初穂、クラリスに課題。
誠十郎が直仁から命名された必殺技を習得。
華撃団大戦が二ヶ月後と迫りつつある日、直仁は初穂とクラリスを中庭に呼び出していた。呼び出された理由を聞かされていない為、初穂は不機嫌、クラリスは怯えた様子だ。無理もないだろう、シャオロンとのいざこざで直仁の本気で怒った姿を見てしまったのだから。
「おう、来たか」
「来たか、じゃねえよ!急に呼び出しやがって!」
「その、何か御用ですか?」
「ああ、初穂・・お前、空手をやってみる気はあるか?」
「へ?空手?空手って・・・武術のアレか!?」
「それ以外に何がある。それとクラリス、お前には小太刀術を覚えてもらいたい。まぁ、正確には脇差になるがな」
「小太刀術、ですか?」
「正直言って、お前達は一つの物事に囚われ過ぎている。得意の武器を失った時や封じられた時の対策をしておこうと思ってな」
「!その為にアタシに空手を教えてくれんのか?」
「私にも武器の扱いを!?」
直仁は彼女達二人の弱点を見抜いていた。初穂は鎚による接近戦、クラリスは家系に伝えられている魔道書を駆使した遠距離戦法だ。だが、これらが使えなくなる時がないとは限らない。
この二人は特に愛用品への依存が高い、その為に直仁は今まで『見取って』来た技の中で彼女達に伝えられそうなものを伝授しようと考えたのだ。
「そうだ。だが、華撃団大戦まで二ヶ月という短い時間で身に付けるには、指導がかなり厳しくなる。それでもやるか?」
「頼む、支配人!アタシを鍛えてくれ!」
「わ、私もお願いします!」
「舞台指導の時にも言ったが、俺は投げ出す事は絶対に許さねえぞ。俺の厳しさはよく知っているよな?女だろうと容赦しねえからな」
「分かっているさ」
「改めて、お願いします」
初穂もクラリスも直仁の厳しさは知っている。だが、彼の指導はただ自分の価値観を押し付けるのではなく、安全を考慮し、厳しくも出来た時はしっかりと褒め、出来ない時は改善点を伝え、覚えるまで付き添って指導してくれる事もある。それだからこそ、次世代の花組は直仁を信頼しているのだ。一度はあった軋みも今や、糧となっている。
直仁は二人に動きやすさを追求した空手用の道着と小太刀術の為に着る女性用の道着を用意し、二人を着替えさせた。無論、更衣室でだ。中庭に戻ってくると二人は異様に似合っている。
「だが、やはり二ヶ月くらいじゃ付け焼き刃にしかならねえ・・・だから、基礎を徹底的にやる」
「基礎だけをか?」
「そうだ、基礎さえ固めれば応用は利く」
そういって直仁は自分が稽古用に使っていた巻藁を二本用意し、一方には通常の木刀の他、重さを加えた小太刀の木刀を用意し、小太刀の鍛錬用模造刀も用意した。
「初穂、お前はこれから毎日。正拳突きを1000本、蹴りを両足1000本をこの巻藁へ向かって打ち込め」
直仁が型を見せつつ、鍛錬方法を教える。その姿はずっと鍛錬してきた様子で完全に馴染んでいる。
「こ、これを毎日1000本もかよ・・!?」
「そうだ、これを毎日だ。そうすれば」
直仁の正拳突きが何もない空間に突き出され空を切り、初穂の顔に風が当たる。その風が凄まじい。
「この拳の速さが最低限になる。少し本気を出せば!」
直仁は用意したもう一本の巻藁に向き直ると拳の一撃で根本から揺らしてしまった。霊力を込めず、ただ純粋な正拳突きのみでだ。本来は破壊してしまうのだが、蹴りを教える為に破壊しなかったのだ。
「この威力になる。今のは一割の拳の威力だ」
「さっきのが一割!?」
初穂は驚きを隠せない。巻藁を揺らした一撃が一割の力しか使っていないというのだから当然だろう。
「それとだな、強くなりたいからといって焦って稽古をするな。焦ればケガの元だ、この二ヶ月では基礎を習得するという考えで稽古しろ」
「わ、わかった」
「次はクラリスだな。先ずはこの木刀で素振りを1000本だ。重りは入っていない物から始め、慣れてきたら重くしていくぞ」
「わ、私も1000本ですか!?」
「当然だ、甘くしていたんじゃ強くはなれん。こうやって構えて、こう振り下ろすんだ」
一般的な剣道の構えをし、直仁は振り被り、振り下ろす動作を何度もしてクラリスに見せると構え方を教える。小太刀の前に刀の扱いを方を教えなければ意味はないからだ。
「なるほど、これを毎日・・ですね?」
「そうだ。初穂にも言ったが決して焦るなよ?それと素振りをこなせる様になったら、この小さい方で稽古するぞ。魔道書と組み合わせながらな」
「ま、魔道書とですか?」
「そうだ。主力は魔道書、それを補助するのが小太刀って訳だ。霊力で小太刀を自在に操れるようになるのも目標の一つにしておけ。お前の力はお前だけにしか扱えねえんだから」
「は、はい!」
この日から誠十郎、初穂、クラリスの三人の稽古が始まった。初穂とクラリスは毎日の課題をこなすのに6時間以上かかっていたが、一週間もすれば慣れてきたのか、時間が徐々に縮まっていった。
「998・・・999・・・1000!はぁ!はぁ・・・はぁ!これで、今日の昼は全部終わったぁ」
「わ、私もです・・・はぁ、はぁ!」
「お疲れさん。ほれ、水分を補給しておけ」
直仁は全員分の水分補給用の飲み物を用意しておいた。それ一人一人に渡していき、自分も水分を補給する。
「あ・・・助かる・・」
「はぁ・・・んっんっ、はぁ・・・生き返りましたぁ」
二人は素早く水分を補給すると汗を手拭いで拭き、休憩を始める。誠十郎も水分を取りつつ息が弾んでいるが、まだまだ余裕の表情だった。
「神山と支配人は、なんで実戦のような稽古してたんだ?」
「その事か?コイツの中に目覚めた修羅を落とし込ませる為さ」
「修羅?もしかして・・・アタシがさくらと一緒になって大声を上げた時になってた状態の神山か?」
「そうだ、しっかりと落とし込めればコイツはさらに強くなるからな」
「まだまだ、出来ませんけどね」
苦笑している誠十郎だったが、彼も直仁との稽古で少しずつ強くなってきている。速さを極めるところまで来た時、彼は自身の必殺の技を二つ開眼した。『速き事、自由にして無尽、然らばその刃は龍が呼ぶ嵐の如く』と謳い、彼自身がたどり着いた技の一つは縦横無刃・嵐。もう一つは直仁が名付け親になり縦横無刃・嵐龍(らんりゅう)と名付けた。
嵐龍は嵐とは違い、修羅としての自分を表に出し太刀の間合い分、地上と空中の間を縦と横を組み合わせた空間攻撃として斬撃を繰り出し続ける技だ。太刀の間合い分である為に範囲は然程広くはないが、空間の中心に立ってしまった敵は戦闘不能になるまで斬撃を受け続ける事になる。だが、修羅を自分の中に落としきれていない今の誠十郎では完成までは程遠いレベルだ。
「直仁さん、嵐龍を使いこなせるようになるまで稽古をお願いします!」
「良いぞ、とことん付き合ってやる!」
二人は二刀流での稽古を再開し、それに触発された初穂も稽古を開始した。だが、巻藁への打ち込みは課題が終わった後は正拳突きのみをやれと直仁から念押しされているため、それを始める。
「あの二人、バケモンかよ・・・でも、アタシも負けてられねえ。この拳が支配人に追いついて、いつか超えるまで負けねえ!」
「私も・・弱音を吐いてはいられませんね。強くなるんですから!」
クラリスも木刀での素振りを再開する。その手はマメがいくつも潰れた跡があるが、直仁に「それはお前が稽古を続けてきた証だ。痛いだろうが、包帯を巻くなりして対策しつつ稽古を続けていけ」と言われ、直仁自身が包帯を巻き、稽古に支障がないようにしてくれたのだ。
◇
それからというもの、初穂は空手の型の基礎を僅か二週間で体得してしまった。彼女は元々ケンカなどで拳を使う事に慣れていたのもあるが、武術という整えられた型のおかげだろう。それだけに直仁は彼女に厳重に注意した。
「良いか、初穂。どんなに悔しかろうが怒りで頭が沸騰しそうになっても、本気で殴るなよ?今のお前の拳は木造の壁程度なら簡単に壊せるし、其の辺のチンピラ程度なら殴り殺せる力量になっているからな」
「マジかよ・・・基礎しかやってなかったのにか?」
「基礎だからだ。腰が入った蹴りと正拳突きは速さが付けば凶器になっちまう、だから気をつけろ」
「解ったよ」
それから初穂は自分の腕に巻いているサラシを拳に巻く物は厚い物に変えたり、二重に巻くなりして戒めるようになった。
ある日、冗談で厚めの木の板を殴った時、真っ二つに割ってしまい直仁が注意していた通りの事が起こってしまった。更には空手の威力が恐ろしくなりかけたと天宮が言っていた。
それもその筈、初穂が直仁から教わったのは旧・帝国華撃団の一人、桐島カンナが継承した琉球空手桐島流だったのだから。
琉球空手桐島流は霊力によって肉体を強化する霊体術でもある。型の一つ一つや基礎を重ねていけば、霊力を無意識に肉体へと纏わせ、超人に近い身体能力で攻撃できる。その事を教えるのを直仁は忘れていたのだろうか?
◇
更に日数が経ち、とうとう華撃団大戦当日を迎えた。初戦の相手は上海華撃団と聞いて、直仁は一瞬だけ顔を顰めたが、冷静になり持ち直した。直仁はあくまでも支配人代理として次世代花組を送り出す事だけだ。
だが、今回の華撃団大戦では敗北した華撃団は解散させられるという事案が追加されたのだ。これには直仁もきな臭い予感と企みがあると感じていた。
「(今の俺は満足に戦えるレベルじゃない・・・次世代を守らねえとな。情報は森川さんに任せるしかない)」
直仁自身、今では冷静さと落ち着きを持っているが本来は、静かに燃えるタイプであり燃え上がった時の彼は一騎当千となる程の武闘派だ。戦略も立てるが、実際は自ら前線に出る方が向いていると自覚している。
その為に何も出来ない今の自分が腹立たしいのだ。次世代を育ていると聞こえは良いが、本人からすれば何も出来ていないのに等しい。
「誠十郎、メンバーはどうすんだ?」
「もう決まっています。今回は・・・さくら、初穂で行こうかと」
「ふっ、なるほどな。俺から言えるのは一つだ・・・勝利をもぎ取ってこい!!弱いと言われようが、それは挑戦者として戦えるという事だ。強者は必ず自分以下の弱者を侮る・・・そこを徹底的に突け!お前ら行ってこい!!」
「「「「「はいっ!!!!」」」」」
直仁は試合に出場するメンバー以外にも激を飛ばし、片手のハイタッチをさせた後、誠十郎の背中をバシッ!と叩いた。彼なりの激励と気合入れに誠十郎も目つきが変わる。
「初穂ちゃん、全開だぜ!」
「天宮さくら、参ります!」
「行くぞ、みんな!!」
「「「帝国華撃団、参上!」」」
桜色の参式光武と二機の無限が現れ、名乗りを上げる。だが、無限を駆る二人からはいつも以上の力を天宮は感じていた。
その後、上海華撃団が演舞を披露し、名乗りを上げる。
「「「上海華撃団、参上!」」」
◇
立体映像による敵を素早く倒すというルールの下、試合が始まった。はじめは上海華撃団が優勢であったが、直仁が通信で一度深呼吸しろという一言を送りそれが利いたのか、徐々に逆転していき、第一セットは勝利を収めた。
続いて第二セットも勝利を収め、上海華撃団の一人であるユイは信じられないといった様子だ。
「・・・どうしてよ、帝国華撃団がこんなに・・・!!出来たばっかりの華撃団なのに・・・!!私達に守られてばかりだったのに!!」
ユイの言葉は真実だろう。だが、ユイは戦いに集中しているあまり、ある存在を忘れていた。次世代の帝国華撃団を支え、育ててきた旧・帝国華撃団の二人とそれを裏から支えてきた一人の男を。
「そうだ、俺達はまだ歩き始めたばかりだ!だけど、自分の華撃団を大切に思う気持ちは誰にも、君達にも負けない!!」
『それにな、守られてばかりの奴が強くなれば・・・いずれは好敵手になる。人は成長するんだよ、自分よりも弱い奴が常に弱いままで居ろだなんてのは、それはただの押し付けがましい傲慢に過ぎねえ・・!いや、己惚れと言った方がいいな』
誠十郎自身の言葉と無限越し通信からの直仁の言葉に誠十郎は驚いたが、ユイは認めたくない気持ちを表すかのように喚いた。
「うるさい!うるさい!うるさい!!私達は負けない!負けるのは、そっちだ!」
「その闘志、見事!!私は上海華撃団の思いに応えたい・・・!立っている者がいる限り、戦いは終わらない、実戦とはそういうことだ」
通信に乱入してきたのはプレジデントG自身だった。直仁はGの言葉を聞いた瞬間、何を考えているのかを瞬時に理解し、怒った様子で声を荒らげた。
「誠十郎!天宮!初穂!気を引き締めろ!!戦いはまだ終わってねえぞ!!」
「え!?」
「どういう事ですか!?」
「な、なんだよ?」
「華撃団の直接対決を持って勝敗を決する・・・それが、私の決定だ」
「な、何を言い出すんだ?上海華撃団と・・戦うだと?」
「誠十郎!今や、奴がルールだ!戦え!!」
「で、ですが!」
直仁は三人に向かって戦う事を勧めるが、三人は戸惑っていた。華撃団同士の戦いなどないものだと考えていたからだろう。
「この戦いはお前達の甘さを断ち切る試練でもあるんだ!戦え!!戦わなきゃ、帝国華撃団を失うぞ!それでも良いのか!!帝国華撃団・花組隊長、神山誠十郎!!」
「!!分かりました!みんな、行くぞ!」
「っ・・・!仕方ねえな!」
「帝国華撃団を・・失いたくはありません!参ります!!」
直仁からの叱咤に三人は目を覚ましたように武器を取り、構えると向かっていった。シャオロンも闘志たっぷりに声を荒げる。
「戦おうぜ、神山誠十郎!どちらかが倒れるまで!」
「来い!上海華撃団隊長、シャオロン!!」
誠十郎とシャオロンは隊長同士の戦いとなり、さくらは友人となったユイと、初穂は上海華撃団の一人と戦うことになった。
初穂は上海華撃団のメンバーが繰り出してくる拳法に苦戦し、愛用の鎚を弾かれてしまった。
「ぐっ!しまった!」
「貰ったァ!」
「な~んて、言うと思ったか?この野郎がァ!はあっ!」
無防備に突っ込んできた青い色の王龍に、踏み込みを利用した正拳突きを思い切り打ち込み、そのまま壁へと激突させた。
「ぐはっ!?ば、馬鹿な・・・あの無限に拳は・・・」
「今のアタシには、相棒の他にこの拳がある。だから、負ける訳にいかねえんだよ!!」
打ち込まれた正拳突きの威力は高く、青色の王龍は立ち上がれない。初穂は直仁から教わった正拳突きを連続で打ち込んでいく。
「オラオラオラァ-ー!これで、終わりだァ!」
仕上げとばかりに左足を軸にした右足の蹴りを受けた青色の王龍は機能を停止した。ユイの相手をしていた天宮もユイを下している。そんな中、シャオロンは最後の粘りを見せ、誠十郎を追い込んでいた。
「龍はまだまだ戦える!」
「ぐっ!お前の龍が炎を呼ぶのなら・・・俺は!」
誠十郎は間合いを外すと、目を閉じて深呼吸し目を開いた瞬間に彼の雰囲気が変わった。
「ん?なんだ・・?うわっ!?」
「・・・・・」
シャオロンは誠十郎から繰り出された斬撃を避けたが、追撃を重ねてくる。表情も動かず、声も発さない。
そう、今の誠十郎は自分の中の修羅を表に出した状態にしたのだ。そうでなければ勝てない相手だからだ。
「・・・・」
「は、速い!?だが、避けきれ・・・られなくなってきやがる!」
「闇を切り裂く、神速の刃・・・!嵐を巻き起こす龍となれ!縦横無刃・嵐龍!!」
「消えた!?ぐっ・・!?があああああ!」
太刀の間合い分、地上と空中の間を縦と横を組み合わせた空間攻撃として斬撃を繰り出し続ける技、縦横無刃・嵐龍を発動し、誠十郎は攻撃を仕掛け続ける。間の悪い事にシャオロンが駆る緑色の王龍は斬撃空間の中心に位置していた。この位置は嵐龍にとって最高の位置であり、戦闘不能になるまで斬撃を受け続けた。
誠十郎が刀を鞘に収めた瞬間、上海華撃団は全員が戦闘不能になっていた。
「バ、馬鹿な・・・俺達が、上海華撃団が・・負ける!?」
「う・・嘘、だよ・・。こんなの、嘘だよ・・・」
『盛者必衰、世は無常・・・栄えた者はいつか衰退していくのが世の定め。流れは変わっていくのさ』
「(で、出来た・・・自分の中の修羅を落とし込む事が)」
結果、華撃団大戦一回戦は帝国華撃団の勝利で終わった。その後、上海華撃団の二人が現れ、シャオロンは自分達に勝ったのだから優勝を目指せと言ったが、ユイは気持ちを抑えられず泣いた。
「負けちゃった・・負けちゃったよ。私達の居場所、無くなっちゃった・・うわああああん!私達が、上海も帝都も全部守るはずだったのに・・・もう何も守れない、上海華撃団が無くなったらもう何も守れないよ!」
「止めろユイ、お互いが大切なものを守ろうとした結果だ」
「わかってる!そんな事は分かってるよ!」
「いや、分かってねえさ・・・」
「!?」
そう声をかけたのは、腕を組んだ姿で二つの華撃団を壁に背をつけて見ていた直仁であった。
「ユイ・・と言ったな?今のお前は、ただ駄々を捏ねている子供と同じだ。上海華撃団が無いと守れない?甘ったれてんじゃねえ!!」
「っ!!?」
「確かに上海華撃団としては動く事は出来なくなった・・・だが、お前にはまだまだ持っている物があるはずだ。それにな、前線に出るだけが戦いじゃねえ。前線に出れないなら後衛に回ればいい・・・情報を得る事も、避難誘導もいろんな事は守ることに直結してるんだよ」
「そんなの綺麗事じゃない!」
「そうだな・・・そう取りたきゃ取ればいい。だが、一つだけ覚えておけ。本当に大切なものを失った時、心に傷が残るって事をな」
「っ!?」
「・・・・」
直仁と生身で手合わせしたシャオロンは、直仁が発した言葉の重みを感じていた。その正体が知りたくてシャオロンは小声で、誠十郎に聞いた。
「なぁ・・・あの直仁って奴。帝国華撃団と何か深い関係があるのか?」
「直仁さんは・・・旧・帝国華撃団の所属で降魔大戦の生き残りなんだ・・・すみれさんと同じさ」
「な・・んだと!?」
シャオロンは衝撃を受けたが、それ以上に自分に対し怒った理由も言葉や覚悟の重さも違いすぎる事に合点がいった。
「なるほどな・・・通りで。でも、何故戦わないんだよ?」
「彼には持病があるんだ。霊子甲冑や戦闘機に乗ると、右腕が動かなくなるらしい」
「それで、お前達を鍛えてるって訳か・・・納得がいったぜ。それじゃ、頑張れよ」
シャオロンはユイと共に去っていったが、直仁に関して誠十郎はあえて嘘をついていた。それは、右腕の事もあるが実際は霊子甲冑に乗れるものの、制限時間がある事。そして、彼が龍脈の御子である事を伏せておいたのだ。
「・・・これだけはどうしても言う訳にはいかないって、釘刺されてるものな」
その後、帝劇に帰り休養したが、各国の華撃団が出撃する事態になる事をいまだ知らなかったのだ。
華撃団大戦です。
原作だと解散になりますが、機体は凍結という形にされているだけで使えます。
次回は・・・天宮を鍛える話になるか、華撃団の過去を話すかどちらかになります。
サクラ大戦と言えばヒロイン別ルート!※やはりヒロイン別ルートが必須かと思い次のルートは誰が良いかアンケートします(正ヒロインはエリスですが)
-
倫敦華撃団 副隊長 ランスロット
-
上海華撃団 ホワン・ユイ
-
新・帝国華撃団の誰か
-
風組or月組メンバー