キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
試合が終わり、ブラックホールは片膝をついた。
「流石にタフな俺でもつかれてしまったぜ……」
ブラックホールは亡骸となったプラネットマンのそばによった。
「プラネットマン、これだけは言っておきたい。俺そのものの強さは完全にあんたに負けていた。6人、いや7人の仲間の力があったからこそ、俺は勝てた。修行のし直しをしてくるぜ」
一方、キン肉マンとザ・ニンジャが闘うリングである。二人のそばにミート君もいた。
「ふふふ……」
「どうしたんですか王子?」
「ミート、こうやってお前をセコンドにつけるのも随分久しい気がしてのう」
「王子……」
「ケケケ」
ザ・ニンジャはキン肉マンに向かって手裏剣を投げた。キン肉マンは間一髪でそれをかわした。
「そんな凶器をリングに持ち込んで危ないじゃろうが!!」
『キン肉マン! 手裏剣を投げたザ・ニンジャに怒りを露わにする! すばやくザ・ニンジャの背中にまわり、バックドロップだ!』
「これしきの技、順逆自在の術!」
ずだぁん
ザ・ニンジャの術で、瞬時に二人の体勢が入れ替わった。
「のわぁ!」
『なんと! 逆にキン肉マンがバックドロップをかけられた!! 悪魔六騎士ザ・ニンジャ! まさに忍者らしい技を使っております!』
「ふふふ、拙者の忍術はお前のような豚男には到底破れるものではないわ」
「誰が豚男じゃ! デカプリオと呼んで貰いたいものじゃ!」
『キン肉マン! 今度はザ・ニンジャにコブラツイストだ!』
「駄目です王子! うかつに技を出しては破られるだけですよ!」
「馬鹿な奴め、順逆自在の術!」
がきぃ
『またもザ・ニンジャ! キン肉マンの技を返しました! 今度はキン肉マンが逆にコブラツイストをかけられています!!』
「王子! 強力な技を出さないようにしてください! ザ・ニンジャに返されてしまいます!」
「そんなこといっても弱い技で勝てるわけないだろうがっ! くそっ! まるでジェシーメイビアと闘った時のようなやりにくさだ!」
ジェシー・メイビア戦か……そうだ!
「キン肉マン! どうせ技をくらっても返されるんだ! いっそのことそのまま相手の技をくらっておいた方がいいぜ!!」
「何を言うんだカナディアンマン! そんなことしたら負けるではないか! このままコブラツイストをくらったままでは私の関節が壊れてしまう! 一刻も早く脱出を……そうか、そういうことか!」
ばたん
『キン肉マン! わざと後方にバランスを崩し、ザ・ニンジャを背中からのしかかりだ! キン肉マンがコブラツイストから脱出した!!』
「カナディアンマン、感謝するぜ。技が返されるなら相手の技をくらった上で返せばいいまでよ! ジェシー・メイビアとの闘いでもそうやって勝った!」
「はっはっは、素人考えだぜそれは。ではこの技を返してみな」
サッ バーン バーン バーン
『ザ・ニンジャ! 瞬時にリングロープをキン肉マンの首にひっかけた、続けて一本、また一本とキン肉マンの体にリングロープをひっかけていく!』
「王子! 早く逃げて下さい!」
「そ、そんなこといっても体が動かないのだ!」
バァァン
『ザ・ニンジャ! 全てのリングロープをキン肉マンにひっかけた!! まるで蜘蛛の巣にかかった蝶のようにキン肉マンの体がリング中央に固定された――――っ!!』
「忍法クモ糸縛り!」
「のわぁ~~~~っ!! 苦しい!!」
「キン肉マンよ、やがてお前の体は耐えきれなくなり、リングのロープによってばらばらとなるのだ!」
「そんなの嫌じゃあ~~誰か助けて~~!!」
「しかしそれだけでは面白くない。そこで拙者が楽しいショーを見せてやろう」
グワ ボッ ボッ
『あ――――っと! ザ・ニンジャの口から火の玉が飛び出した――――っ!!』
「こんなことして一体何のつもりじゃい!」
「そうか!」
ミート君が炎天下での動物の皮のしばり首、ロープが蛇の皮で出来ていること、焦熱地獄の内容を瞬時に理解し説明した。
「ふふふ、そこのめがね坊主は賢いようだな」
『火の玉がますますキン肉マンの体をよりきつくしめつけています!!』
あの火の玉キン肉マンに直接ぶつけた方がダメージになるんじゃね? いや、そんなツッコミはさておきとしておこう。
この状態はまずいぞ! かつてあの技から抜け出したブロッケンJrは順逆自在の術を真似るという器用さを見せ付けた。カラスマンはニンジャ同様の技を使ってあの技から脱出した。しかし、キン肉マンではそういった事は出来ないだろう。キン肉マンがパワー全開にして力尽くでリングロープ引きちぎったりって出来ねえかな……何か刃物でもあればたやすく脱出できるんだが……あっ!
「ようキン肉マン! お前の頭についているのは飾りか! 鶏のとさか的な物か!」
「何を言うんだカナディアンマン! 私の頭のこれは怪獣退治のためにだな……!!」
キン肉マンがはっとした表情になった。すぐに手を力尽くで動かして、自分の頭に持って行こうとする。
「はっはっは! もがけばもがくほどよりロープが体にくいこむぞ!」
「私の狙いは、これだ――――っ!!」
キン肉マンが頭のキン肉カッターをとった。
「そうか! それがあった! 僕もすっかり忘れていました!」
「そりゃあ――っ!! ウルドラセブン並の切れ味をとくとみよ!!」
スパン スパン スパン
『キン肉マン! 自身のキン肉カッターを用いてリングロープを切断し忍法クモ糸縛りから脱出した――――っ!』
「くそっ、お前に関しては原作コミックを読んで十分に研究したが、そいつを出すとは思いもしなかったぜ!」
「助かったぜカナディアンマン、私もミートもすっかり忘れていたよ。こいつを使うのはシシカバ・ブーの時以来だったな」
俺も咄嗟によく気付けたもんだぜ。そういえばシシカバ・ブー戦でもキン肉カッター使っていたな……なにげにシシカバ・ブーって48の殺人技を覚えたキン肉マンを破っているし、実は強いんじゃ……さっき名前だけ出たウルドラマンも版権の都合で厳しいけど超人オリンピック二大会連続ファイナリストだし実力はありそうなんだよな…二人とも助っ人に来てくれないもんかなぁ……。
「ようし! フライングボディアタック!!」
「やれやれ拙者がまた順逆自在の術を使うとでも思ったのか?」
ずぼぉ
『ザ・ニンジャ! フライングボディアタックをしかけるキン肉マンに対しボディーへのアッパーでカウンターだ!!』
「ぐはぁ! 腹が!!」
「順逆自在の術を使うとでも思って破りやすい技を使ったのだろうが、だったらそれを逆に利用するまでよ。さて、この辺でまた新たな忍術をお見せしようか! 転所自在の術!」
バサ
『ザ・ニンジャ! 着物をキャンバスに広げ、なんとマットを水面にしました!! さらに黒帯もマットに沈め、どす黒い液体にした!!』
ばしゃあ
「のわぁ! 本当にリングが水面になったぁ! 私はかなづちなんだ! 助けて――――っ!!
「安心しろキン肉マンよ、足をつけるぐらいの深さだ。お前を溺死なんてつまらない死に方をさせるわけがないだろう」
「あっ、本当だ。驚かせやがってもう! でもなんじゃ、いやにどろどろしているし変な匂いもするな」
「王子! それは重油です!」
「そう、重油だ、これより焦熱地獄パート2をお見せしよう!!
ボァァ
『ザ・ニンジャ! またも口から火の玉を吐き出した! リングが一面が火の海と化しキン肉マンに襲いかかった――――っ!!』
「のわぁ! あっちっち! 死んでしまう!」
「王子! 早く脱出しないと死んでしまいますよ!」
「そんなこと言ったって、うわぁ~~!! 誰か助けて~~!!」
またこのパターンか!! う~~ん、原作だったらブロッケンJrがウォーズマンの肺を破壊して風を起こしたが、この状態で風をおこすなんてできねえし……あっ! 風なら起こせる!
「キン肉マン! 風林火山だ! 風林火山を出せ!!」
「ばかもん! 今はザ・ニンジャに技をかけられる状態ではない!」
「王子! カナディアンマンの言うとおりにしてください! 一人で風林火山をやってください!」
「一人で? そうか! 速きこと風の如く!」
キン肉マンが重油内で素早く動きまわる。
『キン肉マン! リング内を素早く動き回る! 竜巻が発生し、徐々に巨大なものになっていくぞ!』
「なにっ! 竜巻だと!? まずいっ!」
「もう遅い! くらえ! 灼熱地獄返し!!」
『キン肉マン! 竜巻を操りザ・ニンジャに炎をかぶせた!!』
ゴオオオ
「ハハハハ! 拙者は不死身よ、これしきの炎なんてことはないわ!!」
『なんと! ザ・ニンジャ! 燃えさかる炎に包まれて平然としています!!』
「そ、そんな!?」
「焦熱地獄の仕上げはこれだ! 転所自在の術!」
バサッ
『ザ・ニンジャ! またもリングを変えました! 今度は火山の俯瞰図だ――――っ!!』
「のわぁ~~っ!!」
『キン肉マン! 火口へと真っ逆さまだ! いや、かろうじて火口途中の崖につかまっています!』
「ちっ、しぶとい奴め」
ザ・ニンジャが重油の残りを火口に流した。
「おいやめろ! それでは私の手が滑って落ちてしまうではないか!!」
「なんとでもいえ、悪魔超人は勝つことが全てだ!」
あれ落ちても大丈夫っちゃ大丈夫だけど、先手はうっておくか。
「ウルフマン! 今動けるか! キン肉マンが火口に落ちたらジャンクマンの死体に真上に落ちて串刺しになる可能性が高い!! すぐにジャンクマンを別の場所に退避させてくれ!!」
「ほう、あの火口がここにつながるとはな……お安いご用だぜカナディアンマン!」
ウルフマンがジャンクマンをリングの外に動かしてくれた。これで串刺しは避けられる!
「カナディアンマンという男、まさかこの火口の先を見抜くとは!? こうなったら予定変更だ!」
『ザ・ニンジャ! 自身も火口に飛び込んだ!! そしてキン肉マン事ひきずりおろすぞ!』
「どういうつもりじゃ貴様!」
「なぁに、すぐに分かるさ!」
『二人とも火口の最深部へと落ちていった――――っ!!』
「お、王子――――っ!!」
どたっ どたっ
「いたたた、変なところに落ちたな、ここはどこじゃ?」
キン肉マンが見回すと二人の超人が闘っていた。
「バッファローマンにサンシャイン!?」
『あ――――っと! 突然サンシャインとバッファローマンの闘うリングにザ・ニンジャとキン肉マンが落ちてきた――――っ!!』
「こりゃあ一体どうすれば……」
バッファローマンも困惑の表情を見せてる。
「サンシャイン、どうやらお前の方もなかなか決着がつかんようだな」
「グォッフォッフォ、ザ・ニンジャ、お前もそのようだな。気のせいかどうも試合が動かなくてな」
「ならば話が早い。キン肉マン! バッファローマン! これよりシングルマッチからタッグマッチへの変更を提案する!! つまり、拙者とサンシャイン、キン肉マンとバッファローマンのタッグで闘うのだ!!」
牛と肉のドリームコンビ結成!?