キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
カナディアンマンは考えていた。
(この勝負、他の仲間にかまっている余裕はねえが、できれば犠牲は少なくしたい! ならば、俺がなるべく早く試合の決着をつける必要がある。しかし目の前のアシュラマン、原作ではそこまで勝ち星に恵まれていないが、まず普通にやっては勝てない!!)
「カーカカカ!!」
『アシュラマン! 六本の腕でパンチのラッシュをしかけた! カナディアンマンガードを固めて防戦一方だ!』
「どうやら手も足も出ないようだな!」
カナディアンマンがにやりと笑った。
「いいや、出るんだなこれが」
ばきん
『まずはカナディアンマン! 左ジャブでアシュラマンの顔面をとらえた!!」
「その程度のパンチでこの私がひるむと思うか!!」
アシュラマンは強引にカナディアンマンとの距離をつめてきた。カナディアンマンはサイドステップワークを巧みに使いながら、アシュラマンに攻撃を当てさせない。かつ、自身のリーチをいかし、距離をつめるアシュラマンにジャブを次々とヒットさせた。
バキ バキ バキ
ジャブの連打で、ついにアシュラマンがよろめいた。
『おおッ!! 意外や意外!! カナディアンマンが悪魔六騎士の一人アシュラマン相手に自分の試合をしています。』
「それならばこれでどうだ!」
アシュラマンが六本の腕でガードを固めて距離をつめてきた。
「そう来ると予想していたぜ!!」
どごっ
『カナディアンマン! ムエタイ式の前蹴りでアシュラマンの太もも、ボディを強烈に押すように蹴っていくぞ!! それでも距離をつめようとするアシュラマン!! カナディアンマン!! 前蹴り、ジャブ、ステップワークを巧みに使い、距離をつめさせない!』
アシュラマンもこのままでは展開が変わらないと思い、一端足を止めた。
「ぐっ! こいつめ! 姑息な戦法を!!」
(もしかしてこの闘い方いけるのでは? と思ったが、こうも面白くはまるとは思いもしなかったぜ。まだこの時代では頭角を現していない格闘家セーム・シュルトが実際にK−1で使った戦法、俺のリーチならできると思ってやってみたが、あのアシュラマン相手に優勢に闘っているなんて信じられないぜ!!)
カコン
リングに空き缶が飛んできた。それと同時に観客から大ブーイングもあめあられのごとく降りかかってきた。
「カナディアンマン! なにつまんねえ闘い方してんだ!」
「逃げ回ってちょこちょこ当てるなんざ見てて面白くねえんだよ!!」
「お前なんか死んだままの方が良かったんだ!!」
「アシュラマンも情けねえぞ! それでも悪魔六騎士かよ!!」
(やっぱりそうなるわな……セーム・シュルトは強すぎたけど闘い方つまらなかったし……)
『観客から容赦ないブーイングがカナディアンマンに飛んできました!! これは幾分か仕方ないかもしれません!! 私も公平に実況する立場ではありますが、アシュラマンの方を応援したくなってきました!!』
(実況、てめえもかよ!)
「よそ見するとは舐めているのか!」
『アシュラマン! カナディアンマンに高速のタックルをしかけた』
ズゴォ
『カナディアンマン! アシュラマンのタックルにあわせてカウンターの膝蹴りだ!! アシュラマンの笑い面が潰されました!!』
(リーチのある選手には打撃戦より寝技戦の方が良い。これも闘いの鉄則だからな。タックルをしかけるとよんでいたぜ)
「カカカ、そんな貧弱な膝蹴りで私は倒せないぞ!」
「うおっ!」
『アシュラマン! カナディアンマンからマウントポジションをとることに成功した!!』
「さぁ、この六本の腕で痛めつけてやろう!! 怒り面!!」
『アシュラマン! 3つの顔のうちの一つ、怒り面に変えてカナディアンマンに鉄槌を食らわせていく!! 六本の腕の雨嵐にカナディアンマン上手く対抗できない!』
(流石、アシュラマン、一撃一撃が重いぜ!)
「カーカカカ! 私は人の三倍の腕が多い。だからこのパンチの威力も三倍となるのだ!!」
「つうことは、ダメージも三倍になるってことだよな!」
カナディアンマンが両脚をアシュラマンの右腕三本にからめた。
『上手い! カナディアンマン! アシュラマンの一瞬の隙をつき、下から腕十字だ! なんとアシュラマンの三本の腕を一気にしめあげているぞ!!』
(軽々とダメージが三倍になると言ったが、アシュラマンの抵抗を抑えながら三本も同時にしめつけるのはきついぜ。やっぱ、ジャスティスマンすげえんだな)
アシュラマンは三本の腕の関節を痛めつけられ。顔をゆがめた。
「ぐがが!」
「これが俺の盟友、スペシャルマンより教わったグラウンドテクだ! それプラス俺のグレイシー柔術の雑学だ!」
「ぬかせ、これしき!」
ぐいっ
『なんとアシュラマン! カナディアンマンに腕十字をかけられた状態で持ち上げた!!』
みしし
「おいおい、俺の巨体をもちあげたら余計に腕が痛むぜ!!」
「それがどうした!」
アシュラマンは自分の頭までカナディアンマンの体を持ち上げてから、カナディアンマンを後頭部からマットにたたきつけた。
ずがぁぁん
『アシュラマン! 腕十字をかけられながらも強烈なパワーボムでカナディアンマンをたたきつけた!!』
(やばい……意識が遠のく……アシュラマンもバッファローマンと同じ1000万パワー……強烈だぜ……俺としたことがジャクソンのパワーボムネタでやられるとは……)
『アシュラマンダウン! ここまで優勢に進めていましたが、これでおしまいかっ!!』
「さて、ここいらでこの技でとどめといこうか」
『アシュラマン! カナディアンマンを自身の頭部まで持ち上げ技を決めていくぞ! あああこれはまさか!!』
アシュラマンがアシュラバスターの体勢にとらえた。
『キン肉マンとやら! とくと見るが良い! これがお前のキン肉バスターを上回るアシュラバスターだ!!』
キン肉マンがモニター越しにそれを見るが、あまり驚いていなかった。
『このアシュラバスター! キン肉バスターに比べ、両腕、両脚のフックが強くなり、ダメージも大きくなり、さらに脱出も難しい物になっております!! これはキン肉バスターを越えるバスター技だああああ!!』
「ふん、お前のぱくり技の情報なんざ、カナディアンマンからとっくの昔に教わっていたわい!」
キン肉マンのまさかの発言にアシュラマンが驚いた。
「なに! なぜこいつが知っているんだ!」
とうのカナディアンマンはグロッキー状態で、話せない。亜種漫画上空まで持ち上げられた時点でようやく意識を取り戻した。
『アシュラマン! カナディアンマンに必殺のアシュラバスターを決めに入ったああ!!』
(え? あああ、やばいやばい!! これ決まったら俺死ぬ!! ウォーズマンの体内じゃないからクッションなんてねえよ!! 落ち着け落ち着け! このアシュラバスターは初期の形のやつだから、これだ!!)
すっ
カナディアンマンは首を後ろに抜けさせ、すかさずアシュラマンの後方に体を移した。
「なにっ! 私のアシュラバスターが!!」
「悪いがこの技の弱点も見えているんだよ!!」
『カナディアンマン! すかさず技の体勢を入れ替え、変形ツームストーンドライバーの体勢に決めた!!』
「貴様! 自分がやったことを理解しているのか! 私の技を破ることはキン肉マンの技を破るに等しい行為なのだぞ!!」
「そんなこととっくの昔に了解とっているぜ! いくぜ、キン肉、もとい、カナディアンドライバアアア!!」
ずがぁぁぁん
『あああああ!! カナディアンマン! 新技カナディアンドライバーでアシュラマンをマットに叩き付けたあああ!!』
キン肉マンがカナディアンマンを見て喜ばしそうに見ている。
「やったぞカナディアンマン! 私のキン肉ドライバーには及ばないが良い感じだったぞ!!」
「へへ、お前の特訓に付き合ったから、それなりに良いキン肉ドライバーは出来たと思うぜ! さぁゴングはまだか!」
「カカカ……」
カナディアンマンの後ろからアシュラマンの笑い声が聞こえてきた。驚いた。
「まさか、私にこれほどのダメージを負わせるとはな……」
『あ————っと! アシュラマンの六本の腕が千切れています! しかしそれでもなお立ち上がってきます!!』
「流石アシュラマン、大分タフなようだな!」
(ん? なんか俺の腕に違和感を感じる。まるで腕がないかのような感覚が、げぇ————っ!!)
『なんだこれは! カナディアンマンの腕がどす黒く変色しているぞ!!』
「お、俺の腕がっ!? まさかアシュラマンてめえ!!」
「私の六本の腕はなくなった、しかし私は亡くなった超人の腕を奪うことが出来る」
アシュラマンの胴体から、ステカセキング、魔雲天、ミスターカーメン、アトランティスの腕が生えてきた。
「そして対戦相手の腕も同様にな!!」
『アシュラマン! なんとここまでの闘いで亡くなった悪魔超人、そしてカナディアンマンの腕を自身のものとした————っ!!』
「うわああああ!!」
もはや絶対不利!!