歴史はヒーローになれるのか   作:おたま

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先を見すぎてはいけない。運命の糸は一度に一本しかつかめないのだ。

ウィンストン・チャーチル


男の子は通訳をする

「「Daddy?」「 Vater?」((お父さん?))」」

 

二人はびっくりした。あの子供の父親か?

なら、なんでヒトラーは殺虫スプレーを掛けられ、チャーチルは小さい傘で脅されている?

 

聡明な二人だ。すぐに原因が分かった。私たちは不法侵入している。

 

そう分かった瞬間チャーチルは手をあげ、降伏勧告をした。

 

男の子の父は、世界で初めてイギリスに勝った人物となった。

 

因みにヒトラーは、喋るくらいには回復したがまだ目は痛く悶絶している。

 

 

 

十分程たった。

 

父はトイレへ行き、見張りは男の子に頼んでいる。

 

チャーチルとヒトラーは縛られている。

 

正確には、椅子に座らせられ手足を括りつけられている。

縛っている素材はガムテープである。

 

ヒトラーは小声でしゃべる。

「チャーチル!なぜ我々は縛られているのだ!!訳が分からんぞ!!」

 

「そりゃあ、我々があの家主の家に不法侵入してしまったからだろう。我々は、犯罪者だ。」

 

「何を言っているチャーチル!我々は国のトップだぞ。お前は英国首相で、私はドイツ総統だぞ!揉み消せるだろ!」

 

「お前はドイツ総統かもしれないが、私は違う。それは20年前だ。今はただのくたびれた老人だ。」

 

「何を言っている!?今は1945年だろ!お前は英国首相だろ!1965年な訳がない!!」

 

ヒトラーはガタガタ椅子をゆすりながら激怒している。

チャーチルは落ち着き、何かを考えているようだ。

 

トコトコと男の子が近づいてきた。

 

「おじさんたちなんでここにいるの」

 

「我々にも分からん。」

 

「のりのおじさん。なんでわからないの。」

 

「ノリとはなんだ?分からないものは分からないのだ。」

 

「海苔ってのはあれだ、お前のチョビ髭だよ。」

 

「だから、ノリとはなんだ!?私の髭は、ガスマスクに入るようにしたのだ。決してそのノリとやらではない!!」

 

 父がトイレから帰ってきた。

 

「お前、この人たちの言葉が分かるのか?」

 

「わかるよ」

 

「じゃあさ、この人たちが誰か聞いてくれ。」

 

「おじさんたちだれなの?」

 

「私はウィンストン・チャーチル。イギリスの海軍大臣と首相を務めたんだ。」

 

「私はアドルフ・ヒトラー。国家社会主義ドイツ労働者党の党首にして、ドイツ総統である。」

 

父は驚愕した。息子が日本語で話したら、英語とドイツ語で返してきた。

 

父はなんとなくだが、言っている言語が分かった。

 

父からしたらこうだった。

 

「おじさんたちだれなの?」

 

「I ’m Winston Churchill. I served as Prime Minister with the British Navy Minister」

 

「Ich bin adolf hitler Er ist der Labour Party Präsident und Präsident der Deutschen Sozialistischen Partei.」

 

である。そりゃあ、驚愕する。

 

 

息子が帰ってきた。どうだった?と聞くと、どうゆうことだろう。

 

ウィンストン・チャーチルとアドルフ・ヒトラーというのだ。

 

 確かに見た目はそっくりである。10人中9人がきっと同じ事を言うだろう。だが、何故彼らがいるのか?

 

もう100年以上たっているのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

二人は驚愕した。男の子の父から説明をされた。

 

男の子が通訳をしてくれた。そのおかげでヒーロも警察も呼ばないですんだ。

 

さっきも言ったが、二人は驚愕した。

 

そりゃあそうだろう。

 

1945年から100年以上たっているらしいのだ。

 

 世界も非常に変わった。もうソビエトもない。代わりに中国が台頭している。祖国は欧州連合を作り、ロシア連邦に対抗している。

 

 兵器も変わっている。もう人が行進し、侵略に行く時代ではない。機械が銃を持ち、弾を打つのだ。

 

 そして最も変わったことは、人である。

今、世界の総人口の80%が何らかの超能力を持っている。その能力の事を”個性”とよぶらしい。

 

 ヒトラーは驚愕した。いや今までも驚愕していたが、あの黒く四角く薄いものは、最新型のテレビらしい。

世界は進歩していた。もう新聞を読む時代ではない。しかもラジオで聞く時代でもない。テレビで見る時代である。

 

 何よりも驚愕したのは”個性”だ。

個性というのは新しい価値観だ。宗教観でも民族観でもない個性観である。

 

だが、同時に喜んだ。

 

 もしかしてだが、個性が現れた理由は人類の脳の奥底にあった秘められた能力、なのかもしないと考えたのだ。

 

だが違った。

 

どうやら個性持ちは所謂、新人類らしい。足の小指の関節が新人類はないらしいのだ。

 

 ヒトラーはもっと喜んだ。

なぜならヒトラーは人類を昇華させ、宇宙へ行こうとしていたのだから。

もともとヒトラーは、優秀なアーリヤ、アングロサクソン、ゲルマン民族の優秀なDNAを純潔に保ち、優秀な人間のみで宇宙に植民地を持とうという野望が、心の奥底で存在していた。

 

 ヒトラーは考えた。個性持ちという新人類がいるのだから、人類のDNAは昇華している。人類は成長し続けられる。可能性を見たと喜んだ。

 

 きっとこのままいったら、宗教もなくなり、民族もなくなるであろう。残ったとしても、それは非常に多い1つが残ると考えている。だから、残る宗教はキリスト教で、残る民族は地球民族である。

 

ヒトラーは思った。あの忌々しい、ユダヤ人もあの便所の掃き溜めの様な劣等民族、スラブ人もいなくなるであろう。と狂喜した。

 

因みにチャーチルは横で縛られながら、喜ぶちょび髭を見てドン引きしていた。

 

 

チャーチルはヒトラーを見てドン引きしながらも思った。

 

彼らの名前はなんなんだろうか?

私は男の子に聞いたが、クッソたれのヒトラーのせいできけていなかった。

なのでチャーチルは聞くことにしたのだ。

 

「すまない。そこの君」

 

「なに?」

 

「聞くのを忘れていたが、君の名前は何かね?」

 

男の子は口を開く。

 

その時である。

 

玄関があるであろう方向から

 

ただいまー!!

 

という声がした。

 

男の子は「おかあさんだー!」と言いながら、トコトコ走っていく。

 

チャーチルは軽くため息を吐いた。

 




黒く四角く薄いもの:黒く四角く薄いものの正体は、デジタルテレビである。1873年 イギリスで明暗を電気の強弱に変えて遠方に伝えるテレビジョンの開発が始まったのだ。その後、1929年 英国放送協会(BBC)がテレビ実験放送開始。1953年 米国でNTSC方式のカラーテレビ放送規格の成立した。今もテレビは発展している。人類の進歩を垣間見れるよい機械でもある。


エリートの中のさらに強者だけが生き残るのだ、その試練の中でたとえ我が民族が滅びても、私は涙しないだろう。それがその民族の運命なのだから

アドルフ・ヒトラー
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