キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~   作:やきたまご

19 / 28
手ごわい敵でも手助け無用さ!!


赤く染まる土俵!!の巻

 最初に動きを見せたリングはウルフマンの試合からだった。

 

ドドドド

 

『ジャンクマン! まずは先手をしかけました!』

 

 ジャンクマンがジャンクハンドをひろげてウルフマンに向かった。

 

「ジャンククラッシュ!!」

 

 ウルフマンはそれに対し、逃げずに逆に突進をしかけた。

 

ドドドド

 

「うおおおお!!」

 

『あ――――っ!! ウルフマン! なんとジャンクマンに対し突っ込んだ!! これはウルフマンといえでもあまりにも無謀か!!』

 

がしぃん

 

 ウルフマンはジャンクハンドを両手で受け止め、ジャンククラッシュを真っ正面から止めた。

 

『ウルフマン!! なんとジャンククラッシュを止めました!!』

 

「ぐっ! ジャンククラッシュを正面から受け止めたのはお前が初めてだぜウルフマン!」

 

「けっ! お前はよほどビビりの超人としか闘ってなかったみてえだな!」

 

「褒めてやると言いたいところだが」

 

グササ

 

 ジャンクマンのボディから数本の針が現れ、ウルフマンの体に突き刺さった。

 

「ぐわあああ!」

 

 ウルフマンは悲鳴を上げ苦悶の表情を浮かべた。

 

『あ――――っと! ジャンクマンのボディから突然針が生えた!! ウルフマン早くも流血だ――――っ!!』

 

「俺の闘い方は通称『血の池地獄』! 対戦を終える頃にはお前の血は全てなくなっているというわけだ!!」

 

がしっ

 

 ウルフマンが両手でジャンクマンの後頭部をつかんだ。

 

「これぐらいのこと、どうってことはねえよ!!」

 

どごぉっ

 

 ウルフマンはジャンクマンの顔面に勢いよく頭突きを食らわせた。

 

「ぐほぁっ!」

 

 思わずジャンクマンが後退した。

 

『ウルフマン! 負けじとジャンクマンに強烈な頭突きだ!』

 

「まだまだいくぜ!」

 

がしっ

 

 ウルフマンは右手でジャンクマンの喉を掴んだ。

 

ずがぁぁん

 

 その状態でウルフマンはジャンクマンをマットに叩き付けた。

 

『ウルフマン追撃! のど輪落としでジャンクマンをマットに叩き付けた!!』

 

 ジャンクマンはダメージがありながらも、たちあがってきた。

 

「次こそはジャンクしてやるぜ!!」

 

どどどど

 

『ジャンクマン! またもジャンククラッシュをしかけにいく!!』

 

「二度も同じ技が通用するかってんだ!!」

 

 ウルフマンが再度ジャンクマンに向かっていった。

 

すっ

 

 ジャンクマンがウルフマンとの距離が近くなったタイミングで上半身を丸め、ウルフマンの両手をかわした。

 

「シャープネスジャンクアッパー!!」

 

がこぉん

 

 ジャンクマンのジャンクハンドがコの字型になり、ウルフマンの顎に命中させた。

 

「ぐっ! 意外と器用な事しやがる!」

 

「当たり前だ! 俺は日夜このジャンクハンドで生活しているんだ! これぐらいの動作なんてことはねえ!」

 

 ジャンクマンがジャンクハンドでウルフマンを持ち上げた。

 

「そうらよっ!」

 

ずがぁん

 

 ジャンクマンが勢いよく投げて、ウルフマンはマットに叩き付けられた。

 

『ジャンクマン! ジャンクハンドで器用にボディスラムを決めた!!』

 

すたっ

 

 ジャンクマンはウルフマンに馬乗りになった。

 

「おっとそうはいかねえ!」

 

がしっ

 

 ウルフマンは両手でジャンクマンの両腕を掴んだ。

 

「マウントからのパンチを防ぎにいったか。しかしお前が怪我をしている状態では防げまい」

 

ぬるっ

 

『ウルフマンの手からジャンクマンの腕が抜けた!』

 

 

「悪魔は計算高い! 俺がただ単に流血を狙ったと思うか! お前の流血が俺の腕にもかかってな! お前の馬鹿力で掴んでもスリップして抑えきれないというわけだ!」

 

ガゴン ガゴン ガゴン ガゴン

 

『ジャンクマン! 倒れているウルフマンにマウントポジションの状態からジャンクハンドで鉄槌を落としにかかる!!』

 

ぴちゃ ぴちゃ ぴちゃ

 

 ウルフマンの血があたりに多く飛び散った。

 

「ウルフマン! ジャンクハンドで顔面が流血で真っ赤になっています!!」

 

「流血はお前にばかりいいわけではねえみてえだぜ!!」

 

するっ

 

 ウルフマンが背中を向けつつ、ジャンクマンの体を振り払った。血の滑りでジャンクマンもふんばりがきかずにバランスを崩した。

 

すたっ

 

 ウルフマンがすぐにスタンディングの体勢をとった。

 

『ウルフマン! 大流血しながらもまだまだ試合を諦めてはいません!!』

 

 他の正義超人もウルフマンの劣勢の状態が気になるが、悪魔六騎士との対戦宙では流石にウルフマンに対しアドバイスも贈れない。

 

「ウルフマン、確かにお前は俺のマウント地獄から脱出した。しかしその血まみれの手で俺のジャンククラッシュを受け止めきれるか?」

 

「ぐっ!」

 

どどどど

 

『ジャンクマン! 再度突撃! ウルフマン危うし!』

 

「超人横綱たるもの、誰が相手でも横綱相撲をとるまでだあああ!!」

 

『ウルフマン! 無謀にもジャンクマンに突撃していく!!』

 

「ジャンククラッシュ!!」

 

がしぃぃん

 

『ついにウルフマンにジャンククラッシュが決まった!! あ、いやっ!!』

 

 ジャンクマンの顔面にウルフマンの渾身の右の張り手が届いていた。

 

「うぐぐ、まさか相打ち覚悟で俺のジャンククラッシュに張り手を決めるとは……しかしお前のダメージの方が大きいんじゃないのか……」

 

 ウルフマンがジャンクハンドに挟まれた状態で大量に流血していた。

 

「けっ、部屋でのしごきに比べれば、これぐらい可愛げがあるもんさ! ドスコ――イ!!」

 

ばしぃぃん

 

『ウルフマン! ジャンククラッシュが決まったというのにもう片方の左手で張り手を決めた!!』

 

よろっ

 

 ウルフマンが出血多量により少しよろめいた。

 

ばしぃん

 

 ウルフマンは両手で自分の頬を叩いて意識をはっきりさせた。

 

「さぁ地獄の横町へご案内だ――――っ!!」

 

がしっ

 

 ウルフマンが両手をジャンクマンの首にかけた。

 

ぶぉおおおん ぶぉおおおん ぶぉぉおおん

 

『出ました――――っ!! ウルフマン! 一発逆転をかけての合掌捻りだ――――っ!!』

 

「馬鹿め! 自分で自分の首を絞めおって!」

 

ぐしゃあん

 

 ジャンクマンが合掌捻りの回転に勢いがつく前にジャンククラッシュを決めた。

 

「ぐわぁぁ!!」

 

『あ――――っ! ジャンクマン! 合掌捻りを阻止しようとジャンククラッシュを決めた!』

 

 ウルフマンの動きが止まってしまった。

 

「なかなかにしぶとい奴だったが流石にくたばったか」

 

 ジャンクマンが表情に余裕を見せた。

 

ぶおぉおん

 

「なに、こいつまた再開しやがった!!」

 

ぴちゃ ぴちゃ ぴちゃ ぴちゃ

 

 ウルフマンがリング外に血をまき散らしながらも合掌捻りをやめなかった。

 

『ウルフマン! もはや立っているのもやっとの状態ながらも!! 合掌捻りをやめません!』

 

「なぜだ……なぜこいつは立っているんだ!?」

 

 ジャンクマンが焦りの表情を見せた。

 

ぼわぁ

 

 ウルフマンの後ろに魔雲天の亡霊の姿が見えた。

 

「な、なぜこいつがウルフマンの後ろに!?」

 

「教えてやるよ、俺は亡くなった仲間のためだけじゃねえ! 命を賭して闘いあったライバルの分まで闘っているからだよ!!」

 

ぶおぉぉん ぶおぉぉん

 

『ついにウルフマンの合掌捻りでジャンクマンの体が完全に宙に浮いた!』

 

「地獄の横町へご案内だ!! 合掌捻り――――っ!!」

 

どしぃぃぃん

 

 ジャンクマンは勢いよくマットに叩き付けられ失神した。

 

「ぐほっ!」

 

 ウルフマンもジャンクマンとほぼ同じタイミングでマットに倒れた。

 

ワ~ン ツ~ スリ~

 

 カウントが進むが両者が立つ気配がなかった。

 

カン カン カン カン

 

『あ――――っ! 両者ノックダウンで試合終了! ウルフマン! 勝利かと思いましたが、流石にダメージが大きく倒れた――――っ!! しかし、悪魔六騎士ジャンクマン相手にからくも引き分けました――――っ!!』




後は頼んだぜ皆!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。