キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
『カナディアンマン! 頬を貫かれ悶絶しています!』
いてえ! いてえよ! キン肉マン、こんな痛みに耐えながらバッファローマンに勝ったっていうのかよ!!
「おら! 起きな!」
どがっ どがっ どがっ
『バッファローマン! カナディアンマンにサッカーボールキックで追い打ちをかける!』
ぱきん
『あ――――っ! カナディアンマンの証、額のメイプルリーフが折れた――――っ!!』
「な、なんの――――っ!!」
がしっ
俺はバッファローマンの蹴りのタイミングに合わせて脚をとった。
『カナディアンマン! ドラゴンスクリュー! バッファローマンをマットに寝かした!』
「ようし!」
しゅた
『カナディアンマン! バッファローマンから素早くマウントポジションをとった!』
「今までの分、たっぷりとお返しをしてやるぜ!」
ばきん ばきぃ どがぁ
『カナディアンマン! バッファローマンの顔面にパンチの雨嵐だ! 一気に攻勢逆転だ!!』
がしぃ がしぃ
『バッファローマン! カナディアンマンの両腕を掴み、パンチを止めた!』
両腕が抜けねえ! なんて力だ! 一瞬で俺の攻撃が終わっちまったよ!
ぼうん
『バッファローマン! ブリッジでカナディアンマンを軽々と放った――――っ!!』
やべえ、バッファローマンのやつ、次は何をしてきやがるんだ!
がしっ
『バッファローマン! ボディスラムの体勢にとらえて落下だ――――っ!!』
受け身をとろうにも、すげえ勢いで落下していって何もできねえ!
どがぁぁん
『バッファローマンのボディスラムが炸裂! カナディアンマンダウンだ――――――っ!!』
「ちっ、こいつから何か得られるとは思ったが、俺の目がどうかしていたみてえだな……」
こんだけやられていれば、そろそろくそ力を発動できてもいい頃なんだが……そうだ! バッファローマンの前で、スペシャルマンが惨殺されたことを思い出すんだ! あの時の悲しみ! 怒りを思い出すんだ俺!
ぼわぁ
『カナディアンマン! 突如金色に発光した!!』
流石クソ力だ、もう立てないと思ったが不思議と力が湧いてくるぜ!
『カナディアンマン立ち上がった――――っ!』
「ほう、そのパワー、試させて貰う!!」
がしぃ
『両者リング中央で力比べ! カナディアンマンすごい! あの1000万パワーのバッファローマンに力負けしていないぞ――――っ!』
「ほう、今までで一番強いパワーを出しているじゃねえか! そうこねえとな!」
「へっ、これでお前と互角に戦えそうだぜ!」
「勘違いするな、お前は手加減している俺にようやく互角に闘えているんだ」
「え?」
手加減? そうか! 原作だとバッファローマンが本気になると赤くなったな。あっ、まだ赤くなっていない!
『バッファローマン! 身体がどんどん赤くなっていく!』
「これが1000万パワーの力よ!」
ぐぐぐぐ
うおお! 力負けするうう!! 俺がクソ力発動した状態でもバッファローマンの1000万パワーにかなわない!!
「そのパワー、正義超人の中でなら優れている方かもしれないが、俺の敵ではない!」
がきっ
『バッファローマン! 力比べの状態からかんぬきスープレックスだ!!』
どがぁん
「ぐはっ!」
『カナディアンマンまたもダウン! ここまでよく粘りましたがもう駄目でしょうか!!』
「あ~~あ~~、超人オリンピックファイナリストに残ったロビンマスク、テリーマン、ラーメンマン、そしてお前がこの体たらくか。アイドル超人とは大層な名前を名乗ってはいるが、俺にしてみれば全員ゴミ同然よ」
バッファローマンのその言葉で、俺の中で何かが弾けた。
「おい……今なんて言った!」
「聞こえなかったか? 負け犬の正義超人はゴミ同然だと言ったのさ! はっはっは!」
ぼわぁ
『カナディアンマン! またも金色の発光を見せ立ち上がった!!』
「こいつ、しぶとい奴だぜ!」
「俺は皆大好きなんだ……バッファローマン、あんたにとっては俺は会ったばかりの相手かもしれないが、俺はあんたのことをよぅく知っている。今のお前は本当の悪魔だが、本当は仲間思いの漢気溢れる熱い奴だと知っている!!」
「おいおい、お前は一体何を言っているんだ? ダメージが酷くてとうとう頭がいかれちまったか?」
「正気も正気さ! 俺が言いたいのは、俺の大好きな正義超人、テリーマン、ラーメンマン、ロビンマスクを……馬鹿にする事は許せねえええ!!」
かあああ
『カナディアンマン! 更に身体の発光が強くなった!!』
俺の身体の中から今までにないくらいのパワーが目覚めてきているだが、。今の俺は仲間を侮辱した奴に思いの丈をぶつけることしか考えていねえ!!
がしっ
「ぬおっ!?」
『カナディアンマン! タワーブリッジ、いや似ているが微妙に技のフォームが違う! 名付けるならカナディアンマン版タワーブリッジかっ!?』
不思議だ、一度も使ったことがないのにまるでロビンマスクが乗り移ったかのようにこの技を使いこなせる。
「違うな! これは後々ロビンマスクが産み出すネイキッド・タワーブリッジさ!!」
ぐきぃ ごきぃ
効いている! バッファローマンの骨が悲鳴をあげている!
「グワアア!! どうしてこんなパワーがっ!?」
「今からお前にロビンマスクの魅力を教えてやるよ。奴はとても紳士的な男さ、試合前はどんなに憎き相手でも親交的な態度を心がける。しかし試合になれば一点、熱いファイト、プライドの高さ、そして試合を通して相手をも成長させてくれる!! つまりかっこいいんだよ!!」
「うおおおお!!」
ばっ ばっ
『バッファローマン! 強引にネイキッドタワーブリッジを抜けた!!』
「そうやすやすと背骨を折られるかよ!」
流石バッファローマン! この技を脱出したか! ならば次はこいつだ!
「レッグラリアート!!」
ぼきぃぃん
『カナディアンマン! ラーメンマンばりのレッグラリアート! なんとバッファローマンのロングホーンが折られた――――っ!』
「まさか、俺様のロングホーンが!?」
今度はラーメンマンが乗り移ったみたいだ。心なしかバッファローマンが俺の後ろに誰かがいるような感じで見ている気がするぜ。
「ラーメンマンの魅力を教えてやる! 今の奴は残虐超人卒業したてのやつだが、その後は再起不能の状態になっても必ず復活してくる不屈の闘志を見せる! そして友のために自身を犠牲にもできる! さらにはお前のような強豪相手でも相手を生かす闘いを忘れないんだ!」
「なんなんだ! こいつから得体の知れないパワーを感じる!」
もはや勝ったも同然の状態、しかし俺は全力で俺の気持ちをぶつける!
「そして俺が大好きなテリーマンについてだ! テリーマンはファイトスタイルは地味だ、人間でもできそうな必殺技ばかりだ! いつも負けそうになっている! おまけに不器用だ! でもな! 自分の気持ちを素直にぶつけるファイトスタイル! 自身以上の強豪相手にも絶対逆転勝利するロマンある男!! 今回は負けちまったが、バッファローマン! お前のような猛牛だって倒すくらいの力はあるんだよ!!」
この技に全てをそそぐ。俺はバッファローマンの後頭部に両膝をのせた。
「バッファロー・ブランディング!!」
ずがぁぁぁん
『決まった―――――っ!! カナディアンマン! テリーマンの得意なカーフ・ブランディングの発展形、バッファロー・ブランディングで仕留めた――――――っ!!』
「うおおおおおお!! 俺は勝った!! 勝ったんだ!!」
ぴくり
え、うそだろ、やめてくれ!
「効いたぜ……まさか六騎士レベルの攻撃をお前からくらうとは思わなかったぜ……」
『バッファローマン! もはやKO負けしたかと思いましたが立ち上がった――――――っ!!』
「そんな……」
もう駄目だ、俺から闘志の炎がなくなった。
「お前ならおそらくは知っているはずだよな……仮に俺達悪魔超人が負けた後……どんな
そうか、もし悪魔超人が全員敗北したら、処刑されるんだ!!
「もちろん分かっている! しかしな、断っておくが手を抜くことはしない! それが強豪であるお前に対し大変失礼だからだ!」
「俺が言いたいのはそんなせこいことじゃねえ……俺だけでも生き残れば負けた仲間の処罰は避けられるんだ……俺だけならともかく……苦楽を共にしてきた仲間をみすみす死なせるわけにはいかねえんだ!」
カアアア
ま、まさかバッファローマンまでクソ力に目覚めるとは……キン肉マンすまない。お前には大きな迷惑かけちまうな……」
それからただ俺は一方的にやられるだけだった。バッファローマンへ仕掛けた猛攻で完全に力尽きてしまいただやられるだけであったのだ。
カン カン カン カン
『カナディアンマン! 惜しくも逆転負け! あわや悪魔超人リーダー格のバッファローマンを負かす番くるわせを起こすかと期待できる試合でしたが! バッファローマンの闘志が最後の最後で勝利を引き寄せました!!」
ああ、どんどん痛みの感覚が遠くなっていく……どんどん思考もできなっていく……そうか……これが死ぬってやつか……。
「カナディアンマン、まだ生きているか? 俺は、お前のおかげで俺は更に強くなることが出来た。俺はお前を死ぬまで忘れないであろう」
バッファローマンにこんだけ言われたんだ……悔いなく死ねる……
ん? ここはどこだ? 俺は確か、死んだはずだよな?
「新入りかてめえ!」
「え?」
げっ! 超人墓場の鬼がいる!? まさか、ここは超人墓場か――――っ!!
楓が帰ってくることをご期待下さい!!