サクラ大戦~もう一つの視点   作:アマゾンズ

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エリスが大暴れ

雀武王、顕現。


第三十話 猛虎の加護を得た戦乙女

龍王炎符水から逃れた南峰は笑みを浮かべると、雀王機に乗り込み龍虎王に乗り込んでいる二人に話しかけた。

 

「ふふ・・・まさか、青龍と白虎を覚醒させ、龍虎合体まで成し遂げるとはね」

 

「ああ、龍王機と虎王機には感謝してる。これでお前と戦う力を得られた!」

 

「なら、舞台は整えないとね。それに・・エリスにとって本当に必要なのは、君や龍虎王じゃなく、この僕さ」

 

「っ・・・」

 

南峰からの言葉にエリスは嫌悪感を覚え、怒りで言葉が出そうになったが。

 

「自惚れるな!本当に必要なのかはエリス自身が決める事だろうが!思い込みも甚だしいんだよ!」

 

「直仁・・・」

 

「思い込みじゃない、愛だよ。エリスは僕の愛を得て、より美しく咲く。そう、覚醒前にも言ったが湖に浮かぶ百合のように」

 

「俺も言ったはずだ!その湖には守護する龍王がいるとな!」

 

「ふふ、今のままでは分が悪い。幻都も少し降りて来ている。そこで戦おうか?でも、その前に・・・」

 

南峰が指を鳴らすとあらゆる生き物をモチーフにした化物や、大量の降魔、更には大型降魔までもが現れた。華撃団大戦での立体映像ではなく、本物の降魔だ。

 

「これらを突破して、魂力を高めるといい」

 

雀王機と共に南峰は奥へと向かっていく。自分が言っていた舞台とやらに向かったのだろう。

 

「直仁、今度は私に任せて欲しい」

 

「!いけるのか?」

 

「ああ、順逆転身!(Vorwärts-Umkehr!)

 

必神火帝!(Der Kaiser des Feuers!)天魔降伏!(Himmlische Dämonen fallen!)

 

「虎龍合体!!」

 

我、咆哮超機人 最強白虎 虎龍王!参上!!

 

龍と虎が入れ替わり、虎が人型の姿となった。エリスが操縦者らしくメインパイロットを勤めている。虎王機はやる気になっており、エリスに己の扱う武器や得意とする距離などを霊力を通じて教えてくる。

 

「っ・・・虎龍王が得意な距離、武装が私の頭の中に浮かんでくる!?あ・・・!」

 

『虎王機を信じてあげて、貴女が信じればきっと応えてくれるわ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、一人の女性がエリスに話しかけてきた。霊体の為に裸体であるが、エリス自身も裸体になっており、ここは霊体、即ち魂の世界であり、虎王機に搭乗して戦った操縦者達の想いが残っている場所であった。

 

『貴女は・・・一体?』

 

『私の名前は文麗(ウェンリー)、今から50年くらい前に虎王機に乗って戦っていたの。今の私は虎王機と共に戦ってきた人達の意思を伝える代表のようなものよ』

 

『虎王機と・・共に』

 

『貴女には破邪の念、霊力と言い換えればいいのかな?それが眠っているままなの、それを解放してあげる』

 

『え?ですが、私の霊力は』

 

『それは溢れ出ている残滓に過ぎないわ。私の手を握って?ここにいる皆の想いを受け取って?』

 

『・・・・』

 

エリスは差し出された文麗の手を握った。瞬間、歴代の乗り手達の想いが流れ込み、自分の中の何かが呼び起こされた感覚を味わう。

 

『い、今のは!?』

 

『受け取ってもらえた?私達の想いを』

 

『・・・ありがとうございます』

 

『虎王機はプライドが高く気難しいから根気強く接してあげて、それと大切な人がいるなら不退転の意思を持って守りなさい!』

 

『不退転?』

 

『決して諦めるなって意味よ。さぁ、行ってきなさい!』

 

ドンッと背中を文麗に押され、エリスの意識は現実に戻る。時間にしてほんの数秒だったが、充実した時間であったことは確かだ。

 

「虎龍王・・・正直、私はお前達が存在していることに疑問を持っていた・・・だが、お前と共に戦い、命を捧げてまで守ろうとしていた人達の意思を無駄には出来ない!改めて、私に力を貸してくれ!第二の故郷となりつつある帝都を、そして愛しい人を守る為に!!」

 

『グルルアアアアア!!』

 

虎王機は咆哮を上げ、降魔達を威嚇した。それは改めてエリスに力を貸すという意思表示であると同時に共に戦う事を表諾した事でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ、猛虎の叫びを聞け!虎王咆哮!!」

 

エリスは地上の小型魔装機兵が集まっている箇所へ虎龍王を操縦し咆哮による衝撃波を繰り出したと同時に走り出した。最速とも言われる虎王機の動きは並みの降魔では捉えられない。

 

「虎龍王・連挺乱打!!たあああ!!」

 

大型の魔装機兵に拳とヌンチャクの混合技を駆使して攻撃を仕掛け続ける。このような武器に関しては使った事はないが、虎龍王の意思が教えてくれている。次々に敵を倒していくエリスの姿に直仁は龍王機のコクピットの中でポカンとしていた。

 

「はは・・・とんでもない女傑に惚れちまったな。俺」

 

「聞こえているぞ?」

 

「あ・・・」

 

「今は惚れ合いの会話は必要ない。この奥に居る南峰を倒す事が先決だ」

 

「そうだな、と言いたいが」

 

降魔の群れと大型の魔装機兵はまるで門番のように立ち塞がっていた。まるでここから先へ行かせないと言いたげだ。

 

「エリス、此処は」

 

「いや、まだまだ虎王機は暴れ足りないようだ。この階は任せて欲しい」

 

「わかった!頼む!!」

 

「次はこれを使えという事か、虎王神速槍!!」

 

青龍偃月刀と同じ獲物を出現させ、門番へと向かっていく。神速ともいえる刺突の連続と斬り払いによって門番を護衛する小隊は完全に薙ぎ払われた。

 

「はあああ!うっ!?」

 

門番は巨大な盾をいつの間にか形成していた。虎王神速槍の鋒が防がれ、反撃を食らってしまう。そして嬲るように攻撃を続けている。

 

「うあああっ!」

 

「ぐっ!エリス!!」

 

「私は大丈夫だ。だが、この攻撃が虎の誇りを傷つけ、猛虎の怒りに火をつけたようだ」

 

虎龍王は嬲り続けている門番を咆哮をもって押し返し、その闘気を燃え上がらせ続けている。闘気を最大限にまで燃え上がらせた虎龍王は門番へと飛びかかっていく。連挺乱打、虎王神速槍、身分身の術による立体乱撃を繰り出し続ける。

 

「はああ!これが・・・虎龍王最終奥義!!」

 

虎王乱撃ぃっっ!!

 

門番を完全破壊し、その奥へと進んでいく。入口を潜った後に広がった光景は新・帝国華撃団の面々が雀王機の他にもう一体、蛇の尾を持つ亀の超機人と戦っていた。

 

「直仁さん!エリスさん!!」

 

「誠十郎、待たせた!状況は?」

 

「なんとか防衛戦になっている状況です。あの亀のような奴が現れてから」

 

「ほっほっ、あれが今の青龍、白虎の操者か。善い善い・・・いい目をしておるな。武王機も喜んでおる」

 

「武王機だと?という事はあれは玄武か!?」

 

直仁の言葉に男性の老人は愉快そうに笑っている。雀王機を駆る南峰は不敵に笑みを浮かべ言葉を発した。

 

「僕の試練を乗り越え、魂力を上げてきたか。流石だよ、。それと紹介が遅れたね・・・武王機に乗っているのは北峰、僕のパートナーさ」

 

「紹介に預かった、北峰と申す」

 

「それと華撃団の諸君に敬意を称して、雀王機と武王機の本領発揮といこうか」

 

「うむ」

 

「本領発揮?ま、まさか!?」

 

「どうしたんですか?誠十郎さん!?」

 

「直仁さんとエリスさんが龍と虎を合体させたように、あの二人が乗っている機体も合体出来るという事さ!」

 

「ご明察、では行くよ?」

 

 

必神火帝

 

天魔降伏

 

 

[推奨BGM スーパーロボット大戦より『雀武周天』]

 

 

雀王機がバツの字を刻むように炎を二回吐き、大地に目印を付ける。その上に武王機が乗り武王機を見上げている。雀王機は合体の印を発現させ、それを合図に武王機が立ち上がり、甲羅の部分である武鱗甲が持ち上がり、雀王機の腹部分が展開していく。

 

鳥の足のようだった脚部は人型を思わせる足となり、翼の部分からは腕が展開すると同時に武王機が飛び上がった。展開した腹部分に武王機本体が収まり、甲羅である武鱗甲は左腕に装着され盾となる。

 

目印となった部分に合体した二機が着地すると、雀王機の嘴の下部分が展開し、人を思わせる顔が出現する。龍虎王とは違い、女性の顔のようだ。武王機の尻尾部分であった蛇が一部を剣の柄の形となり、頭から柄にかけての部分に刃が形成され、それはまるで蛇腹剣を思わせる。黒い蛇の姿から黒蛇刀と言えるだろう。

 

焔天大聖 雀武王・・・・顕現!

 

「鳥と亀が合体して・・・雀武・・王?」

 

『正確には朱雀と玄武だ。四神の超機人・・・本当に実在して復活したとはな』

 

通信越しで天宮に教えたのは森川であった。超機人に関しての伝説は知ってはいたが朱雀と玄武に関してはあまり知らなかった様子だ。他の花組メンバー達も立ち上がるが、そこへ夜叉が現れた。

 

「華撃団達の相手は私がしましょう。南峰、北峰・・・アナタ達は超機人の相手をしなさい!」

 

「はいはい、人使いが荒いね」

 

神滅を呼び出し、搭乗した夜叉は華撃団に刃を向け雀武王は虎龍王に敵意を向けている。華撃団は武器を夜叉へと向け、直仁とエリス、南峰と北峰が搭乗している超機人同士は睨み合いを続けている。

 

「エリス、雀武王の相手を任せて欲しい」

 

「確かに戦術的には虎龍王よりも龍虎王の方が雀武王の相手に向いている。任せるぞ」

 

「ああ!順逆転身!

 

必神火帝!

 

天魔降伏!

 

龍虎合体!!

 

地上戦用の虎龍王から空中・水中戦に長けている龍虎王に切り替え、超機人は空を舞台に向かっていった。

 

「さぁ、始めましょうか」

 

「夜叉、ここで決着をつける!」

 

「来なさい」

 

 

 

 

「下は盛り上がっているようだね」

 

「そのようだな」

 

「では始めようか?この最高の舞台を」

 

「お膳立てのつもりか?」

 

南峰は含み笑いをした後、透き通った声で殺気を向けてきた。雀武王と南峰の殺気が合わさり、濃密な殺気となっている。

 

「本当に君は僕をイラつかせるのが上手いね、それも龍脈の御子としての力かな?」

 

「そうだな、お前を倒せるなら喜んで受け入れるさ。けどな、俺は人間だ。どこまでいっても人間なんだよ!ただ、人よりも霊力が高すぎるがそれでも俺は人間だ!お前のようにただ力に溺れて見下し続ける奴にはならねえ!」

 

直仁の言葉に南峰は血管に来たのか、ワナワナと震えだした。だが、そこは仙人の力の欠片を取り込んだ上級降魔、すぐに持ち直してしまう。

 

「まぁ、良いさ。降魔皇もあと少しで完全ではないが復活する。それまでに僕を倒せるかな?」

 

「倒す!必ずな!!」

 

「良いだろう、掛かってきなよ。所詮、君たちの目には苦界しか映っていない。万魔伏滅!黒蛇刀!!

 

龍王破山剣、招来!!

 

雀武王は揺らめく炎を闘気として黒蛇刀を構え、龍虎王は己の尾にある龍玉を御札に変化させた後に巨大な剣に変化させ、雷と共にそれを手にし構える。

 

今ここに天を舞台とした四神の戦いと世界の存亡をかけた魔との決戦が始まろうとしていた。




そろそろ終わりに近づいています(グランドヒロインであるエリスルートが)

他のヒロインでも最終局面や龍虎王・虎龍王に乗り込むのは一緒ですが、そこまで至る経緯が違います。

因みに龍虎王の設定はスパロボOGと同じように「龍虎王伝奇」を使用しています。第一章が明治時代であり、文麗をエリスに対して使ったのはそのためです。

降魔皇に関して復活するとありますが、完全復活はしません。

サクラ大戦と言えばヒロイン別ルート!※やはりヒロイン別ルートが必須かと思い次のルートは誰が良いかアンケートします(正ヒロインはエリスですが)

  • 倫敦華撃団 副隊長 ランスロット
  • 上海華撃団 ホワン・ユイ
  • 新・帝国華撃団の誰か
  • 風組or月組メンバー
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