アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件〜Second Bullet〜   作:100¥ライター

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2話 第二の試練「ソウナンですか?いいえ、カンキンです」

第一の試練を突破した俺達は控え室に案内されていた。

 

 

「ふーん、結構多くの本があるのな」

 

 

「あわわ…すっごく沢山の本です!」

 

 

暇潰しに困らないようにとの配慮か圧倒的漫画やラノベの量。とりあえずはお母好き全巻いっとくか。あとは余裕があればアニメ化したての作品もどんどん消化していこう。他にはアニメ化が決まってる作品を見ていくのもありか。

 

 

「随分と高く積み上げてますね、マスター。あら、これは私達の作品ですか?」

 

 

「あぁ、原作は未履修だからとりあえず全巻だ。あとは手が届いていない巻を全て読む」

 

 

キャラを手に入れると引力なるものの影響で同作品のキャラに少しだけ会いやすくなるらしい。つまり自身のパートナーを知り、その仲間や敵も知ることが必須なのだ。

 

 

最初に会ったワイズが第一の試練を突破してるかもしれないし、大好親子と戦う可能性。場合によっちゃ夜の女帝、メディママなんかともエンカウントする可能性がある。

 

あとは…アニメにおいてのラスボスであるアマンテが出る可能性もあるか。あいつ頭脳は非常に残念だが、他のスペックは全体的に高水準なんだよな。戦闘センスも悪くはない。ただ頭が残念。そこだけなんだ。ほんとマジで。

 

 

アマンテの持つ反射能力はひと昔前、一方通行の登場によってかなり研究されたものの対策を事前に練らなければ即詰みの厄介な能力だ。相手にもよるが、下手なことをすれば完封されると思う

 

 

「他のブロックの様子がこちらのテレビで見れますよ!他のマスターも見ていきましょう!」

 

 

「ん?じゃあ、ちょっとだけ。もう一度紙とペンを貸してくれ」

 

 

ポータに勧められ、早速テレビの前へ。事前に対策しておくことは大事だからな。さて、誰が来るか…

 

 

『BブロックNo.3!かっちゃんのマスター!合格!』

 

 

『るせぇ!あだ名で呼んでんじゃねぇ!!つーか出てこいやクソ実況者!!』

 

 

『まぁまぁ、これからもよろしくな。かっちゃん』

 

 

『ざけんじゃねぇぞ、クソナード!』

 

 

ナードってアメリカのスラングでオタクを意味するんだっけか。だが、それはともかく爆豪は結構強い。おまけに良くも悪くもマスターのレベルに左右されない。手を焼きそうだ。

 

 

『CブロックNo.6!雲雀のマスター!合格!』

 

 

『きゃああああああ!雲雀様ぁぁぁぁぁぁ!』

 

 

『相変わらず煩いね。噛み殺すよ』

 

 

『あぁぁぁぁぁ!私を噛み殺してくださぁぁぁぁぁぁい!!』

 

 

『DブロックNo.1!ユージオマスター!合格!』

 

 

『ありがとう、マスター。君のおかげだよ』

 

 

『いえいえ、貴方のおかげですよ』

 

 

爆豪、雲雀、ユージオ…見事に中々強いやつらばかりだ。そして雲雀のマスターは既視感しかない。

 

 

「オッケー、オッケー…メモメモ…」

 

 

さてさて、次はどこの誰が…

 

 

「皆さん、少し早いですが第二の試練の会場に案内させていただきますよ」

 

 

そこに現れたのは僧侶のようなローブをしており、どこか人間離れした風貌…そしてあのステッキは…

 

 

「ウイスさん?俺まだテレビもお母好きも途ちゅ—」

 

 

『なっ!?』

 

 

俺達三人を縄で縛っただと!?ほとんど動きが見えな-—

 

 

「はーい!早速ですが、全員無事に帰ってきてくださいねー」

 

 

くっ…意識が…これが第二の試練…なのか…?

 

 

 

マスター津島隼人のキャラ評価

 

爆豪勝己(僕のヒーローアカデミア)

 

パワー:A

サポート:E

スピード:B

体力:A

頭脳:B

将来性:A

 

あらゆるものを爆破し尽くす爆殺狂。

 

個性『爆破』による高いパワーはもちろん、機動力も高く、多彩な応用が利くためかなり強い。おまけに観察力や分析力もかなりのもので相手の弱点を見抜くのも得意。まさに戦闘の天才と言えるだろう。

 

だが、協調性が恐ろしい程ない。彼を従わせようとすれば怒るし、無理に彼に合わせようとしても怒る。ただ周りを見ていないわけではなく、むしろその高い観察力で改善すべき点などもすぐ見抜いてくれるだろう。

 

悲しいことに性格でかなり損をしている。もし彼のマスターになるのであれば彼の理解者になることが最重要事項だろう。ただし、それはまともなコミュニケーションを取るのであれば。という話であり、ただ戦うだけならその必要すらもない。

 

 

はっ!ここは一体…どこかの小部屋か?窓から光が見えるのは不幸中の幸いか。

 

 

「…っ、やられた!俺達全員、拘束されて閉じ込められたか…!!」

 

 

「あぁっ…な、縄が…食い込んで…んんっ」

 

 

ダメだ。声だけでヤバい。メディが多分凄いことになっていると思う。振り向いたら殺されるけどめっちゃ見たい。俺には強い自制心があるから見ないけど。あー、なんか人生損してる気分だ。

 

 

「自分も身動きが取れません!!」

 

 

「マスター、もしかしてこのままでは監禁された状態で…ずっと…」

 

 

最悪の結果を予測したメディの顔色が青ざめているが、心配はない。

 

 

「なんてことはないから安心しろ。ポータ、ちょっと羽織っているローブを脱がせてくれ」

 

 

「ま、まさか私達のマスターはペド—」

 

 

「他意はない。他に選択肢はないから早くしてくれ」

 

 

ポータは可愛い担当だ。性的な目で見ることはない。確実に。

無論、マスターという立場上、誰であっても許されないが。

 

 

「は、はい!」

 

 

「こ、これは…」

 

 

「控え室に漫画やラノベがいっぱいあっただろう?だから沢山貰ってきた。ローブからこれさえ取れば…身体の周りに余裕が出来て、俺は縄から抜けられるわけだ」

 

 

本当なら刺された時なんかを想定していたが、有効的に働いたから良いだろう。やはり本は人生を豊かにするな。

 

 

「流石です、マスターさん!」

 

 

「少しはやりますね…マスター」

 

 

ふふん、オタクは机に本を入れようものなら中身を漁られるのが常だ。だから机には自衛用…というか人に貸しても大丈夫な本を入れておき、本命は制服の内ポケットなんかに入れて、基本は肌身離さず持っておくのが良い。ただ今回は本人ブックカバーをかけて、テープで直接くっつけてる。

 

 

「ほら、お前のも解いてやるから。乙女の柔肌に痕が残ったら大変だろ」

 

 

「分かりました。けど変なところを触ったらセクハラで訴えさせていただきますね」

 

 

うるせぇ、それで命を落としては元も子もないだろうに。まっ、蘇生魔法が存在する世界では命など軽視されてしまうのかもしれないな。

 

 

「しない。だが、万が一のことがあっても救命行為だと言い張れば問題はあるまい。現にお前は俺のおかげで危機を脱している。余裕で勝てる案件だ」

 

 

「ほう、やってみますか?刑務所に収容されるのを楽しみにしておいてくださいね」

 

 

「うっせ、さっさとやるぞ」

 

 

 

マスター津島隼人のキャラ評価

 

雲雀恭弥(家庭教師ヒットマンREBORN!)

 

パワー:A

サポート:ー

スピード:B

体力:A

頭脳:C

将来性:A

 

群れる者は誰であろうと許さない孤高の浮雲。

 

束縛されることも大嫌いなので爆豪のようなその気になればなんとか連携できるとかの次元にはいない。前半戦で津島隼人が出会った彼のマスターはそれをよく理解しており、一切召喚を行わず、雲雀単騎で攻略していた。

 

非常に好戦的かつ負けず嫌いで意識が朦朧としていようが本能だけで戦えてしまうし、意地だけで猛毒にすら抗う。流石ボンゴレ最強の守護者。

 

彼を仲間にしてしまったのであれば彼のみで戦う覚悟をするべきだろう。それだけのことをするだけの実力はある。

 

 

もちろん何事もなく二人を解放して…さて、まずは現状を把握だ。

 

 

「ここは廃ビルのとある一室…と、言ったところです!人影一つありません!無事に飛び降りるのは不可能な高さだと思います!」

 

 

「転移魔法が使えません…MPを奪われたのでしょうか…」

 

 

「そうではないな。今遠見の魔術で窓の向こうを見ているが、普通に使えている。これは一部魔法が制限されている。と考えるのが一番妥当だろうな…だが、遠見の魔術は超低コストで使える魔術だからお前の仮説が正しいかもな。物は試しだ。あそこにあるMPポーションを飲んでみるか?」

 

 

「はい、それなら自分が沢山!」

 

 

ここでダース単位のMPポーションがドサッと出てくる。相変わらず用意周到だな。

 

 

「いいえ!結構です、別の方法を探しましょう…では、マスター。ドアを蹴破るのはどうでしょうか」

 

 

はっきりノーと断ってきたか。うん、やっぱあの時のワイズのようにはなりたくないよな。

 

 

そんじゃ、壁を蹴破ってみるか!

 

 

「オッケー」

 

 

『せーのっ!!』

 

 

互いにドアを思い切り蹴ったが、全く効いていない。念のため探したが、ドアノブらしき物はおろか鍵穴すらない。そして威力が足りないとかどうこうじゃなくてもっと違う何かがある気がする。

 

 

ドアがダメなら周りの壁を破壊…なんて策もあるが、俺の魔術は基本偵察や補助、搦め手を軸とするから破壊力はそんなにない。

 

 

「なぁ、ポータ。流石にこの周りの壁を破壊する工具とかは…ないよな」

 

 

ドリルとはいかなくてもハンマーが一つあるだけで俺が空間把握の音波でも流して、脆い部分や空洞を見つければ軽く破壊出来るんだが…

 

 

「えぇ、そうです。ポータちゃんが持っているのはあくまでゲームの世界観を壊さない程度の範囲内です。文明の利器はほぼありません。それに金槌などは元からないようです」

 

 

いや、お前達が使う化粧品類諸々は世界観壊してないの?と言いたくなったが、言うべきではないだろう。ゲームの世界だし、母親同伴というゲームの性質上そこは運営が融通利かせてるんだろうな。

 

 

「まぁ、そこは仕方がないことだ。過度な期待はしていない」

 

 

バフをかけても強引に出るのは恐らく無理…と、なれば…

 

 

「窓…か?」

 

 

「窓…ですね」

 

 

『あっ…もしかして』

 

 

あれ?やはりメディも気づいたか。この試練一番イージーモードじゃ…

 

 

『ちょ、ちょっと!どうなってるわけ!?』

 

 

『いや、俺に聞かれても困る!』

 

 

『困るって!マスターでしょ!これなんとかしてほどきなさいよ!』

 

 

「今、ワイズさんの声がした気がします!もう一人はワイズさんのマスターさんです!」

 

 

ワイズのマスター?あぁ、あの最初にいた…まさか。そんな訳ないだろう。

 

 

「気のせいじゃないか?ポータ」

 

 

「そうですよ、ポータちゃん。少々考えすぎでは?ワイズさんは第一試練で私達に無様に負けました。マスターも恥ずかしい勝利宣言をした後に負けたんです。ここにいるわけがありません」

 

 

言ってたな。馬鹿は無様に負けるだとか。自分が負けてちゃ世話ねぇよな。

 

 

『ねぇ、他に誰かいないの!?』

 

 

「気のせいじゃ…」

 

 

「ないかもしれませんね。早速窓を見てみましょう」

 

 

窓を開けたらもしかして隣の部屋とかに…

 

 

「あっ、メディ!あとメディマスター!助けなさ—」

 

 

メディが窓を閉め、俺が素早くロックをかける。この間0.5秒。

うん、中々良いコンビネーションだ。今後もこの調子で連携に磨きをかけていこう。

 

 

「ねぇ、マスター。今誰かいましたか?」

 

 

「いいや?誰もいなかったと思うぞ。手を伸ばせばギリギリ届きそうな距離に窓はあったが、それ以外は何も見てないとも」

 

 

あぁ、俺達は縄で縛られていたワイズなんて見ていないとも。

 

 

「ワイズさんに似た亡霊かもしれません。塩を撒いておきましょう」

 

 

『あんたら意気投合してんじゃないわよ、ダークコンビ!動けるなら早く助けなさいよ!』

 

 

『…』

 

 

俺達がだんまりを決め込んでいるとメディが耳打ちしてきた。

 

 

(どうします?マスター。自称ワイズさんを助けるかどうか)

 

 

(あ?助けるだろ。そして力を借りる方が合理的だ)

 

 

ん?自称?今自称って言ったのか?隣でワイズが騒いでいて、あまり聞こえなかった。まぁ、いい。とりあえずは話の続きを聞こう。

 

 

(ですが、もし…もしもですが…私達を陥れるための罠だとしたら…?)

 

 

(あー、そういうことか。ワイズの幻覚で油断させてるってか?)

 

 

(えぇ、ワイズさんの姿で油断を誘っている可能性が…)

 

 

(いや、たとえそうだとしても具体的に実害なくね?)

 

 

(念には念を…です)

 

 

(いや、ならさ。正体が分かればいいんだろ?つまり…)

 

 

(なるほど。それは名案ですね)

 

 

よし、早速窓を開けよう

 

 

「メディ!メディマスター!やっぱり助けてくれ—」

 

 

「ワイズさーん!貴方は本物のワイズさんですか!?」

 

 

「本物に決まってるでしょ!?早く助けなさいよ!!」

 

 

「本物のワイズさんなら『どうかこの無能賢者をお助けください。メディ様、どうかご慈悲を!』と頭を下げて大声で叫んでくださーい!」

 

 

「そうだー!お前なら言え—おい、そこはやめてやれ。あいつそろそろ泣くぞ」

 

 

 

「な、泣かないし!お願いだから助けて!今はお互い仲間割れをしている暇じゃないわ!」

 

 

「さっきまでノリノリでしたのに…中途半端ですね、マスター。こういうのは徹底的にやるものでは?」

 

 

「弱っている相手をリンチにする趣味はない」

 

 

俺は早速ワイズを助けようと意気込んでいた矢先にメディは窓を再び閉めた。

 

 

「…おい、開けてくれ。メディ」

 

 

「あれがもし悪質なトラップだったらどうするんです?あともう少しだけ待っても良いのでは?」

 

 

「うぅ…さっきから縄が痛くて辛いの…助けて…お願い…します…」

 

 

「メディ…こいつの縄をほどいてやりたいんだが、構わないな!?」

 

 

すまないが、この状態のワイズを見ているのは辛い。たとえ偽物であっても…いや、もし本物である可能性が1%でもあるとしたら…

 

 

助けないなんて選択肢は無い。

 

 

「仕方ありませんね、私も今のワイズさんは張り合いがなくてつまらないと思っていたので」

 

 

「ワイズ、ちょっとこっちに寄ってくれ。お前は助けてやる。お前はな」

 

 

ワイズを解放してあげました。

 

 

 

ユージオ(ソードアート・オンライン)

 

パワー:A

サポート:B

スピード:B

体力:B

頭脳:C

将来性:A

 

心優しき青薔薇の騎士。

 

武装完全支配術を使えば相手を凍らせることが可能な上、記憶解放術も使えば生命力すらも奪うことが可能。

 

だが、彼の真の恐ろしさはキリトも認める底知れない剣の才能である。

 

様々な能力がバランス良くまとまっており、性格も温厚なのでマスター初心者であっても安心。

 

 

ワイズを解放したことで隣の部屋の情報も手に入るし、必要とあらば多彩な魔法でサポートしてくれるのは大きい。だが、メディは少しだけ不服らしい。

 

 

「ほら、ワイズさーん。『助けていただきありがとうございます』はまだですかー?ワイズさんなら言えますよ。さぁ、早く!」

 

 

「まぁ、流石にお礼の一つも無しってのはないよな?メディの強要のさせ方はあれだが…」

 

 

「た、助けていただき…ありがとう…ございます」

 

 

「え?何ですって?」

 

 

メディがわざとらしく大きな声でワイズの言葉を遮る。表情もどこか生き生きしている感じがする。やっぱこいつ常人の手には負えないのかもしれない。

 

 

「た、助けていただきありがとうございます!!…これでいい!?」

 

 

「え?何で—」

 

 

「やめてやれ。悪乗りした俺も悪いが、流石にやりすぎだ。あいつまた泣くぞ」

 

 

「な、泣いてないし!さっきも泣いてなかったから!」

 

 

さっき涙目で俺に頼んできて、縄をほどきに行ったら凄く安心した表情をして、少し泣いていたのはどこのどいつだ。メディには黙ってておくが。

 

 

「ダメです。マスターは少しワイズさんに優しくしすぎです」

 

 

…確かに俺は少々そういった傾向があるらしいが、根が悪いやつではないし、後々の貸しにしとけばいいだろう。今は敵であってもいつか力を貸してくれるかもしれん。

 

 

「いいですか?マスター。ワイズさんは最初の方こそしおらしく感謝するでしょう。しかし、少し時間が経てばその恩も忘れ、ワイズさんに優しくする貴方に対してどこまでもつけ上がり、終いには貴方のことを粗大ゴミのように扱ってきます。最初こそが大事なんです。舐められてしまいますよ」

 

 

「あんたメディマスターに変なこと吹き込むのやめなさいよ!」

 

 

「最初の調教こそが肝心だと教えているんですよ」

 

 

「あたしを犬か何かか!!」

 

 

あー、いつもの二人だ。ちょっと安心した。あとはあちら側の詳細を聞くだけ聞いておこう。

 

 

「今はいがみ合っている場合じゃないぞ。メディ、ワイズ。そちらの状況はどうなっている?」

 

 

「さっきメディマスターが教えてくれたのと全く同じよ!全く出られないわ!」

 

 

なるほど。それじゃあ互いに協力みたいな要素は特に無さそうだな。

よし、そろそろか—

 

 

「あっ、マスターさん!自分縄は—」

 

 

「ん?何ですか?お腹が空いたんですか?」

 

 

ヤバい。どうやらメディもあの時に気づいていたらしいな。

 

 

「自分、確かに言われてみればそんな気がします!」

 

 

「あら、マスターもお腹が空いているんですか?」

 

 

「食べますよね?ねっ、ねっ?」

 

 

目は闇と虚無のみを映し、身体には紫色の禍々しいダークオーラを纏わせた状態で俺にじりじりと接近してくる。これは拒否したらダメなやつだな。

 

 

「は、はい…食べましょう…」

 

 

弁当以外にもコスパの良い食べ物やミネラルウォーターがある。ちなみに弁当が高かった分、他の値段は安く設定されていたんだとか。それがポータのスキルで更に割引。多少日数がかかっても余裕なぐらいある。

 

 

「やっぱAブロックの第一の試練はこういう意図があったわけか」

 

 

何故弁当コーナーだけではなく、一見関係がなさそうなコーナーまであったか。

 

 

意味なんてない。と言い切ってしまうのは簡単だ。だが、もしも意味があったのなら…こういうことなんだろうなぁ。

 

 

「だが…まさか何かしらのSOSとかが来るまで食料を切らすなってか?」

 

 

1週間程度なら余裕だが…この軟禁状態はあまり長くは持たない。

 

 

「安心しなさい、あたしのマスターなら棺桶の中でしばらく寝てるみたいだから」

 

 

「…別にワイズさんの心配はしていませんよ」

 

 

「何か言ったかしら?メディ」

 

 

「いえ、何も」

 

 

あー、無事に帰ってこい。みたいなことを言っていたが、最後の最後で蘇生すれば確かに無事に帰れるだろう。凄い合理的だな。おぉ…

 

 

いやいや、鬼か、お前は。

 

 

というか本来ならマスターが死亡すればその時点で契約が切れている…いや、それどころか普通は自殺判定を受けるはずだ。即死魔法による死は戦闘が終わるまで正式な死とカウントされず、蘇生による復活が可能…みたいな感じの即死魔法持ちを制限するルールか何かだろうか。

 

 

「ちょっとルールをチェックさせろ」

 

 

特権ルールはそのキャラを所持している必要があるが、ルールは全マスターがチェック可能だ。さてさて…該当項目は…

 

 

・なお通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?のキャラを所持している場合、そのキャラやマスターが死亡した際には肉体が修復された状態で棺桶に入るようになり、あらゆる攻撃を受け付けなくなります。

 

 

なるほどね。死体を完璧に保護してくれるわけか。つまりヴァニラアイスとかの攻撃に対しても強く出られる…と。だが、蘇生に関しては書いてない。一般ルールの方だろうか。

 

 

・蘇生魔法に全く価値が無い。というクレームを受けたので戦闘時間中の蘇生を1試合3回に限り有効とし、成功した場合はマスターの退場は無しとします。

 

 

あっ、アップデートされたのか。つまりこれでこのすばのアクアだとかネト嫁のアコ辺りの価値が更に上がり、即死持ちは若干価値が下がった…と。てか最初の文要らなくないか?

 

 

ともあれ即死魔法使いが最強となれば『デス』の一言で耐性のない敵をガンガン殺せるこのすばのセレナとかが無双しちまうからな。

 

 

そもそもアニメに出れてないあいつがいるのかは疑問ではあるけど。一部原作にしかいないキャラもこの戦いにいるし、現にアイリスがいるし、七草の双子ちゃんなんかも見たことあるけど大抵は知名度が高いキャラらしいし。

 

 

「ワイズさんは食料を充分に確保できておらず、水すらもロクにない可能性がある…と。取引に使えそうですね、ふふふ…」

 

 

「…」

 

 

怖い、メディが心配だ。あまり度がすぎるようなら止めなければならない。

 

 

「ところでマスター。話は変わりますが、マスターは先程魔術がどうこう言ってましたが、何かしら能力が使えるマスターなのですか?」

 

 

「ん?能力か」

 

 

マスターの中にはアニメにある能力を使えるマスターが存在する。それは実際にパートナーから指導を受けたり、能力を与えられたりすることで能力者となるケースの二択が一般的。けれど基本はマスターが死んだらその時点で負けだから能力者になって前線に立つものはそんなにいない。

 

 

けれどリアルタイムで指揮を執るマスターは少なからずいるのでサポート系統の能力を会得するマスターは少しいる。ただ厄介なサポート能力だとマスターにヘイトが向く可能性もあるから一概に良いとは言えない。

 

 

「あぁ、一応。さっきも軽く言ったが、申し訳程度なら魔術が使える。ロクでなし魔術講師と禁忌教典の世界に存在する魔術をな」

 

 

と言っても簡単な軍用魔術や学生にも使えるような簡単なものしか使えないし、便利なサポート系をメインで習得していったから前線で戦うのはちょっと無理。

 

 

「…そんでもってずっとさっき言った遠見の魔術で外の景色を見ているが、人の気配が全然しねぇ」

 

 

こんな状況で本当に助けが来るのか?と考えていたら隣のワイズが何か提案をしてきた。

 

 

「狼煙でもあげてみる?」

 

 

「ビルに燃え移った瞬間即アウトだ。そんな危なっかしいことはできないし、やるようなら止めるぞ」

 

 

「えっ?じゃあ、このまま何もせずに見張っていろってこと!?」

 

 

「…それが懸命だろう」

 

 

ワイズ達の果てしない延長戦が幕を開けた。

 

 

 

マスター津島隼人によるキャラ評価

 

ワイズ(通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?)

 

パワー:B

サポート:B

体力:E

頭脳:C

将来性:A

 

 

一度の詠唱で二つの魔法を放つことが可能な連続魔賢者。よく魔法を封印されたり、MPを吸われたりと何だかんだ魔法が使えなくなって、置物化するイメージは中々払拭されない。

 

 

多種多様なキャラを評価するため、ここでは評価していないが賢者特有の高いMPや多彩な魔法は高評価。器用に様々な役割をこなせる。

即死魔法を2回連続で放てるなど状況次第で活躍の場は沢山あると思われる。

 

 

でもぶっちゃけお母好き世界に存在する全魔法が使える上に詠唱も一言だけでOKな夜の女帝(和乃)を使った方が何倍も強いとか言ってはいけない。

 

 

一見じゃじゃ馬に見えるが、こちらが誠意を持って接すれば友好的な関係を築くのは比較的容易。色々な意味でワイズは扱いやすいのでマスター初心者であっても手に余ることはないだろう。

 

 

手に余らない。そう、そのむ…な、何だ、お前!やめ—(記述はここで止まっている)

 

 

深夜になろうと余裕で起きていられるのがオタクという人種だ。2時3時?まだまだ…朝までいける。徹夜であっても3日程度ならコンディション問わずにいける。

 

 

ポータとメディにはもう寝てもらった。まさかポータが毛布まで持っているとは。もうぐっすりだ。

 

 

「ねぇ、そこにいるんでしょ?メディマスター」

 

 

「はい、メディマスターだ。どうした?見張りならお前の分まで俺がしておいてやる」

 

 

「そんなこと言っておいて…助けが来たらあたしを置いていくんじゃないの?今回は敵同士になったわけだし」

 

 

ふむ、敵同士…ねぇ。

 

 

「メディがお前を置いていくと思うか?お前達はなんだかんだ仲良しだろうに」

 

 

「それは…そうだけど…」

 

 

「だったら…約束してやる。たとえメディがお前を置いていこうとしても俺はお前をそこから連れ出してやる」

 

 

仲間は一人でも多い方が良い。だからワイズにも来てもらえたらありがたいんだが…

 

 

「…俺のことが信じられないか?」

 

 

「だって、メディが仲間だとしてもメディマスターは敵であることには変わりないし」

 

 

やっぱそういうのはちょっと気にするのね。分かる。

 

 

同作品で仲間だったはずの奴らがマスターの意向で争うのは何度も見た。だから俺はそういった仲間同士で争わせたくはない。無論、例外はあるが。

 

 

「このメディマスターには夢があってな…」

 

 

「ジョルノ・ジョバーナ?」

 

 

「ネタ回収せんで良い。ネタにした俺も悪いが…俺には命に変えてでも助けたい人がいる。けどその人を救うには優勝して願いを叶えるしか選択肢は無い。だからこいつがいたら…なんて後悔はしたくない。…どうしても理由を求めるならそういうことだ。まっ、そもそも人を助ける理由なんてものを作る時点でナンセンスなんだが」

 

 

「ふふ…あっはは、おっかし…」

 

 

「あっ、今笑ったな。失礼な」

 

 

自分でもちょっとカッコつけすぎて変なこと言ったって自覚はあるんだよ。あんま笑うな、泣くぞ。いい歳した高校生が。

 

 

「そっか…思ったより頑張っているのね」

 

 

「おい、さっきからちょっと失礼じゃないのか?」

 

 

「分かったわ。謝るわよ、だからあたしもちゃんと願いを言うわ。あたしね、マスターが死んじゃったの。それもあたしと同じ女子高生。…だから今はその子が一緒に組んでいた友人のパートナーをやっている。だから…この戦いで優勝して、マスターを生き返らせたいの。そして一言…謝りたい」

 

 

マスターが死んだ…か。以前のルールで考えるなら蘇生魔法を使えばマスターの権限こそ失うが生き返らせることは可能なはず。

 

 

つまりは…詠唱が間に合わなかったか遺体を見つけられなかった。あるいはワイズが魔法封印やMPドレインなどで魔法が使えなかった…この辺りだろうか。

 

 

「うむ、やはり好戦的じゃないマスターもいたわけか」

 

 

マスターはアニメオタクの中からランダムで200人選抜された。オタクの基準には少しばかり疑問があるが、概ねそうだった。そうすれば必然的に戦いに向かない優しい性格の者もいるだろう。

 

 

そして卑劣なやつに食い物にされたってわけだろう。

 

「えぇ、そうよ。あたしのマスターは戦うにはあまりにも優しすぎたのよ。あんたみたいなマスターが一緒にいてくれたら…彼女も死ぬことはなかったのかしらね」

 

 

「…イフの話をしても仕方がないだろう。大事なのはこれから何をするか。じゃないのか?」

 

 

「…そうね、そうよね」

 

 

「じゃあ、あたしそろそろ寝るから…くしゅん!」

 

 

「…俺のローブで良ければ要るか?あと水」

 

 

「…要る。両方貰う」

 

 

そうしてワイズは俺が投げ入れたペットボトルの水を飲み、すぐさまローブに包まって眠った。

 

 

〜2日目

 

 

この日は遂に動き出さなければならない。ポータのバッグの中に思わぬ物が入っていたのであれをするしかない。

 

 

「まずはこれを掻き混ぜてくれ。そのあとこれらをこれに入れて欲しいんだが…」

 

 

「はい、任せてください!」

 

 

よし、順調に掻き混ぜているみたいだし、ポータはもう大丈夫だろう。

 

 

「メディは…これを切ってくれ。ただそれ以外はするな。細かいことは俺の担当だ」

 

 

「…不本意ですが、了解しました」

 

 

「じゃあ、ラストは…炒める!! とぉっ!はっ!せいやぁっ!」

 

 

「隣で何作ってんのあんたらぁ!!」

 

 

順調に作業していたところなのにお隣さんから文句を言われた。しまった、近所迷惑だったな。ここはちゃんとネタバラシをするしかない。

 

 

「ん?チャーハンだけど。いやぁ、ポータのバッグにたまたま米と卵があって、たまたまハムやネギといった具材があって、偶然その他調味料もあって、あと中華鍋も奇跡的にあったから作っているだけだが」

 

 

いやぁ、あと第一試練でスプーンも沢山拝借しておいたし、皿もたまたま入っていたからもうバッチリなんだわ。

 

 

「その全てをたまたまで済ませるつもり!?」

 

 

コラ!女の子がたまたまとかちんちんとか言うんじゃありません。

 

 

「あら、誰かと思えば未だに昨日と同じ下着を履いているワイズさんじゃないですか」

 

 

「なっ…そんなこと言ったらメディだって…!」

 

 

「私は既にポータちゃんから受け取って、変えていますよ?昨日と同じなのは貴方だけです」

 

 

全く、メディのワイズいじりも程々にさせなきゃ…ん?今、何…と?

 

 

「待て。俺ずっと見張りをしていたが、ほんとマジでいつ変えた?お前らが起きてきたことで油断して、うっかり寝ちまった5分か?」

 

 

「その5分間です」

 

 

「——ッ!!」

 

 

負けた。いや、マスターとしては正しいんだ。これでいいが、男として負けた。

 

 

「本当にしれっと余裕そうな顔で徹夜していたのでサクッと魔法で眠っていただきました」

 

 

「そうかそうか…そうなんだ。あはは…」

 

 

あー、なんかもう世界ぶっ壊してやりたい。何故俺には最強の毒耐性があるのに眠り耐性がないんだ。音だけでも楽しみたかった。

 

 

「ほら、ワイズ。チャーハン食うか?真々子さんレベルとまではいかんが、味は保証する」

 

 

うん、とりあえずワイズにチャーハン分けてあげるかー。お裾分けだー。あははー。何故着替えという超超レアなチャンスを逃したんだ、俺は…

 

 

「…いただきます。…その、ありがと。敵同士なのに気を回してくれて…」

 

 

「では、少々ワイズさんをからかいましたし…」

 

 

「さっさとクリアするぞ。…全く、ワイズをからかってなきゃ秒殺だっただろうに」

 

 

「そうですね。でもいいじゃないですか。ワイズさんと交渉していたみたいですし。結果は芳しくなかったようですが」

 

 

「…え?」

 

 

ワイズが口をぱくぱくさせて、酷く動揺している。そりゃあそうだろうな。今まで遅延する理由は本来無かったのだから。

 

 

「は!?どういう事!?あんた達脱出できないんじゃ…」

 

 

「残念でしたね、こちらにはポータちゃんがいます。つまり…」

 

 

「俺達はポータに縄はしごを出して貰えば最初からいつでもクリアできたってわけだ。すまんな」

 

 

「え?ちょっと!じゃあ何で…」

 

 

「ワイズさんをからかうためです」

 

 

「他にも意図はあったんだが…概ねそうだな」

 

 

「それでは。私達、クリアさせていただきますね」

 

 

「あっ、ちょっと!待ちなさいよ!!メディ!メディマスター!!嘘でしょ!?待って、行かないで!」

 

 

「…そ、そんな」

 

 

「嘘…だろ…俺達の計画が…」

 

 

このままでは…これまで余裕かましていたのに…

 

 

「ふふふ、あっはっはっ!ざまあないわね!あんた達!!人を散々コケにしたからバチが当たったのよ!」

 

 

「なんてことはないんですけどね。そーれっ」

 

 

無表情ではしごを下ろすメディ。うん、勝ち確定だな。

 

 

「ポータ、まずは様子を見てくれ」

 

 

「はい!自分が偵察してきます!」

 

 

「あっ、ちょっと!あたしも…」

 

 

「ダメです。この縄はしごは3人用なんです」

 

 

スネ夫か、お前は。いや、でも本当に4人は保たないんだ。

 

 

「そうだな。だから…」

 

 

「大丈夫です!無事に降りられます!」

 

 

「ワイズ、俺達の仲間になれ。そうすればお前は本戦への出場権を確実に得られる」

 

 

「は?出場権?何のこと?」

 

 

「ん?知らないのか。だったら教えてやるが、この十三の試練で七の試練までクリア出来なかったマスターのパートナーはもれなく全員参加を失う。今現界してたやつも全員退場ってわけだ」

 

 

「はぁ!?何そのめちゃくちゃなルール!!」

 

 

アップデートで仕様変更だとよ!なんてルールだ。マジでこれを見た時はやべぇと思った。

 

 

「俺のリアルネームは…津島隼人。ユウキのマスター…の方が分かりやすいか?」

 

 

「津島隼人…あんた本当にあの津島隼人なの…?」

 

 

「あぁ。つまり…何かしら願いを叶えたかったら俺につく方が合理的だと思うぞ。来るか?」

 

 

「…うぅ、人の足元見てきたわね…でも」

 

 

「…ほら、忘れ物よ」

 

 

やはり時間は足りなかったか。そりゃあそうか。俺には人誑しの才覚は無い。凡人じゃこんなもんか…と、少し感傷的になりながらワイズに貸したローブを受け取る。

 

 

「サンキュ。じゃあな、ワイ—うぉっ」

 

 

やべ、覆い被さっちまった。急いで取らなきゃ視界が…

 

 

「隼人!」

 

 

「なっ!?」

 

 

この感触…抱きしめられている…?何だかいい匂いがするし…

 

 

「あたしも行く。連れてって。ほら、連れて行ってくれるんでしょ?責任取らなきゃ許さないから」

 

 

「はぁ、前のマスターを躊躇なく裏切るとは…とんだ尻軽女ですね」

 

 

「尻軽言うな!あたしは全力でこの勝ち馬に乗るわ!本戦で一緒に戦った元マスターのためだもの。ここで参加資格剥奪なんてことはならないわ!」

 

 

「参加資格…剥奪?マスター、それって…」

 

 

「よし、すぐ帰るか!!」

 

 

はしごが崩れちゃいけない。もうすぐにでも帰るか。

 

 

「ん…?おぉ、となりのマスターを説得したのか、ワイズ!!早速俺も便乗して…」

 

 

あっ、やっぱ来たか。ワイズのマスター。悪い、うん、本当にごめん。ヘッドハンティングさせてもらった。

 

 

「ただし、ワイズのマスター。てめーはダメだ。メディ」

 

 

「了解です」

 

 

可哀想だが、メディの即死魔法で再び棺桶に収容。さて、あとはこのまま降りるだけだ。

 

 

 

 

『メディマスター!合格!』

 

 

「いぇい!」

 

 

メディ、ポータと順にハイタッチをかわし、そしてあとは新たな仲間ワイズともハイタッチをかわす。

 

 

「それにしても寝取りとか最低ですね、マスター」

 

 

「寝取り言うな。ヘッドハンティングと呼べ」

 

 

優秀な人材は敵であっても声をかける。フリーザ様だってやっていることだ。

 

 

「寝取りってどういう意味です?」

 

 

「ポータちゃんは知らなくていいのよ、あはは…」

 

 

「そんじゃ!賭けは俺の勝ちだな」

 

 

「え?賭け?あんた達そんなことやってたの?」

 

 

「ん?やっていたぞ。最初サクッと勝つつもりだったのにメディがどうしてもワイズを煽りたいから一日だけ時間をあげたんだ。その間で俺がワイズを丸め込んでヘッドハンティング出来るか出来ないか。そういう勝負だ」

 

 

「マ、マスター!?それは…」

 

 

「ねぇ、メディ?それってどういうことなのかしら…?」

 

 

「…で、でも…最後の最後にあんな嘘をつかれたら勝てるわけないじゃないですか。マスターは酷いです」

 

 

「…え?嘘?」

 

 

自分が騙されていたという自覚がなかった故か目をぱちくりとさせ、事実を飲み込めないでいた。

 

 

「あっ、おい。コラ、馬鹿!やめろ、今バラすな!!」

 

 

「参加試験剥奪…あれは真っ赤な嘘ですよ。少し考えれば分かりますよね?」

 

 

「へぇ、じゃああんた達二人ははあたしを弄んでいたってわけね」

 

 

やっべ、目がマジで怒ってる。そしていつもの魔導書を構えている。唱えられる魔術は…もちろんお察し。

 

 

「…決めた。あんた達を殺して生かして殺して生かすわ…覚悟しなさい!!」

 

 

やっべ、めっちゃワイズがキレてる。これは…

 

 

「メディ、逃げるぞ!」

 

 

「えぇ、あそこの転送装置まで逃げ切れば私達の勝ちです!」

 

 

「待ちなさい、隼人!メディ!!」

 

 

「まっ、待ってください!マスターさん!メディさん!ワイズさん!」

 

 

全速力で逃げ切っても正式に契約している以上逃げ切れないとは分かっている。だが、今はひたすら走る。とにかく逃げていればいつかワイズの機嫌が治ると信じて。

 

 

〜第三の試練

 

 

おかしい…これはおかしい。確かに4人でワープ床を踏んだ。なのに…俺は一人だけ別の場所にいて、こうして五人の女剣士に囲まれている。

 

 

「おいおい、勘弁してくれよ…次の試練はお前達か?」

 

 

「あぁ、お前の相手は自分達だ。覚悟しておくことだな」

 

 

あれ、どうしてこうなったんだっけ…

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