歴史はヒーローになれるのか   作:おたま

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人救けした人間を排斥しちまうヒーロー科などあってたまるかって話しだよ!!
きれい事!? 上等さ!! 命を賭してきれい事実践するお仕事だ!!

オールマイト



青年は一時安心する

試験を見ていた教師陣は困惑した。

 

試験をしていたはずなのにいつのまにか戦争になっていたからだ。

個性の持ち主はわかっている。

 

大歴伝馬。個性”歴史”。

 

最初は?となった。

 

だが、今年から教師として赴任してきたオールマイトが偶然知っており、如何やら銃を出したり、手榴弾を出す能力と教師一同は説明されていた。

 

個性を説明されたなのだが・・・。

 

なんだこの個性は。

 

彼は誰よりも走り始めた。そしてロボットを探すことよりも、何かを探していた。

これだけで、分る。彼の練度は非常に高いのだろう。

その途中で出会ったロボットも瞬殺していた。

公園を見つけた瞬間。どうゆうことだろう。

 

なんか、沢山の人が召喚されたのだ。

社会の勉強に出てきた人も多い。

 

根津校長は思った。”成程。これが歴史か。”と

 

根津の個性は、ハイスペック。人間以上の頭脳。

を持つネズミなのか犬なのか熊なのかよくわからない生物だ。

 

彼は前述の通り、人よりも頭がよい。

だからこそ、大歴の持つ個性の危険性が一瞬でわかったのであろう。

 

彼の個性は、世界と戦争ができる能力なのだ。

彼の個性は、危険なイデオロギーを持っている人物たちを、一か所に集めることが可能な個性だ。

彼は、思想的に危険な国家が歓迎する個性なのだ。

共産主義・全体主義・国家主義・イスラム原理主義。

彼らの主義の根底となった偉人をも召喚ができる。

危険だ。危険すぎる。日本だけでは対処できない。国際連合が本腰を入れないと、倒せない人物となってしまうだろう。

 

その青年は、今この高校にヒーローになりたいと思い、受験に来てくれた。

 

彼がヴィランとなるよりも、政治家になるよりも、軍人となるよりも、革命家になるよりも、ヒーローを選んでくれたのだ。

 

だから、この青年を絶対に入れなければならぬ。と根津は決心した。

 

今年は、優秀なものが多く、常の40名には収まりきらない。

奇数になってしまうが、才能を殺すのは教師として、最も恥ずべき行為だ。

今回は仕方がないだろう。

 

などと、根津が思っている間に教師たちは、阿鼻叫喚であった。

 

オールマイトに、「話が違うじゃないか!!」と詰め寄るもの。

ただ唖然とするもの。

ドン引きするもの。

 

色々である。

戦艦がふってきたときなんぞ、これは夢だと思うヒーローもいたであろう。

 

それと同時に恐ろしい個性だと。

皆が理解していた。この個性は、とても強力だと。

ヒーローであり、教師でもある彼らは辺りにある、監視カメラでしっかりと見ていた。

教科書に必ず乗る英傑たちを。

 

チャーチル・ヒトラー・ルーズベルト・ムッソリーニ・スターリン・東條の顔を。

監視カメラを見てニヤッと笑う顔を。

ヒーロー達は、ぞわっとした。

彼らの目は、思想犯に似ていた・・・だが、目の鋭さが違う。質が違うのだ。

 

そりゃあそうだろう。

 

思想犯として、最上級。ナポレオンクラスであろう。

 

国民を煽動し、戦争の道に走らせた男達だ。

あるものは選挙で、あるものはクーデターで。戦争に誘った。

 

彼らの一言で何百万の人が扇動され命を落とした。

 

きっと、人々の平穏を守るヒーローにとっては、「最強のヴィラン」のような目をしていたのであろう。

 

それが7人もいる。絶望だ。だが希望がある。

 

個性の持ち主が、ヒーローになりたいという、夢を持っていてくれたからだ。

これを僥倖と言わずなんという。

 

そんなヒーローの中に興味を向けている男がいる。

それは、ボサボサの黒髪で無精髭。目は赤く頻繁に目薬を差している。ドライアイなのだろう。

その男の名前は、相澤消太。

 

個性を消す個性である。

 

 

 

あの試験から、一週間が経った。

 

伝馬は、学校の宿題をリビングでやっている。

 

それの姿を見ているのは、白い軍服を着ている筆髭の男。

 

ヨシフ・スターリンである。

 

ソビエト連邦の政治家、軍人。

 

グルジアで生まれ、神学校に進学。だが、マルクス主義を学び、神学校自体に疑問を持ち、司祭叙任を目前にしながら授業料不足を理由に退校。

 

その後、ロシア社会民主労働党に入党。

 

そして第一次世界大戦が勃発。

 

ロシア国内で内戦が勃発。赤軍の政治将校として、活躍した。

その後、政争に参加し、トロツキーを追放する。

大粛清をしながら、独裁体制を構築した。

そして、独ソ戦に突入。3000万人の死者を出しながらも勝利した。

その後、冷戦となり、1953年。脳卒中となり死亡した。

 

彼がソビエトの指導者になるのは必然だったのだろう。

ソビエトの中でも髄を抜いたリアリストであり、最も先を見通せた政治家であった。

 

 

スターリンは、元々子供好きである。そんな男が頑張っている子供を見たら、応援したくなるであろう。

 

スターリンは、伝馬を見ると、まるで孫のような感覚だった。

見届けたく、助言や応援をしたくなるような、そんな少年だと思った。

それになぜか近くにいると安心する。彼は死後、妻がいた時と同じような安心の寄る辺を見つけのだ。

 

そうして、宿題をしていると。

父が外から、ドタドタと走ってきた。何かを持ちながら。

 

父が「これ!!ッこれ!!!」

 

と言いながら、持っているものを差し出した。

 

それは手紙のようだ。丁寧に封をしてしてある。そして、脇には”雄英高等高校”と書かれている。

 

伝馬は震えた。大礼服で演説した時より足が震えた。

 

初めての合格発表である。

私も震えた。

 

リビングで封を開ける。そこには、手紙とチップが封入されていた。

 

チップを手に持つ。その瞬間、映像が投影された。

 

「私が投影された!!」

 

なんと、オールマイトの姿が投影されたのだ。父がなんか騒いでいる。

 

伝馬にとっては実に5年ぶりである。これは再会と言えるのだろうか。

と言うか何故オールマイトが投影されたのだろう。

 

「久しぶりだな大歴少年!!!早速で悪いがまずは合格か、不合格かを最初に発表しよう。」

 

父の喉が鳴った。

 

「君は・・・”合格”だ!!筆記はちゃんと合格範囲だったしね。」

 

父の歓喜の叫び声が聞こえる。向かいにいるスターリンもどこか安堵しているようだ。

 

「実技では38ポイント。文句ない。とても高い得点だ。だが・・・」

 

だが?

 

「君の個性の人たちは、少々やり過ぎた。なんか軍隊召喚してるし、前代未聞だよ。こんな個性。5年前に言ってくれよ。いろんな先生から質問攻めにされたんだ。とっても怖かったよ・・・」

 

「君の個性で召喚された人たちは、あまりにも仮想敵を撃破し過ぎた。正直に言うと、君の総合のポイントは500を超える。」

 

「だが、それは君の手柄ではない。君が召喚した人々の手柄だ。だから、君のポイントは38ポイントだ。これをまずは理解をしてほしい。」

 

”当たり前だ。私の手柄とはこれっぽちも思っていない。もともと彼らが居なければ、此処で雄英高校を受けに行っていないだろう。”と思っている。

 

「後、実はもう一つ判断基準がある。それは”救助ポイント”!!ヒーロはヴィランと戦うのが仕事だが、もっと大事なのは人々に”安心”を与えることだよ!!綺麗事上等!!綺麗事を実践するお仕事さ!!そして、君は人を誘導し、召喚した人たちが作った拠点で治療を受けさせていただろう!!だから、もちろん君も、この救助ポイントが適用される!!」

 

「君の救助ポイント”は24ポイント!!総合ポイントは62ポイントだ!!」

 

「来いよ、大歴少年」

 

オールマイトが、投影されている画像の中で手を差し出している。

 

「雄英が君のヒーローアカデミアだ」

 

 

「ああ、あともう一つあるんだ。君の個性の詳細が知りたいから、再来週の日曜。申し訳ないんだけど雄英に来てくれ。服は中学の学生服でいいからね。よろしく頼むよ!!」

 

と、オールマイトが笑って投影が終わった。

 

父は号泣している。

 

スターリンは、どこか安心したようだ。

 

伝馬も安心しイスにべたッと座っている。

 

そして、伝馬は思った。”あれ?やりすぎた?”と。

 

そして再来週には、足を震えさせながら雄英の門をくぐり、また思うことになる。

 

大変そうだ。




投票する者は何も決定できない。投票を集計する者がすべてを決定する。

ヨシフ・スターリン

入試試験のポイントに批判があるので、軍隊のポイントを追加するか否か、決めようかなと思います。追加するのであれば、新しく書き直します。

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