キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~   作:やきたまご

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正悪最強の二人が組んだ!!


波乱のタッグマッチ!!の巻

『なんと悪魔六騎士側からまさかの提案だ――――っ!! これが実現すればまさかのキン肉マンとバッファローマンの正悪最強コンビが生誕だ――――っ!!』

 

「いいぞいいぞ!! 俺達はそういうのが見たいんだ!!」

 

「悪魔超人達も良い提案するじゃねえか!!」

 

 アナウンサーの煽りで観客も大いに盛り上がる。

 その様子を見たサンシャインとザ・ニンジャが怪しげに笑っていた。

 

「ラッキー♪ バッファローマンと組めば楽勝じゃわい!! 悪魔六騎士よ、その提案乗ったぜ!!」

 

「キン肉マン、お前なら乗ってくれると思ったぜ」

 

『決まりました!! ただいまより、サンシャイン&ザ・ニンジャの変幻自在のデビルタッグとバッファローマン&キン肉マンの最強牛肉コンビのタッグマッチを始めます!!』

 

(ど、どうなるんだこの闘い、俺も一キン肉マンファンとしてこの二人のタッグは見てみたいが、今のバッファローマンは完全に正義超人ではない、裏切りによって3VS1の闘いになることも考えられる。ならば俺はすぐにあの二人のもとへかけつけよう!!)

 

カーン

 

『さあ悪魔六騎士との闘いも大詰め、ファイナルは誰もが全く展開の読めないタッグマッチとなりました!! まずは悪魔超人の先手はサンシャインのようです!!』

 

「グォッフォフォ、バッファローマンよ、好機(チャンス)だ、今なら容易に正義超人最強の男をあの世へ送れるぞ!!」

 

「何を言っておるのだあの砂男は?」

 

「キン肉マン、つくづくお前は間抜けな奴だぜ」

 

ぐいっ

 

『バッファローマン!! いきなりキン肉マンを持ち上げてサンシャインに投げつけた!!』

 

「バ、バッファローマン!! 裏切ったのか!?」

 

「勘違いするなよキン肉マン、俺は一度たりとも正義超人を味方と思ったことはないからな」

 

どがっ

 

『サンシャイン!! 巨大な右腕のラリアートで飛ばされたキン肉マンをはじき返した!!』

 

「ごはっ!! なんというパワーなんじゃあの砂男!!」

 

「グォッフォッフォ、バッファローマンよ、このまま仲良くドッジボールでもしようか」

 

『キン肉マンが飛ばされた先には、またもバッファローマンがいるぞ!! バッファローマン!! ハリケーンミキサーの構えに入った!!』

 

 この時、キン肉マンとバッファローマンの間でわずかな瞬間のアイコンタクトがあった。

 

「ハリケーンミキサー!!」

 

『キン肉マン!! 勢いよく回転しながらまたもはじき飛ばされた!!』

 

「ありがてえ、この威力を使わせて貰うぜ!!」

 

 キン肉マンは回転しながらも肉のカーテンの構えをとり、サンシャインに頭からつっこむ体勢となった。

 

「い、いかん!!」

 

「遅いぜ!! くらえ、火事場の牛肉大砲!!」

 

ズン

 

『これは凄い!! バッファローマンのハリケーンミキサーとキン肉マンの肉のカーテンが合わさり凄まじい威力の大砲となった――――っ!! サンシャインの巨体がリング外まで吹っ飛んだ――――っ!!』

 

ずしぃん

 

「サ、サンシャイン、大丈夫か? バッファローマン!! お主どういうつもりだ!!」

 

「どうもこうもねえ、悪魔の教えに従ってお前達を騙しただけさ。確かに俺の最終目標は正義超人最強のキン肉マンを倒すことだが、俺にも勝ち方の美学ってのがあるのよ」

 

「まったくもうバッファローマン驚かせおってからに」

 

 キン肉マンが緩んだ顔をしてバッファローマンに近づくが、バッファローマンの表情は悪い笑みである。

 

「勘違いするなよ。たまたま同じ敵がいるから、組んでいるだけだ。お前と協力するのはこの試合が最初で最後だ」

 

ぱん

 

『バッファローマン、タッチをしてキン肉マンと変わりました!! 』

 

「バッファローマンよ、貴様には裏切りの礼をせんとな」

 

『あ――――っと!! サンシャインの身体が砂となり、何やら球体のような形となりました!!』

 

 すかさず、球体となったサンシャインの上にザ・ニンジャが乗っかった。

 

「地獄の玉乗りショー!!」

 

ドドドドド

 

『ザ・ニンジャ!! まるでサーカス団員のごとく器用に球体となったサンシャインで玉乗りだ!!』

 

「面白え!!」

 

『バッファローマン!! なんと正面から巨大な球体を受け止める気か!!』

 

がしぃん

 

『バッファローマン!! なんとか受け止めたが、球体の勢いが止まらない!! このままではコーナーポストの鉄柱に激突だ――――っ!!』

 

「バッファローマンよ!! 私がいることも忘れるなよ!!」

 

『キン肉マン、バッファローマンの背後に回り込み、その背中を支えた!!』

 

ずずずずず

 

『止めました!! キン肉マンのサポートでバッファローマンが救われました!!』

 

「馬鹿め、それが狙いだ!!」

 

『サンシャインまたも砂となり、なんとキン肉マンとバッファローマンに覆い被さった!!』

 

「のわ~~っ!!」

 

「しまった!!」

 

『あ――――っと!! サンシャイン、キン肉マンとバッファローマンを体内に取り込んでしまった――――っ!!』

 

「グォッフォッフォ、キン肉マンよ、お前なら確実にくると思っていたさ。おかげで楽に二人同時に閉じ込めることができたぞ」

 

「バッファローマン、お主の言っていた裏切りという考えは正解だったようだな。現に、正義超人が裏切りの反対のことをやって今のピンチを招いているのだからな」

 

 一方、砂の中でのキン肉マンとバッファローマンの状況。

 

(く、苦しい、息が出来ん、身体も動かせん、このままでは窒息死してしまう!! ザ・ニンジャの言うとおり、私のサポートでこんなことになってしまったのか……)

 

(馬鹿野郎、今のザ・ニンジャの言葉は俺とお前のチームワークをつぶすための言葉だ!! てめえが足を引っ張ったのは事実だが、気に病む前に、この状況からの脱出法法を一緒に考えやがれってんだ!!)

 

(そんなこと言ったって、身体を動かせないし、どうすれば……そうか、バッファローマンよ、私の呼吸に合わせてくれないか!!)

 

(待っていたぜ、お前の土壇場でのその対応力!!)

 

『さぁ、キン肉マンとバッファローマンが閉じ込められてから大分時間が経ちました!! このままでは二人とも窒息死してしまいます!!』

 

「グォッフォフォ、あともう少しで二人の死体が拝め、っ!?」

 

ばきっ

 

 サンシャインが突然ザ・ニンジャを殴りつけた。

 

「サンシャイン、いきなりなにをするか!! 親しき仲にも礼儀ありだぞ!!」

 

「わ、分からねえ、身体が勝手に動き出しやがって」

 

がしっ

 

『どうしたことだこれは!! サンシャインが味方のザ・ニンジャに攻撃をしているぞ!! 今度はカナディアンバックブリーカーにとらえた!!』

 

「いい加減にしろ!!」

 

ばきっ

 

『ザ・ニンジャ!! 技から脱出し、重さとスピードの乗った延髄蹴りをサンシャインにくらわした――――っ!!』

 

ずしぃん

 

 サンシャインの巨体が倒れると、その身体が盛り上がっていった。

 

 

ざばぁ

 

『あ――――っ!! キン肉マンとバッファローマンがサンシャインの砂地獄から脱出した――――っ!!』

 

「き、貴様ら!! 一体なにをした!!」

 

 キン肉マンが抜けた顔をしている。

 

「んんと、何とか脱出した感じじゃのう」

 

「このアホな豚の代わり俺が説明しよう。サンシャインの体内で身体を動かせないと思っていたが、厳密には俺達の動きに合わせて砂が移動していて身体を動かせない状況と錯覚していたんだ。外から見ればそれはサンシャインが動いている状態となる」

 

 セコンドにいたミート君がなにかわかったような表情をした。

 

「そうか、電車内の人は止まっているように思えても実際には電車と同じ速さで動いている、力学で言う相対速度のことですね!!」

 

「ソーダソフト? 良く分からんが旨そうなお菓子じゃのう」

 

 バッファローマンがまわりを気にせずに説明を続けた。

 

「だが、サンシャインのパワーでは俺だけが身体を動かそうとしても思う通りにいかなかった。そこでこいつと一緒に呼吸を合わせて同じ動きをしてサンシャインを動かしたというわけさ」

 

「しまった!! そうとは知らずにサンシャイン!!」

 

 サンシャインが起き上がり、ザ・ニンジャを睨み付ける。

 

「ザ・ニンジャよ、お互いにシングルマッチとしてやったほうが上手く闘えそうだな」

 

 険悪なムードになった二人に対し、真逆の二人もいた。

 

「一時はどうなるかと思ったが、お前とのタッグなかなかに楽しめそうだな」

 

「ああ、私もな」

 

 キン肉マンとバッファローマンが互いに片腕を触れ合わせて意気投合の意思を見せた。




まだまだ読めぬこの戦い!!

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