キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
俺の目の前にいるバッファローマンは恐ろしい男だ。闘うのは利口ではない。逃げの行為をとって、国辱と言われても死ぬよりかはましだ。
「あんたがえらく強く事はよく知っている。だからこそ俺みたいな雑魚よりもチャンピオンのキン肉マンを相手にした方が良いんじゃないのか?」
「くっくっく、確かにお前はいかにも弱そうだ。だがな、俺のカンがどうにもひっかかってな。お前とは一度闘うべきだと思っている」
げぇ――――――っ!! なんだよそのカン!! まさか俺が転生者だとか、俺の中に目覚めたクソ力とかに何となく気付いているのか!? 流石バッファローマンと言いたいところだが、俺が闘いたくないという意思を尊重してくれ――――――っ!! つうかまさかこれが原作でカナディアンマンが予選で脱落した理由じゃねえだろうな!!
「待ったっ!!」
俺とバッファローマンを遮るように一人の超人が降り立った。それは俺がよく知る超人だった。
「スペシャルマン!?」
「これ以上超人オリンピックを荒らされてたまるか!!」
「しかしお前は義足の身だ!! とても闘える状態じゃない!!」
「君は最終予選に残った男、僕は参加すらしてない男、ならば僕が優先してこの悪魔を止めなきゃいけないだろ!!」
スペシャルマンがバッファローマンに突っ込んでいった。
「フットボールタックル!!」
どごぉぉん
フットボールタックルはバッファローマンにまともに命中した。しかし、当のバッファローマンは顔色一つ変えていなかった。
「まったく効かねえなぁ」
がしっ
バッファローマンはスペシャルマンの顔面を右手でつかみ、そのまま持ち上げた。スペシャルマンの顔面に強い握力がかかる。
みしし
「ぐあああ!!」
「スペシャルマン!!」
「俺様に刃向かったからにはそれ相応の対応をしてやんねえとな! ネックジャイアントスイング!!」
ミス ミス ミス ミス ミス
バッファローマンはスペシャルマンの顔面を両手で掴んだまま、変形型のジャイアントスイングを行った。
「こんな技原作でも見たことねえ! バッファローマンのやつ何をする気だ?」
「うぎゃあああ!!」
スペシャルマンの悲痛な叫び声で俺は恐ろしい結末を理解した。
「やめろおおお!!!」
ぶちぃ
ジャイアントスイングの遠心力により、スペシャルマンの首から下がもげた。
ごろろろ
首のとれたスペシャルマンの身体が転がった。首の部分から大量の出血が見られる。
「そうれ、プレゼントだ!」
ひゅん
俺がとっさに受け止めたのはスペシャルマンの首だった。
「スペシャルマン……」
ぽろ ぽろ ぽろ
友の残酷な死を間近に見て、悲しみから条件反射的に大粒の涙が出てきた。そしてすぐに怒りの感情がこみあげてきた。
「許せねえ!! バッファローマン!! 刺し違えてでもお前をぶっ殺す!!」
それまでじゃ――――――っ!!
ハラボテ委員長の大きな怒号が鳴り響いた。ようやくこの非常事態に超人委員会が動いたのだ。モニターにハラボテの顔が写る。
「悪魔超人共よ! なぜお前らがここにいるのだ!! 宇宙の超人ホイホイに閉じ込められていたはずだ!!」
バッファローマンが代表して応答した。
「なぁに、キン肉マンという超人のおかげで出られたのさ」
「なんじゃと!! こりゃあスグル!! お前はいつから悪魔超人の味方になったんじゃ!!」
キン肉真弓がここまでシリアスな空気を壊すように現れた。
「ちょっと待てい!! こいつらに関しては私は一切知らんぞ!!」
キン肉マンもキン肉真弓同様の雰囲気であった。
「まあ知らんのも無理ない。キン肉マンよ、いつぞやか超人を一体宇宙にぶん投げたそうじゃないか」
バッファローマンの言葉に、キン肉マンははっとした。
「まさか、私がハワイで使った48の殺人技の一つ、宇宙旅行か!?」
「そう、お前のその技で投げた超人がちょうど超人ホイホイの脱出のスイッチを押したのさ」
え――――――っ!? そんな展開ありかよ!! 確か原作だと、超人オリンピック終了後に、いかにも怪力ありそうなブス女がキン肉マンをぶん投げて、キン肉マンが超人ホイホイに当たったからだよな。
「なるほど、これは真弓君の愚息が責任をとらないといけないようじゃな」
ハラボテの言った一言にキン肉マンが反応した。
「なにを無責任な事をいっているんじゃい! 他人事だと思ってからに!! 私はこんな恐ろしい奴とは闘わんぞ! それにまだ超人オリンピックの最中だし!!」
「そうか、ならば闘う理由を作ってやろうか」
「うわぁ――――――っ!!」
ミートの悲鳴が聞こえた。いつのまにかアトランティスがミートを捕まえていた。
「ケーケケケ、バッファローマンよ、いくぜ!!」
ひゅううん
アトランティスがミートをバッファローマンに向けてなげつけた。
「そうらぁ!」
バッファローマンがミートに向かって頭突きをした。
DAAN
ミート君の身体がバラバラになり、7人の悪魔超人にミート君のボディーパーツが行き渡った。
「ミート!!!」
「心配するな、10日以内に我々7人を倒し、ボディーパーツを組み合わせれば元に戻る。キン肉マン、これでお前も闘わざるを得なくなったな」
「ミートは私にとって弟のようなものだ……例え無茶でもこの勝負受けてやるわい!!」
いい加減にせんか――――――っ!!
ハラボテ委員長の怒鳴り声が響いた。
「超人委員会を置いてけぼりで話をすすめるんじゃない! この超人オリンピック、本来ならお前達悪魔超人に参加資格はない!! しかし、このまま閉め出して納得のいくお前らでもあるまい!」
「分かっているじゃねえか」
「そこでじゃ、決勝戦はお前らを含めた正義7VS悪魔7の対抗戦マッチを提案する!! この対抗戦で最終的に勝ち残った者が超人オリンピックのチャンピオンとする!! もしもどちらかの団体だけが複数人勝ち残った場合、その中でチャンピオンを決める者とする!!」
ハラボテ委員長の発表に会場がどよめいた。
「ただな、7人も勇気のある正義超人が出るもんか……」
悪魔超人による惨事を見たせいで、ためらいの態度をとる正義超人は多かった。だからここは漢気を見せる時だと俺は思った。
「委員長よ、少なくとも俺とキン肉マンの2人は参加させて貰うぜ!」
「待てよカナディアンマン! お前達だけに良い格好はさせないぜ!!」
いつの間にかテリーマン、ラーメンマン、ロビンマスク、ウルフマンといった正義超人がそろい、条件を満たす人数となっていた。
ブロッケンJr.とペンタゴンの姿がなく疑問に思ったが、どうやらウォーズマンによって惨殺されていたようである。この当時のウォーズマンならやりかねんな……。原作では惨殺される役目、もしかして俺だったりして……
「決まったな。後日、互いに不平等がないようにコンピューターを用いた抽選会を行う!」
改めて、とんでもないことになってきたなと思う。しかし、もう止めるわけにも逃げるわけにもいかない。俺はなんとしてもスペシャルマンの仇を討ちたいからだ!!
抽選結果の発表の日、とんでもない試合の組み合わせが発表された。
ラーメンマンVSアトランティス
ロビンマスクVSブラックホール
キン肉マンVSスプリングマン
テリーマンVSステカセキング
ウォーズマンVSミスターカーメン
カナディアンマンVSバッファローマン
ウルフマンVS魔雲天
衝撃の組み合わせ!!