ウィンストン・チャーチル
「 私 が 来 た ! ! 」
クソォ!!クソクソクソォ!!!
ナンで、オールマイトがココにいるんだよぉ!!
「何ンンンで、オールまイトがココにいるんダダダヨォ!!!」
「おいおい、私はヒーローだ。困った人がいたら助けるんだ!!それがヒーローだろ!!!」
チクショウ!!チクショウ!!!ヤるしかネエェ!!!!
拳が交差する。ヴィランと、ヒーローが殴り合っているのだ。
拳圧が凄まじく、あたりの木や草花は台風が来た様に揺らいでいる。
ヒーローとヴィランが殴り合っている。ヴィランの手の甲には、ハチの様な針があるのだ。
だが、ヒーローはその針に当たらないように、拳を合わしている。凄まじい技量だ。
もはや、視認ができない。誰にも見えないほどの速さ。凄まじいラッシュだ。
だが褒めるべきはヴィランであろう。
ヴィランは、自分の身体能力だけでヒーローと渡り合っているのだ。だが、それまでである。
殴り合いながらも、ヴィランの甲虫の鎧は、パキパキと割れ始めている。
衝撃に耐えられないのだ。ヒーローのパンチは甲虫の鎧を確実に蝕んでいった。
波状攻撃には耐えられないのだ。
ヴィランは焦っていた。ラッシュをしていれば、いずれ負ける。どうする。と考えていた。
そうだ。オールマイトはヒーローだ。そうヒーローなんだ。
弱きを助け強きを挫く。そおゆう生き方をずっとしてきた男だ。
人質だ。
人質がいれば、オールマイトは攻撃できないと考えた。
だから、満身の力を籠め、叫んだ。その声は非常に五月蠅く、思わずオールマイトは、耳を塞いでしまった。
その間に少年を一人、取った。
紅白ではない、もう一人のほうをだ。
そう。大歴 伝馬である。
伝馬を左手で抱え、右手の針でいつでも殺せるぞと、脅す。
ヴィランは言う。
「コのままオオ、オマエが、オレををを殴っテくるののデアレバ、コのガキをコロスゾ!!」
ん?なんだ、何があった?宙に浮いている?いや抱えられている?
あぁ、思い出した。
僕は死にそうなんだ。そうか。捕まっているんだ。
鋭く尖った針が目の前にある。なんだ?
あぁ、オールマイトだ。テレビで何度も見た。
ヒーローだ。
ヒトラーおじさんは、オールマイトは人類の希望だと言っていた。超人社会での国家以上の抑止力だと言っていた。言っている意味は分からないが。
まあいいや。今は脱出しなければ、オールマイトは僕のせいで動けていない。
どうやら1メートルくらいの後方には穴がある。
そこに轟君がいるだろう。
なら、やることは一つだ。
伝馬は、ころころと、何かを後ろに落とした。ヴィランの後ろである。
ヴィランは気づかない。それどころじゃないからだ。
後ろから、衝撃と爆発音がする。
何かの破片がパチパチと甲虫の鎧を叩く。
手榴弾を落としたのだ。
瞬間、彼はジャックナイフを個性で持ち出し、腕に刺した。
ヒビの間をナイフは突き抜けたのだ。
ヴィランはたまらず、伝馬を離す。
だが、伝馬はオールマイトの方向には走らない。
友人が居るからだ。穴の中に入り、轟を担ぎ上げ、逃げようとする。
だが、それをヴィランが見過すはずもなかった。
「ママママててテヤやこのクソガキィィ!!!!!」
ヴィランが肉薄する。
「行かせない!!!!!!」
オールマイトがそれを止める。
ヴィランがオールマイトを殴る。
だが、躱された。
オールマイトが、ヴィランを殴る。
ヴィランの体制が崩れた。
「残念だ!!!君くらいの個性なら、ヒーローになってもよかったのに!!!!」
オールマイトが、ヴィランを殴る殴る殴る。
何発撃ったのだろうか。もう100発入ったのかもしれない。
ヴィランの甲虫の鎧は沢山のヒビが入った。
オールマイトは笑顔で拳を握りしめる。
笑顔とは、ヒーローの象徴である。
希望を与える、温かい行為だ。
「TEXAS・・・SMAAAAASH!!!!」
ヴィランの鎧は砕かれ、吹っ飛んだ。
伝馬は理解した。
ヒトラーがオールマイトは人類の希望だと言っていた理由が分かった。
温かい。笑顔で安心できる。
ヒトラーの演説は、何かを下に下げ、あの人よりかはましと思わせる戦術が使われている。
だからこそ、人々は、ヒトラーを信じ、安心した。
だが、オールマイトはどうだろう。常にヒーロー然としていて、笑顔は安心できる。
国会で演説をし、ニュースで見るよりも、早く、何倍も安心できるのだ。
誰も卑下にしない。
公平なのだ。オールマイトは。
ヒーローは、抑止力である。素晴らしく温かい行為である。
伝馬は、尊敬した。そして、憧れた。
僕も、ヒーローになって、だれかを笑顔にしたいと、心の底から思ったのだ。
将来の道は決まった。
因みにその後、オールマイトに猛烈に怒られ、先生にも怒られ、両親にも怒られた。
だが、彼は嬉しそうであった。
だってそうだろう。
決して曲がらぬ、素晴らしく、温かい夢ができたのだから。
人々が思考しないことは、政府にとっては幸いだ。
アドルフ・ヒトラー