吉井明久
久保利光
高橋洋子
明久がAクラスに着いた時は、まだ八時を過ぎて間もない頃だった。
朝のホームルームまでは三十分近く時間があった。
それなのに、Aクラスを覗くと半数近くの生徒がいた。
明久はなるべく目立たないように、教室の後ろの扉からAクラス内に入る。
しかし、
??「おはよう、吉井君。教室を間違えてないかい?」
見つかったしまった。
明久が恐る恐る顔を上げると、そこには眼鏡をかけた知的な男子生徒、久保利光がいた。
なぜか顔が少し赤いが…風邪だろうか?
明久「お、おはよう、久保君。間違えてなんかないよ。ここが僕のクラスだからね。」
そんな久保君との会話が聞こえていたのか、Aクラス内にどよめきの声が広がる。
そんな周りを意にも介さず久保君は話を続ける。
利光「そうなのかい?それなら悪いことを聞いてしまったね。すまない。」
明久「いや、久保君は悪くないよ!悪いのは僕のほうだよ!」
利光「吉井君は相変わらず誰にでも優しいね。じゃあまた後で。」
そう言い残し利光は自分の席に向かう。
久保君が優しいと言った時の目が凄く印象的だった。なんでだろう?
そのことはあまり深く考えないようにして、明久も自分の席へ向かう。
周りの目はまだ少し痛かったが、気にせず席に座る。
特に何もすることがなかったので、机にうつ伏せになり目を閉じる。
不思議なことに、周りの喧騒は目を閉じると聞こえなくなった。
朝が早かったこともあり、少し眠い。
ちょっとだけ寝よう。できることならあの記憶は見ないように…
そんなことを考えていたら、明久はいつのまにか寝てしまった。
??「…井。」
声が聞こえる。
誰かを呼んでるようだ。
??「…吉井。」
女の人の声。
聞き覚えのない、細く綺麗な。
目を開けると、目の前に顔があった。
よく分からないまま数秒。
ようやく回復してきた意識が今の状況を理解する。
明久「うわぁっ!」
あまりの状況に、間の抜けた声が出てしまった。
僕を呼んでいた主は、僕が起きたのを確認すると、何も言わずに自分の席へと戻ってしまった。
一体なんだったんだ…?
周りを見渡すと、みんなが僕の様子を伺っていた。
時計を見ると、時刻は八時半、ホームルームが始まっていた。
??「はい。では吉井君も起きたので、この時間は自己紹介にしたいと思います。」
声のした方を見ると、担任の先生らしき女の人が立っていた。
高橋「今年一年間Aクラスを受け持つ、高橋洋子と申します。みなさん一年間よろしくお願いします。」
と、簡潔に自己紹介を終えた高橋先生。
高橋「では、クラス代表の吉井君から始めて下さい。」
高橋先生の言葉を聞き、Aクラス内が今日一番の喧騒に包まれる。
それを、静かに、の一言で高橋先生が片ずける。
僕はそんな様子を見ながら去年のことを思い出していた。
こんにちは!
今回はとても微妙な終わり方をしてしまいました!すみません!
それとヒロインは次回か、その次あたりに決めたいと思います!
ではまた次回にお会いしましょう!