キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
早すぎる悪魔襲来の巻!!
第20回超人オリンピックからしばらくの月日がたった。俺は原作を尊重し、しばらくは展開には手を出さないことにしていた。その間、スペシャルマンと共にトレーニングに励んでいた。
「カナディアンマ~ン! これ見てよ~!」
スペシャルマンが慌てて持ってきたのは手紙であった。俺にはその手紙の内容が分かっていた。
「第21回超人オリンピックの知らせだな」
「その通り! 流石だねカナディアンマン!」
第21回超人オリンピックにおいて、原作ではカナディアンマンはファイナリストに残れなかった。新幹線飛ばしは小倉まで飛ばして問題なかったから、恐らくスケートの競技で脱落したのだろう。
「原作で俺が脱落した理由が分かるまたとない機会だな。まあ肉ファンにとっては『どうせウォーズマンあたりにやられたんやろ(笑)』と適当に予想されるとこだとは思うが」
そして、第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイトの日がやって来た。原作とは違う部分がいくつかあった。
「カナディアンマン、お互い決勝まで残れるといいな」
そう言ってくれたのはロビンマスクだった。この世界ではロビンマスクに対する扱いは優しく、やさぐれることもなかったようだ。まあキン肉マンとのグランドキャニオンでの再戦のエピソードがカットされたのは残念だが、ロビンマスクがこの大会に万全の状態で参加したら、原作よりもかなりの波乱が起きそうだ。
「カナディアンマン、僕の分も頑張ってね!」
「分かったぜスペシャルマン! 今回こそベルトを手にしてやるぜ!」
さほど原作の流れに影響は無いと思うが、スペシャルマンは足の怪我を機に引退を決意した。だからこの大会には出ないが、今後は俺のサポートに専念し、セコンドにつく予定だ。でもそうなると、タッグ戦ではビッグボンバーズ組めないよなぁ。まあ先のことは後で考えるとしよう。
「コーホーコーホー」
一番読めないデンジャラスな存在がいる。ウォーズマンだ。俺が原作から外れたルートを作り出したせいでウォーズマンはこの世界ではロビンマスクの弟子となっていない。でも、短編集で見た話で、確かソ連でかなり鍛えられていたみたいだから、油断は出来ない。
遂に競技が始まった。超人ふるい落とし、恐怖の火炎地獄・50メートル力泳・恐怖の新幹線アタック競技と俺は問題なくクリアしてきた。
ただし、ちょっと原作から外れたストーリーとなっていた。ロビンマスクとテリーマンが死のハイロード 50km耐久ローラーゲームに残ったことだ。俺が原作を変えた影響で、スペシャルマンが参加しなかった分原作より順位が一人分繰り上げになったこと、さらにタイルマンが新幹線を飛ばしたタイミングに限って子犬がいたようで、もちろんそれをかばって原作のテリーマンのように失格になったようだ。
さて、死のハイロード 50km耐久ローラーゲームの時がやって来た。さて、俺をここで密かに脱落させる存在は一体何者なのか? そんなことがどうでも良くなる大事件が起きてしまった。
「コポコポ~! 絶好調だぜ~!!」
『ティーパックマン! 予想以上の快走を見せる! このまま一位でゴールか――――――っ!!』
ティーパックマンがゴールまでもうすぐのところであった。空から超人が一人ふってきたのだ。
ガシャン
「コポ!?」
ティーパックマンは顔を機械で挟まれる感触を感じた。
「ケケケ~!!」
『なんだこの超人は~~~~~~っ!! どっから現れたんだ~~~~~~っ!!』
実況とともにモニターにその超人が誰か映し出された。その超人の姿を見てぴんときたのは俺ことカナディアンマンだけであった。
「ステカセキング!? なんでこんな場面で登場するんだ!? 早すぎるだろ!?」
「素晴らしいミュージックを聴かせてやるぜ~~~っ!!」
ばばばーん♪
「コパァ――――――ッ!?」
ティーパックマンが大音量の音楽に苦しみ、やがて顔面にヒビが入った。
ぱりりーん
ティーパックマンの顔面のティーカップが、あまりにも巨大な音の衝撃により、粉砕された。頭からこぼれた紅茶がまるで頭部の血のようだ。ティーパックマンは息絶えたのだ。
「きゃー―――――っ!!」
「うわぁ――――――っ!!」
観客が慌てだした。そりゃあ無理もない。こんな惨状見せられたらたまったもんじゃあない。
そして惨劇はこれだけではなかった。
がしゃん
「な、なんだ!?」
ベンキマンの頭上から何かがふってきて、それが身体に巻き付いたのだ。
「ケケケ-! デビルトムボーイ!!」
ぎしぃ ぎしぃ ぎしぃ
『またも謎の超人が出現したー―――――ッ!! 今度はベンキマンがバネのような身体をした超人に締めつけられている――――――っ!!』
「うぎゃあああ!!!」
ベンキマンが断末魔の悲鳴をあげた。
ぐわしゃあ
スプリングマンによって、ベンキマンの身体はバラバラにされ、あの世へ送られた。
そして、ファイナリストに残ろうと必死で走っている最中のキングコブラに影が落ちてきた。
「影? なぜに?」
キングコブラが真上を見て、影の正体に気付いた。
「気付くのが遅いぜ~! 魔雲天ドロップ!!」
「うわあああ!!!」
どぉすん
キングコブラは魔雲天の巨体により押しつぶされ即死した。
「ひひひぃ~~~っ!!」
ウォッチマンが会場から逃げだそうとしていた。
「ケケケ~! 逃がさないぜ~! ウォーターマグナム!!」
ばしゃあああ
ウォッチマンに対しどこからか大量の放水がなされた。その犯人はアトランティスであった。
「や、やめろ!! 俺の精密ボディが――――――っ!!」
当然機械で出来たウォッチマンは水に弱く、みるみるうちに故障していった。
「い、いかん! 早くこの騒動を収めなくては!!」
スカイマンが襲ってくる悪魔超人に備えて臨戦態勢をとった。
「マキマキ~!!」
スカイマンの目の前に現れたのはミスターカーメンだった。
「お前ら! ここを何処だと思っているんだ!!」
「何処だと? それはもちろん正義超人を抹殺する場に決まっているだろ~~!! カルトゥーシュ・ストロー!!」
ぶす
「ぐわぁ! ストローだと!?」
「そうだ! これで貴様の水分を吸い尽くすのだ!!」
ちゅー ちゅー ちゅー
「あああ……」
スカイマンはすぐにミイラのような状態となり倒れてしまった。
「許せん! 許せんぞ――――――っ!!」
カレクックはスカイマンの死によって、その顔は憎悪と怒りに満ちあふれていた。
「カカカーッ!!」
ブラックホールがカレクックの前に現れた。
「オールスパイスシールド!!」
カレクックがブラックホールに激辛カレーを投げつけた。しかし、ブラックホールは顔の穴を大きくして全てかわした。
「なっ、顔が変形しただと!?」
「カーカカカ、そんな子供のお遊び技でよくもまあ残虐超人と名乗れたものだ」
ブラックホールの影が分裂し、複数体に分かれ、さらにマントが鋭利な刃物に変化した。
「セパレートシャドウからの赤き死のマント!!」
スパ スパ スパ スパ
複数体のブラックホールがカレクックを襲い、身体の全身を切り刻んだ。
「ぐわあああ!!」
「苦しかろう、楽にしてやるぜ」
スパン
カレクックの首は切られ、ごろりと頭が転がった。
「ば、馬鹿な! 七人の悪魔超人は超人ホイホイに閉じ込められていたはずだ!!」
ずしん
俺の後ろに巨体の男が降り立った。ここまでの展開からしてまだ姿を現していない悪魔超人に違いない。後ろを見なくてもその漢がいかに強いかを感じ取ることが出来た。
「バ、バッファローマン……」
「ほう、俺様の名前を知っていたとは光栄だな~!」
カナディアンマン人生、最大の絶体絶命の危機が訪れた。
楓の熱闘にご期待ください!!