サクラ大戦~もう一つの視点   作:アマゾンズ

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倫敦華撃団との華撃団大戦、及び霊子戦闘機への手回し。

直仁が自らの危険を承知で出撃。

裏切り者とエリスが死す!?



第二十八話 龍脈・暴走!

天宮の事を直仁とすみれから託された誠十郎は天宮の実家に駆けつけていた。そこでは初穂と天宮が言い合いと殴り合いをしていた。

 

「いつまでウジウジしてんだよ!」

 

「うるさい!いい加減、放っておいてよ!」

 

「ぐっ!このぉ!」

 

「あぐっ!」

 

初穂は殴るのを小さな子供を殴るくらいの力に加減していた。直仁から教わった琉球空手桐島流を覚えてしまったが故に、肉体強化を無意識に行ってしまうからだ。それでも天宮には普通に殴られている程の威力がある。

 

「何も持っていないくせに、守るものがないくせに!!」

 

「アタシが守りたいのは今まで出会ってきた人だ、そしてさくら、お前なんだよ!」

 

「!」

 

「アタシは今まで何かを守るなんて考えもしなかった。けどな、合ったんだよ!自分で気づかないだけでな!」

 

「だから、なんだって言うのよ!憧れも、戦う力も、何もかも失って・・・今の私に何をしろって言うのよ!」

 

「立ち止まって泣いてるだけで満足か!?大切なものを失い続けた人間はアタシ達の近くに居ただろうが!!」

 

「っ!」

 

「それに比べりゃアタシ達は良い方だろう!?思想や憧れはもう一度取り戻せるんだからな・・・失ったなら取り戻せよ!」

 

「うるさい・・うるさい・・うるさい!!黙ってよ!!」

 

「このわからず屋がー!」

 

「やめろ!!」

 

初穂の拳を正面から掴んだのは誠十郎だった。だが、その余波が腕に走り、わずかに顔を顰めた。初穂の霊体術の威力が、誠十郎の筋力を上回っていた為だ。

 

「ぐっ!?」

 

「「た、隊長!?」」

 

「二人が心配だから来てみたら、何をやってるんだ!?喧嘩するのは構わない。だが、女優をしているのに顔を殴り合ってどうする!」

 

「「っ・・・」」

 

直仁の背中を見ていた影響か、誠十郎は正論を二人に言っている。彼も彼なりに花組の隊長としてどうあるべきなのかを模索し続けている身だ。演劇に関してもまだまだ、分かっていない事が多いが女優が顔を大切にしないのはいけないという事だけはわかっているつもりだ。

 

「アタシ・・帰る。さくら、待ってるよ」

 

拳を誠十郎の手から離し、初穂は笑みを見せた後、天宮の実家から去っていった。誠十郎は初穂の拳を受け止めた手を見つめている。

 

「(初穂・・・支配人から空手の稽古を受けてるの見てたけど、あんな威力が)」

 

「誠兄さん・・・」

 

「大丈夫だよ、ぐっ!」

 

「誠兄さん!?」

 

よく見ると誠十郎の手が僅かに内出血していた。重いものではなく、きちんと手当すれば完全に治る程度ものだ。

 

「手当します!」

 

「え、これくらいなら」

 

「いいから!!」

 

「あ、はい・・・」

 

それから、誠十郎と話し合い、自分が分かっている事、すべき事を伝え、帝劇に戻り、初穂の悩みも解決した。

 

 

 

 

倫敦戦当日、直仁から教えてもらった真宮寺さくらの剣の意味、誠十郎の献身的かつ導きのおかげで天宮は自分がどうなりたいかを自分で再確認し、華撃団大戦の舞台に戻ってきた。

 

「えっと・・・ただいま」

 

「さくら!」

 

天宮の帰還を最も喜んだのは初穂だった。抱きしめた姿を見て直仁も笑みを浮かべている。

 

「さくら、よく来てくれた。信じていたよ」

 

「はい、わたし・・・ようやく分かったんです。夜叉が真宮寺さんなら私が止めるって!」

 

「(天宮の奴、ようやく超える決心がついたようだな)天宮、今のお前になら・・すみれさんからのプレゼントを渡せるな。令士!試製桜武を出すぞ!!」

 

「え、た・・確かにあの機体は、すみれさんから預かっていますが・・・支配人!」

 

「そうだ、神崎重工が一機のみ・・・初めて開発した霊子戦闘機の試作機だ。あまりに性能が高すぎるのと同時に、霊力の消費が激しくて誰も乗りこなせなかったんだ。俺や・・あのさくらさんでさえな」

 

「そんな機体を・・私に!?支配人すらも乗りこなせなかった、理由はもしかして・・・?」

 

「おっと、俺の事はそこまでだ。天宮、今のお前だから桜武を渡すんだ。お前と初めて出会った時、俺は言ったよな?『真宮寺さくらさんに憧れているなら、そのさくらさんを超えてみろ。同じ名前を名乗っているならな!』って。今こそ超えてみろ、自分の中の真宮寺さくらさんを!」

 

「!!」

 

「さくらちゃんの霊力なら確かに桜武を安全に起動できる・・・。しかし、支配人とすみれさんにはバレていましたか」

 

「整備班や技術者ってのはコッソリ何かやっているものだからな。慣れてんだよ」

 

これは紅蘭との交流があったからこそ言える事である。令士がコッソリ何かやっている事も影で見ていたのだ。直仁は天宮に近づくと、少し乱暴気味に頭を撫でた。

 

「わ!や・・止めてください!支配人!髪が乱れちゃいますから!」

 

「ははっ、緊張は解けたみてえだな?頑張ってこいよ、ランスロットはお前自身だと思って戦え!」

 

「!はい!」

 

直仁と誠十郎は全く違う。誠十郎が見守ってくれる兄だとしたら、直仁は厳しく曲がらないよう正してくれる兄だ。全く対極であるからこそ、気が合うのかもしれない天宮はそう感じていた。

 

『天宮さん』

 

「え?」

 

『・・・!』

 

出撃する前、誰かに呼ばれた気がして天宮は振り返った。そこには大神一郎と同じ隊長仕様の戦闘服を身に纏った青年が拳を握って激励していた。それは10年前の僅かな間、隊長代理を勤め上げていた『狛江梨直仁』の姿であった。

 

「あ・・。っ・・!」

 

天宮は頷いて同じように拳を握って返した。それを見届けた青年の直仁は笑みを浮かべて霧散し消えていった。まるで、見届けたように。

 

「私が、守ります!」

 

「桜武、私に力を!」

 

「正々堂々、いざ・・・勝負!」

 

「「「帝国華撃団、参上!」」」

 

帝国華撃団の三機が、現れると待ちかねたように倫敦華撃団の西洋の甲冑のような霊子戦闘機『ブリドヴェン』が起動する。

 

「『ブリドヴェン』起動!」

 

ランスロットだけが完全に起動させて無かったらしく、その自慢の双剣を披露する。

 

「よし、行くぞ!」

 

続いてアーサーの駆る青い『ブリドヴェン』も剣を抜き、戦闘態勢に入った。

 

「「「倫敦華撃団、参上!」」」

 

 

 

 

上海華撃団と同じ戦い、ポイント制での戦いは二セットを帝国華撃団が制した。だが、直仁は全員へ激を飛ばした。

 

『治にいて乱を忘れず!油断するな、最後は直接対決だぞ!!』

 

「!」

 

「騎士に・・そして王に敗北は許されない。だが、ランスロットにも困ったものだね。天宮さんの事しか目に入っていないんだから」

 

そういって、倫敦華撃団団長であるアーサーはランスロットに対してはいつもの事だと言いたげだが、誠十郎に視線を向けた瞬間、雰囲気が変わった。王の名を名乗っているだけあってその威圧感は強い。

 

「だけど、僕は違うよ。倫敦華撃団の団長として勝利の栄光を手に入れる事だけを考えている。だから、此処で君達を倒す。そろそろ決着をつける時だ」

 

「すごい自信だな。自分が倒されるとは思わないのか?」

 

誠十郎からすれば、アーサーの威圧などそよ風にも等しい。間近に龍の逆鱗を体現する程の威圧感を放つ人物の姿を見てきたのだから。

 

「思う訳がないよ。王が敗北する運命など、歴史に存在しない」

 

『だったら、その敗北の歴史を作り出した先駆者になれ。誠十郎!』

 

「はい、その歴史を作ってみせます!」

 

「その声、一年前に出会った光武の操縦者かな?確か、名を狛江梨直仁」

 

『覚えていてくれたか。騎士王の名を持つ団長さん』

 

「前から思っていたよ。君も神山くんも・・・少し頭が高いんだよ。さぁ、我が前に跪け!」

 

『誠十郎、王ってのは己が完璧でなくてはならないと考えている事が多い。アイツ等は勝利だけを積み上げてきた、が!それは脆いガラス細工のようなものだ。お上品な奴らに侍の心の剣を見せてやれ!』

 

「はい!直仁さん!(もう一度、あの感覚を)」

 

「行きます!」

 

誠十郎はアーサーへ、クラリスは倫敦華撃団の隊員へと向かっていく。クラリスの戦闘スタイルに油断したのか、大振り一撃を打ち込んできたが、クラリスは冷静にその刃を避ける。それと同時に小太刀を投擲した。

 

「な・・に!?あの機体に剣が・・!?」

 

「私の刃は魔を払う物、そして心を斬る為にあります!」

 

小太刀の特徴を生かした横薙ぎの一撃によって、利き腕の機能を倫敦華撃団団員の機体から奪った。

 

「これで、終わりです!」

 

魔道書から得た属性の一撃を突き刺す事で、停止させた。誠十郎は己の修羅を表に出し、アーサーと戦っている。

 

「速い!?そうか、君が極めたのは速さの剣撃という訳だね。だが、速さだけでは僕には勝てない!」

 

「・・・・ぐ!」

 

相手を倒す事のみを考える剣、そして心に痛みを感じない表情、その二つが交じり合い剣撃はさらに速くなっていく。

 

「な、何!?さらに速くなった!?」

 

「此処だ!闇を切り裂く、神速の刃!嵐を巻き起こす龍となれ!縦横無刃・嵐龍!!」

 

「ぐああっ!の、逃れられない!?なんだ、この技は!?」

 

「これが、今の俺だ・・・!」

 

縦横無刃・嵐龍によってアーサーの駆るブリドヴェンも戦闘不能になった。

 

「見事だ。神山くん・・・王が敗北する歴史、本当に作られてしまったな」

 

『王だって殆どが人の子だ、完璧じゃないのさ。価値ある勝利と意味ある敗北を知ってこそ本物の王になれるんじゃねえのか?王の在り方はそれぞれ違うんだからよ』

 

「!盲点だったよ・・・敗北にも意味が有るなんてね。でも、この戦いで知りたくなかったな・・・・。次に活かす事が出来ない」

 

アーサーは結果を受け止めたように目を閉じた。次に活かす事が出来ないという言葉を聞いていた直仁は、陰で次の一手をすぐに実行していた。

 

 

 

 

 

未だに桜武を乗りこなせていない天宮は防衛に回っており、ランスロットは自軍の状態を把握していた。

 

「アーサー達がやられた!?あんまり楽しんでもいられないみたいだね」

 

プレジデントGはこの二人の一騎打ちによって勝利した者を勝者とする宣言を出した。華撃団大戦のルール自体である彼に意見を出そうと無駄なのだ。

 

「くそ、これじゃGのやりたい放題じゃねえか!」

 

「仕方ないだろう、アイツはこの華撃団大戦のルールそのものだ。戦っている以上、奴の手の平で踊るしかない」

 

初穂の言葉に直仁は諌めるように止めた。そんな中、戦っていた桜武の動きが止まってしまう。

 

「桜武が止まった・・・?ごめんね・・・桜武、真宮寺さんなら上手く使えたのに・・・」

 

また天宮の悪癖が表に出てきた時、初穂が声を荒らげた。

 

「何言ってやがんだ!またぶっ飛ばされてえのか!」

 

「初穂・・・」

 

「試合前に直仁支配人になんて言われたか、思い出せ!」

 

「支配人の・・・言葉」

 

『真宮寺さくらさんに憧れているなら、そのさくらさんを超えてみろ。同じ名前を名乗っているならな!今こそ超えろ、自分の中の真宮寺さくらさんを!』

 

天宮は目を閉じて、試合前に言われた直仁の言葉を何度も思い返す。真宮寺さくらを超えてみろと、憧れだけで終わらせるのではなく、同じ頂に立ってさらなる先へ行ってみろと。

 

真宮寺さくらになろうとしていた自分は間違っていない。だが、実力差を教えられ見せられた時、自分は何を考えたかと問う。その人に少しでも近づきたいと考えた、憧れの人の剣もその身で味わった。いつからだろう、ほんの僅かに抱いた想い・・この人を超えたいと自分から思ったのは。

 

「私は・・・真宮寺さくらさんにはなれない。だけど天宮さくらとして、私は私の憧れの真宮寺さんを超えてみせる!桜武!私と一緒に、限界を超えろおおお!」

 

完全に天宮と同調した桜武は先程までの動きとは違い、軽やかになっていた。その変化を見届けた直仁は拳を強く握って笑っていた。

 

『そうだ・・・天宮!それだ、お前のその心意気が見たかった!過激に舞え、桜花の如くな!』

 

「一体何があったの!?動きが早い!違いすぎるよ!!」

 

「今の私は桜武と共に戦っている!だから、想いも力も二倍です!!」

 

迷いのない天宮の動きはランスロットを確実に押していき、勝利した。

 

 

 

 

 

 

そして、その華撃団大戦の戦いの後の夜、上海華撃団の二人を呼んだように倫敦華撃団のメンバーであるアーサーとランスロットも呼び出した。もちろん、情報の信憑性を持たせる為に森川にも来てもらっている。

 

「帝国華撃団の支配人直々のお呼びとは、珍しいね」

 

「それも戦いが終わった後になんてさ」

 

「この話は解散宣言を受けた華撃団だけにしか出来ねえからな。倫敦華撃団の団長アーサーにその団員ランスロット」

 

「貴方は!?」

 

「まさか・・・あの剣を持っていた!?」

 

「俺よりも直仁の要件が先だ」

 

倫敦華撃団の二人は森川を見て詰め寄ろうとした。無理もない、一年前に森川は倫敦華撃団にとって見逃せない出来事である転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)を彼が使用していたのを見ていたのだから。

 

「お二人を呼んだのは上海華撃団の方々と同じ案件です」

 

「あれ?アンタ口調が違ってない?」

 

「大真面目な仕事の時は敬語になるんです」

 

ランスロットからの指摘をスルーし、直仁は仕事の話を始めた。

 

「先程、上海華撃団と同じとおっしゃっていましたが、どういう事かな?」

 

「はい。倫敦華撃団が所有する霊子戦闘機ブリドヴェンをこの帝劇の格納庫のさらに地下にある秘密格納庫に保管したいのです」

 

「なんだって!?」

 

「どういうつもり!?そんな事を承認するわけがないでしょ!」

 

「上海華撃団の皆様もそう言っていました。機体を保管したいその理由をこちらの資料に纏めてありますので見てください」

 

「拝見します・・。こ、これは!?」

 

「そんな・・・事って!」

 

WOLFに関する資料を見せた瞬間、二人は驚愕していた。上海華撃団の二人のように信じたくないといった表情をしていたが、森川が口を開いた。

 

「『サイの花屋』として言わせてもらうが。この情報は真実だぞ?俺の生命を掛けてもいい」

 

「「!!?」」

 

「ご理解いただけましたか?私はただ保管したい訳ではありません。解体される可能性が高く防衛力を失わないためにも、保管しておきたいのです。無論、整備もしておきます」

 

「騎士として本来、剣を他人に預けて保管してはおきたくないが」

 

「でも、アンタだったら信用できる。こんな真実を知った今ならね」

 

「それに・・・旧・帝国華撃団の生き残りともあれば信用に足る人物です」

 

「ありがとうございます。保管後は屈辱かもしれませんが普段通りにしていて下さい」

 

「今回の敗北を次に活かせるチャンスを得たんです。それくらいは受けますよ」

 

「私達の剣をよろしくお願いね?直仁さん」

 

二人は去って行き、倫敦華撃団の協力も得る事が出来た。彼らの機体を今日中に回収しなくてはと考えている時であった。突然、警報が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

「修理が完璧に終わったと思ったのに、急にかよ!」

 

整備班長である令士もこの時ばかりはぼやいていた。敵が現れたのはミカサ記念公園の近くのようで、帝国華撃団全員が出撃になったのだが、急な出撃で、この時誰も気づいていなかった一人のメンバーが何かを企んでいた事に。

 

「早く来たまえ・・・退屈してしまうよ。ふふ、来たね」

 

「「「「帝国華撃団、参上!!」」」」

 

「ふふ、待っていたよ。帝国華撃団」

 

「お前は何者だ!?」

 

「僕の名は南峰(なんほう)炎天聖邪、南峰さ」

 

「!?」

 

上級降魔とは思えない程の気を持っているが、その霊気がどこか汚れており嫌な予感を誠十郎にさせた。彼が刀を抜こうとした次の瞬間だった。

 

銃弾が一体だけ残し、花組全員の無限及び桜武の脚部が破壊され、腕も関節部を破壊されたのだ。

 

「な、何!?」

 

「・・・・」

 

それを行ったのはアナスタシアの無限であった。アナスタシアは桜武に近づき、銃口を向けて冷酷に言い放った。

 

「さくら、貴女の刀を渡しなさい」

 

「ア、アナスタシアさん!?」

 

「二度は言わないわ、渡しなさい・・・脅しじゃないわよ」

 

「っ・・・どうして、ああっ!」

 

「話す事はないわ、早く渡しなさい」

 

天宮がコクピットを開き、アナスタシアに自分の刀を渡した。それと同時に南峰へと近づいていく。

 

「これを・・・」

 

「ご苦労様、じゃあ・・・約束通り会いに逝くといいよ。常世へね」

 

「え?あああっ!?」

 

南峰は容赦なく手刀でアナスタシアの胸元を切り裂いた。それと同時に一体の霊子甲冑が現れた。群青色を持ち、ダマスカスの太刀を愛用している伝説の光武二式。その姿を見て、全員が驚いていた。

 

「遅かったか!」

 

「「「「!!!」」」」

 

「来たね!龍脈の御子!ああ、でも・・・君の言う通り遅かったね」

 

何故、光武二式がここに現れたのか?それは10分前にさかのぼる。

 

 

 

 

 

「アイツ等、くそ。こうしちゃいられねえ!!」

 

「おい、直仁!まさか!?」

 

走っていった直仁を追い、森川も直仁を追いかける。特典での移動用技を使うが、それでも直仁は格納庫にたどり着き、特殊コードを入力するとエレベーターに乗り込んだ。

 

「直仁さん、準備は出来ていますよ」

 

「カオルちゃん!?」

 

「森川さん、非常緊急事態なんです。俺が行かない訳にはいきません」

 

「馬鹿野郎!お前分かってんのか!?今のお前と光武じゃ」

 

「知っています。けど、今行かないといけないんです!」

 

「ちっ・・・!アイツ等みたいな事を言いやがって!行ってこい!」

 

「直仁さん、以前と同じように60秒は保険にしてくださいね」

 

「ああ、光武二式・・出るぞ!!」

 

 

 

 

「どうやら、君の愛しい人も来てくれたようだね」

 

「何!?」

 

「伯林華撃団、参上!」

 

それは白色のアイアンイェーガーであった。そのカラーリングの機体に乗っているのは一人しかいない。

 

「エリスか!?マルガレーテはどうしたんだ?」

 

「・・・皆が私だけを辛うじて逃がしてくれた。その後は分からない」

 

エリスは苦虫を潰したような顔で、悔しさを滲み出していた。

 

「役者は揃ったようだし。目的も果たしたから今日はサプライズだよ。来い!雀王機!!」

 

そこへ現れたのは朱雀のような機械の鳥であった。赤紫色をしており、南峰はそれに乗り込んだ。同時に指を鳴らすと、黒い虎のようなものが現れた。

 

「(っ・・・なんだ!?)」

 

「虎王機、彼女と遊んであげなよ。そして龍王機、君は龍脈の御子の相手をするといい」

 

「(っ!?これは?)」

 

「直仁さん!エリスさん!!」

 

それぞれが相手をするのを開始するのと同時に、直仁は誠十郎に檄を飛ばした。

 

「アナスタシアを早く回収し撤退しろ!(イリス・マリヨネット!)」

 

直仁は隠しつつ、無限と桜武を回復させた。無論、これはギリギリだからこそ使えたものだ。

 

「!しまった!」

 

「エリス!まさか、あの虎!」

 

虎王機がエリスのアイアンイェーガーの脚部に噛み付き、叩きつけたのだ。それと同時にエリスの目の前には絶望が近づいていた。

 

「がはっ!?はっ!」

 

「エリスーーーーーッ!」

 

虎王機はエリスのアイアンイェーガーに噛み付き、更に噛み砕いていく。それはまるで肉食獣が獲物を食らっているように見えていた。撤退していく翔鯨丸に乗り込んだ花組にも直仁の声が聞こえていた。

 

「あ・・・ああ・・・っ・・・!」

 

うあああああああああああ!!!お前らあああああああああああ!!!

 

「!」

 

「!」

 

愛しい者を虎王機に食われたと思った直仁は激怒、咆哮し、龍脈の御子としての地脈への影響が地震という形で現れ、帝都そのものが揺れ続けていた。




アナスタシアは回収され、帝劇で治療を受けます。

帝国華撃団は再度出撃、南峰と戦います。

次回は乗り換えイベントの前に話を挟みますが、分離したままです。

サクラ大戦と言えばヒロイン別ルート!※やはりヒロイン別ルートが必須かと思い次のルートは誰が良いかアンケートします(正ヒロインはエリスですが)

  • 倫敦華撃団 副隊長 ランスロット
  • 上海華撃団 ホワン・ユイ
  • 新・帝国華撃団の誰か
  • 風組or月組メンバー
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