
ヨウタ「…まあ、ぼちぼちってところだな。期待するなよ」
穂乃果「そんなことないよ!ヨウタ君ならきっとかっこよく演奏できると思うもん」
ヨウタ「…そうかな。まあ、頑張るけどな」
穂乃果「どんな曲やるの?」
ヨウタ「それは明日楽しみにしてな」
穂乃果「じゃあ、明日楽しみにしてるね!」
ヨウタ「穂乃果あのさ…急に話変わるけど、お前たちがインパクトを求めてるのは分かるが無理にこだわる必要はないんじゃないか?」
穂乃果「え?どうして?」
ヨウタ「だって、インパクトばかり求めても、逆にうまくいかないこともあるだろ?焦らずに、自分達のペースでやる方が大事だと俺は思うぜ」
穂乃果「うーん…それもそうだけど、やっぱりみんなに喜んでもらいたいって気持ちもあるし…どうしてもA-RISEを意識しちゃうんだよね」
ヨウタ「気持ちは分かるが、意識し過ぎると逆に自分を見失うかもしれないぞ。まぁ、無理に全部変えろってわけじゃないけどさ」
穂乃果「うーん、なんか…まだしっくりこないけど、わかったような気もする。どうするか、ちょっと考えてみるね」
ヨウタ「ああ、無理するなよ」
穂乃果「うん…ありがとうね。ヨウタ君」
ヨウタ「それじゃ、おやすみ」
そして俺は通話を切る
穂乃果「うーいよいよライブか〜…緊張するねー」
ヨウタ「俺は緊張で今にでも吐きそうだ」
フミ「吐くならちゃんとトイレ行けよ」
レン「ヨウちゃんって意外と緊張しいだよね〜」
絵里「でも楽しんでいきましょ。みんなもほら、楽しそうよ?」
絵里は後ろでかぼちゃの風船ではしゃいでいるみんなに目をやる
ヨウタ「みんな楽しそうだな」
絵里「そうね」
そんな中、穂乃果はみんなの事をじっと見つめている
穂乃果「ねえ絵里ちゃん、私、このままでいいと思うんだ」
絵里「このまま?」
穂乃果「うん。A-RISEがすごくて私達もなんとか新しくなろうと頑張って来たけど、私達はきっと今のままが一番いいんだよ。だって!みんな個性的なんだもん!」
絵里は穂乃果の言葉をじっと聞く
穂乃果「普通の高校生なら似た者同士が集まると思うけど私達は違う!時間をかけてお互いの事を知って、お互いのことを受け入れ合って、ここまで来られた。それが一番私達の特徴じゃないのかな?私は!そんなμ’sが好き!」
絵里「ええ、私も!」
穂乃果の言葉に絵里達は微笑んで返すと穂乃果も微笑んでいた
ヨウタ「やっと答え見つけたようだな」
穂乃果「ヨウタ君もありがとね。昨日、言ってた事が分かったよ」
ヨウタ「俺はただ、少し後押ししただけだ」
穂乃果「でも、後押ししてくれて本当にありがと。ヨウタ君のおかげだよ」
ヨウタ「そんな大した事じゃねーよ」
穂乃果「でも、ありがと♪」
ヨウタ「たく、しつけーよ。調子乗ってライブしくじるなよ」
穂乃果「大丈夫だよ!私達、絶対うまくいくから!」
ヨウタ「そうか。まぁ頑張れよ」
穂乃果「うん!ヨウタ君もね!ライブ、楽しもうね!」
そして出番前、ライブ前の緊張とワクワクが入り混じった雰囲気の中、μ'sのメンバー達が舞台裏で集まっていた
穂乃果「さあ、いよいよだね!みんな準備はできてる?」
ことり「うん!衣装もバッチリだし、あとはみんなと一緒に頑張るだけ!」
絵里「緊張するけど、みんなでやるんだって思うと心強いわね」
真姫「緊張はしてるけど、でも楽しみ!今日はみんなに最高のステージを見せてあげるわよ」
凛「うん!凛、絶対に最高のダンスしてみせるにゃ!」
花陽「私も頑張る!みんなで楽しもうね!」
俺はその輪の中で少し緊張した面持ちだったが、口を開いた
ヨウタ「…お前ら、緊張しすぎて足元がフワフワしてる感じしないか?俺は出番じゃないのにヤバい…」
穂乃果「あはは、わかる!でもみんなでやるからきっと大丈夫だよ!」
シオンが横から声をかける
シオン「よし、行こうぜ。練習した成果を出すんだ、楽しんでこい!」
フミも自分の準備をしながら頷いた
フミ「俺も見届けてやるよ。お前らならきっと大丈夫だろ。」
穂乃果「ありがとう!じゃあ、みんな準備できたら舞台に出よう!」
みんながそれぞれ気合を入れ直し、穂乃果が元気よく前に進み出た。舞台のドアが開く瞬間、熱いステージへの期待が一層高まった
穂乃果「行くよ、みんな!」
一斉に声を合わせて、最初の音楽が流れる準備を整え、μ'sのメンバーは一歩を踏み出した
『Dancing stars on me!』
ライブが始まり、ステージ上のメンバーたちは観客の歓声に包まれながら、精一杯のパフォーマンスを見せていた。けど俺はふと観客の視線を感じ、何となく心の中で引っかかるものがあった
フミ(…何か、ことりに向けられてる視線が気になるな?)
普段から観客の視線なんて気にしないが、今日はやけに気になって仕方がない。その視線は応援の気持ちだとは思うが、どこか注目し過ぎているような、過剰なものに感じてしまう
フミ(なんだろう、この感じ…スゲーモヤモヤする)
俺はどうしてもその視線が気になり、気が散ってしまう
シオン「どうした。険しい顔して?」
俺は少し驚き、慌てて顔を作る
フミ「いや、別に…ちょっと考え事してただけだ」
シオンは怪しむように俺を見たが、すぐに肩をすくめた
シオン「考え事か…まあ、俺もよくあるしな。緊張してるのか?俺らもこの後ライブだし、分かるけどさ、今日は楽しんでいこうぜ」
フミ「…ああ、そうだな。今日はそれが一番だな」
シオンは軽く笑って、俺の肩をポンと叩く
シオン「緊張するのも分かるが今日は祭りごとだ。楽しもうぜ」
フミ「ああ、そうだな」
シオン「それにしてもヨウタの姿が無いけどアイツは何処に行ったんだ?」
フミ「アイツなら今頃トイレだろうな」
ライブ前、緊張がピークに達した俺は、ステージに立つ前にトイレに駆け込んだ。鏡の前で深く息を吐き、しばらくその場に立ち尽くす。やがて、吐き気が収まり、ようやく落ち着きを取り戻す
ヨウタ(ダメだな、俺…)
トイレを出るとすぐに何か視線を感じて振り返った。そこには、ツバサが立っていた
ツバサ「大丈夫?顔色、すごく悪いけど…」
ヨウタ「大丈夫だ…ちょっと緊張してるだけだよ」
ツバサは心配そうに俺を見つめ、少し近づいて来る
ツバサ「緊張する気持ち凄く分かるわ。だから、あんまり無理しないでね」
ヨウタ「大丈夫だ。舞台に立てば後はノリで行ける」
ツバサ「それでも、体調には気をつけてね。今日のライブすごく楽しみにしてるわよ」
ヨウタ「ああ、サンキューな」
ツバサは少し黙って、俺の顔を見つめてから、少し恥ずかしそうに言った。
ツバサ「それと、今日のデートのことだけど…」
ヨウタはちょっとギクリとしたが、表情には出さないようにして答えた
ヨウタ「そうだな…ライブ終わったら、ちゃんと行くから」
ツバサ「覚えてたのね。すっかり忘れてると思ってたわ」
ヨウタ「それは心外だな」
ツバサは少し安心したように微笑みながら、最後に一言
ツバサ「じゃあ、ライブ頑張ってね!」
ツバサが去った後、俺は少しだけ心の中で穂乃果のことを思い、気持ちを引き締めながらライブに臨む準備をする
俺は舞台に向かう途中、出番を終えた穂乃果とすれ違った
穂乃果「あ、ヨウタ君!」
ヨウタ「穂乃果か…ライブお疲れ…」
穂乃果「どうしたの?顔色、ちょっと悪いよ?」
俺は軽く笑おうとしたが、少しぎこちなく強がって答えた
ヨウタ「大丈夫…少し緊張してるだけだ」
そんなことで弱気になってどうすんだよ…俺。全く自分が情けねぇ
穂乃果「やっぱり緊張するよね。でも、ヨウタ君なら何とかなるよ」
その言葉を聞いて、少しだけ安心した気がしたけど、それでも緊張が収まらない。胸の中に広がるプレッシャーにどうしても押しつぶされそうになる
ヨウタ「…だよな。俺なら大丈夫だよな」
でも、その自信がまた少し揺らいで、思わず弱音を吐いてしまった
ヨウタ「けど、なんか…プレッシャーがきつくて、正直ちょっと怖いんだ」
穂乃果は驚いた顔をして、すぐに優しく言った
穂乃果「ヨウタ君…そんなに無理しなくても大丈夫だよ。みんなが応援してるから、気負わなくていいんだよ」
その言葉に、少しだけ肩の力が抜けた気がした。でも、それでも完全に緊張は取れなかった。すると穂乃果は黙って俺の手を見つめた後、ふっと微笑んで言った
穂乃果「ねえ、ヨウタ君。私がおまじないしてあげる」
そう言って穂乃果は俺の手を軽く広げ、手のひらに文字書く
穂乃果「これ、緊張した時だけ見てね。私の気持ち込めておいたから。ヨウタ君が本当の自分を出せるように、応援してるよ」
俺は驚きながらも、穂乃果の言葉に安心感を覚えた。ちょっとしたおまじないだったけど、その優しさが心に響く
ヨウタ「ありがとう、穂乃果。何か、元気出た気がする」
穂乃果は少し照れたように笑う
穂乃果「頑張ってね。信じてるよ」
その言葉を胸に、俺はもう一度深呼吸をして、心の中で少し落ち着きを取り戻した。舞台に立つ準備が整ったような気がした
ヨウタ「ああ、行ってくる」
穂乃果の言葉に背中を押されて、俺は少し元気を取り戻して舞台へと向かった
舞台袖
フミ「たく、遅いぞ」
ヨウタ「悪い。緊張ほぐしてた」
レン「ヨウちゃんが失敗しても俺っちがカバーするから大丈夫ナリよ〜」
ヤヨイ「けど、確かに緊張しますね」
マサ「みんな初のステージだからな」
ユウノスケ「祭り事なんだし失敗しても思い出だよ」
ユウヤ「しかし、こんだけの人数なら心強いな」
シュウジ「確かに泥舟に乗った気分だ」
シオン「大船だ。バカヤロー」
フミ「よし、みんな集まれ」
俺達全員が円になって集まる
レン「お!円陣とはバイブスあるね〜」
シオン「うるせぇな」
ヨウタ「あー緊張してきた」
ヤヨイ「でも不思議と心強いです」
ユウノスケ「当たり前だ。俺達は9人だからな」
マサ「なんか、部活の試合前みたいだね」
ユウヤ「確かにな」
シュウジ「みんな、肩の力抜けよ」
俺達は全員で肩を組む
フミ「聞こえてるか?あいつらの声」
外からの歓声が漏れ聞こえる
フミ「あの声を、俺達の音楽で攫っていく」
シオン「たく、格好つけやがって」
レン「うひょ〜!燃えてきたナリ!」
シュウジ「みんな、準備はいいか?」
マサ「おうよ」
フミ「じゃあ、行くぞ...せーの!」
全員「音楽でぶっ飛ばすーっ!」
円陣が解け、それぞれがステージに向かって歩き出す
ヤヨイ「始まりますね...」
ヨウタ「ああ...」
ステージの暗転が明け、照明がメンバーに当たる中、2人がマイクの前に立つ
ヨウタ:「よし、行くぞ、レン!」
レン:「任せとけ!」
イントロのギターが鳴り響く
『ELLEGARDEN/スターフィッシュ』
ヨウタ 「おとぎ話の続きを見たくて…」
レンも一緒に歌いながら、二人の声が会場に響き渡る
レン 「すぐ側のものは見えなかった」
ユウヤがリズムギターをかき鳴らし、シオンがリードギターでグルーヴ感を出しながら会場を盛り上げる。ユウノスケとヤヨイがリズムをしっかりと支え、シュウジがドラムで力強いビートを刻む
ヨウタ 「平気になった媚びた笑いも…」
その時、フミがDJブースから控えめに音を加えて、キーボードのマサが音の空間を広げる
ヨウタ 「まとめて全部 剥がれ落ちるような」
2人のボーカルが調和し、会場のファンと一体となって歌声が広がっていく
ヨウタ「こんな星の夜は 全てを投げ出したって」
レン「どうしても君に会いたいと思った」
観客の声援が響き2人のボーカルがぶつかり合いながら、ステージ全体が熱気で包まれる
ヨウタ&レン 「こんな星の夜は 君がいてくれたなら何を話そうとか」
そして曲が終わり、静寂の中で観客の声援が響く
ヨウタ「今日はありがとうございました!」
レン「ありがとう!」
そのまま2人はステージを後にする。他のメンバーも続き、軽く手を挙げて感謝の気持ちを伝えつつ、音楽が止んだその場所から静かに退場していく。観客からの大きな拍手がステージに響く中、ライブは終了した
ライブを終えた後、舞台裏で俺らは疲れ切って座り込んでいる
フミ「あー全然動けねぇ…」
シオン「しんどかったけど、楽しかったな。まあ、ライブってのはこういうもんだよな」
シュウジ「ついていくのがやっとだ…」
ユウノスケ「俺は途中から力抜けていく感じ、全然止まんなかった」
ユウヤ「正直、みんなよくやったよ…」
マサ「ちゃんとやりきったね」
そんな中、突然、舞台裏にμ'sのメンバーがやって来て、みんなに笑顔で声をかけてくる
穂乃果「すごい!みんな、かっこよかったよ!」
ことり「みんなの演奏すごく心に響いたよ」
絵里「まさか、こんなに素晴らしいライブになるとは思わなかったわ」
フミ「いや〜ほんとすげぇ疲れた…でも、楽しかったよな」
シオン「ライブって意外と悪くないな」
ユウノスケ「けど、次はごめんだぜ」
みんなで余韻に浸っているとヨウタの姿がない事に気づく
ユウヤ「なぁ、ヨウタはどこにいんだ?」
シュウジ「本当だ。いないな」
フミ「緊張がほぐれてトイレでまた吐いてんじゃねーか?」
ユウノスケ「でも、何かおかしくね?黙って行くか?」
マサ「確かにな」
シオン「それなら後で探してみようぜ」
俺はみんなと離れた所で1人座り込み、穂乃果が書いてくれたおまじないの言葉を手のひらで何度もなぞっていた
ヨウタ「『ずっと一緒』か」
温かい文字が、少しずつ心を落ち着けてくれる
穂乃果「ヨウタ君!」
俺は驚いて顔を上げると、穂乃果がそこに立っていた。穂乃果は少し息を切らせていて、何か探しているように見えた
穂乃果「みんな探してたよ。急にいなくなったから…」
ヨウタ「悪い。ちと1人になりたくてな」
俺はそう言って穂乃果の方を見ながら、手のひらをそっと差し出した
ヨウタ「…これ、穂乃果が書いてくれた奴」
穂乃果はしばらく黙ってその文字を見つめ、そして小さく笑う
穂乃果「見てくれたんだ」
ヨウタ「今見た。つーか『ずっと一緒に』ってどー言う意味だ?」
穂乃果「それはね、ヨウタ君がどんな時でも私は応援してるよって意味だよ。だから、心配しないで、いつでも一緒にいるって気持ちを込めて書いたんだ」
ヨウタ「…そんな風に思ってくれてたのか」
穂乃果「うん。だってヨウタ君、凄く不安そうだったから。私も少しでも力になれたらって」
ヨウタ「…ありがとな」
穂乃果「どういたしまして」
穂乃果の笑顔を見て、俺は少し照れ臭くなる。そして、その瞬間、どこからか他の奴らの声が聞こえてきた
シオン「おい、2人とも!何やってんだ、早く来いよ!」
ヤヨイ「今からみんなで子供達にお菓子配るそうですよ」
フミ「俺達は仮装の準備もあるから早くしろ」
穂乃果とヨウタは、あっという間に現実に引き戻される。お互いに視線を交わし、少し照れくさそうに笑い合う
穂乃果「じゃあ、行こうか?」
ヨウタ「そうだな」
俺は穂乃果と共にみんなの所へと歩き出した
ステージが終わり、μ'sのメンバーは子供たちにお菓子を配っていた。色とりどりのカボチャの飾りや、仮装した子供たちが周りを走り回り、賑やかな雰囲気が広がっていた
子供達「トリックオワトリート!」
ことり「かわいい仮装だね!お菓子あげるから、イタズラはしちゃダメだよ♪」
海未「今日は皆さんにたくさんの幸せをお届けします」
絵里「ハロウィンだから、お菓子をたくさん準備したわよ!みんな、楽しんでね!」
凛「お菓子、いっぱいあるから、みんな好きなの選んでね!」
その時、シオンがペニーワイズの衣装で登場し赤い風船を片手ににやりと笑っている
シオン「はーい、ジョージ〜!」
一瞬、周りの子供たちの目が輝いたが、シオンが持っていたお菓子を見ると、その表情は一変した。差し出されたのは目玉キャンディと内臓グミ、どちらもグロテスクで不気味な見た目だった
シオン「お菓子あげるよ!」
子供達「うわぁ、やだ!気持ち悪い…!」
一斉に子供たちが後ずさり、恐怖に満ちた顔で拒否反応を示す。シオンの顔が一瞬硬直し、怒りがこみ上がる
シオン「おい、あげるって言ったんだろうが!なんで受け取らないんだよ!」
子供達は恐怖に駆られて、一目散に逃げていった。シオンはその光景に立ち尽くす
その時、後ろからシュウジがジグソウの仮装で三輪車に乗って現れる。顔に不気味なマスクを被り、恐ろしい印象を与える
シュウジ「さぁ、ゲームをしよう」
シュウジは楽しげに三輪車をこぎながら近づいてきた。その背後には、仮装したフミ、レン、ヨウタたちが隠れていた
フミ「i'm your boyfriend now, Nancy」
エルム街の悪夢のフレディの仮装をしたフミは、挑発的に子供たちに言葉を投げかける
レン「The box, You opened it. AND I CAME (お前が箱を開けた。故に私が来た)」
ピンヘッドの仮装をしたレンがそのセリフとともに現れる。子供たちの表情は一気に恐怖に染まり、逃げ惑う
ヨウタ「食えるときは無礼な奴を食うんだ。野放しの無礼な奴らを」
レクター博士の仮装をしたヨウタが冷徹にそう言い放つと、子供たちはさらにパニックに陥り、逃げるスピードが増した。その後ろからは、さらに恐ろしい仮装をした仲間たちが登場する。ヤヨイはブギーマン、ユウノスケはスクリーム、ユウヤはジェイソン、そしてマサはエクセキューショナー。彼らの姿を見た子供たちは恐怖で全力疾走を始め、泣きながら逃げていった
ヨウタ「本当に」
全員「申し訳ございませんでした!!!!」
俺達は土下座して全力で謝罪する。何故かって?俺らの目の前には海未が怒り顔で立ってるからな
海未「どうして、こんな事をするんですか!?」
その言葉に俺達は一瞬黙り込み、土下座したまま言葉を詰まらせる。
ヨウタ「…すみませんでした、本当に申し訳ございませんでした」
フミ「まさか、こんな事になるとは思わなかったんです…」
レン「誠にごめんなさい」
シオン「すみません、言い訳できません」
シュウジ「もう二度とこんな事しません」
ヤヨイ「本当に申し訳ありませんでした!」
ユウノスケ「すいません、完全に調子乗ってました」
ユウヤ「申し訳ない…まさか、あんな反応されるとは…」
マサ「ごめんなさい、子供達を怖がらせてしまいました…」
海未はしばらく見つめていたが、ようやく息を吐き、深くため息をつく
海未「…今後二度とこんなことがないように。子供たちの心を傷つけたことは、絶対に許されませんよ」
ヨウタ「はい、心に留めておきます」
その後、俺達は子供達を笑わす為に色んな事をした。マサがにこに無茶振りされた事をキッカケに俺とフミでリズムネタをやり、その後、レンを含めた3人でプレイヤーチェンジを披露し最終的には俺ら9人でやった。その後、μ'sのみんなにイジられたのはマジで忘れたい
イベントが終わり各自で解散後、俺はことりと2人きりで夜道を歩いていた
ことり「…今日は楽しかったね」
フミ「ああ、まあな」
いつもなら自然に言える言葉が、今だけは妙に重たかった
ことり「……」
言葉を探すが何を言えばいいのか分からず、結局、何も言えずに俺達は歩く
フミ「最近、忙しかったな」
俺はこの空気に耐えきれず口を開くが、その言葉は事務的でどこか無機質な感じだった
ことり「うん、そうだね…フミ君はどうだった?」
フミ「俺は別に」
素っ気ない返答に、ことりは小さく息を吐いた。まるでそれ以上話を続ける気がないかのような態度に、胸の奥に針を刺されたような痛みを覚える
ことり「…そっか」
何か言おうとしたが無理に踏み込んではいけない気がして俺は口を開くをの辞めた。その後も俺達の会話は無く言葉の代わりに、夜道には2人の足音だけが響いていた
その夜、ハロウィンのイルミネーションが見える街の一角で、俺は軽く息を整えながらツバサのもとに駆け寄った
ヨウタ「悪い。遅れた」
ツバサ「ふふ、私も今来たとこよ」
ツバサは微笑んで肩をすくめた。そして俺は2人で並んで歩き始めた。肌寒いからと途中でカフェに立ち寄り、暖かいコーヒーを購入して飲みながら街を歩く
ツバサ「貴方って、不良のイメージがあったけど、意外と落ち着いてるのね」
ヨウタ「いや、そんな大したもんじゃねえよ」
そんなたわいもない話をして街を歩く。夜のイルミネーションがキラキラと輝き、少しひんやりとした風が心地よく通り抜ける
ツバサ「綺麗…」
ヨ俺もも少し黙ったまま、ツバサを見つめる。静かな時間が流れ、そして口を開きあの事を伝える事にした
ヨウタ「ツバサ…」
ツバサは俺の表情に気づき、不思議そうに見つめる
ヨウタ「俺…大切な人がいるんだ。だから、ツバサのことも大事に思ってるけど、心の中で…他に向いてる場所があるんだよ」
ツバサの表情が少し変わり、静かに息を吸い込んだ。
ツバサ「そっか…」
ヨウタ「ごめん、こんな風に言って。でも、ツバサと一緒にいる時間は楽しかったよ。ありがとう」
ツバサは少し微笑みを浮かべ、静かに頷いた
ツバサ「ありがとう、貴方の気持ちは分かったわ」
ヨウタ「本当にごめん…」
ツバサの表情に複雑な思いが浮かんでいる。少し寂しそうに微笑んでから、ゆっくりと俺の頬に手を添える
ツバサ「分かったわ。大切な人がいるんだね。私も楽しい時間を過ごせて嬉しかった。ありがとう、ヨウタ」
優しく頬に触れるツバサの指先。そして俺の頬に柔らかい感触が伝わった
ツバサ「幸せになってね。私は貴方の思い出の中にいるから」
ツバサは静かにその手を滑らせ、ゆっくりと離れていく。ふわりと舞うようにして、ツバサの姿は街灯に溶け込んで行き、やがて見えなくなった
ヨウタ「ツバサ…」
俺はツバサの背中を見送ると1人で目的も無く歩き出した。肌寒い風が吹くたびに、静かで心地よいはずの空気がどこか物悲しく感じる。街を彩るハロウィンのイルミネーションは鮮やかで、俺の気持ちとは対照的に、賑やかさを増していた
ぼんやりと滲む夜道をただ無心に歩いていた。頭の中には、先ほどのツバサとの別れがちらついて、心の奥にポッカリと穴が空いたような虚しさが押し寄せる。自分で決めたことなのに、その感情がどんどん膨れ上がっていくのを止められなかった
ヨウタ「何やってんだか…俺は…」
ふと前を見ると、見慣れた顔が歩いてくる
穂乃果「ヨウタ君?こんな時間にどうしたの?」
穂乃果の驚いた顔に気付いて俺は少しだけ肩の力が抜ける
ヨウタ「…いや、ちょっと…なんだろうな、散歩みたいなもんだ」
穂乃果「ふーん。じゃあ、私も付き合うよ」
俺はなんとなく頷いた。穂乃果と並んで歩くと、さっきまでの寂しさが少しだけ和らいだ気がした。それから少し歩き、近くのコンビニに寄る。俺は店内をふらふらと眺めてからレジに向かい、なんとなくおでんをひとつ頼んだ。店を出ると、穂乃果が少し不思議そうな顔で俺の手元を見る
穂乃果「それ、おでん?なんで急に?」
ヨウタ「なんとなくだよ。あったかいし、寒い夜には丁度いいかなって」
穂乃果「ふふっ、ヨウタ君がコンビニおでん買うなんて、なんか意外」
ヨウタ「どーいう意味だよ」
俺はちょっと照れくさくなり、そっぽを向いて湯気を眺める。卵を一口かじると、だしの風味が口に広がり、少し心が満たされる気がした
穂乃果「ねえ?穂乃果にも何かひとつ頂戴」
ヨウタ「仕方ねーな。なんか適当に取りな」
俺がそう言うと穂乃果は嬉しそうに卵を頬張った。そんな穂乃果を横目に見ながら、俺は心の中にあった寂しさが少しだけ和らいだのを感じる
穂乃果「ありがと」
ヨウタ「どうしたしまして」
俺がそう返すと、穂乃果はふと俺の方に視線を戻してきた
穂乃果「ねえ、ヨウタ君。なんかあったの?」
ヨウタ「別に、何でもねぇよ」
そう答えたものの、穂乃果の視線はそのままで、俺が誤魔化そうとしているのを見透かしたような表情だった
穂乃果「でも、今日はライブの時からずっと、いつもと違って弱気だったじゃん。何かあったんでしょ?」
不意に突かれたその言葉に、俺は少しだけ戸惑った。いつもなら強がって取り繕うけれど、今日はその気力がうまく湧いてこない
ヨウタ「…俺さ、見た目とか振る舞いでどうにかやってきたけど、本当は弱虫なんだよ。今日は…それが出ちまったのかもな」
少し自嘲気味に言いながら目を逸らす。穂乃果はそれを聞いて、静かに俺の言葉を受け止めてくれているようだった
穂乃果「ふーん。…でもさ、ヨウタ君がそうやって弱気になるの、今日が初めてじゃない?いつも強気に見えるけど、そういうとこもあるんだね」
穂乃果はそう言って少し笑みを浮かべ、温かいまなざしを向けてくれた。その穂乃果の優しさに、俺は一瞬胸が締めつけられるような感覚を覚えた
ヨウタ「…俺なんか結局見た目で取り繕ってるだけなんだよ。強がって怖がられないようにって思ってさ。でも本当はただの弱虫で無理してるだけだ」
自嘲気味にそう呟くと、穂乃果は少し驚いたように俺の顔を見つめ、それから首を横に振った
穂乃果「違うよ、ヨウタ君。私にはヨウタ君が無理してるようには見えないよ」
ヨウタ「…え?」
穂乃果「だって、ヨウタ君は誰よりも仲間思いで、いつも周りのことをよく見てるでしょ?その優しさとか、気配りとか…全部ヨウタ君の本当の姿だと思う」
俺の胸に染み渡るような穂乃果の言葉に、思わず視線を逸らす
ヨウタ「そんなんじゃねーよ。俺がそんな人間なわけ…」
穂乃果「ふふ、照れてる?」
穂乃果の笑顔に、なんとなく居心地が悪くなって、俺は視線をあちこちにそらしながら咳払いをした。そして、買っていたおでんのパックからつくねの串を取り出し、ふとした衝動で穂乃果に差し出す
ヨウタ「ほら、いらねぇからやるよ。食っとけ」
そう言ってつくねを穂乃果の口に軽く押し込むと、出汁を飲み干してゴミ箱にパックをポイっと捨てた。穂乃果は驚きつつも嬉しそうに笑い、つくねを美味しそうに頬張っている
穂乃果「ありがとう、ヨウタ君。…こういう所も私が知ってるヨウタ君だよ」
その言葉に俺はますます照れくさくなり、そっぽを向く。穂乃果はつくねを食べ終えると、ふと顔を上げて俺を見る
穂乃果「ヨウタ君、今日みたいにあんまり無理しない方がいいよ」
ヨウタ「俺は別に無理なんかしてねーよ」
穂乃果「本当の事を言ってくれるのが1番なんだよ。みんな、ヨウタ君の優しさにちゃんと気づいてるし、無理しすぎると、逆に周りが心配しちゃうんだから」
その言葉に、俺はまた少しだけ胸が温かくなるのを感じた。穂乃果の気遣いが、今まで気付かなかった自分の弱さを気付かせてくれた
ヨウタ「…そうかもしれねぇな。あんまり周りに頼りすぎるのは良くないって思ってたけど、俺もたまには頼ってみるか」
穂乃果「そうだよ。だって仲間だもん」
穂乃果の言葉になんだかすごく安心した気持ちになった。たぶん、これが本当の意味での「頼る」ってことなんだろうなって、今さら気づいた気がする
歩いているうちに、少しずつ冷たい風が吹き始めたけれど、それでも心は温かかった。2人で歩く街の明かりが、なんだかいつもよりも優しく感じられた
穂乃果「送ってくれてありがと!」
ヨウタ「別に大した事してねーよ」
穂乃果「じゃあ、また明日ね。私もヨウタ君のこともっと頼ってみるから!」
ヨウタ「は?なんだよ?それ」
穂乃果は楽しそうに笑って俺をからかうように肩をポンと叩く。その顔を見て自然と俺も笑顔がこぼれた
穂乃果「それじゃまたね!気をつけて帰ってね!」
その言葉を最後に穂乃果は俺に向かって手を振りながら家に入る。穂乃果が家に入ったのを確認した俺は1人で帰路に着く
ヨウタ「やっぱり、穂乃果の事…」
まるで自分の胸の中に隠れていた気持ちを引き出してくれたみたいだった。あの時、穂乃果が見せてくれた優しさや、笑顔のひとつひとつが、今も胸に残っている
ヨウタ「まぁ、んな訳ねーよ」
そう呟きながらも、心の中が少しだけすっきりとした気持ちになって、俺は再び歩き出した。今夜の空気が、ちょっとだけ温かく感じた
つづく
ちなみに
プレイヤーチェンジのギャグ
レン
募金お願いしま〜す!募金お願いしま〜す!マック食べたいので募金お願いしま〜す!
ユウヤ
野球す〜るなら〜こう言う具合にしやしゃんせ〜♪ピッチャーはダルビッシュ!
シオン
ゴクゴクゴク…プハァ〜!!酔ってコアラを拉〜致♪
ユウノスケ
モノマネ番組で本人登場かと思ったら自分のクローン作成施設に案内された美川憲一
シュウジ
頼りになる長男
爺ちゃんがまた刺身買いに行くってABCマート行ったらしいから助けに行って来るわ
マサ
地面から生えてるタケノコを土に戻す
ヤヨイ
嫌だよ!嫌だよ!還暦迎えたく無いよ〜!
フミ
ダブルパチンコ!
ヨウタ
キャプテン翼のOP替え歌
ちょっとアレ見な〜♪インド人が通る〜♪