バーナード・モントゴメリー
日曜の午前1時。四人で席に着いてから三時間。ようやく整理がついてきた。
父は、机に突っ伏して寝ている。
母は、息子の熱が下がって熟睡できると安心していた。
眠い頭で整理する。どうやら彼らは、息子の個性で召喚されたようだ。
召喚される条件は、息子が興味を持ったからだと推測できる。
言語は、召喚された者同士でしっかりとコミュニケーションをとれるらしい。
自分の国の言語で変換されるらしい。
息子も同じで召喚した人と、分け隔てなく話せる。
さっきヒトラーが言っていた兵士の事だが、出ろ!っと念じれば出た。何人出せるかは不明。のちに調査が必要だ。
著名な兵士や士官は出るのだろうか?と質問したら
チャーチルは、バーナード・モントゴメリー。
ヒトラーはハインツ・グデーリアン。
を召喚した。
二人とも、召喚され非常に困惑していた。
モントゴメリーは茶色の軍服で、帽子はベレー帽。ジャングル柄のスカーフをし、顔は老齢を重ねているが、目はギラギラで、いかにも”戦士”という顔つきをしていた。
グデーリアンは、黒色の軍服で、帽子はヒトラーと同じ鷲の紋章がある軍帽だ。コートを羽織り、首元には騎士鉄十字章受章者の勲章が付いている。
顔は年齢の割には非常に若々しい。目はたれ目だが、刃のように鋭い。いかにも”騎士”という顔付をしていた。
彼らは双方を見ると、即座に拳銃を構える。
どちらも、年は70を超えているが、それでも普通の軍人よりもはるかに早くハンドガンを構えた。
「貴様何故ここにいる。戦争が終わってから何年たっていると思っているんだ!」
「貴様こそ、なぜ私に銃を向ける!話し合う気があるなら、銃を下ろしたらどうだ!!」
チャーチルとヒトラーはため息をついた。まるでさっきの我々ではないか。
どうにかして、チャーチルとヒトラーは二人を落ち着かせる。
銃を構えるのをやめたが、視線は常に敵を見ている。完全にWW2中に戻っているのだ。
二人は説明した。ここは2XXX年だと、個性という超能力があり、ヒーローやヴィランがいると。まるでベッタベタなアメコミのようだ。
だが、彼らは信じるしかなかった。こんな訳も分からないところにおり、死んだ筈の首相や総統が目の前にいるのだ。それに、今の私たちは軍人だ。
軍服で、勲章を身に纏っている。
上司の命令が守れないのなら、潔く死ね。
二人はこれを深く信じていた。
戻り方はわかるか?と、聞くと二人とも何となくだが分かると答えた。
チャーチルとヒトラーもよく考えたら、戻り方がなんとなく分かったのだ。
色々なことがありすぎて、そこまで思考が行きつかなかったのだ。
じゃあ戻ればいいと思い、戻った。
母は驚いた。本当に突然現れ、銃を向けあった。それに何度か話をしていたら、
突然4人とも消えたのだ。幽霊のように。フッと消えたのだ。
分からな過ぎて、寝室に向かった。ヒトラーの座っていた椅子にかかっていた、コートを夫の肩にかけてから。
因みに男の子が朝起きたら、チャーチルとヒトラーがまた出てきた。
母は生まれてから一番深いため息を吐き、父はグーグル翻訳で『サインをもらいたいのですがよろしいでしょうか』と英語とドイツ語で検索をしていた。呑気なものである。
厚い皮膚より速い足
ハインツ・グデーリアン