久々に喧嘩パート書くとむずい
コウタ「ユウノスケ。やれ」
その言葉を聞いた瞬間、周囲の空気が一変した。ユウノスケは拳を握りしめ、俺に向かって一歩踏み出す
ユウノスケ(このままだと、凛がどうなるか分からない…)
マサ「おい、ユウノスケ…本気でやるつもりか?」
ユウノスケは一瞬、俺の言葉に戸惑ったのか目を閉じて深呼吸した
ユウノスケ(俺が本気を出したら、マサが傷つく。けど、凛を守るためには…)
しかし、ユウノスケはすかさず俺を殴って来る
マサ「ユウノスケ、何かあったのか? 俺に話してくれ」
俺はユウノスケを説得する為、ユウノスケの攻撃を避けながら話しかける
コウタ「さっさとやれよ!そんなことしている暇はねえぞ!」
周囲の手下たちの視線が、ユウノスケとマサに集中していた。凛はその様子を見守りながら、心配そうに声を上げる
凛「やめて!二人とも、そんなことしないで!」
ユウノスケはその声を聞き、思わず心が揺れたのか動きが止まる
ユウノスケ「……ごめん、マサ。俺はお前を傷つけたくない…でも、凛が…」
その言葉を聞いたマサは、ユウノスケの葛藤を理解し、立ち止まり話を聞く
マサ「ユウノスケ、お前は俺の友達だ。それに、お前が俺を傷つけることなんてできない…」
ユウノスケはその言葉を胸に抱えながら、コウタの視線を強く感じた。その瞬間、コウタは手下に指示を出す
コウタ「おい、これ以上、お前が躊躇うなら、あの女に乱暴するぞ」
コウタの脅しにユウノスケが動き出す。その言葉でユウノスケは拳を振り上げ、俺に向かって襲いかかる
マサ「……ッ!?」
顔面を捉え、パンッという音が響く。俺はそのまま立っていたが、目に痛みが走る。顔をわずかに歪めながらも微動だにはしなかった
ユウノスケ「ごめん、マサ……!」
ユウノスケは再び拳を振り上げると今度は腹部を殴る。俺は苦しそうに息を吐くが、倒れずに立ち続けた。俺は腹を殴られたが、なんとか言葉を絞り出すことが出来た
マサ「ユウノスケ、俺の事はいい。凛を守る為に俺をやれ」
ユウノスケの拳がさらに続く。俺は何度も打たれながらも、しっかりと立ち続けた。額には汗が滲み、血が流れ始める。それでも、俺は立ち続けたがそろそろ限界のようだ。だから俺は最後の力を振り絞る
マサ「もう俺は限界みたいだ…ユウノスケ、凛だけは……守れ!」
俺が倒れた後、凛が無事だと言う保証は無い。だから俺はユウノスケに最後の言葉を託した
凛「マサ!?」
コウタ「よくやったな。だが、まだ足りない」
ユウノスケ「もういいだろ?」
コウタ「何言ってんだ?中途半端だとまたやり返しに来る。やり返さない為にも死ぬと思わせるまでやれ」
俺は葛藤しながらも拳を握るが、その時に凛が叫ぶ
凛「お願い、ユウノスケ。もうやめて、これ以上マサを傷つけないで!」
コウタ「うるさい奴だな。そうだないい事思いついた」
コウタは満足そうに笑い、凛に向かって近づいてくる。
コウタ「次はお前だ」
凛は恐怖で震え上がり、必死に後退する。だが、その時、ユウノスケの心に怒りが沸き起こった
ユウノスケ「やめろ、コウタ!」
その声に、周囲の空気が一変する。ユウノスケは一歩前に出て、コウタに立ち向かおうとする。しかし、コウタは挑発するように笑いながら言った。
コウタ「おい、ユウノスケ。ここで躊躇うのか?お前はもう俺達の仲間なんだよ」
周囲に緊張感が高まりユウノスケは拳を強く握りしめ、コウタに目を向ける。その時だった
ユウヤ「お待たせしました!出前の皿回収に来ましたよ!」
その声にコウタ達は驚いたような顔をし、周囲も動揺した
コウタ「何だ。お前?」
ユウヤ「ただのラーメン屋のバイトだ。回収する物があったら持ち帰りに来た」
コウタはユウヤに向かって近づき、威圧的に尋ねる
コウタ「お前、俺らとやる気か?」
ユウヤは無表情のまま、スマホを取り出した
ユウヤ「もしもし警察ですか?今、男数名で女の子を」
コウタはユウヤの余裕に圧倒され焦り始める
コウタ「ふざけやがって、お前らは逃げるぞ!」
俺は凛の方へ目を向けた
ユウノスケ「凛、大丈夫か?」
凛は泣きそうな顔をしながら頷く
凛「大丈夫、でも…マサが!」
その言葉に、ユウノスケは悔しそうに拳を握る
ユウノスケ「俺のせいでごめん…後、マサの件はあの馬鹿共によろしく伝えといてくれ」
そして俺はコウタについて行く
ユウヤ「たく、フェイクだよ」
それよりもまずはマサだな
ユウヤ「マサ、早く病院に行くぞ!」
俺はマサを担いで凛と病院に向かう
病室にて
にこ「マサ!?」
アイツらがにこに俺の事を伝えたらしく、にこは慌てて病室に入って来る
マサ「にこ、どうした?」
俺が意外にも元気そうで安心したのか、心配が募ったのか、にこの感情が溢れ出す
にこ「もう心配したんだから!」
涙を浮かべながら、にこはしがみついて来た
マサ「心配してくれるのは嬉しいが、みんなの目の前でやめてくれ」
俺が指差した先には、ヨウタ、フミ、レン、ユウヤ、そして凛が立っていた
レン「相変わらず熱いね〜」
ユウヤ「邪魔して悪い」
ヨウタ「俺ら席外しましょうか?」
フミ「そうだな。このまま2人の世界にでも行ってもらうか」
にこは照れくさそうに顔を赤らめる
にこ「みんないるって先に言いなさいよ!?マサ!」
マサ「いや、言う前にしがみついた来たじゃん!」
ヨウタ「それより、マサが元気そうで安心したわ」
レン「そうね〜。ボロボロって聞いてたけど案外大丈夫そうだね〜」
マサ「まだ若いからな」
ユウヤ「何だよ?それ」
フミ「じゃあ、俺ら先帰るわ。ゆっくり休んでろよ」
そう言ってみんなは病室を出る
マサ「みんな帰っちゃったか…」
病室に静けさが戻り、俺は深く俯いた。ユウノスケがいなくなった事や、自分に何もできなかったという思いが胸を締め付ける
にこ「マサ、どうしたのよ?」
その言葉に少し顔を上げるが、やはりうつむいてしまう。俺の気持ちを察したのか、にこが優しく近づいてくる
にこ「大丈夫、私がいるから」
そう言って、にこは俺の頭を優しくわしゃわしゃと撫で始める。にこの温かい手が心に染み込み、少しずつ安らぎを感じる。俺はそのまま俯いて、にこのによりかかる
マサ「何もできなかった…そんな俺が情けない」
にこはそのまま、俺を優しく抱き止めるように抱き寄せてくれる。にこの温もりが心に広がり、少しずつ和らいでいく
にこ「そんなことないわよ。マサはちゃんと頑張ったんだから」
その言葉が心に響いて、ほんの少しだけ気持ちが楽になると同時に涙が出そうになる
マサ「ありがとう、にこ…」
にこは微笑みながら、さらに優しく頭を撫で続けてくれる。にこの存在が、俺を少しずつ強くしてくれる気がした
場面は変わり、病室を出た俺達は廊下の隅に集まっていた。
ヨウタ「マサはにこ呼んで正解だったかもな?」
レン「でも、厄介なことになったね〜」
その言葉に俺らは少し黙り込み、緊張した空気が漂った
ヨウタ「正直、頭ん中の情報処理が出来てねぇよ」
フミ「ユウノスケ。何か言ってたか?」
ユウヤ「馬鹿共によろしくってさ」
レン「誰が馬鹿だ。このヤロー」
ヨウタ「おい!それ俺の十八番!?」
フミ「お前らうるせーぞ」
レン「でも、ノスケちゃんがマーちゃん裏切るなんて信じられないよね」
ヨウタ「ああ、あんなボロボロになるまで…」
フミ「ユウヤは何か知ってんのか?」
ユウヤ「…いや、俺が駆けつけた時には既にマサは倒れていた」
フミ「そうか…」
ヨウタ「けど、どうやって俺らが動くかだよな」
レン「そうだね〜。マーちゃんの敵討ちでもあるし」
フミ「いきなり突っ込むのは危険だ。まずは情報収集が必要だ」
レン「情報ってフミちゃん、俺っち達は何を集めるのよ」
ユウヤ「ユウノスケと一緒にいた奴がいた。ソイツの事を探れば分かるかも知れねぇ」
ヨウタ「けど、どうやって調べるんだ?」
フミ「そんなの簡単だろ?不良の事を不良に聞けばいいんだよ」
ユウヤ「なるほどな」
レン「え?どう言う事?」
ヨウタ「2割は分かった」
ユウヤ「10割分かれよ」
フミ「それじゃ今日は解散だ」
翌日。俺達はとある所に聞いていた
ヨウタ「ここって?」
レン「マーちゃんとノスケちゃんの通っている神田高校だね〜」
フミ「ここの連中なら何か知ってんだろ?」
レン「なるほど。ヤンキーの事はヤンキーに聞くってその事だったのね」
フミ「ああ、ユウヤはバイトで忙しいみたいだが、シオンとシュウジには地元で聞き込みして貰ってる」
レン「流石、フミちゃん!天才過ぎ!?」
ヨウタ「けど、情報収集が目的なのに何故、最初にコンビニに寄ったんだ」
そう、俺達は神田高校に寄る前にコンビニで色々と買い物をして来たのだ
フミ「交渉材料だよ」
いや、これで交渉うまくいくのか?
フミ「お前ら行くぞ」
そして俺達は校内に入る
ダイ「何のようだ?」
フミ「アンタ達に聞きたい事があって来た」
リョウ「お前ら、喧嘩した相手の高校に来るって事がどう言う事か分かってんのか?」
ダイ「リョウ、よせ。で?話は?」
フミ「マサがやられた。やったのはユウノスケだ」
レン「だけど、俺ちゃん達はその事よりもノスケちゃんと一緒にいた奴の事が気になってるの?なんか知ってる事ある?」
ダイがしばらく黙って考え込むと、ようやく口を開いた
ダイ「情報が欲しいなら対価をよこせ」
フミ「やっぱり、言うと思ったわ。ヨウタ渡してやれ」
俺はそう言ってコンビニの袋から取り出した焼きそばパンをダイに渡した
ダイ「あまり好きじゃないが貰っておく」
ダイは焼きそばパンを見て、少し顔をしかめたが、渋々受け取った
リョウ「ちょ、何で俺はメロンパンなんだよ」
ヨウタ「いや〜品切れで。後は俺らのクリームパンしか無くて」
ダイ「おい、お前のクリームパンと交換しろ」
ヨウタ(コイツ、意外と甘党か?それともクリームが好きか)
俺はダイとクリームパンを交換して焼きそばパンを手に入れたが、俺も焼きそばパンはあまり好きじゃないのでリョウのメロンパンと交換した
フミ「話の続きだが何か知らねーか?この辺の事ならアンタ達が詳しいだろ」
ダイ「残念だな。俺達は何も知らなねぇ。マサとユウノスケの件も今知った」
レン「え〜…じゃあ、俺っち達は骨折り損じゃん」
リョウ「ひょっとして、あの件か?」
ダイ「何か知ってんのか?」
リョウ「アイツらの件と関係あるかは分からねーけど、1年が話してたんだ。秋葉でテッペン取ろうとしてる奴がいるって」
ヨウタ「秋葉でテッペン?」
いや、オタクや電気街の街でヤンキーのテッペンって何だよ?
ヨウタ「いや、それって意味無いんじゃ?」
リョウ「俺も思ったよ。シャバい奴らがいるなって」
フミ「けど、何でそんな奴とユウノスケが?」
ヨウタ「とりあえず戻ってアイツらと話せねーとな」
フミ「そうだな」
俺達は神田高校を後にして音ノ木に戻る事にした
同じ時刻、シオンとシュウジはというと
シオン「なるほど。秋葉でテッペンに立とうとして奴がいると」
タクマ「詳しいことまではわからないんですが、そいつら、やたらと手当たり次第にケンカ売ったり、嫌がらせをしたりしてるみたいです」
シュウジ「手当たり次第って、誰でもいいわけか?それとも標的にしてる相手がいるのか?」
タクマ「標的にしてるのは、強そうな奴というより、ちょっとでも目立ってる奴らだって聞きました。なんか、相手の周りにいる人間まで巻き込むこともあるとか…」
シオン「なるほどな。やり方が汚いってわけか」
シュウジ「秋葉で目立とうとしてる時点で、そこそこ目障りな存在になるな。それがチームってことは、人数もそれなりにいるか」
タクマ「はい…。俺も詳しいことはわからないんですけど、そいつら、結構やりたい放題らしいんです」
タクマは少し不安そうに俺達の様子を伺う
タクマ「それで、シオンさん達は…ソイツらと喧嘩つもりなんですか?」
シオン「今の所、やり合うつもりはない。向こうから何か仕掛けてくるなら話は別だけどな」
シュウジ「あくまで警戒してるだけだ。無駄な争いは好きじゃねぇしな。でも、俺たちの知り合いや地元の奴らが巻き込まれるなら、黙って見てるわけにはいかねぇ」
タクマ「けど放っといたら、いずれ面倒なことになるんじゃ…」
シオン「分かってる。だから警戒してるんだよ。お前らも変に目立たないようにしておけよ。もし何かあったらすぐに知らせろ」
タクマ「分かりました。気をつけます」
シュウジ「そろそろ行くか。アイツらも戻って来てるだろう」
シオン「だな。タクマ、情報助かった。また何かあったら頼むな」
タクマ「いえ、役に立てたなら良かったです!」
場所はとある廃墟
コウタ「いいか?俺らはテッペンを取る。その為には手段は選ばねぇ」
俺はコウタの言葉に少しイラつきながら腕を組む
ユウノスケ「やり方がダサいな。喧嘩売って来た奴の家族や友達、恋人とかに手出しても意味ないだろ」
コウタは俺の反応に少し目を細め、淡々と答える
コウタ「それが現実だ。喧嘩売ってきた奴にはそれ相応の代償を払わせなきゃ、次からも同じこと繰り返すだけだからな」
ユウノスケ「俺は加担しないぞ。やり方が気に食わない」
コウタは一瞬、俺をじっと見つめてから、ふっと冷笑を浮かべた。気持ち悪い
コウタ「そういえば、お前と一緒にいた奴、音ノ木坂のスクールアイドルらしいな?お前が加担しないなら、そのアイドルたちがどうなるか、分かるよな?」
ユウノスケ「アイツらは関係ないだろ!何も知らないし、巻き込むな!」
コウタ「お前が加担しないって言うなら、アイドルたちに何が起きるか、想像してみろよ。俺はお前を試してるんだ。そんな簡単な選択肢、無視してもいいのか?」
ユウノスケ「やめとけ、コウタ。そんなことしたら後悔することになるぞ」
コウタ「後悔?俺は自分の道を行くだけだ」
俺は呆れて言葉が出ない。
ユウノスケ「…ほんとにダメだな」
コウタ「言う事聞かねーってならお前ら行け。これが見せしめだ」
ユウノスケ「こんなことしても何も得られないぞ」
コウタ「お前、後悔してんのか?けど、もう遅い。お前が加担しないのが悪いからな。いいか?これが俺のやり方だ。誰にも止められない」
俺はコウタの行動に少し胸が痛んだが、具体的な理由は伝えず、ただ言葉を飲み込んだ
そして音ノ木坂学院の帰り道
穂乃果「それにしてもヨウタ君達、どこに行ったんだろう?」
ことり「部活にも顔出してないよね?何かあったのかな?」
ヤヨイ「ヨウタ君達、サボりでは無いと思いますが…自由奔放というか何というか…」
海未「理由があったとしても、部活をサボるのはいただけませんね。責任感が足りない証拠です」
そんな空気の中、突然前方に2人の不良が立ちふさがった
アツシ「よぉ、君らが噂のスクールアイドル?意外と可愛いじゃねぇか」
ケイ「確かにな。俺らアイドルには興味ねぇけど…こうして近くで見ると悪くないな」
僕達は足を止め、状況を飲み込めないまま互いに目を合わせる
穂乃果「あ、あの…私たち急いでいるので…」
海未「道を開けてください。これ以上邪魔をするなら、許しません」
アツシ「おいおい、威勢がいいな。でもさ、そんな態度取られると、こっちも気分悪いんだよな」
ケイ「少しくらい付き合えよ。俺たちも退屈してんだ」
ヤヨイ「やめてください!3人に手を出すのは許しません」
アツシ「なんだお前?こんなヒョロヒョロ野郎が何できるってんだよ」
ケイ「お前みたいなやつ、すぐに倒れるだろ」
ヤヨイ「それでも僕は守らなきゃいけないんです」
穂乃果「ヤヨイ君、やめて!無理だよ!」
ヤヨイ「穂乃果さん達は今のうちに逃げてください! 」
穂乃果たちはためらいながらも、ヤヨイの叫びに押されるように走り出す
アツシ「あーあ、逃げちゃったよ。どうする?」
ケイ「ま、いいや。こいつから片付けるか」
神田高校からの帰り道。俺達は下らない話をしながら歩く
ヨウタ「なぁ、フミ。お前、最近なんか変わったよな」
フミ「変わったって? 俺、そんなに変わったか?」
レン「何だろうかね〜?何かは分からないんだけど、フミちゃんが煌びやかになった?」
フミ「なんだよ?それ」
俺達はシオンとシュウジと合流する為、歩いてる途中、遠くから騒がしい声が聞こえて来る
フミ「…なんだ、あの声?」
ヨウタ「誰か喧嘩してんのか?」
レン「ちょっと見に行く?」
俺達は足音を立てず静かに声のする方向に向かって進んだ。そして、角を曲がると、ヤヨイがボコボコにされている現場に遭遇する。
ヨウタ「おい!嘘だろ!?」
俺達は地面に倒れているヤヨイに駆け寄った
ヨウタ「おい!ヤヨイ!?何があった!?」
アツシ「誰だよ、お前ら? 邪魔なら帰れや」
レン「血の匂いがすんのは、どうも好きになれねぇな」
フミ「そこのボコボコにされた奴、俺達の知り合いなんだよ。説明してもらおうか?」
ケイ「はぁ? そいつが勝手に突っ込んできたんだろ。俺らは悪くねぇよ」
ヨウタ「コイツは喧嘩もした事ねぇ〜真面目ちゃんだぞ?突っ込んで来るわけねーだろ?」
アツシ「なんだよ、やるってのか? 面白ぇじゃねぇか」
ケイ「言っておくがこれは見せしめだ。アイツが俺らに手を貸さないからコイツはこうなった」
ヨウタ「テメェらどこまで卑怯なんだよ」
レン「今の言葉で俺のテンションがあの頃に逆戻りしたわ」
一触即発の空気が漂う中、遠くからサイレンの音が近づいてくる
フミ「…警察か」
レン「チッ、つまんねぇタイミングだな」
ヨウタ「テメェらの顔、しっかり覚えたからな」
言葉に一瞬、アイツら2人の表情が硬くなるが、すぐにその場を後にし逃げ出した
ヨウタ「ヤヨイ、大丈夫か?」
フミとレンもすぐにヤヨイの状態を確認し、急いで病院に連れて行く
病院の一室。ヤヨイは意識不明で重体。俺達3人はシオンとシュウジと合流し病室で話す
ヨウタ「これで、俺達が喧嘩する理由が出来たわけだな」
シオン「そうだな。アイツら絶対に許さねぇ」
シュウジ「今回は俺も乗る。誰が何と言おうとやる」
フミ「俺達はヤヨイと同じ学校だが…レン、お前は?」
レン「俺もだ。黒幕に1発ヤキ入れてやるよ」
全員が決意を固め、次の行動に向けて動き出す
ヨウタ「俺はユウノスケの店に行く。アイツから居場所を聞き出してやる」
俺が病室から出ようとすると病室に穂乃果、海未、ことりが入ってきた。3人はヤヨイの様子を見て、驚きと悲しみの表情を浮かべ顔が曇る
穂乃果「こんなに酷いなんて…」
ことり「ヤヨイ君…痛かったよね…」
海未「これが本当に人がやる事ですか…」
ヨウタ「俺は行く」
俺の言葉に穂乃果は何か察したのか俺を呼び止める
穂乃果「ヨウタ君、ちょっと話せる?」
俺は穂乃果の問いに一瞬だけ迷ったが頷き、穂乃果と2人で病室を出て屋上に行く
病院の屋上に着くと、冷たい風が俺達の間を吹き抜ける。俺は穂乃果の横に立ち、軽く背をフェンスにもたれさせた
穂乃果「ヨウタ君、お願いだから考え直して。暴力で解決しようとするのは間違ってるよ。そんなことをしても、何も変わらない…ただ悲しいことが増えるだけだよ」
穂乃果の声には切実な思いが込められていたが、俺はしばらく黙ったまま、視線を落とす。そして、小さく息を吐いて口を開く
ヨウタ「分かってるよ…そんな事、本当は駄目だって分かってる」
穂乃果は俺の言葉に少しだけ表情を和らげたようだったが、俺の目には迷いがありながらも強い決意が宿っていた
ヨウタ「けどさ、ヤヨイがこんな目に遭って、ただ『ごめんなさい』って言葉だけで済むと思うか?」
俺は無意識に拳を握る
ヨウタ「ヤヨイがあんな風にされて、何もしないなんて俺にはできねぇよ」
その言葉に、穂乃果は言葉を詰まらせた。俺の苦しみが伝わったのか、穂乃果の表情には悲しみと戸惑いが浮かんでいる
ヨウタ「それに、ユウノスケもどうにかしなきゃいけねぇ。アイツだって巻き込まれてるんだ。俺が動かなきゃ、誰も助けられねぇ」
俺は穂乃果の方を真っ直ぐに見つめた
ヨウタ「だから、俺は行くよ。穂乃果には迷惑かけちまうかもしれないけど…これだけは譲れねぇんだ」
穂乃果は俯き、唇を噛みしめていた。そして、震える声で口を開く
穂乃果「ヨウタ君、怪我だけはしないで。絶対に無事で帰ってきてね。」
ヨウタ「心配すんな。俺は大丈夫だ」
そう言って俺は屋上の扉へ向かった背中越しに穂乃果の小さな声が聞こえた
穂乃果「無事でいてね、ヨウタ君」
その声に俺は振り返らずに手を軽く振り、屋上を後にした
病院の廊下で俺と海未は二人きりで立っていた
シュウジ「海未…ごめん。俺も行くよ」
自分でも分かるくらい、声には迷いが混じっていた。それでも、海未の目を真っ直ぐに見つめながら言葉を続ける
シュウジ「頭では分かってる。こんな事をしても何も変わらないし、何も解決しないって…でも、心がそれを拒絶する」
俺は拳を握りしめ、どうしようもない悔しさを押し殺すように呟いた
シュウジ「俺がこんな事を言うと海未を失望させるかもしれない。でも…あいつらがヤヨイをあんな目に遭わせたんだ。俺は見過ごせない」
海未は俺の言葉に何も言わないままだった。ただ俺の目を見つめている。その静かな態度に少しだけ心が軽くなった気がした
シュウジ「ありがとう、何も言わないでいてくれて。それだけで少し楽になる」
そう言った瞬間、海未が目を閉じ、一呼吸置いて静かに口を開いた
海未「シュウジ、私にあなたを止める権利はありません。ですが…」
海未の視線が俺を捉えた。言葉を続ける彼女の声は、ほんの少しだけ震えていた
海未「どうか、これが正しいことなのか、もう一度だけ考えてください。そして、もし行くのであれば、無事に戻ることを約束してください」
その言葉を聞いて、俺は苦笑しながら頷いた
シュウジ「分かった。必ず無事に帰る」
短く頭を下げて、その場を後にする。背中に海未の視線を感じながらも俺は振り返ることはしなかった
病院の廊下、俺は壁にもたれかかり、自分の無力さに苛まれる
フミ「俺、ヤヨイを救えなかった…」
その呟きが何処か空虚に響いた。もうどうしようもないことは分かっているけれど、後悔の念は拭えなかった
フミ「どうしてあんなことに…」
その時、後ろから優しい声が聞こえた
ことり「フミ君…」
振り返ると、ことりが心配そうな顔で立っていた。俺はその顔を見て、ふと胸が締めつけられる思いがした
フミ「ことり…」
俺は無意識に涙がこぼれそうになるのを必死でこらえ、深く息を吐いてから言葉を絞り出す。
フミ「俺、どうしても…ヤヨイを守れなかったんだ…」
ことりは一歩踏み出すと静かに前に立つ。そして、やさしく手を差し伸べる
ことり「フミ君、そんなに自分を責めないで…」
俺はその手を見つめ少し迷った後、やっとその手を取った。手からはことりの温かさが伝わってくる
フミ「でも、早く気づいていれば…もっと助けられたんじゃないかって…」
ことりは俺を見つめ、目を優しく細める。
ことり「フミ君…ヤヨイ君もきっと、フミ君が心配していることを分かってるよ」
その言葉に少し心が軽くなった。ことりはゆっくりと俺の頭を軽く抱き寄せる
ことり「私も、ずっと一緒にいるからね。フミ君が苦しんでいるのを見ているのは辛いけど、無理して一人で抱え込まないで。私にできることは何でも言ってね」
その温もりに包まれ俺の胸の中にあった重い感情が少しずつ解け、ことりの優しさに少しだけ救われた気がした
フミ「ありがとう、ことり…」
ことりは優しく微笑んで俺をしっかりと抱きしめる
ことり「もう大丈夫だよ。私がいるから」
その言葉に少し元気を取り戻した俺は、深呼吸してから静かにうなずいた
フミ「ありがとう…行ってくる」
ことり「気をつけてね。ことりはフミ君が無事に帰って来るの待ってるから」
ことりは微笑みながら、そっと手を放し俺を送り出す。病院の廊下を歩きながら、心の中に少しの平穏を感じ、俺は病院を後にした
俺は病院の待合室にある自販機で適当に選んだジュースを買う。缶を手に取った瞬間、ふと視線を感じて顔を上げると、少し離れた場所に真姫が立っていた
シオン「お、真姫か。お前も来たのか」
真姫「だって、ここパパの病院だもの」
すると真姫は少し不安げな表情を浮かべながらも、冷静に俺を見つめる。その視線には何かを問いかけるような鋭さがある
真姫「シオン、これからどうするの?」
予想していた質問だった。俺はジュースの缶を片手で軽く回しながら、少し考える素振りを見せる。けれど、俺の答えは最初から決まってる
シオン「…ヤヨイの仇、取るつもりだ」
真姫「それって、また不良に逆戻りするって事じゃないの?」
シオン「ヤヨイのためなら別だ。あいつがあんな目に遭ったんだ、ただ見過ごすわけにはいかねぇ」
真姫はしばらく黙り込んだまま、じっと俺の言葉を噛み締めているようだった。そして、静かに深いため息をつく
真姫「…それがシオンの選んだ事なら私は止めないわ」
意外な言葉だった。てっきり呆れられるか、説教でもされるかと思っていたから。少しだけ驚いたが、それよりも妙に嬉しくて、つい口元が緩む
シオン「お前、なんだかんだで優しいな」
軽口のつもりで言ったのに、真姫はその言葉に反応して、わずかに頬を染める。でもすぐに真剣な表情に戻り、俺をじっと見据えた
真姫「私だって心配してる。でも、それがシオンがやるべき事なら、ちゃんとやりなさい」
シオン「ああ、やってやるよ」
俺の決意を受け入れたのか、真姫はしばらく俺をじっと見つめていたが、やがて軽く頷くと踵を返した
真姫「それなら応援してるわ。でも、後悔だけはしないでね」
シオン「ありがとな。お前も気をつけろよ」
すると真姫は一瞬立ち止まり、何か考えるようにしてから、ふっと微笑む。そして、小さく言葉を残した
真姫「その時は守ってよね…」
シオン「ああ、任せとけ」
そう言い残して、俺は病院を後にした
ラーメン屋にて
ユウノスケ「いらっしゃい…お前かよ」
カウンター越しに向かい合う。ユウノスケの目は警戒を滲ませていたが、それは俺も同じだった
ヨウタ「ヤヨイがやられた。やったのは、お前がつるんでる連中だ」
店の中に一瞬、重い沈黙が落ちる。アイツの手がピタリと止まり、鋭い目つきで俺を見返す
ヨウタ「俺達はお前がどこに付こうがどうでもいいんだよ。だがな、ヤヨイがやられて指咥えて見てられるかよ。会った時に伝えろ。俺達がお前らを潰すってよ」
カウンター越しに向かい合ったまま、沈黙が流れる。厨房の奥で鍋の煮える音がやけに響く。アイツははしばらく俺を見据えたまま、静かに息を吐いた
ユウノスケ「駅前の廃ビル。今日の夜20時に集まる」
俺は目を細め、口元にわずかに笑みを浮かべる
ヨウタ「…ああ、分かった」
そう言い残して俺は店を後にする。背後で暖簾が揺れる音が妙に大きく響いた
つづく
次で終わらしたい
行けるか?