ラブライブ!〜不良とアイドル〜   作:kick up men

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今回は少し短め
後は本編の2期11話を
省いてオリジナルの話にした


第51話

放課後のラーメン屋。まぁ、ユウノスケの実家なんだけど、俺達はいつものように集まってる

 

ユウノスケ「コイツは分かりやすかったが、まさかフミもとはな…」

 

ヨウタ「何でみんなして同じ反応なんだよ!」

 

レン「まぁ、そうなるでしょ〜」

 

シオン「だから、分かりやすいんだよ」

 

ユウヤ「けど、あの2人は気付いてたな。フミのことりの関係」

 

シュウジ「流石、ギャルズ」

 

フミ「女の勘って奴か」

 

マサ「でも、2人共おめでとう!…でいいのか?」

 

ヤヨイ「合ってると思いますよ」

 

ユウノスケ「しかし、アイドルに手を出すとは…」

 

ヨウタ「おい!言い方考えろ!?」

 

ユウノスケ「で、どっちから告った?」

 

フミ「お前、やけに前のめりだな」

 

マサ「ユウノスケ、意外と恋バナ好きだから」

 

レン「いいなぁ〜。俺っちもそろそろ告白しようかなぁ〜?」

 

シオン「辞めとけ」

 

レン「何でよ!」

 

シュウジ「憧れは憧れのままにしといた方が良い」

 

レン「何で上手くいかない前提なん?」

 

ユウヤ「じゃあ、当たって砕けろ」

 

ヤヨイ「砕けちゃ駄目ですよ」

 

マサ「そういえば話変わるけどさ」

 

フミ「どうした?」

 

マサ「にこ達3年が卒業したら、μ'sってどうなるんだろ?決勝もあるから、その話は触れ無いようにしてるけどさ」

 

ヨウタ「…まぁ、考えてはいるだろうな」

 

シュウジ「避けて通れねぇ話だしな」

 

シオン「でも、今は決勝優先だろ?終わってからでもよくね?」 

 

フミ「つーか、そろそろ決めないとだろ?もう2月だぞ」

 

レン「フミちゃんの言う通り。終わり決めないと集中出来ない時もあるしねぇ〜」

 

ヤヨイ「ゴールがあるから走れるって事ですか?」

 

シュウジ「けど、終わる前提でやるのも違くねーか?」

 

シオン「上手くいってんのに終わるとかさ。俺は嫌だけどな」

 

マサ「でも“今が一番”で終わるってのもあるだろ?中途半端に続くよりさ」  

 

ユウヤ「アイツらが決めることだろ?俺達がどうこう言う話じゃねぇよ」

 

ヨウタ「まぁ…そうだな」

 

フミ「確かに…外野が口出す話じゃねぇな」 

 

ヤヨイ「どっち選んでも、あの人達なりの正解ですよね」

 

ユウヤ「でさ、俺らはどうなんだよ?」

 

シオン「は?」

 

ユウヤ「μ's終わったら、関わる理由減るだろ?」

 

フミ「…無くはねぇな…」

 

シュウジ「3年なると色々とやる事あるしな」

 

ユウノスケ「受験と就活、考えるだけで嫌になる」

 

ユウヤ「各々忙しくなって、疎遠になる可能性も出て来る訳か…」

 

シオン「いや、俺らは普通に集まろうぜ」

 

マサ「でも、集まる理由は減るよね?今はμ'sの手伝いとかで顔合わせてるし」

 

ヤヨイ「きっかけは変わるかもしれませんね」 

 

ヨウタ「別に、理由なんていらねぇだろ?」

 

ユウノスケ「お?」

 

ヨウタ「来たきゃ来るし、来ねぇなら来ねぇ。それだけの話だ」 

 

フミ「雑だな」 

 

ヨウタ「細かく決める方がダリィ〜」

 

シュウジ「潰れない限りはここに集まれるしな」

 

シオン「じゃあ、なんかあったらここ集合で!」

 

ヤヨイ「“なんかあったら”って曖昧ですね」

 

ユウヤ「それで良いだろ?」

 

レン「俺っち達らしいしねぇ〜」

 

マサ「だな」

 

ユウノスケ「で?」

 

ヨウタ「何だよ?」

 

ユウノスケ「替え玉すんのか?しねぇのか?」

 

ヨウタ「するに決まってんだろ」 

 

フミ「結局それかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後。μ'sは練習のため、空いていたグラウンドに出ていた。柔軟体操とランニングをこなしながら、いつものように体を動かしているが、その空気はどこかいつもと違っていた。ランニングの途中、海未が穂乃果の横に並ぶ

 

海未「何かあったんですか?」

 

穂乃果「え?」

 

ことり「顔見たら分かるよ?」

 

少し遅れてことりも穂乃果に視線を向ける。さらに走りながら、シオンが口を開いた

 

シオン「3年生の話だろ?」

 

シュウジ(何で俺らも走ってるんだ?)

 

その言葉に穂乃果は小さく頷き、そのまま走り続ける。少し間を置いて言葉を続けた

 

穂乃果「雪穂にね、3年生が卒業したらどうするのって聞かれちゃって…」

 

ことり「そっか…」 

 

ヤヨイ「穂乃果さんは、どう思ってるんですか?」

 

穂乃果「スクールアイドルは続けていくよ。歌は好きだし、ライブも続けたい。でも…」

 

シュウジ「3年が抜けたμ’sを、μ’sのままでいいのか?って事だろ?」

 

シュウジの言葉に穂乃果は無言で頷いた。卒業する3年生は、もうスクールアイドルとして活動することはできない。そして抜けたあとに、新しい1年生を迎え入れることが正しいのかどうか。穂乃果の中でも答えは出ていなかった

 

シオン「希が前に言ってたんだろ?9人の歌の女神、μ’s。でも3年生が抜けたら、それって言えるのかって…」

 

海未「私も同じです。3人が抜けたμ’sを、μ’sと言っていいのかどうか…」

 

ことり「そうだよね…」

 

穂乃果「なんで…卒業なんてあるんだろう…」 

 

その言葉は、走る呼吸の合間にこぼれ落ちた

 

にこ「続けなさいよ!」

 

前を走っていたにこが振り返り、声を張る

 

にこ「メンバーの卒業や脱退があっても、名前は変えずに続けていく。それがアイドルよ」 

 

ことり「アイドル…」

 

にこ「そう!そうやって名前を残していってもらった方が、卒業していく私達だって嬉しいの。だから…うぷっ!?」

 

走っていたにこの顔に前を走る希の胸が当たり、そのまま尻もちをついた

 

にこ「何すんのよ!?」 

 

希「その話はラブライブが終わるまでしない約束よ」

 

にこ「分かってるわよ…」

 

花陽「でも、本当にそれでいいのかな?」

 

凛「かよちんはどう思ってるの?」  

 

花陽「え?」

 

凛「μ’s、続けていきたいの?」

 

花陽は答えに詰まり、視線を落とす

 

にこ「何遠慮してるのよ!続けなさいよ!メンバー全員入れ替えるのはともかく、あなた達6人は残るんだから」 

 

花陽「遠慮してるわけじゃないよ。ただ…私にとってのμ’sって、この9人で。誰か一人欠けても違うんじゃないかって…」 

 

真姫「私も花陽と同じ。でも、にこちゃんの言うことも分かる。μ’sという名前を消すのは辛い。だったら続けていった方がいいんじゃないかって」

 

にこ「でしょ?それでいいのよ」

 

希「絵里ちは?」

 

視線が集まる中、絵里は静かに口を開いた

 

絵里「私は決められない。それを決めるのは穂乃果達なんじゃないかって思うの」

 

穂乃果「え?」

 

絵里「私達は必ず卒業するの。スクールアイドルを続けることはできない。だから、その後の事を私達が言ってはいけないと思う。決めるのは穂乃果達。それが私の考え」

 

シオン「まぁ、そうなるよな」

 

シュウジ「結局、俺らもどうこう言う話じゃねぇってことだな。これはμ’sの問題であって、外側が答えを出すもんじゃない」

 

ヤヨイ「そうですね…まだ時間はありますし、急いで答えを出さなくてもいいと思います。ゆっくり考えていけばいいんじゃないでしょうか?」

 

その言葉で張り詰めていた空気が少しだけ緩んだ。穂乃果はその場で走りながら、何も言えずに前を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり部室。パソコンの画面には開きっぱなしのDAWソフト。ドラムもベースもピアノも一通り打ち込みは終わっている。残っているのはギターパートだけだった

 

フミ「これで一通りは完成だな」

 

本当なら、ここもソフト音源で済ませるつもりだった。いつもなら、そうしていた。でも今日は違う

 

ヨウタ「う〜ん…」

 

アンプの前に座るアイツがギターを抱えていた。

ストラップを直しながら、何度かコードを鳴らしている

 

フミ「お前が手伝うなんて珍しいな」

 

普段ならとっくに帰っている。それかサボる

 

ヨウタ「最後くらいは何かしねぇ〜とって思ったんだよ」

 

フミ「最後…か…」

 

"最後"誰も口にはしていない。けど、考えていないわけじゃない

 

ヨウタ「まぁ、まだ分かんねーけど」

 

フミ「…そうだな」

 

まだ答えは出ていない。でも今はそれでいい。

俺達が今やる事は曲を仕上げる事。それだけだ

 

フミ「準備出来たら言えよ」

 

ヨウタ「いつでも行ける」

 

フミ「ミスっても取り直せるから、気楽に行けよ」

 

ヨウタ「いや、1回で充分だ」

 

フミ「…そっか」

 

それだけ言って録音トラックにカーソルを合わせる。赤いランプが点灯する。弦を弾いた瞬間、部室にギターの音が響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後。俺は衣装作りの為にことりの家にお邪魔した。玄関をくぐると、布の匂いがふわりと鼻をくすぐる。

 

ことり「フミ君、いらっしゃい」

 

ことりの部屋に俺は入るが、何故が今日だけこの家の空気が不思議と落ち着かなかった

 

フミ「お邪魔します」

 

作業部屋に入るとテーブルの上に裁断された布と型紙が綺麗に並べられている

 

ことり「じゃあ、今日はここから進めようか」

 

いつも通りの声。いつも通りの笑顔。それだけで少しだけ肩の力が抜ける

 

フミ「ああ」

 

短く返事をして俺は腰を下ろす。作業に入るとミシンの音が部屋に響く。一定のリズム。糸を切る鋏の音。時々交わす短い会話。いつも通りの作業にいつも通りの時間。だからこそ…ずっと続くような気がしていた

 

ことり「フミ君」 

 

しばらくして、ことりが手を口を開く

 

フミ「ん?」

 

ことり「μ'sね…」

 

ことりは視線を落としたまま、小さく息をつく。その一言で部屋の空気が少しだけ変わった気がした

 

ことり「ラブライブの決勝が終わったら…そこで終わりにしようって、みんなで話したの」

 

 

フミ「終わり?」

 

ことり「うん」

 

ことりは頷く。その顔は寂しそうでも、無理してるようにも見えなかった。ちゃんと考えて、ちゃんと決めた顔だった

 

ことり「昨日、みんなで話し合ったの。μ'sは九人だから、μ'sなんだって…だから、ラブライブの決勝を最後のライブにしようって決めたの」

 

フミ「…そっか」

 

それしか出てこなかった。頭の中では何かを考えてるはずなのに、うまく言葉にならない。ことりも返事を待つでもなく、また静かにミシンへと作業を移した

 

フミ「…」

 

俺も何も言わないまま手を動かし続ける。さっきまでと同じ作業に同じ時間。なのに…さっきまでとは少しだけ違って聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の糸を切る小さな音がして、部屋に静けさが戻る

 

ことり「ふぅ…できたね」

 

ことりは軽く背伸びをして凝り固まった肩をほぐした

 

フミ「ああ」

 

テーブルの上には完成した衣装が綺麗に並んでいる。ついさっきまで響いていたミシンの音がなくなると部屋が妙に広く感じた。作業が終わった途端、張り詰めていた空気が少しだけ緩む

 

ことり「ねぇ、フミ君」

 

ことりは布を丁寧にたたみながら何気ない調子で口を開いく

 

フミ「ん?」

 

ことり「次のデートどこ行く?」

 

ことりは顔を上げて、いつもの柔らかい笑顔を向ける。それは、さっきまでの話の続きみたいにあまりにも自然な聞き方だった

 

フミ(デート…?)

 

でも、その言葉は俺の中で引っかかった。頭の中で考えて浮かんだ物。練習の日程、ラブライブ決勝、ラストライブetc…

 

フミ(いや、余裕あるか?)

 

その全部が一度に重なって、頭の中がうまく整理出来てないからか…言葉が出てこない。けど、何か言わなきゃとは思う。でも、どの言葉もしっくりこなかった

 

ことり「…フミ君?」

 

俺は名前を呼ばれて顔を上げる。ことりは少しだけ首を傾げた

 

ことり「もしかして、迷惑とか思ってる?」

 

冗談っぽい口調。でも、その目はちゃんと俺を見ていた

 

フミ「い、いや…」

 

否定しようとして言葉が止まる。迷惑なわけじゃない。ただ――頭の中だけが先に走って言葉が追いつかない

 

ことり「私さ、フミ君の事何でも分かっちゃうんだよ?」

 

ことりは後ろにあったビーズクッションにもたれながら、いたずらっぽい声で小さく笑う。でも、視線は逸らさない

 

ことり「寂しいの私だけ?それとも、フミ君は寂しくないのかな?」

 

ことりは少しだけ意地悪そうに笑う

 

フミ(寂しい)

 

頭の中でその言葉だけがずっと回っていた。μ'sが終わる。ラブライブも終わる。アイドル部も…

 

フミ(終わるんだな…)

 

アイツと和解してまた話せるようになった場所。

ことりと出会えた場所。当たり前みたいに集まって、笑って、くだらない話をして。そんな場所が、もうすぐなくなる。寂しくないわけがない

 

フミ(…)

 

でも、それをどう言えばいいのか分からなかった。言葉にした瞬間、全部軽くなってしまいそうで…それだけは嫌だった。だから俺はゆっくり立ち上がり、ことりの前まで歩く

 

ことり「…フミ君?」 

 

少しだけ声が揺れる。ことりの顔を見る。見ているはずなのにうまく焦点が合わない。多分、今の俺に見えているのはことりじゃない。終わるって分かってる時間の方だ

 

フミ「ことりは俺の事、分かってないと思うよ」

 

言った瞬間、空気が少し変わる。でも、止まれなかった。止まりたくなかった。俺はことりの返事を待たず、ゆっくりと距離を詰める。ことりの目が少しだけ見開かれた

 

フミ(終わらせんなよ…)

 

頭に浮かんだ言葉に自分で息を詰まらせる

 

フミ(違う。こんな事が言いたい訳じゃない…)

 

決めたのはことり達だ。悩んで、考えて、みんなで選んだ答え。俺が止めていい事じゃない。もう少しだけことりに近づくと、そのまま呼吸が重なり、ことりの息が一瞬だけ止まった

 

ことり「フミ君…」

 

ことりは驚いたように目を開いた。でも、逃げない。嫌そうな顔もしない。だから、もう一度、距離を縮めた…確かめるみたいに。ここにいていいか?と聞くみたいに

 

フミ「…しいよ」

 

俺はことりを抱き寄せる。強くはない。でも、離す理由もなかった。ことりの肩に額を預け視界が少しだけ落ちる

 

フミ「…寂しいよ」

 

ようやく形になった。バラバラだった感情がやっと1つの言葉になる。ことりは何も言わない。ただ、背中に回った手が少しだけ強くなった。それだけで十分だった

 

ことり「…うん」 

 

しばらくすると肩越しに優しい声が聞こえた

 

ことり「寂しいね」

 

否定しない。慰めようともしない。ただ、同じ気持ちを隣に置いてくれる

 

ことり「でもね…μ'sが終わってもフミ君とは会えるよ?だから、次のデートもちゃんと考えてね?」 

 

冗談っぽく笑う声。でも、その言葉は不思議なくらい真っ直ぐ胸に届いた。終わるものばかりじゃない。続いていくものもある

 

フミ「…ああ」

 

短く返すのが精一杯だった。気づけば抱きしめる腕に少しだけ力が入る。離したく無かった。今だけは…まだ…このままでいたいから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、俺は屋上で穂乃果を待っていた。決勝が近づき、海未の提案で練習は量より質に変わり、今日は部活も休み。そんな中、穂乃果から「話したいことがある」と呼び出されたのだ

 

ヨウタ(いつになったら来るんだよ…)

 

そう思った時、屋上の扉が開く音がした。振り返ると、穂乃果が小さく手を振りながら入ってくる

 

穂乃果「ごめん、待った?」

 

ヨウタ「いや」

 

俺は咄嗟に小嘘を付く。穂乃果は俺の隣まで来ると同じようにフェンスにもたれかかった。少しだけ肩が触れそうな距離。しばらく、お互い何も話さない。遠くから聞こえる運動部の掛け声とグラウンドに響くホイッスルの音。そんな放課後の音だけが、屋上まで届いていた

 

穂乃果「昨日の夜ね」 

 

意を決したのか、ぽつりと穂乃果が口を開く

 

穂乃果「みんなで話したんだ」

 

ヨウタ「…うん」

 

穂乃果「ラブライブの決勝が終わったら、μ'sも終わりにしようって」

 

俺の中で少しだけ時が止まったように感じた。静騒の中で俺の耳に響く

 

ヨウタ「…そっか」

 

それしか言えなかった。『終わらせんなよ』喉まで出かかった言葉を奥歯を噛んで飲み込む。野郎達で決めた事がある…どんな答えを出しても外野がとやかく言う口を出さない。μ'sの事はμ'sが決める。だから…言わない。言っちゃいけない 

 

ヨウタ「決勝、頑張れよ」 

 

絞り出した声は自分でも驚くほど軽かった

 

穂乃果「ヨウタ君、本当は別の事、言おうとしたでしょ?」

 

ヨウタ「……」

 

一瞬だけ顔を上げて何かを言おうとして…やめる。結局、俺は本音を言えず視線を落とした

 

穂乃果「顔見たら分かるよ」

 

そう言って穂乃果は少しだけ笑う。でも、その笑いはすぐに消えた

 

穂乃果「…ありがとう」

 

その瞬間、俺は反射的に顔を上げ目があった。何かを言おうとして…また止まる

 

穂乃果「…ごめんね…」

 

その言葉で何かが切れた。気づいた時には穂乃果の体が少しだけ傾いていた。立っていられなくなったみたいに俺の方へ寄りかかる。支えを求めたわけじゃない。ただ、そうなっただけだ…一瞬だけ驚いて俺は肩に手を回す。抱きしめるというより落ちてくる体を受け止めるみたいに…穂乃果は何も言わず、そのまま目を閉じる。俺も何も言わない。ただ、ゆっくりと時間は流れ、空は夕方から夜に変わっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜道を歩きながら俺は穂乃果を家まで送っていた。特に会話はない。さっきまで屋上にあった空気がそのまま続いている気がした

 

穂乃果「送ってくれてありがと…」

ヨウタ「ああ。もう暗いしな」

 

それだけ言ってまた黙る。別に気まずいわけじゃない。ただ、言葉にすると崩れそうだった

 

穂乃果「じゃあね。また明日」

 

玄関の前で穂乃果が小さく手を振る。そのままドアに手をかけたその瞬間だった

 

ヨウタ「穂乃果!」

 

呼び止める声は思ったより強く出た。穂乃果が振り返る。少しだけ驚いた顔をして俺を見る

 

ヨウタ「…俺は見届ける。μ’sの最後を」

 

一度、喉の奥で止まる。それでも逃げなかった

 

ヨウタ「だから…絶対優勝しろよ」

 

穂乃果はすぐには返事をしなかった。ただ、まっすぐ俺を見る。その目が少しだけ揺れているのが分かる

 

穂乃果「…うん!」

 

頷いた声は少しだけ震えていたが、穂乃果は笑っていた。俺は何も言わず小さく手を振ると、穂乃果も笑って振り返す。そのまま玄関の扉が静かに閉まる。俺は一度だけ夜空を見上げて家路についた




いや、むずいね
なんか野郎連中が本編ベースだと
ノイズになってしまうから
オリジナルの話になりましたね
ラスト2話
まぁ、外伝もやるけど
見守って下さい
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