歴史はヒーローになれるのか   作:おたま

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成功があがりでもなければ、失敗が終わりでもない。肝心なのは、続ける勇気である。

ウィンストン・チャーチル


青年は説明を受ける

彼らは驚いていた。突然教室の前に、寝袋に入っている男が居るからだ。

その男は髪はボサボサ。黒ずくめで白いマフラーのようなものをしている。

我々はその人物を知っているが、彼ら生徒はまだ知らない。

 

「ハイ。静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね。」

妙な男はどうやら、相当の合理主義らしい。

私としては無駄にこそ、発展があると思うが、まあ人それぞれであろう。

 

続けて男が話す。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね。」

 

如何やら男は彼らの担任らしい。雄英はこんな妙な男を教師にするのだから、とっても自由なシステムなのだろう。

 

相澤が寝袋の中から、ごそごそと何かを取り出そうとしている。

 

「早速だが、体操服(コレ)来て、グラウンドに出ろ。」

寝袋の中はどうなっているのだろうか。

気になるところだ。

 

入学式などはしないのだろうか。

いや、此処は雄英高校のヒーロー科。

日本での最高峰だ。

そんな他の高校と同じことはしないのだろう。

 

 

 

 

今の私達は体育服だ。と言う事は体を動かすということなのだろう。

学校の初めにやる体育は一つだ。

 

「相澤先生。私たちが校庭にいるのは、体力を測るためですか?」

 

「いや、少し違う。今君たちにやってもらうのは、個性把握テストだ。」

 

『個性把握・・・テストォ!?』

 

成程。私たちは今まで一度も個性を使った身体測定をやった事がない。

相澤先生は、今の限界を教えたいのだろう。

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

さっき、緑谷君と話していた女子が質問するが、時間がないと足蹴にする。

 

「雄英は”自由”な校風が売り文句。そしてそれは”先生側”もまた然り。」

 

と言う事は、入学式をしているクラスもあるのだろうか。

そして、相澤先生は話す。

やる種目は、ソフトボール投げ・立ち幅跳び・50m走・持久走・握力・反復横跳び・上体起こし。そして、長座体前屈。らしい。

 

「爆豪。中学の時、ソフトボール投げ何mだった。」

 

「67m。」

あの怖そうな人は、爆豪と言うのか。名前も怖そうだな。

67mか。私は72m位だったかな。手榴弾の投擲練習もしていたから、その練習がなければ負けていた。

そして、彼は個性を使ってボール投げをするらしい。

 

「思いっきりな。」

相澤先生がそう言うと、彼が投げる準備をする。

 

「んじゃまぁ・・・。死ねえ!!!

そう言った瞬間凄い爆音、爆風と共に、炎が彼の上を包んだ。そして、ボールは、上へ飛んでいく。まるで、ロケット砲のようだ。

というか、彼の掛け声は恐ろしすぎないだろうか。死ねって。

 

「まず、自分の「最大限」を知る。」

相澤先生が計測器を見ながら言う。

 

「それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段。」

そして、それには705.2mと書かれていた。

 

「700mだと。あの個性は非常にいいな。爆破か。あの個性があれば、爆薬筒はいらないな。」

 

隣を見ると。チャーチルが出ていた。

 

 

伝馬は後ろにいたため、チャーチルが出たことは周りの生徒は気づいていない。勿論教師は気づいているが。

 

チャーチルは、考える。

彼の個性は非常に目立つ、ヒーローにはうってつけの個性だ。それに戦争にも使える。あの個性があれば、防壁なんぞすぐに爆破され、意味がなくなる。と

唯一の救いどころは、射程が短いところか。

個性がある世界。やはり、ドクトリンを一度最初から考えるべきだ。と

 

「なんだこれ!!すげー面白そう!」

「705mってマジかよ。」

「”個性”思いっきり使えるんだ!!流石ヒーロー科!!」

 

と生徒たちは言っている。

 

 

それは非常に危ないことだ。とチャーチルは思った。

彼らは、個性が当たり前だと思っている。

幼少期から持っているから当たり前なのだが、彼らはわかっていない。

個性というその力がどれだけ恐ろしいかを。

人をすぐに殺せるその能力。まあ、それはこの高校で学ぶからいいだろう。

 

 

相澤が話す。

「・・・面白そうか。・・・。ヒーローになるための三年間。そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?」

 

「よし。トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう。」

 

はあああ!?

 

 

 

相澤の言葉について、伝馬は考える。

 

相澤先生の言葉が本当だとすれば、この中の誰かは退学となってしまう。それは余りにも酷じゃないか。ヴィランルート真っ逆さまではないか。

これが、東條さんと共に来ていた時の言葉の正体か。

 

だが、何かが違う。

 

私の周りには、嘘つきばかりだ。その嘘つきたちは、嘘が上手だ。何人もの人を戦争の狂気に、言葉だけで導いた人ばかりだからだ。

本当の事を言っている時の口調と、嘘を言っている時の口調は、何となくだが分かる。

 

相澤先生のあの口調は打算だ。まるで、必死に全力を出させるための言葉だ。私の勘があっているのであれば、先生の言葉は嘘であろう。

 

どちらにしろ私は全力を出すだけだ。ここで退学なんぞしたら、10年の苦労が水の泡となる。

 

頑張らなければ。

 

 

 

 

因みにヒトラーは、なぜか入学式の式場で、来賓席に座りながらA組が来るのを待っている。

 

今日はA組は来ない。無駄骨である。




退路を自ら断つとき、人はより容易に、より果敢に戦う

アドルフ・ヒトラー

入試試験のポイントに批判があるので、軍隊のポイントを追加するか否か、決めようかなと思います。追加するのであれば、新しく書き直します。

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