サクラ大戦~もう一つの視点   作:アマゾンズ

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雀武王、夜叉との戦い。


第三十一話 雀武 龍虎 四神激突

「こちらから行こうか!万魔伏滅!黒蛇刀!三千斬!緊縛咒!!

 

雀武王の持つ黒蛇刀が伸縮し、大蛇のごとく襲いかかってくる。回避して難を逃れるが。

 

「!直仁!!後ろだ!!」

 

「何!?ぐあああ!」

 

背後から反転してきた黒蛇刀に襲われ、あらゆる方向から攻撃されていき、獲物を締め付ける蛇のように龍虎王へと巻き付いた。同時に自身の方へと引き寄せ遠心力をかけてくる。その勢いを利用し、押しつぶす形で切り裂いた。

 

破斬!!紅に染まりたまえ、御子よ」

 

「ぐうあああああ!エリス、大丈夫か!?」

 

「ぐうっ!な、なんとか・・・!」

 

雀武王と南峰の同調が高いのだろう。破損こそ軽微であったがダメージを負った龍虎王は歯を食いしばった表情を見せている。

 

「すまん、龍虎王!俺の回避が下手だったばかりに!」

 

「それは後だ、次が来るぞ!直仁!!」

 

「ほう?あの一撃を受けてまだ軽傷とはね?行こうか、雀武王!朱羅剣!!」

 

最高速で迫りつつ、炎の弾丸ともいえる念を放ってくる雀武王。だが、直仁は龍虎王と共に立ち上がりを印を結ぶ。

 

九天応元雷声普化天尊・・!!破!!

 

迎撃する為の雷が発生させ、朱羅剣を相殺し追撃の印を結ぶが雀武王は既に目の前にはいなかった。

 

「!居ない!?」

 

「ふふ・・・大地の全てを飲み尽くすがいい!黒蛇刀!五行器、輪転!南夏極断!黒蛇刀!昇天!

 

更なる上空へ舞い上がっていた雀武王は一つの光球が地上へ向けて投げつけ、同時に手にしている黒蛇刀が天空へ伸びて行く。それと共に膨大な大気と大地の気が黒蛇刀の口へと吸い込まれていく。

 

「な・・・何だ!?膨大な気が雀武王へと集まっているぞ!?」

 

「おかしい、あれだけの霊気を放てば私達にだけダメージを与えられるはず・・まさか!?直仁!左に急いで向かえ!私が合図するまでだ!」

 

「な、何だエリス!?急に!?」

 

「喋っている時間が惜しい!!早く!!」

 

「わ、分かった!」

 

焦りだしたエリスの言葉を信じ、直仁は急いで左に移動を開始する。そこには、仲間である華撃団達が夜叉を相手に戦っている場所の真下であった。

 

「此処だ!止まってくれ!!」

 

「ああ・・・!」

 

武鱗甲、集結!縮地呑天!

 

黒蛇刀へ集まるエネルギーはまだまだ最大値ではなかった。建物の一部すらも吸収されていき、気を蓄えた黒蛇刀はその眼が明るい紫に近い輝きを放った。

 

「さあ、これを受けたまえ!!黒蛇刀!五行獄(エナジー・プリズン)!!

 

大気と大地の気を取り込んだ炎が龍虎王へと向かってくる。避けようにも下には華撃団、左右には展開されている武鱗甲に抑えられ、身動きがとれない。

 

「くそっ!下にはみんなが!!」

 

「!」

 

五行獄の炎に飲み込まれそうになった瞬間、龍虎王の目の前に障壁のようなものが展開された。それを見た北峰と南峰は感心したような表情を見せていた。

 

「ぐ・・ぐううう!仲間と・・・直仁を・・やらせはしないっ!」

 

「エ、エリス!」

 

「ほう・・・?念動結界とは・・・。いや、あの者達の言葉を借りるなら、霊光結界と呼ぶべきか」

 

「まさか、あのエリスが血筋だったとはね。僕の目を持ってしても見抜けなかったよ」

 

「うああああ!」

 

エリスの霊気による結界によって五行獄の炎を受けきった龍虎王だが、エリスは凄まじく疲労していた。慣れない障壁展開を全力で行ったためだ。

 

「はぁ・・・はぁ・・ゴフッ!」

 

「エリス!?」

 

「大丈夫・・・少しだけ霊力を・・・全開で、酷使し過ぎただけだ・・・」

 

軽い吐血だが、それは超機人に乗っているのと同時に障壁展開をしたエリスの身体に莫大な負荷がかかっていた証であった。

 

「どうやら、のんびりはしてられないな!」

 

再び龍王破山剣を招来させた龍虎王と共に、直仁は雀武王へと突撃していき剣を合わせ、火花を散らした。

 

 

 

 

 

その真下では、夜叉と次世代の帝国華撃団が接戦を繰り広げていた。今までの華撃団であれば苦戦していたはずだが、夜叉を追い込んでいる。そう思える程ではあったが。

 

「ふふ、甘いですね・・・うぐっ!?」

 

「甘いのはどちらかしらね?」

 

その射撃は華撃団の隙間を縫って夜叉の駆る神滅に正確に命中していた。それが出来るのは次世代の中で一人しかいない。

 

「アイスドール・・・!」

 

「アナスタシアさん!もう、大丈夫なんですか!?」

 

「ええ、ごめんなさい・・・アナタ達を裏切って、おまけに幻都まで復活させるきっかけを」

 

「良いんだ。どんな事情があったにせよ、君は俺達の仲間だ!君は戻ってきてくれた・・・それだけで充分だ!」

 

「キャプテン・・・はっ!?」

 

感動を破壊しようとする炎が遥か上空より迫りかけていたが、それを龍と虎が合身した機体が守ってくれたのをアナスタシアは目撃した。治療を受けていた為に龍虎王に誰が乗っているのかを知らないのだ。

 

「キャプテン、あれは・・・?」

 

「あれは直仁さんとエリスさんだ。二人は超機人と呼ばれる機体に選ばれて、もう一体の超機人と戦って抑えてくれているんだ」

 

「支配人と、あの子が?・・なら、私達の役目は一つね」

 

アナスタシアが駆る無限が夜叉に視線を向けると同時に、その影から見覚えのある機体が出てきた。それは伯林華撃団が所有するアイゼンイェーガーだ。

 

だが、マルガレーテはこちら側に戻っておりエリスは直仁、龍虎王と共に雀武王と戦っている。ならば一体誰が乗っているのか?

 

「帝国・・・華撃団・・・倒す!」

 

「あの声・・・まさか、グラーフって呼ばれていた奴か!?」

 

「ふふふ・・・その通り、アイスドールに代わる新たな駒ですよ」

 

「夜叉!貴様!!」

 

「頼みの御子と龍の超機人は南峰達の駆る超機人に抑えられ、他の華撃団達は来られない・・・どうしますか?」

 

「絶技用意。太陽の魔剣よ、その身で破壊を巻き起こせ!破滅の黎明、壊劫の天輪(ベルヴェルク・グラム)!!」

 

背後から数本の小剣が飛来し、光を帯びた剣が神滅に突き刺さりそれを誰かが殴りこんで押し込み爆発させた。

 

「うああ!な、何者!?」

 

「それ以上、その声で喋んな・・・!華撃団の戦いは邪魔しねえが、テメエだけは別だからな、夜叉」

 

「お前は・・・輪廻を調整された者!?」

 

「森川さん!」

 

そう、森川だった。今の彼には冷酷という言葉が似合う程に冷たい空気を身につけていた。夜叉に対する怒りと降魔への憎しみにも近い感情が表立っているからだ。

 

「さっきも言ったが、その声で俺に話しかけるな。夜叉・・・お前の相手は先に華撃団だと言いたいが…」

 

そう言いつつ煙草に火を点ける森川。度合いが強い煙草を吸っているようで、それは怒りを表しているようだ。

 

「あー、コイツのヤニはキツイ・・・誠十郎・・・個人的なワガママだが、夜叉との決着は俺につけさせてくれや」

 

「え?」

 

「良いだろう?」

 

「っ・・・」

 

誠十郎は森川の表情を見た瞬間、背筋に寒気が走った。その目には表情がない、冷酷という言葉が人の形をして話しているように見えたからだ。

 

「分かりました・・・」

 

それしか言えなかった。今の森川は下手な言葉を口に出せば、敵味方問わずに蹂躙するだろう。ましてや、自分の恋人の姿に似ており、同じ声をしている夜叉が居るとあっては尚更だ。

 

「グラーフって奴は頼む・・・夜叉は俺がやる・・!」

 

「いくら輪廻を調整された者だとしても、幻都の力を受けた私には叶いませんよ?森川さん」

 

「お前が俺の名前を口にするんじゃねえ・・・!!光を持つ魔によってお前を斬る!この無毀なる湖光(アロンダイト)でな!」

 

森川は光の中から一本の黒い剣を発現させた。その剣は禍々しい漆黒の煤によって汚れている。元は聖剣と呼ばれるに相応しい格を持っていたはずが、何らかの要因によって喪失し、魔剣としての属性を得てしまったのだろう。だが、刀身の一部分は黄金の輝きがわずかながらに残っている。

 

「な、その剣は!?光を帯びながらも魔剣の域に達している・・・ありえない!」

 

「ありえない?そうだな・・・俺も直仁もありえない事ばかり引き起こしている張本人だ。直仁は龍に見込まれ、俺は力がありすぎる。だからこそ、テメェを倒す・・・本当、今は不思議な気分だぜ。怒り心頭な筈だが、頭は妙に冷静だ」

 

手にした無毀なる湖光(アロンダイト)の鋒を夜叉に向ける森川。この怒りは自分だけのものでは無い、さくらに憧れを持っている天宮、叶わなかった恋をし悲恋を乗り越え自分にさくらへの想いを託してくれた直仁。そして、さくらからの想いを胸に再会を信じて帝劇を守り続けているすみれ、その全てをこの胸に刻んでいる。

 

「来な、夜叉・・・!お前を欠片も残さず消滅させてやる」

 

「減らず口を・・・!人間如きが!!」

 

 

 

 

その頃、華撃団と森川が戦う地上よりも遥か上空では雀武王が何度も何度も向かってくる龍虎王に対し、焦りを感じ始めていた。

 

「どうした!?雀武王!?」

 

「・・・・」

 

「どうやら、雀武王は焦りを感じているようだな!南峰!!」

 

「どういう事だ!?」

 

直仁の言葉に訳が分からないといった様子の南峰に今度はエリスが力強く言葉を発した。

 

「分からないか?雀武王は私達の諦めない心に脅威を感じているのだ!」

 

「馬鹿な!?」

 

「倒しても倒しても立ち上がってくる相手、これほどまでに驚異な敵はおるまい!」

 

「決着を着けるぞ!雀武王!!」

 

そう言って龍虎王は薩摩示現流の構えを取った。龍虎王が自然と構えた姿であり、雀武王は僅かにたじろいだ。

 

かつての戦いでの記憶が、示現流に対する恐怖心を植えつけられているのだ。だが、そんな事を直仁もエリスも知る由もない。

 

「こうなれば焔天大聖前朱雀避口舌!五行器、最輪転!!

 

「ならばこちらも!左青龍避万兵!五陽五神、無敵青龍!四心合一!!

 

どちらも最大奥義で決着をつけるつもりだ。雀武王は黒蛇刀を天空高く掲げ、大気のエネルギーを黒蛇刀の口から吸収している。龍虎王は周囲に雷を発生させ、竜巻と共に龍王破山剣にその力を収束させた。

 

雀武周天!縮地呑天!黒蛇よ!空を裂き、地を奔れ!!」

 

「今必要なのは折れない剣じゃない!折れない心!!」

 

我激燃超機人 無敵蒼龍 龍虎王

 

 

「雀武王が最終奥義!!」

 

「龍虎王が最終奥義!!」

 

雀武王の持つ黒蛇刀が龍虎王へと向かっていき、龍虎王はそれを迎え撃とうと突撃した。

 

黒蛇刀!五行烈斬!!

 

龍王破斬剣!!逆鱗断!!!

 

二体の超機人は中心でぶつかっていき、炎と雷を纏ったような光の中へと消えていった。




次回は夜叉戦からです。

ネタが無くなってきてピンチ!

サクラ大戦と言えばヒロイン別ルート!※やはりヒロイン別ルートが必須かと思い次のルートは誰が良いかアンケートします(正ヒロインはエリスですが)

  • 倫敦華撃団 副隊長 ランスロット
  • 上海華撃団 ホワン・ユイ
  • 新・帝国華撃団の誰か
  • 風組or月組メンバー
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