キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~   作:やきたまご

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まだまだ地獄は続く!!


慈悲の否定!!の巻

 念願の初勝利、しかも相手はアシュラマンだ! すっげえ嬉しいぜ!! おっ、いつの間にか俺の腕が自分のものになっていたか。スペシャルマンにはいつも助けられるな……。

 

「そうだ! 今の戦況はどうなっているんだ?」

 

 俺はすぐに全試合を写しているモニターを見た。ちょうどウルフマンとジャンクマンの試合が引き分けで決着したところだった。

 

「ウルフマンがジャンクマンと引き分けたか……もっと俺が早く試合を決められれば……いや、アシュラマン相手に勝てただけでも奇跡か……」

 

「カカカ……」

 

 アシュラマンが弱々しい笑い声を出した。

 

「魔界のプリンスたるものがこんな雑魚に負けてしまうとはな……死んだ悪魔超人の腕も使ったというのに……」

 

「アシュラマン、今のあんたじゃ分からないとは思うが、俺は死んだ仲間のためにこの試合勝とうと思った。一方お前は死んだ仲間を試合を有利に進めるための道具としてしか思っていなかった。そこが勝敗の差だよ……」

 

「何を訳の分からない事を言ってやがる……」

 

 駄目か、俺が一回闘ったぐらいじゃあ正義に目覚めなかったか。

 

「いつでもリベンジは受けてやる! お前の捲土重来を期待するぜ!!」

 

「けっ、生意気ぬかしおって……いわれずとも、貴様に必ずリベンジしてやる!!」

 

ばたん

 

 それだけ言ってアシュラマンは倒れた。

 

「よし、俺の試合は終わった! ここからは皆のために俺が全力でアドバイスしてやるぜ……といっても、一部俺のアドバイスなんか受けなさそうなプライドの高そうな奴らもいるからな……」

 

『あ――っと武道館で行われているウォーズマンVSスニゲーターの試合で動きが見えました!!』

 

 俺はすぐに二人の試合を注目した。

 

ガブ

 

『あ――――っ! ウォーズマンがスニゲーターに右肩を食いちぎられた――――っ!!』

 

「ククク……これはまだほんの序章にすぎん。地獄はこれからだぜ。そりゃあ地獄の宇宙遊泳!!」

 

ドガッ

 

『あ――――っと! スニゲーター! ウォーズマンをスニーカーキックで空中高く蹴飛ばした!! 落下するウォーズマンに対し大きな口を開けて待ち構えているぞ!!』

 

ガブ

 

『ウォーズマン! 今度は脇腹を食われた――――っ!!』

 

 おいおいまさか、ウォーズマンここにきて噛ませ犬化しねえよね……。

 

「ケケケ、まだおねんねするなよ。ミスターカーメンが酷い死に方をしたからな。お前も相応の苦しみを味わってもらわないとな!」

 

ドガッ

 

『スニゲーター! またもウォーズマンをスニーカーキックで宙高く蹴飛ばした!! いや、ウォーズマン! 空中で体勢を整え、体を回転させる!!』

 

ぎゅるるる

 

『でました! ウォーズマン! ベアークローでスニゲーターへ突撃だ!! スニゲーター咄嗟によけたが、腹部をかすめて出血したようだ――――っ!!』  

 

「やれやれ、ワニ地獄と聞いて期待してお前の技を受けてやったが、がっかりしたな」

 

 ウ、ウォーズマンが喋った!! この闘いの前でもコーホー貫いていたのにようやく喋ったぞ!!

 

「なんだと!?」

 

「今から戦争地獄をおみまいしてやるぜ!!」

 

『ウォーズマン! スニゲーターの素早くスニゲーターの背後にまわり、両肩にのった!!』

 

がん がん がん がん

 

『ウォーズマン! スニゲーターにエルボースタンプだ!! ウォーズマンの肘が容赦なくスニゲーターの頭蓋骨を破壊しにいっているぞ!!』

 

「これぐらい、屁でもねえぜ!」

 

 スニゲーターが流血しながらも劣勢の様子を見せない。

 

「こいつはまだ地獄の入り口ってところだぜ。くらえ! 地獄のフィンガージョイント!!」

 

 ウォーズマンが右手のベアークローをスニゲーターの口の上から、左手のベアークローを口の下から貫通させるように刺した。

 

ざしゅ

 

『なんと残酷な!! ウォーズマン!! 自身のベアークロー両方でスニゲーターの口に刺してワニの口を封じた!! しかもベアークロー同士がかみ合って容易に外せない状態だ――――っ!!』

 

「ぐぐがぁ――――っ!!」

 

 スニゲーターが声にならない悲鳴をあげた。

 そして実況席から突然タザハマさんが現れた。

 

『フィンガージョイントとは橋と道路を繋ぐ際に使われる鋼鉄の部材ですね。右手と左手の指同士をはめあわせたような形です。まさにベアークロー同士をかみ合わせた様子にも似ています。この技はダメージ性もさることながら、ワニの弱点である口を開く力の弱さもついています』

 

「くくく、その口が使えなきゃただのスニーカーだな」

 

「あ、悪魔を、舐めるんじゃねえぞ!!」

 

ビリッ

 

『あ――――っ!! スニゲーター!! 自ら自身の口を引き裂いたぞ!! これは自殺行為だ――――っ!!』

 

「いや、これは脱皮に近い物だな」

 

 ウォーズマンが冷静に観察した。スニゲーターの裂け目から新たな生命体が飛び出した。

 

『スニゲーター! なんと巨大な亀に変身しました!!』

 

「ケケケ!! さっきのおかえしはたっぷりとしてやるぜ!!」

 

 スニゲーターが大ぶりのフックのラッシュをしかけるがウォーズマンはスウェー、ウェービングで容易によけていく。

 

『ウォーズマン! 冷静にスニゲーターの攻撃をよける!!」

 

ばしん

 

『ウォーズマンの強烈なローキックで亀となったスニゲーターを転ばせました!!』

 

「ま、待て! お前は強い! だから最期の変身をしよう!」

 

『スニゲーター! みるみる間に巨大スニーカーへと変身しました!!』

 

 早いっ!? 亀の次は蛇になってエリマキトカゲになってカメレオンになるはずなのに! ウォーズマンが強すぎたから最終形態である恐竜の足への変身を早々に決めたか!! 

 

『ウォーズマン! ベアークローで一気に巨大スニーカーの紐を切った! あ――――っ!! スニーカーから巨大な足が出てきたぞ!!』

 

待てよ、確か原作だとキン肉マンが……ウォーズマンが危ないっ!!

 

「ウォーズマン! お前は聞かないと思うが忠告をさせて貰う!! そいつは負けると分かった瞬間相手のパワーを全て奪い取る戦法に出るはずだ!! スニゲーターはもう負け戦を承知している!! このまま闘うとお前は死ぬぞ!!」

 

「ケケケ――!! カナディアンマンとやら博識じゃねえか!! まぁ今更それを言ったところでこいつに対処の方法はないだろうぜ!!」

 

 スニゲーターは俺の話を聞いているが、ウォーズマン、聞いてくれるかな……。

 

「カナディアンマンよ、一応礼は言っておくぜ」

 

 おぉ! ウォーズマンに俺のアドバイスが届いたぞ!!

 

「正直こいつは余裕で倒せそうだから少しばかし遊んでやろうと思った。だが遊んで闘いを長引かせるとパワーを吸収される可能性がでる。ゆえにこれより一撃必殺で勝負を決めることにした!!」

 

「一撃だとっ!?」

 

「そうだ、まずはここだ!!」

 

すぱ すぱ すぱ

 

『ウォーズマン!! ベアークローでスニゲーターの足の爪を全て切った!!』

 

 スニゲーターが焦りの態度を見せた。

 

「やはりな。お前の爪から超人強度を吸収できると俺のファイティングコンピューターが計算結果を出したがずばり正解だったか」

 

 えっ? そんなの原作でも出てねぇぞ!! つうかウォーズマンすげええ!! 大体結果のともわないファイティングコンピューターがこの試合でまともに仕事をしているぞ!!

 

「ケケケ、だからなんだってんだ!! 爪ぐらいものの数分で生える!! それに俺の本体はすぐには分からねえぞ!!」

 

 スニゲーターの四本の指がそれぞれ顔を現した。

 

「そんなもの、これですぐに分かる」

 

 ウォーズマンがマットに何かを転がした。それを見てスニゲーターの人差し指の表情が変わった。

 

「本体はお前か」

 

ぎゅるるるる

 

『ウォーズマン!! 電光石火のベアークローでスニゲーターの人差し指をねらった!!』

 

 スニゲーターがウォーズマンの攻撃に気付くタイミングが遅れた。

 

 

ぐしゃあ

 

『ウォーズマン!! スニゲーターの右人差し指をもぎとった!! ああ!! スニゲーターの本体の足が途端に動かなくなりました!! これはスニゲーターこれ以上の試合は続行不可か!!』

 

カン カン カン カン

 

『決まりました!! ウォーズマン!! 序盤はスニゲーターに苦戦も見られましたが終わってみれば実力の差を見せ付けての圧勝でした!!』

 

 ウォーズマンの奴、何をマットに転がしたんだ? あれは……蛇……掌サイズの蛇だな……なんか誰かの頭についていた記憶が……あっ! 分かった!!

 

「てめぇ……なんで俺がミスターカーメンにくれてやった蛇を持っていやがるんだ……」

 

 えっ? まさかミスターカーメンのあの蛇はスニゲーターがあげたものだったの!? 初耳だ!! てっきり俺はミスターカーメンの所持品かと思っていたぞ。

 

「この蛇はあの雑魚のカーメンには不釣り合いな不思議な力を持った物だった。カーメンよりも強い奴がこれをくれたと睨み、これさえあればさらに強い奴にであえると予想した。そして爬虫類のスペシャリストであるお前と出会った。それだけでも答えは導き出せたが、お前からカーメンに対する発言があった。それで俺は確信を得たと言うことさ」

 

「ちっ、お前の言うとおり、そいつは教官として俺が鍛え上げたたよりない弟子に餞別としてやったものだ・・・・・悪魔六騎士という立場上処刑したが・・・・・・あいつのためにもこの試合勝とうと思った・・・・・・」

 

「はっはっはっは!!」

 

 ウォーズマンが突然笑い出した。

 

「今更ながら、カナディアンマン達とスパーリングして良かったと思うぜ。俺はあいつらから誰かのために闘おうと思う慈悲の心が、感情に動きを出すと学んだ。スニゲーター、それがお前の本体を見抜くきっかけとなった」

 

「・・・・・・弟子の遺品による動揺が敗因か・・・・・・しかし弟子の死をなんとも思わないなんて・・・・・・俺には到底できねえな・・・・・・」

 

 スニゲーターは息をしなくなった。ウォーズマンがそれを確認し、モニターの方を見た。

 

「今こそ正義超人達に言う! お前らの慈悲の心、つまり友情パワーはいずれ自身の敗北につながる!! 現に俺と闘ったスニゲーターが慈悲の心を持ったがために敗北した!! こんなものは早々に捨ててしまえ!!」

 

「なんだとっ!!」

 

「お前!! 私達正義超人の思想を否定するつもりか!!」

 

 試合の終わったウルフマン、そして交戦中のキン肉マンがウォーズマンに怒りを露わにした。もちろん俺もウォーズマンに対して思うところがある。まさかロビンマスクと出会ってないウォーズマンの心がここまで荒んでいたとは・・・・・・。俺はウォーズマンが強いからここまでこいつの性格を見過ごしてきたが・・・・・いずれあいつとぶつかりあわなきゃいけないかもしれねえ・・・・・・。




氷の精神を溶かす時は来るのか?
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