キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
「おっと、これ以上の内輪もめは互いにとっても得ではない。今後の俺達の対戦相手を左右する闘いがまだ三つも残っているからな。と言っている内に動きがでてきたようだ」
ウォーズマンがそう言うと、ブラックホールとプラネットマンの対峙する豊島園の遊園地内の特設リングに注目が集まった。ブラックホールとプラネットマンの両者がにらみ合っている。
「まさか、お前とこうやって敵対するとはな。良い悪魔超人に育つと思っていただけに残念なこった」
「こっちとしては真逆の気持ちだ。本気で六騎士のあんたとぶつかり合えることにわくわくしている」
「その余裕、いつまで保っていられるかな!」
『悪魔VS悪魔の禁断の闘い! 先手をとったのはプラネットマンだ!!』
「プラネットリング!!」
バッ
『プラネットマン! 装備していた大きなリングをブラックホールに投げた!!』
呑気に観戦せずに、一応アドバイスした方がいいよな。
「ブラックホール!! そのプラネットリングは地獄の果てまでおいかけるホーミング機能付きだ!!」
「それぐらい知っている! 余計な口出しはするな! 集中力が切れる!!」
やっぱりブラックホールはプラネットマンの技を知っているか。しかしどうやって対処するんだ?
「これぐらいは難なく対処できる!! 吸引ブラックホール!!」
しゅごごごご
『ブラックホール! 文字通り強力なブラックホールで吸引をはじめた!! あたりのものがどんどんすいこまれていくぞ!! まさかこのまま巨大なプラネットリングまで飲み込む気か!!』
しゅごぉ
『なんと!! ブラックホール!! プラネットリングを吸い込みました!!』
「ケケケ、まさか俺様のプラネットリングまで吸い込むとはな……」
こ、こんな対処方法ブラックホールにしかできねえぜ。俺がやるとしたら原作のキン肉マンみたいに逃げ回ってプラネットマンの後ろに隠れるぐらいだ。
「おかえしだ! 排出ブラックホール!!」
しゅぽん
『ブラックホール! 勢いよくプラネットリングを吐き出した!!」
ざくっ
『プラネットマン! 咄嗟に避けましたが胴体にヒット!!』
「ぐっ! まさか自分の技でダメージをくうとはな……」
「では、そろそろブラックホールの奇術ショーといこうか」
ブラックホールが腰を落としてふんばれる体勢をとった。
「ブラックホール流! ウォーターマグナム!!」
バババババ
『ななななんと!! ブラックホールの顔から大量の水が勢いよく飛び出した!! これはまさかアトランティスのウォーターマグナムを模した技か!!』
ブラックホールの思わぬ技にプラネットマンも驚く。対処しきれずにまともにウォーターマグナムをくらってしまった。
「ぐわあああ!! どうしてアトランティスの技をっ!?」
「試合前に俺はたらふく水を自分の四次元空間にためこんでいたのさ!! この勝負、あんたを越えるための試合でもあるが、志半ばで死んだ仲間のための闘いでもあるんだよ!!」
「こ、これしきの技っ!!」
プラネットマンはウォーターマグナムからの脱出をはかるために宙へと飛んだ。
「逃がすかっ!」
ブラックホールが軽やかに飛び、宙でプラネットマンの耳のあたりを両足で勢いよく挟んだ。
がぁん
「ぐわぁ!」
『ブラックホール! 今度はステカセキングの悪魔のシンフォニーをくりだした!!』
「カカカ! 流石にステカセキングみたいに爆音は出せないがこれはこれで効くだろ?」
『ブラックホール! 間髪入れずにヘッドシザースでプラネットマンをマットにたたきつけた!』
「お次は魔雲天ドロップ!!」
ずしぃ
「ぐはぁっ!」
『ブラックホール! 今度はプラネットマンのボディへ向かって宙高くからのフライングボディアタックだ!! これも悪魔超人魔雲天の必殺技そのままです!!』
バッファローマンもサンシャインと交戦しながらブラックホールの優勢を嬉しそうに見ている。
「流石はブラックホール、俺達7人の悪魔超人の中でずばぬけたテクニックを持っているだけのことはある。難なく自分の仲間の技をくり出しているぜ!」
プラネットマンが負けじと、自分の体の上にのったブラックホールをはねのけた。
「お次はコレだ!」
ぐね ぐね ぐね
『ブラックホール! 自身の体を変形させ、蛇の形となった!! そのままプラネットマンの体に螺旋状に絡みついた!!』
ぎち ぎち ぎち
「こ、こいつはスプリングマンの技か?」
「そう、ブラックホール流螺旋解体縛りだ!!」
すげえ! プラネットマン相手に圧倒的な試合をしている!! この日までのスパーリングでブラックホールともやりあったが、あいつは本当に何でもできるテクニックとトリッキーさがあった!! こいつはこの試合も勝てるかもしれねえ……あれ、もしかして俺フラグを立ててしまったか?
「とどめはこいつだ」
蛇となったブラックホールが顔の部分だけ穴のあいた顔に戻した。そしていつの間にか巨大なストローを咥えている。
「ミスターカーメンのストローに俺のブラックホールの吸引力をあわせればどうなるか分かるよな?」
『ブラックホール! ミスターカーメンのストローを用いてプラネットマンの体液を吸い尽くすつもりだ!! 早くも勝負が決まるか!!』
ぐわしぃ
プラネットマンが力尽くで蛇となったブラックホールの拘束をほどいた。
「なっ!?」
慌ててブラックホールは元の体に戻った。
「ハンデはこのくらいで十分か?」
おい、プラネットマンのあの口の言い方からすると、わざとブラックホールの攻撃をくらいまくっていたというのか!? 原作ではあんな強キャラ感一切出していなかったぞ!!
「その油断、命取りになるぜ!」
『ブラックホールの影が8つの影に分裂していき、8人のブラックホールが現れた!!』
「俺にはそんな奇術はきかないな」
プラネットマンが赤くまばゆく輝く惑星の一つを産み出した。
『プラネットマン! 太陽と思われる惑星を出しました! 一体何をする気でしょうか?』
「アポロンダイナマイト!!」
『プラネットマン! 太陽惑星を宙に向かって投げた!!』
「何処を狙っているんだ、あんたらしくないミスだぜ?」
ぴかああ
『あ――――っと! リングがプラネットマンの産み出した太陽によって明るく照らされる!!』
ブラックホールは自身の異変に気付いた。
「しまった! 影が消えていく!」
『プラネットマンの出した太陽の強烈な日光により、ブラックホールの奇術の源となる影が消えてしまった!! 八人いたブラックホールの姿が続々と消えていき一人だけとなった――――っ!!』
「どうした? もう奇術ショーは終わりか?」
「くっ! ロケーションムーブ!」
しゅん
『なんとブラックホール! 突然リングから姿を消した!! これはまさかの逃走か!?』
プラネットマンはこの状況でも平然としていた。
「突然姿を現して奇襲をしかけるといったところか。並の超人だったら通用するかもしれんが」
プラネットマンが右手でバックハンドブローを自身の後方に放った。
がん
『プラネットマンが空に放ったバックハンドブローが何かに当たったようだ! しかし実際には何もない! どういうことだ!!』
プラネットマンの拳付近から徐々に何かが形となって現れた。それはブラックホールであった。体重の載ったバックハンドブローをまともにくらったブラックホールはその場で倒れた。
『すごい! まさかプラネットマン! カンで消えたブラックホールの位置を当てたというのか!!』
「さわぐな、悪魔六騎士たるもの、これぐらいできて当たり前だ」
え? プラネットマン思ったよりも強いぞ! てっきりトリッキーな技だけでブラックホール相手に応酬しあうかと思ったが、正統派ファイトでもプラネットマンいけてるじゃねえか!
「こいつでとどめを刺そうか」
『プラネットマン! ブラックホールに首四の字を決めた!!』
やばいやばい! 氷点下の首4の字だ! ブラックホールが凍らされちまう!!
「ブラックホール! いますぐ逃げろ! 凍らされて死ぬぞ!!」
ブラックホールもカナディアンマンの声を聞いてすぐに脱出しようと力を込めてあばれる。しかし徐々に体が凍り付き身動きがとれなくなる。
かきん かきん
『あ――――っと!! ブラックホールの体が首4の字で凍り付いてしまった――――っ!!』
熱き闘志が氷のごとく砕け散るか!?