キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
げぇ――――――っ!! ピンポイントすぎる! まずい、これ俺が転生者だってバレるんじゃねえか!! いや、転生したのばれたからって問題はそこまでないだろうが。
「そうだな、俺に勝ったら教えてやる。それでどうだ?」
「残念だな、俺が勝ったらお前は死んでしまって聞くことが出来ない」
「なぁに、いいさ。はなっから教える気はねえからよ」
俺は勢いに乗って技をしかけた。
『カナディアンマン! バッファローマンの足下をスライディング! そのままバッファローマンを寝転ばせて、サソリ固めだ――――――っ!!』
「スペシャルマン! お前との特訓で鍛えたテクニックがようやく活きそうだぜ!!」
「くっくっく、お前との試合、思った以上に楽しめそうだぜ」
一方、キン肉マンVSスプリングマンが行われている鳥取砂丘において、試合に動きがあった。
「スプリングローラー!!」
ぎゅるるるる
『スプリングマン! 身体を横にし、砂の上を勢いよく転がっていきます! ターゲットはキン肉マンだ!』
「へっ! そんな攻撃簡単に避けられるわい!」
ひょい
『キン肉マン! スプリングローラーを簡単によけています!』
スプリングマンのやつ何をしているんだと一瞬思ったが、リングの砂の状態を見て、俺は恐ろしい目的に気付いた。
「キン肉マン! 今すぐにその技を止めろ!」
思わず俺は咄嗟に叫んだ。
「え? なんでじゃカナディアンマン? こんな簡単に避けられる技だし、スプリングマンのおかげで砂が良い具合に固まって動きやすいし……あ――――――っ!!」
「ケケケ、ようやく俺の意図に気付いたか」
『あ――――――っと! いつの間にか砂のリングが固まっているぞ! これでスプリングマンが有利な状態になってしまった――――――っ!!』
「はいはい、私が解説させて頂きますよ~」
アデランスの中野さんがまたも唐突に実況席現れた。
『よく工事でローラーと呼ばれる転圧機を使い、柔らかい土を締め固めることができます。スプリングマンはそれと同じ事をやったわけですねはい』
「ケケケ、これでお膳立てはOKだぜ!」
「な~に、私もおかげで闘いやすくなったさ!」
がしぃ
『ついにでました! ロビンマスク! ラーメンマンを倒したキン肉バスターです! これはスプリングマンといえど、耐えきれる技ではないでしょう!』
「この砂のリングの上ではキン肉バスターも封じられていた! しかしお前が手間暇かけて砂を固めたおかげでこの技を出せるようになったぜ」
びゅーーん
『キン肉マン! 宙高くジャンプ! そして勢いよく落下だ――――――っ!!』
どぉぉぉぉん
『決まった―――――――っ!! スプリングマンもこれでKOか――――――っ!!』
「ケケケケ、ちっとも効かねえなぁ」
びよよ~ん
「なんだとっ!! 私とカメハメが創り上げた必殺技が!?」
「忘れたか、俺の身体はバネでできている。お前のキン肉バスターは強力といえど関節技。ゆえに俺にはノーダメージというわけだ」
「そんな……どうやって倒せば良いと言うんだ……」
「それじゃあこっちの番に移らせてもらうぜ!」
びよよ~ん
『スプリングマン! リング外にある近場の大きな岩までジャンプ! その岩を何やら階段の形に削っています! 一体何をする気でしょうか!!』
やばい、これは流石に見逃せないぞ!
「キン肉マン! ベンキマンをバラバラにしたデビルトムボーイがくるぞ! 気をつけろ!」
「なに!? あの技がくるのか!」
「おい、口は災いの元だぜカナディアンマン!」
バッファローマンがサソリ固めをかけられた状態で倒立した。
『すごい! バッファローマン! カナディアンマンにサソリ固めをかけられた状態で倒立を決めた! なんという身体能力か!!』
「そうらよ!」
ぶぉぉん
『バッファローマン! 脚を勢いよくふるってカナディアンマンを吹っ飛ばした』
うおおお! やっぱり規格外のパワーしてやがるぜ!
すたっ
『カナディアンマン着地! しかしここまでバッファローマンに全く技が通じていません!』
できればキン肉マンのサポートをしてやりたいが、相手が強すぎて、キン肉マンがスプリングマンを倒す前に俺がまいっちまうぜ……
「デビルトムボーイ!!」
『スプリングマン! 階段状になった岩の上を落ちていく! その先にはキン肉マンがいるぞ!』
キン肉マンはどこだ? コーナーポストにいるだと! あれじゃあ逃げられねえぞ!
がしゃん
『あ――――――っ! デビルトムボーイ不発! コーナーポストやリングロープが邪魔で、スプリングマンはキン肉マンを自身の螺旋の身体に取り込めなかった!!』
「いちかばちか試してみたが上手くいったぜ! デビルトムボーイ破れたり!!」
流石キン肉マン! 技を攻略する知恵にかけてはピカイチだぜ!
「ケケケケ、甘いぜキン肉マンよ」
ぎゅるぎゅるぎゅる
スプリングマンは自身の身体を回転させた。螺旋構造の身体故に、回転によりリングロープの隙間に入り込み、やがてコーナーポストとキン肉マンを同時に締めつける状態まで持っていた。
「し、しまった!」
「螺旋解体縛り!!」
ギシ ギシ ギシ
「のわぁ――――――っ!!」
「ス、スグル――――――ッ!!」
キン肉真弓がセコンドにいた。その手にはタオルが握りしめられている。
「パパ! 悪いがここで試合を止めたら親子の縁を切らせて貰うぜ!」
「スグル! そんなこと言っている余裕あるのか!」
「ないわい! だがな、ここまで、ミートのために皆が命をかけてきた! それを言ったのはパパじゃないか!」
「そ、そうじゃが……」
「私がこんなとこでギブアップするわけにはいかんわい!」
ぎちちち ぎちちち
やばい! キン肉マンは必死で抵抗しているが、バラバラにされるのも時間の問題だ! 誰かキン肉マンを助けられる奴はいないのか!
「やいキン肉マン!!」
モニター越しに大声をあげた男がいた。ウルフマンであった。
「さっきはよくもぼろくそ言ってくれやがったな! ざまあみろだぜ! 今にも死にそうな状態じゃねえか!」
「なにを~~~っ!!」
「それとよ、お前は俺と決勝がどうこう言っていたが、お前となんてまっぴらゴメンだ! てめえはさっさとそのバネ野郎にバラバラにされて豚挽肉にでもなっちまいな!!」
「言わせておけばあの万年ふんどし男が~~~っ!!」
「そういやあ豚肉は叩くと旨くなるんだってな、そこのバネ野郎を真っ直ぐ伸ばしたらお前を叩くのにちょうど良い鉄の棒になるだろうぜ!」
そうか、ウルフマンが言いたいことが分かったぞ! やっぱり……この二人の友情にはかなわねえな!
「そうか、鉄の棒とは良いことを聞いたぜ!」
キン肉マンはウルフマンの真意を察した。ウルフマンもそれが分かりにやりと笑う。
「いくぞ火事場のクソ力――――――っ!!」
ぼわあああ
『あ――――――っ!! キン肉マンの身体が金色に輝いた――――――っ!!』
「ぬおおおお!!」
ぎぎぎぎぎ
キン肉マンは予想通りスプリングマンの身体に手をかけて、強引に変形させている。
「てめえ! 何をしやがる! やめろ!」
スプリングマンが焦りの態度を見せた。
『キン肉マン! 一体なにをする気だ! 驚異的なパワーでスプリングマンの螺旋構造を強引に曲げていく! いや、これは真っ直ぐな鉄の棒に変えていっている!!』
「お前の技はその螺旋構造の身体があってこそ! その構造を真っ直ぐ変えちまえば恐るるにたらんわい!!」
「けがぁ――――――っ!!」
『あ――――――っ! スプリングマンが鉄の棒と化してしまった!!』
「ようしいくぜ!!」
ぎゅーん
『キン肉マン! スプリングマンをつかんで上空へジャンプ! そしてスプリングマンの後頭部に膝をのせた! これはもしや!!』
間違いない、キン肉マンはテリーマンの技を出すつもりだ!!
「見てくれよテリーマン! これが私のお前への手向けだ! カーフブランディング――――――ッ!!」
俺には見える! キン肉マンの後ろにもう一人超人がいる! テキサスの荒馬がキン肉マンと一緒に闘っているぜ!!
ずがぁぁぁぁぁんん
スプリングマンはもの凄い勢いでマットに叩き付けられた。
「ケケガァ……」
パキン ピキン
スプリングマンの身体に亀裂が入り、そのまま倒れた。戦闘不能な状態である。
カン カン カン カン
『やりましたキン肉マン! 奇跡の逆転ファイターの異名通り、劇的な逆転KO勝利をおさめました!!』
俺達のヒーローは期待を裏切らない!!