夜叉へ情報が漏れる。
サンダーボルト作戦、聖魔城への侵入を開始し最新部へと趣いた。そこには巨大な鏡が置かれており、直仁は不審に思った。
「なんだか、怪しい感じの鏡ですね」
「直仁さんもそう思いますか?一見、大きな鏡のようですけど、念のため調べてみましょう。直仁さんは此処で待っていて下さい」
さくらは鏡を調べるために近づいていく。触ったり見渡してみたりするがなんの変化もない。
「一見普通の鏡のようなんですが・・・あっ!?明かりが!直仁さん注意して下さい!!」
すると突然、停電したかのようにあたりが真っ暗になった。さくらの注意が響き、直仁はその場から動かなかった。
「あ、明かりが点いた。って・・・えええええええ!?さ、さくらさんが二人!?」
それは驚くべき光景だろう、なぜなら直仁の目の前には二人のさくらがいるのだから。
「な、何!?あたしがもう一人いる!?どういう事!?」
「ど、どっちが本物なんだ!?」
「嫌だわ、直仁さん。あたしが本物に決まっているじゃないですか」
「な、なんですって!?直仁さん!本物はあたしです!分かりますよね!?」
「うう・・弱ったぞ・・・あれ?確か、さくらさんって和菓子が好きだったような・・という事は・・・よし!」
直仁は何かアイデアが浮かんだらしく、口にする事にした。
「あっ!あんな所にヨモギ餅が!!」
「えっ!?ヨモギ餅!?どこ!どこ!何処にあるんですか!?」
自分の好物があると直仁から言われ、左側の桜色の光武が探すようにキョロキョロしているが、右側の桜色の光武は全く反応を示さなかった。
「ヨモギ餅なんて何処にもありませんよ?直仁さん」
「ふふ、冗談ですよ。でも、これで分かりましたよ・・・偽者は右の奴!お前だ!!」
「な、何を言うんですか。直仁さん、あたしは本物ですよ」
偽物と指摘された方は弁解しようとするが、左側にいた桜色の光武が直仁の近くへと戻ってくる。
「フフフ、直仁さんに見破られたようですね」
「な、なんだと!?」
「さくらさんはヨモギ餅が大好物だってお話してくれたのを思い出しましてね。それで興味を持たなかったお前が偽者って訳だ!」
「ぐ・・・ふっ・・・ふっふっ!よーくーぞー見破った!」
桜色の光武から姿が変わり、巨大な鏡に怨念が取り付いたような不気味な姿に変わった。これが魔神器・鏡を守る上級の魔物である鏡王の真の姿だ。
「!!」
「おバカだおバカだと思っていたけど、満更、おバカではなかったなーーかったんだねーー」
鏡王はまるでニューハーフに近い口調で話してくるが、その煽り方が人間のツボを心得ているようでいらだちを加速させている。
「お前は何者!それに魔神器を使って何をしようとしているの!?」
「Oh!なーーんて事だ!君達はそんな事も知らないで戦っていたのかい!?やっぱり君達はおバカだね!おバカだね!!おーーおバカだね!!」
鏡王の煽りにも動じず、さくらは毅然とした態度で鏡王へ言葉を返した。
「バカはお前よ!あたし達、帝国華撃団が居る限りお前たちの野望は全部、叩き潰されるのですから!」
「我等、魔物の野望・・・それは、魔界王と共に世界を闇に包み・・・支配する事。なーーんちゃって!なーんちゃって!スゴい!スゴい!スゴい!スゴいでしょう~~~~っ!」
「魔界王・・・・」
この時に直仁は僅かながら嫌な予感がしていた。魔界王は確かに支配が目的だろう、だが・・・この先、パートナーになってくれた目の前の女性に逢えなくなるのではないかと。
「お前達、魔神器を使って魔界王とやらを呼び出そうとしていたのね!」
「大当たりーー!おバカちゃんでも其れくらいは解るんだね。ま、そういう訳で魔神器を集めているお前達を生きて返す訳にはいかないのだーーー!」
「それはこちらのセリフよ!魔界王の復活なんて絶対にさせないわ!!行きます!直仁さん!」
「はい!!」
「お前達の死に逝く姿をバッチリ写してやるんだからっ!」
鏡王はその名の通り、鏡のように霊気の攻撃を跳ね返す力を持っており、更には雷の力を自在に使いこなしてくる。
最も厄介なのはこちらの霊子伝達を妖力で遮り、攻撃力と防御力と共に命中率を下げてくる技を使ってきた事だ。しかし、直仁はこの技が妖力であるものだという事を見切り、バックパックから霊光の盾を装備し、ダマスカスの太刀を手にした。
「これでお前達の力も無くなるねーー!」
「させるか!!」
「え?直仁さん!?」
再び妖力を使おうとする鏡王に対し、直仁は霊光の盾を掲げながら、さくらを庇い霊子伝達を遮る妖力を跳ね返した。そう、それはまるで鏡のように。
「にゃにぃ~!?妖力を跳ね返してきたぁ!?」
「この霊光の盾は、鏡のように磨き上げた装甲へ妖力と霊力を跳ね返すコーティングがされているのさ!さくらさん!今です!!」
「ええ!破邪剣征・・・桜花霧翔!!」
「ぐぎゃあああ!?ま、まだこの程度でアタシは!」
「直仁さん!」
さくらが下がると同時に直仁は大きめの砲口を鏡王へ向けていた。直仁の光武は脚部を戦車のキャタピラに変更された光武タンクであり、その特徴は装甲と足場を選ばない機動力にあるが、実はもう一つだけ隠し玉があったのだ。
それが光武タンクにのみ搭載可能になった『80mm砲』である。この固定武器の威力はバックパックにある装備とは比べ物にならない火力を出すことが可能、装填数は三発と少ないが今の敵の状態では十分だろう。
「俺からの餞別、受け取ってくれよおおおお!!」
「だ、弾丸は止めてええええええ!!!」
「るせえええええ!」
直仁は『80mm砲』に装填されている三発の弾丸のうち一発が命中し、同じ箇所へと残りの二発を撃ち込んだ。更にはバックパックから光武用の銃を取り出し、三発目の弾丸が刺さった場所へ銃口を向けた。
「ぐ・・・ぐぐ、お前・・・何を?」
「此処は聖魔『城』。敵将の首をとること以外なにがある」
直仁は容赦なく弾丸を撃ち込み、鏡王の鏡面部分を破壊した。鏡王は生きていたが、悔しいと喚き散らした後。
「でも、まぁいいや・・・・・」
そう言い残し、鏡王は消滅した。その後、聖魔城を探索し内部に残っていた民間人を救助、更には魔神器・鏡を回収し、帝劇へと帰還した。
「サンダーボルト作戦でそういった事もあってな」
「あれかぁ、ヨモギ餅作戦・・爆笑してたんだぞ!俺!」
「ま、また・・・真宮寺さくらさんの理想像が・・・」
「・・・・」
男二人は笑いながら話していたが、天宮は机に突っ伏しており、エリスは黙って話を聞いているようだ。そんな和気藹々とさくらが一人の人間であり、旧・帝国華撃団のメンバーたちの話をしていった。
◇
その深夜、仮面の女の夜叉と顔を隠した女性が密会をしていた。手には何かの紙を持っており、それを夜叉に手渡した。
「ご苦労様でした、これで帝劇へと入れます」
「約束の方は?」
「もちろん、守ってあげますよ。ただし、帝剣の所まで案内するまでという条件は付けたはずです」
「・・・わかっています」
「それでは、また」
「・・・っ」
女性は道端に転がっていた物を蹴っ飛ばすと、そのまま来た道を引き返し戻っていった。
「良いのかい?彼女、もう限界だと思うけど?」
「邪仙のアナタに言われたくありませんね。ですが、これで手に入る算段はつきました」
「問題は彼だね。朱雀も玄武もこちらに引き入れたが、青龍と白虎は行方知れず我らの目をもってしても見つからない」
「龍脈の御子・・・それに輪廻を調整された者。龍脈の御子は御神体がなければ力を発揮できません、問題は」
「輪廻の方だろう?あれは厄介だからねえ・・・鬼門遁甲で封じる事はできてもそれだけだよ」
「帝剣さえ手に入れば、勝てなくはありません」
「そうだね・・・降魔皇さえ甦れば十分さ」
それぞれ、姿を消したが邪仙と呼ばれた側は薄く笑っていた。それは自分の好きなものが見つかった時に嬉しくなるときに出る笑みだ。
「龍脈の御子のパートナー、伯林華撃団隊長・・・エリス。ああ・・君は良い、実に好みだ。君は僕の下に来るべきだよ」
そうつぶやいて、邪仙は姿を消した。そしてプレジデントGも自分が拠点として使用している建物で笑っていた。
「もう少し・・・もう少しです。あなた様を開放出来る時は近い!ハハハハ」
◇
霊峰・富士山。その地下深くでは龍脈に近い場所で二つの物体らしき何かが蠢いていた。唸り声を上げており、それはまるで何かが接触してくるのを待っているかのようだ。
『羅喉星・・・来たれり。羅喉星・・・来たれり』
『吾・・・人界を守護する者なり・・』
二匹は再び眠りについた、目覚めの時が近いのだろう。静かに時を待ち続ける二匹の姿は龍と虎に酷似していた。
そろそろ、新サクラ大戦の時間を動かそうと思います。
次回はシャオロンと直仁の再会ですが、シャオロンは直仁に対し険悪です。
アンチではなく、かつて刃を向けられた事が強烈に残ってしまっている為です。
次回は龍と竜のぶつかり合いになるかもしれません。
裏表がなくとも悪気は無いにしても大切なものを馬鹿にされると許す事ができない、それが次回の要です。
サクラ大戦と言えばヒロイン別ルート!※やはりヒロイン別ルートが必須かと思い次のルートは誰が良いかアンケートします(正ヒロインはエリスですが)
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倫敦華撃団 副隊長 ランスロット
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上海華撃団 ホワン・ユイ
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新・帝国華撃団の誰か
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