ガンプラ物の短編集   作:ノイラーテム

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高機動型ヅダ

●足止め

 0083ベースのシナリオで、落ちて行くコロニーを巡る攻防戦。

戦いは序盤から熱く燃え盛って居た。

 

「よう! 今日は太陽炉じゃねえのかよ」

「この間の戦いで壊されたと言ったろう? ドロップ物なので数が揃え難いんだよ」

「だからダインスレイヴってか? 節操がねーなあ!」

 三機編成のリックドムⅡが、二機のヤクトドーガと競り合っている。

狙撃型のヤクトが持つ手製のガンランスは、キマリスヴィダールの物を改装した連装砲だ。

 

以前に太陽炉をファンネルにして交換していたが、今回はダインスレイヴの交換弾倉と化している。

 

「コロニーに撃たせるな! あえてジェットストリームアタックを掛けるぞ!」

「ほう……。君達らしく思い切りが良いね。だが!」

 三機のリックドムⅡは一直線に並ぶことで、ダインスレイヴでの攻撃を誘う。

普通は当らないはずだが、こいつなら必ず当てて来ると妙な信頼感があった。

 

しかしヤクトドーガの方も似た様な物だ。

無視すれば危険と知ってなお、三機に対して背を向ける。

 

「背中は任せたよ、友よ」

「承知。お前の敵は私が止めて見せる!」

 他のフォースを牽制に行っていた、もう一機のヤクトドーガが復帰する。

こいつは連続トランザムを諦めて、ファンネルを機体制御型サイコミュでのインコミュ・ブースターに変更していた。

 

全てのエンジンが一か所を向いて急加速を掛け、ブースターがアポジモーターの如く稼働する。

しかも六基のうち二基は、ケーブルを伸ばしてから摩訶不思議なバックブーストを掛けさせた。

反動で引き千切られるケーブルと引き換えに、S字機動を掛けて、連続射撃を避けさせたのである。

 

「くそっ。俺ら三人を二人で止めるとか、やっぱてめーら頭おかしいぞ!」

「君達が言うか? お互いさまだろう」

 もう一機のヤクトドーガが構えるのは、斬艦刀を改装した八十八連斬甲刀。

一度に使える宝弾は限られるが、掠れば一撃で吹っ飛びかねない大業物である。

使い勝手ではビーム系の斬艦刀には叶わないが、こういった火力重視性は物理系の方が向いていた。

 

「よし。こうなりゃ当初の計画通りに行くぞ。忌々しいがあいつらに任せる」

「仕方ねーなあ。……しかし考えることは同じってことか」

「何!? まさか!」

 リックドムⅡは散開し、倒す事より牽制に戦術を切り替えた。

盾三刀流の機体が前面に立ち、MMP二丁流とギミック型の二機が当て易い連射で足止めを行う。

 

そして一撃は無く成ったことで、ヤクトドーガが隙を覚悟して策敵範囲を広げると……。

他の砲撃ユニットの居るフォースを防ぐ光と、蹴散らしている機体が居た。

 

「あの光はこの間のV2として、もう一機はなんだ?」

「馬鹿な……。早い、早過ぎる。まるで私の機体以上の速度だ」

「言ったろ。同じ様な事してるってよ。てめえ見たいなヘンタイ機動は無理だが、ガンギマリの直線番長サマだ」

 良く知らない奴だが、それだけは判る。

此処に居るトップエース以上の、あえていうなら特化能力を持った機体が居るのだ。

 

リックドムⅡは他所者に任せるのを不服としながらも、作戦の為に足止めに残った。

盾から機雷やミサイルをばらまき、マシンガンの弾を放ち続けて強敵二機を足止めする。

 

●殺人的な加速

 V2ガンダムにコロニーの防御を任せ、もう一機が次々に砲撃機を葬って居た。

その進軍速度は凄まじく、気が付けば肉薄されているありさまだ。

 

「こういうのを殺人的な加速というのかしら? カメラ以外に反動無いから良いですけれど」

 ビリビリと振動が画像を揺らがせる。

フルダイブとはいえ肉体に影響は無いが、画像が揺らいでは戦い難いはずだった。

 

しかしこの機体を操るパイロットは、生息速度域が早いのが当然なのだろう。

いつものように制御して、当てることに成功して居た。

もちろん相手が砲撃機で、回避力がおざなりだからというのもあるだろうが。

 

「くそっ! あのヅダを止められる奴は居ないのか!?」

「無理だ! あんな速度に追い付けるわきゃねーだろ。今の内に護衛を振り分けるぞ!」

 戦場を蹂躙して居るのはたった一機のヅダだった。

 

あまりの速度に当てることすら難しく、そもそもマシンガンやミサイルでは狙っている間に、レンジから振り切られてしまう。

 

「間に合えばのお話ですわね。……次の標的に向かいますわよ、ブラウ・シュピーゲル!」

 ヅダは足そのものを改装した、大型ブースターを吹かせる。

そして背中に配置されている、双胴のエンジンをも稼働させた。

 

四機のエンジンは機体制御サイコミュで、ノズルそのものが稼働する。

ヤクトドーガと同じ様なコンセプトだが、エンジンサイズの問題で出力が段違いなのだ。

かつてVトール機の戦闘機が何機かあったが、傑作機のハリアーよりも、試作機のフリースタイルの方が早く武装が多いのと良く似ている。

 

「……聞こえていますかバアルゼブル。こちらは新しい標的に向かいますので、位置変更をお願いしますわ」

「もう片つけたのか? 了解、惜しいけどそっちのフォローに回るぜ」

 倒したといっても、砲撃機だけだ。

場合によっては砲門を潰しただけで立ち去って居るので、拘束時間は短い。

 

とはいえヅダと高機動ザク・サイコミュ試験型の合いの子であるこの機体は、装備を次々と捨てて戦っている。

もちろん移動力を保ったまま、複数の武装を搭載する以上は、莫大なペイロードがあっても装甲はそれほど積む事が出来ない。

既にシールドも対艦ライフルも投げ捨てて、残るはヒートグレイブとMMPマシンガンだけだった。

 

加えて速度が早いと言う事は、良いことばかりでは無い。

特に移動進路に攻撃を掛ける予測射撃には弱いので、それをV2ガンダムが光の翼で庇う作戦なのである(もちろん味方も付いていけない)。

 

「しっかし、たた二機にやられるなんざちょっと寂しいんじゃねーか?」

「普通なら考えない作戦ですもの。だからこそ、わたくし達が手を組んで居るのですけれどね」

 二人はともにソロで、自分の信条のみ従って戦っている。

 

V2ガンダムは強い敵との戦いを求め、ヅダの方は他の誰にもできない領域の戦いを好んで居た。

似ているようで似て居ないこの二人は、むしろお互いを狙い撃つ方がありえただろう。

 

●ダンス・マカブル

 まともに戦えば苦戦する事もあったろうが、砲撃機のみを叩く戦術は上手く行った。

もちろんバズーカや大型ミサイルなどは侮れないが、そちらは防衛側の直営が居る。

 

「ソーラーシステムが出て来ましたわね。もう間に合わないでしょうが、コントロール艦まで付き合っていただけます?」

 0083におけるコロニー落としは、最後にソーラーシステムが出て来る。

防御側に巨大構造物の耐久性と言うメリットがあるように、攻撃側にはソレがあった。

 

とはいえフォースによる攻勢を抑えた以上は、イベント進行以上のものはない。

急がなくとも功績p稼ぎに行っている、誰かが黙らせるだろう。

 

「おーらいっ。せっかくだからロスタイムまで踊るとしようぜ!!」

「良いですわね。それでは一曲、御付き合い願うとしましょうか♪」

 コントロール艦へ両陣営が駆け付けて行く。

片や撃沈する為に、片や守る為に宇宙を翔ける。

 

そんな中で二人が踊ると言うのは、ただの比喩だ。

ヅダは残弾の少ないMMPを投げ捨てヒートグレイブへ。

V2はビームシールドのみを巻き込んで、長剣二刀流に変えた。

 

「せっかくだからよ! そのスピードとやりあって見たかったんだ!」

「蝶の様に舞うのは、わたくしだけで十分ですわ!!」

 消化試合になった中、敵味方の陣営を無視して二機は踊る。

十字を描く光の剣と、超高速のマシンが交差。

 

お互いに戦闘機動は確認しあっており、どんなコースで飛ぶかは予想済みだ。

機動力はヅダに分があり、攻撃面での広さはV2にあった。

 

『識別コードは味方です。識別コードは……』

「お黙りなさい!」

「うるせえ!」

 敵味方識別コードの唸りが上がる中、システム音声を両機は解除。

警告の中にはソーラレイに巻き込まれるというモノもあったが、知ったことではない。

 

お互いに特化系で割り切って居るため、全損しても取り返せないものなどない。

いや、そうだったとしても、闘争心に火が点いた以上は引けるはずなど無いではないか!!

 

「ガンダム系ならば下半身はオマケ……ならば狙うべきは上半身!」

「機体制御サイコミュなら、バランスくらいは何とかなるよな。だったら素直にソイツを狙う!」

 ヅダは翼を中心に上半身へ袈裟斬りを掛ける。

対するV2は当るを幸いに、ヒートグレイブへの強打を仕掛けた。

 

お互いに高速機ともあって、当り易い場所へ無理なく仕掛ける。

同時に複数のフェイントを入れて、その後にこそ本命を残した。

 

「もらったぜ!」

「まだまだですわ!」

 質量の無いビームサーベルでは、実体のヒートグレイブを折るには至らない。

金属を削って軽量化しているからこそ、弾き飛ばす事に成功した。

 

だから、そのまま本体を斬るには至らない!

 

「モビルスーツには腕がありますのよ!」

「そいつはどーも……」

 ヅダは回避せずにそのまま突っ込んで、ラリアット気味の体当たりを掛けた。

既に翼がへし折られ、光の翼は発生しない。

ビームシールドはサーベルに収束されており、面白い様にV2の首がもげた。

 

「お互い様だ!」

「ブーツアタック!? しかし、こんな近距離ではっ!!」

 まだメインカメラがやられただけだ、V2は下半身を射出して一発逆転を狙う。

だが至近距離から放っても、推進距離が足りない。

 

しかし高速で突っ込んで居るヅダの事。

引っかけられただけでもタダでは済まない。

 

「シャイニング・ウイザードとは! しかしその翼はコアファイターの物、この勝負わたくしの……」

「まだまだ! 直進なら翼がなくとも行ける!」

 ブーツはヅダに軽く当った後、そのまま接触事故を起こした。

フラフラに成ったところを、コアファイターが翼を開かずに突っ込んで来た。

 

半カケの翼でキリもみしながらコアファイターが直撃する。

それで撃破するには至らないが、ヅダは近過ぎて殴れず、コアファイターも機関銃は撃てなかった。

 

「幕切れですわね。最後に一つ聞いておきますわ。なぜ光の翼も使わなかったんですの?」

「そりゃエネルギー切れだよ。騙されてくれて助かった」

 二機はソーラレイの光にのみ込まれながら、笑いあって吹き飛んで行った。




 と言う訳で第二話というか、新しく思い付いたガンプラです。

最初はシャア専用ヅダとかヤクトドーガって面白くない?
とかだったのですが、思いいたって修正。
ヤクトは別のフォースに、ヅダは高機動ザクと合体する事に成りました。

ただでさえ高機動のヅダに、下半身をブースターにチェンジ。
頭のおかしい直線番長になったということです。

ちなみにヅダにサイコミュ試験型みたいなビーム砲が無かったり、V2が範囲攻撃を使わないのは主にエネルギー問題。
どっちもギリギリの設計で特化して居るので、そんな余裕はない感じですね。
砲撃機を潰して回らなければヅダには武装が、護衛しなければV2にはエネルギーが残って居たと思いますが、それだとストーリーそのものが作られないので。

●新規登場機体

『高機動ヅダ・ブラウシューペリア』
 下半身が高機動ザク・サイコミュ試験型をベースにした、大型ブースターになっている。
塗装は全体的に青く、上半身に稼働型ブースターの形状変更も行っているので、蒼いドレスに見えなくもない。
背中にある双胴のエンジン込みで、四発のブースターを持ち、一部は可動型であるので、直線ならば物凄い速度が出せる。
 フルダイブなので体にダメージはこないが、一応画面に影響が出るのだが……。ダイバーのお嬢様は普通に乗りこなせる模様。
(機体制御サイコミュの影響もあるけど)

『ヤクトドーガ88・緑』
 ファンネルをインコミュ・ブースターにした高機動マシン。
機体制御サイコミュをフルに活かした、異次元の軌道が特徴。
武装は八十八連斬甲刀で、八十八発の弾を爆発させて衝撃力を得る実体剣。
(なお、一度に全部爆発はさせられない)
 本来は複数の太陽炉を使う連続トランザムを得意としていたが、前回の戦いで破損し、現在は00ステージをドロップ周回中だとか。
その影響で相棒の『赤』も、武装がダインスレイブに成っている。

『SRD、二番機・三番機』
 リックドムⅡを操る三人組の残り二機。
ガトリングシールド・ナックルシールド・ギャンシールドと盾Ⅲ刀流で、予備にショルダーアーマーの二番機。
そしてMMP79と80を使い分け、シュツルムファストを持つ残弾重視の三番機である。
(一応は一番機のギミック型使いが一番強いとか)
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