ミカエル(あやめ)、ルシファー(山崎)の力によって黄泉の師匠の下へ導かれる。
黄泉の国での修行
※復活の際、名前を変えてある作品の技を一つだけ獲得します。
※同時にアイリスも成長しているという過程で書いています。ですのでロリではないです。戦闘用推奨挿入歌にX JAPANが多いです。
浅草の復興に目処が立ち、黒龍が完全に直仁だという事を信じられた矢先に起こったエリスの負傷。現在はアイリスや織姫といった霊力の扱いに長けた二人と、クラリスが持っていた霊力を利用した治療方法が書かれている魔道書によって身体の傷は完全に治療されていた。
「エリスさんの様子は?」
「ダメ、なんとか食事はとってくれてるけど・・・」
「そうですか・・・」
誠十郎とマルガレーテの会話は短いものであったが、エリスを心配しているのが分かる。だが、エリスは先の戦いで直仁からの一撃を受けてしまい、それによるショックも重なって戦闘恐怖症に近い状態になってしまった。
無論、エリス自身の意思ではない。エリスの心と身体が戦場に出る事を拒んでいるのだ。自分の身体が自分の意志で動かないなど初めての経験だった。
「っ・・・何故だ。戦おうとすると動けない・・・」
脳裏に浮かぶのは、あの直仁が自分に妖力の塊をぶつけてきた事。あれは確かに直仁そのものだった。だが、黒龍の意識が腕に残っていたのだと、言い聞かせるが心はそうはいかなかった。
「直仁・・・貴方は本当に黒龍となってしまったのか?いや・・・」
エリスはカスミ草の花が飾られている棚から、ある物を取り出した。それは直仁がお守り代わりとして渡してくれた龍の描かれた紙である。そして、蒼い龍の光が自分の中に入ってきた時以来、彼女の右手の甲に龍の形を成したアザが浮かんでいた。
「私は信じている・・・憎い気持ちは変わらないが、必ず戻ってきてくれると」
そう、あの時の一瞬だけ黒龍は狛江梨直仁としての意識を取り戻していた。あれはまだ、直仁の意識が生きているという事だ。エリスは愛憎反転の気持ちを抱えながらもそれを信じると誓ったのだ。
◇
「ぐ・・・ううう!!」
黒龍はあれから頭の中を針で刺されるような痛みに匹敵する頭痛に悩まされていた。そう、エリスと呼ばれていた女性の顔が頭の中で、何度も蘇るのだ。
「なんだ・・・あの女の顔が、我の頭の中で巡っている」
喜怒哀楽、あらゆる表情のエリスの顔が浮かび上がる。それが浮かぶたびに頭痛に苛まれ、頭を押さえるのだ。
「一体・・・何だ・・・これは・・うがああああ!」
「不安定になってきたか・・・頃合だ」
煉獄はもはや黒龍は使い物にならないと考え始めていた。所詮は人形として反魂の術を使い蘇らせたもの、駒としての利用価値しかない。
「反転と理性を同時に戻してやろう・・・くくく、降魔皇の力さえあればもう用はない」
煉獄の術が黒龍にかけられ、黒龍と共に出撃していく。煉獄は気付いていない降魔皇が黒龍に授けた力の恐ろしさを。
◇
そして、再び現れた降魔の群れ。それに伴い華撃団は出撃する事になった。エリスはベッドの上におり、出撃前にマルガレーテが面会に来ている。
「エリス、出撃命令が出たから行ってくる」
「ああ、済まない・・・伯林華撃団隊長ともあろうものが出撃出来んとはな」
「心と身体のバランスが崩れてしまっているのだから気にしないで、それと貴女に謝らないといけないの・・・ごめんなさい、エリス」
「?」
エリスは突然、マルガレーテから謝られた事に対し、不思議そうな表情になっていた。顔を伏せているマルガレーテはポツリポツリと語り始めた。
「私は彼を・・狛江梨直仁を認めたくなかった。エリス、貴女を弱くしてしまった彼を・・・恨んだりもした。私は彼と出会う前の貴女に戻そうと躍起になっていたの・・・」
「そうだったのか・・・」
「でも、それは間違っていたわ・・・彼が居るからこそ、貴女は強くなれたのだと目の前で知ったから・・・だから、私も彼を取り戻すことに協力するわ」
「ありがとう、マルガレーテ。だが、今は出撃だろう?早く行け」
「
マルガレーテは部屋から出ていき、出撃していった。エリスはマルガレーテを見送った後、直仁から渡された龍の守護符を持ったまま、それを見つめていた。一つの決意を胸に・・・。
「・・・・行かねばならないな」
◇
出撃先は因縁が深く根付く築地倉庫であった。黒龍は魔幻空間を作り上げ、その中で待ち続ける。自らの存在を消してくれる者達を。
「来たか・・・」
「「「「世界・帝国華撃団!参上!!」」」」
「・・・・・」
「直仁さん・・・!」
「来い・・・我を倒し・・・ぐっ・・・俺を・・・殺せえええ!!!!!」
一瞬のみ、直仁の意識が自分を殺せと叫び、闇神威に乗り込む黒龍。乗り込んだ瞬間、背中には悪魔王サタンを思わせる翼が現れ、両肩からは鬼王の被っていた鬼の仮面を思わせるパーツへと変化していく。
悪魔と鬼の力を得た黒き龍は最早、人の意思を失いつつあった。俺を殺せという言葉は純粋な介錯を望んでのことだ。
「グウウウウ・・・」
「もう、人間としての意識が・・・」
「私達でもう一度、倒すしかないぜ!」
「ウオオオオオオオ!クレナイニ、ソマッタオレヲ・・・コロセエエエエ!!!!」
[推奨 戦闘挿入歌 XJAPAN『紅』]
咆哮を上げた黒龍は血涙にも似た赤い模様が仮面に浮かび上がり、戦いの獣と化した。源平時代に使われた太刀と同じ刀を鞘から抜くと構えを取った。
「直仁さん・・・今一度眠ってください!貴方を倒すこと、それが俺からの最大の敬意です!全機、攻撃目標、闇神威!!」
「「「「了解!!」」」」
「でえええい!何っ!?」
「グウアアアアッ!!」
「うああああ!くっ・・・やるじゃねえか、アタイに一撃をくれるなんて、嬉しいぜ」
先手を切ったのがカンナであった。人間としての意識を失っていても返してきた拳は間違いなく自分が教えたものだ。それをこうも簡単に繰り出してくる事にカンナは嬉しさと高揚が同時に感じている。
「意識は奪われていても、武術の基礎は体が覚えているという事か」
誠十郎は警戒と同時に口元を嬉しさで歪めていた。超えたいと思い続けていた相手が武術の動きを忘れていなかったからだ。
別の方法で超えてもいい。だが、誠十郎の中には剣で超えなければならないと考えていたのだ。鍛えられたからこそ、直仁という壁を超えなければ意味がない。それは、一人の男としての意地だ。
「カンナさん。俺が行きます!」
「ん?新しい隊長か。今のアイツは優しさや迷いがない分、強いぜ?」
「望むところです!」
「グウウウ・・・!」
「行きますよ、直仁さん!俺は今日こそ、貴方を超えてみせる!!」
「ガアアア!!」
誠十郎が駆る無限と黒龍の闇神威・改の刃がぶつかり合う。二刀流と一刀流、防御の面では誠十郎が圧倒的に有利だ。
だが、技術と技の冴え、機転の効かせ方は圧倒的に黒龍が上回っている。意思は無くとも身体に染み付かせ続けた鍛錬の賜物だろう。
「うおおお!」
「グオオオ!」
誠十郎も黒龍に一歩も引いていなかった。誠十郎は直仁から教わっていた鍛錬と稽古を一日も欠かさず行っていたのだ。
◇
「良いか?二刀流は左右の腕の振りを同じにしなければ意味はない。一方が早くとも、もう一方が遅ければ、それが隙に繋がるからだ」
「だから、同じ重さなんですね」
「その木刀には鉛が仕込んであるが、鋒には多く仕込んである。それで左右の素振りを1000本、行え」
「!わ、わかりました」
この特訓は誠十郎にとって過酷だった。士官学校時代以上の訓練で自身のあった体力は全て消費してしまった。
「はぁ・・はぁ・・・1000本、終わった。腕が震えて・・る」
「俺も師範から同じ鍛錬を課された時はそうなったよ。暫くメシを食うのに苦労したな、ハハハ」
「笑い事じゃないです・・・よ」
「だが、筋は良い。しっかりその重さを腕に覚え込ませろ。そうすれば刀が軽く感じるからな」
「はい・・・!」
「重い物を軽く、軽い物を重く。その感覚で物を扱え、そうすれば日常生活でも鍛錬になる」
「なるほど・・・そんな方法が」
「ま、今日のメシは天宮にでも食わせてもらえよ」
「そ、そんな事!出来ませんよ!」
「ハハハッ」
剣を合わせる度に誠十郎は思い出す。厳しくもありながら優しく華撃団の隊員達のを見守る兄であり、父親でもあった人、その人が敵対し、自分と剣を交えている。誠十郎は悲しさ以上に煉獄に対する怒りが沸いてきた。
お互いに愛し合っていた恋人と戦わせ傷つけさせた。もはや兄弟、いや家族にも等しい自分達、華撃団のメンバー達と敵対させ、操り人形にし自分の手を汚さず野望を達成しようとしている。
「ふざけるな…ふざけるなァーーーー!!」
誠十郎の怒りは霊力を爆発的に放出し、黒龍を追い込み始めた。その刃には霊気が二匹の龍の形となり、刃の切れ味を向上させている。
「せ、誠十郎の刀に龍が!」
「あれは・・・直仁の霊気だな。直仁の最後の霊力の半分を受け継いだのが誠十郎だったからな」
初穂の言葉に便乗してきたのが森川であった、森川は雑魚の降魔を片付けた後、この魔幻空間に来ていたのだ。誠十郎の剣撃に笑みを浮かべており、それを見守っている。
「うおおおおおお!」
「ガアアア!?」
「森川さんに型を教わり、俺が独自に進化させた・・・これを使う!二刀流〝居合〟羅生門に霊力を加え動きを変えた・・・二刀流〝居合〟天地・邪宗門!(じゃしゅうもん)」
「グオオオオ!???」
誠十郎の二刀流の居合は上下ではなく、左手の刀を逆手に右手の刀を通常の構えで左右に振り抜く居合であった。
この技術は森川が持つ特典の中の剣術に相当するものだ。それの基本を誠十郎は教わり、独自に改良し進化させていた。この技は通常、逆手による左右同時の居合だが、それを上部と下部に別ける事で一箇所に集中するのではなく、二箇所を攻撃する事で戦闘不能にする型になっている。
「グ・・・オ・・・」
「俺は迷わない!!」
「俺の教えた技を独自に改良するとはな、流石は士官学校出身って所か・・・」
「貴方を超える為に俺は剣を磨き続けた・・・!でも、貴方を浄化するのは俺の役目じゃない」
すると、魔幻空間の中に白色のアイゼンイェーガーが現れた。無論、その操縦者は一人しかない。
「エリス!?」
「エリスさん!?」
そう、伯林華撃団隊長であり直仁の恋人であるエリスであった。何故、彼女が出撃してきたのか?それは一時間前にさかのぼる。
◇
一時間前、エリスは出撃を拒む身体を強引に立ち上がらせていた。向かおうとする度に直仁から受けた攻撃の映像がフラッシュバックする。だが、それでも向かわなければならないと壁に手を付きながらも歩き続ける。
「ぐ・・・動け・・!」
「エリス?」
「君は・・・アイリスか。ふっ・・・情けない姿を見せてしまったな」
エリスの目の前にいるのはアイリスであった。かつて子役で名を馳せていた彼女も今や成長し大人になりつつある。
「ちい兄ちゃんの所へ行くつもりなの?心が壊れかけてるのに」
成長してもアイリスは変わらず直仁を「ちい兄ちゃん」と呼んでいる。それは彼女が幼い時、大神のように自分の心を癒し、悪い事をした時は叱り、良い事をした時は褒めてくれ、辛い時には傍にいてくれた大切な人だからだ。
「私が行かなければならない・・・約束したから。どちらかが敵になったのなら、その時は止めて欲しいと」
「・・・・」
アイリスは無言でエリスに近づくと彼女の手を握り、フランス語で何かの詠唱をしている。アイリスの身体が輝いており、不思議と心が落ち着き、癒されていく感覚が感じられた。
「エリスの心を一時的に癒したよ。でも、時間は少ないから注意してね」
「っ!感謝するよ、アイリス」
「ちい兄ちゃんを導いてあげられるのはエリスだけだから・・・」
「ああ、行ってくる!」
エリスは戦闘服に着替え、地下倉庫へ向かうと愛機である白色のアイゼンイェーガーに乗り込み、築地倉庫へと向かって出撃した。
◇
白色のアイゼンイェーガーは誠十郎の駆る無限に近づくと、通信を通して話しかけた。
「(アイリスの言う通り、時間がない・・・)誠十郎、刀を貸して欲しい」
「!一本で良いんですか?」
「ああ、一本でいい。直仁・・・黒龍は私が浄化しなければならない」
黒龍の乗る闇神威・改は他の華撃団達の攻撃でボロボロになっており、トドメの一撃が与えられる程になっていた。
誠十郎の無限から刀を借りた白色のアイゼンイェーガーは、闇神威に近づいていく。
「直仁・・・今、降魔の闇を浄化してやる」
刀を鞘から抜き去り、霊力を込める。その色は蒼く、また霊力が形を変え龍が巻き付くように刀身に宿った。
「そうか、直仁の霊力の残り半分はエリスが受け継いだんだったな・・・」
森川の言葉と共にエリスは刀を直仁、否、黒龍へ向けていた。その心を押し殺し、彼を浄化しなければならないと思いつつ。
闇神威に刃が突き立てられ、機能が停止し黒龍は内部から脱出してきた。その仮面にはヒビか入っており、今にも割れそうだ。
「グオオオオ!面がああああ!」
仮面が割れ、地面に落ちるとそこあったのはやはり、直仁の顔であった。左右の目の色は変わっているが、中性に近いその顔は帝国華撃団、そして世界華撃団のメンバー達も忘れていない。同時に黒龍が身に付けていた白色の勾玉も砕け散った。
「直・・・・仁」
「エ・・・リ・・・ス・・・うぁぁ・・・」
「ううっ・・・直仁ーーーッ!」
直仁としての意識を取り戻し、その身体が膝をつく。エリスはアイゼンイェーガーから飛び出し、その身体を支えた。
◇
「直仁、しっかりしてくれ!直仁!」
「エリス・・・強く・・・なったな」
「直仁・・・どうして、こんな・・・」
エリスは泣きながら尋ねる。直仁は弱々しい声でエリスの質問に対し答え始めた。
「・・・第二次・・・降魔大戦で失った・・・この命・・・煉獄の・・・反魂の術によって・・・呼び戻された・・・」
直仁は淡々と、ゆっくりした口調で続ける。
「降魔皇を・・・復活させ・・・煉獄の為に戦う・・戦士として・・・な」
「そんな・・・事が・・・」
「降魔皇からの・・・妖力によって・・・生まれた・・・煉獄の術は・・・強すぎた・・・だが、みんなが・・・その術を・・・破ってくれた」
「黒龍、余計なお喋りが過ぎるぞ。もう、お前に使い道などない」
「!煉獄!!」
煉獄は破壊された闇神威を法力で回収し、その場に佇んだ。その目は蔑むような、何かを見下しているかのような目をしている。誠十郎の叫びにもまるで意に介していない。
「黒龍、所詮は人間に反魂の術を施した人形だ。そして、自意識を取り戻した今・・・」
煉獄の手に赤黒い光が集まり始める。それはエリスを完全に狙っていた。
「今一度、お前が愛し大切であった者を消してくれるわ!死ねぃ!」
「うああああ!?」
「エリスさん!!」
その光がエリスに届く寸前、その光を遮った影があった。それはまるでエリスを守る盾そのものだ。
[推奨挿入歌 XJAPANより『Tears』]
「ぐわあああああああーーーッ!!!!」
「!な、何ぃ!?人形の分際で女を庇っただと!?」
正体は正気を取り戻した直仁であった。我が身を盾に愛した相手を攻撃から護っている。
「・・・直仁!?」
「れ、煉獄!お前の・・・思うようには・・・させん!!俺の・・愛した女・・エリスを・・殺させは、しない!」
「直仁!!」
「聞け、エリス・・・この倉庫の先に・・・巨大な鏡が祀られている場所がある・・・それを、破壊しろ!!その鏡が・・・無くなれば・・・降魔皇は・・・この世に・・・干渉でき・・・なくなる!誠十郎と・・・お前が・・・受け継いだ・・・龍脈の力で・・・降魔の鏡を破壊しろ!!」
「貴様ァーー!!!」
次第に光の威力も弱まっていく、直仁は盾に成り続けるのを止めようとはしない。その顔はかつての優しい直仁そのものだった。
「エリス・・・強く生きてくれ」
「・・・・嫌!私は!!」
「エリス、日本の剣を・・・学んでたんだな・・・迷いがなく・・・良い剣だった。ほんの僅かだったが・・・お前に再会出来て・・・良かった・・・」
「嫌・・・嫌ァァ!逝かないで!逝かないで、直仁!!」
「帝都と・・・華撃団の未来を・・・頼んだ・・・ぞ」
「直仁ーーーーっ!!!」
煉獄の法力を全て受けきった直仁は消滅し、手を伸ばしていたエリスは直仁の姿を見届けると同時に崩れ落ちた。
「おのれ、我が妖力と法力の全てを耐え抜くとは・・・まぁ良いだろう。所詮は捨て駒、我が世界を支配する礎になったのだからな」
「貴様ぁああ!!」
エリスは村正・星薙をアイゼンイェーガーから霊力を利用して手元に引き寄せ、刀身を鞘から抜き出し、斬りかかった。だが、煉獄は簡単に避け、事前に発現させておいた魔法陣で撤退してしまった。
「厄介なモノはもう無い。壊したければ来るがいい・・・くくく」
「おのれッ!煉獄ーーー!」
言葉だけを残し、撤退した煉獄へ向けてエリスは怒りをぶつけるが残ったのは静寂だけであった。
◇
その頃、再び魂の存在になった直仁は黄泉の国へ戻っていた。反魂の術を施された人間は本来、魂が消滅してしまうのだが、直仁はエリスの持っていた護符の影響でその宿命から逃れられたのだ。
「はぁ・・・魂が消滅しなかったが、どうしろと?」
「修行じゃよ」
「え?だ、誰だ?」
「儂は呂尚、主に仙道を学ばせてやって欲しいと頼まれた者よ」
「誰に?」
「西洋の天の使いじゃよ」
そう言った瞬間、直仁の目の前に二人の天使が現れる。その顔は見知っているものであり、一方を見て直仁は顔色を変えた。
「あやめ・・・さん?それにお前は!」
「いいえ、私は大天使ミカエル。そしてこちらは」
「天使長ルシファーだ」
そう、そこはかつて悪魔王サタンと名乗っていた反逆の堕天使ことルシファー、山崎真之介少佐の姿と帝国華撃団に関わるきっかけとなった、大天使ミカエルである藤枝あやめの姿であった。
「な、・・最上級天使の二人が此処に!?それに、サタンが何故!?」
「サタンではないルシファーだ。あの戦いの後、私はミカエルの助力もあり天使長として父である神から復帰を許されたのだ」
「っ・・で、お二人が何の用ですか?」
見知った顔の天使であるために、直仁個人としてはかなり話しにくい様子だ。
「父たる神よりの仰せです。貴方を現世へ復活させよと」
「え?死者を蘇らせるのは、輪廻に反するのでは?」
「確かにその通りだ。だが、あの煉獄と呼ばれている魔は死んだものを蘇らせ続けている。このままでは地上は死霊と融合した死霊降魔や動く屍共の巣窟になってしまう」
「そこで、貴方に仙道の修行をしてもらい、御子としての力の代わりにして欲しいのです」
「理由は分かりましたけど、俺の肉体はもう・・・。それに向こうとこっちの時間は」
「時間に関して問題ないぞい。こちらでの一日は向こうの一時間にしかならんからのう」
「どこの○神と○の部屋!?」
「これこれ、100年以上先のアイディアを口にしなさんな。お前さん知らんじゃろ。まぁ、魂の世界に居るせいかもしれんがの」
呂尚のツッコミをスルーしながらも、ミカエルとルシファーが修行場へと案内してくれる。そこは一本の柱があり、何かが表面を流れ続けている。
「これは・・・」
「先ずは儂と修行して仙道の呼吸を学んでもらう。その後の試練はこの柱を登りきる事じゃ」
「仙道の呼吸?」
「百聞は一見に如かず、見ておれ。スゥゥゥハァァァ・・・スゥゥゥハァァァ!」
通常の深呼吸を行い、呂尚は自分の中で何かを練っている。気のようにも見えるが性質が違っていた。
「スゥゥゥ…コオオオオオオ!」
「な・・なんだ!?あの呼吸!全身がまるで太陽のような輝きを放ってる!」
「これが仙道よ」
「・・・」
「それでは私達は此処までです。貴方の肉体を復活させる準備に入らなくてはなりません」
「忠告もあるぞ。地上に復活したら、地上での時間で49日間は知人と会話する事を禁ずる。それが例え恋人や仲間だとしてもだ」
「!」
49日間の知人との会話の禁句、それは今まで戦ってきた仲間達との再会を定められた日数の間はできないという事である。それはまるでギリシャ神話のオルフェウス、日本神話のイザナギが行った冥界下りの話と似ていた。
「日数内の間に話してしまったら・・・どうなるんですか?」
「無論、復活しかけの肉体は塵芥になるだろう。同時に魂も消滅する事になる」
「え?」
「当然だ。お前は一度反魂の術をかけられた身、不条理によって復活した者の魂は本来消滅する。それを守ったのが龍の護符だ。所詮、加護は一度きりのみ…それを忘れたとは言うまい」
「・・・・・確かに」
ルシファーの言葉に直仁は嬉しさと同時に厳しさを感じ取った。彼の姿は山崎真之介ではあるが、あくまでも寄り代の姿に過ぎない。天使本来の姿など人間が知る由もないのだ。その寄り代の記憶があるからこそ、反魂の術に関しても詳しいのだろう。
「此処で学んだ事は魂に刻まれる。意識しなくとも地上ではいずれ思い出す事になるだろう」
「(無意識下って事なのか…?)」
「お前の才も磨かれるだろう。鏡の如く相手を写し取り、模倣する才がな」
「・・・」
「私の寄り代になった者からの言葉だ。私と同じ道を歩むな・・・だそうだ」
「山崎少佐・・・」
直仁は拳を握りこむ。次世代に託す事を彼も行っていた。だが、彼は繁栄の裏にある出来事を知ってしまった。それが切っ掛けとなり人類は生きるに値しないという結論に至ったのだろう。
「直仁くん、修行をしっかりね!」
「え・・あ、あやめ・・さん?」
「男の子なら、自分を愛してくれる女の子の下へ帰って守ってあげなさい。しっかり乗り越えなさい!」
ツンと額を指でミカエルからつつかれた感触を魂でありながら感じる。これはいつも大神や自分が嗜められた時にあやめからやられた事で、懐かしいものであった。
「はい・・・!」
「では、仙道の修行に入るぞ?直仁よ」
「はい!」
呂尚の言葉と共に直仁は黄泉の国において、魂の修行と共に仙道を学ぶことになった。
呂尚って誰?という方、検索してみてください。
仙道という時点で納得できます。
仙道の呼吸、分かる人には分かると思います。
サクラ大戦と言えばヒロイン別ルート!※やはりヒロイン別ルートが必須かと思い次のルートは誰が良いかアンケートします(正ヒロインはエリスですが)
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倫敦華撃団 副隊長 ランスロット
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上海華撃団 ホワン・ユイ
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新・帝国華撃団の誰か
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風組or月組メンバー