キン肉マン~転生したらカナディアンマンだった件~ 作:やきたまご
「テリーマン……」
テリーマンの姿に一番ショックを受けていたのはキン肉マンであった。もうテリーマンが闘える状態ではないと、誰もが分かる状態であった。
カン カン カン カン
『テリーマン! 惜しくも負けてしまいました!! ステカセキングKOまであと一歩のところで逆転されてしまいました!!』
「ケ~ケケケ、アイドル超人といっても大したことはなかったぜ!」
鳥取砂丘で闘うキン肉マンはショックで放心状態だ、
「おい! よそ見している暇があるのか!」
ドガァ
「ふんぎゃ!」
『スプリングマン! 隙だらけのキン肉マンにドロップキックだ!』
「この調子じゃあ二勝目もすぐにあげちまいそうだぜ」
キン肉マンの動揺も無理ない。俺だってステカセキングから悪魔将軍が飛び出してくるなんて予想だにしてなかった。
「お前もよそ見しているんじゃねえぞ!」
ばきぃん
『バッファローマン! カナディアンマンを豪快な右フックでぶっとばした!!』
「なんて重い一撃だ……流石は1000万パワーを誇る男だぜ……」
『あ――――――っ!! テリーマンの敗北の影響か! 正義超人軍全体の士気が弱まり不利な状態になってきた!! あ、いや、一人平常心を保つ超人がいました!!』
ウォーズマンVSミスターカーメンの行われている北海道UFO発着所で試合に動きが見られた。
「マキマキ~!! ファラオ・カースヘッド!!」
『首だけの状態のミスターカーメンがウォーズマンに襲いかかる!!」
ミスターカーメンはウォーズマンの肩を狙うが、ウォーズマンは巧みにスウェーでディフェンスを行っている。
『ウォーズマン全く動じずにミスターカーメンの猛攻を平然と避けております!!』
「肩が駄目なら、そのマスクを狙ってやろうか―――っ!!」
「コーホー!」
ウォーズマンが一瞬動揺した。ミスターカーメンはその隙を逃さなかった。
「くらえ!」
がぶぅ
『ついにミスターカーメンがウォーズマンの左肩をとらえた――――――っ!! テリーマンに続きウォーズマンも犠牲者となってしまうか――――――っ!!』
しゃきぃん
ウォーズマンが肩を噛まれ、出血しながらも表情を変えずに右手のベアークローを出した。
「コーホー」
ズバァ
ウォーズマンの右手のベアークローがミスターカーメンの顔面をひっかいた。
「マギャアア!!」
『あ――――――っ!! これは残酷!! ウォーズマン!! 悪魔超人相手といえど、これは非道すぎます!! ミスターカーメンもダメージの影響か、顔以外の身体が現れた――――――っ!!』
「よくもわらわの美しい顔を傷つけたな! マキマキ~!!」
ぴかぁん
ミスターカーメンの目が金色に光った。
「コーホー!?」
『どうしたウォーズマン! 身体が固まったかのようにマットに寝転がったぞ――――――っ!!』
「わらわの眼光を浴びると動けなくなってしまうのだよ!! そうらミイラパッケージ!!」
『あ――――――っ!! ウォーズマン!! ミスターカーメンの所持していた大きい布にくるまれていき身動きができない状態となった――――――っ!!』
「マキマキ、これでおわりだ! カルトゥーシュストロー!!」
ぐさっ
『ミスターカーメン! 巨大なストローをウォーズマンがくるまれたミイラパッケージに刺した!!』
チュー チュー チュー チュー
『これはなんという光景だ!! ウォーズマンの体内の水分を吸っているぞ!! 観客席からあまりの光景に倒れる方も多いようです!!』
やがてミイラパッケージが大分しぼみ、ミスターカーメンは勝利を確信した。
「どうれ、ミイラの出来具合はと……これは!?」
ミイラパッケージの中にはレフリーが詰まっていた。
「ま、まさか人間のレフリーを身代わりにするとは! なんて酷い奴だ!!」
ぎゅるるる
奇妙な音を聞いて、ミスターカーメンがその方向を見た。
ぐしゃり
ウォーズマンがスクリュードライバーでミスターカーメンの胸を貫いた。
「ごはぁっ!!!」
ミスターカーメンが血反吐を大量に吐いて倒れた。
『あ――――――っ!! ウォーズマン! レフリーを身代わりにしただけでなく、自身のベアークローでミスターカーメンの心臓を貫いた――――――っ!!』
カン カン カン カン
『決着です! ウォーズマン! 正義超人軍として初勝利! しかし、このリングの血まみれの惨状を見て素直には喜べない状況であります!!』
バッファローマンが田園コロシアムで険しい表情となった。
「俺達の仲間がああも酷い目に遭わされちゃあ、お礼しないわけにはいかねえなぁ~」
他の悪魔超人もバッファローマン同様の気持ちを抱いていた。
一方正義超人達はその惨状を見てとまどっていた。
「あいつを早く止めなければ、あのファイトスタイルでは憎しみしか生まない、奴が本当にひとりぼっちになってしまう前に……」
秩父山地のウルフマンVS魔雲天の試合に動きが見えた。
『さあ始まりましたウルフマンVS魔雲天!! ウルフマン! 早くも張り手の嵐を浴びせていく――――――っ!!』
ばしん ばしん ばしん ばしん
「げヘヘ、これが超人横綱の張り手か!」
がしっ!
『魔雲天! ウルフマンの右手を掴んだ!』
「ぐっ!」
ウルフマンが力尽くで手を抜こうとするが抜けない。
「お前も力には自信があるようだが俺も自信があってな~!」
びゅううん
『魔雲天! 一本背負いでウルフマンを投げ飛ばした!』
ウルフマンが宙返りしながら体勢を治しつつ、リングロープの反動を利用して突進していく。
「どすこーい!」
どがぁん
『ウルフマン! 強烈なぶちかまし! 魔雲天の巨体が押されていく!』
ずずずず
「やるじゃねえか!」
がしっ
『魔雲天!! ウルフマンのまわしを両手でつかんだ! そのまま投げ飛ばそうとしているぞ!!』
「そうはいくかよ!!」
がしっ
『ウルフマンも負けじと魔雲天の帯を掴む!! 両者の力と力が真っ向から衝突だ!! 相撲と柔道の武道対決にふさわしい展開になっております!!』
「うおおお!!」
『ウルフマン! 力を入れて魔雲天の巨体を揺らして投げ飛ばそうとしている!!』
魔雲天は身体を揺らされながらも足の踏ん張りを忘れなかった。
「ぬおおお!!」
『魔雲天も負けじとウルフマンを投げ飛ばそうとします!!』
魔雲天は自身の身体を後ろに倒しながらウルフマンを投げ飛ばした。
ぶぉおん
『魔雲天! 巴投げです! ウルフマンを空中に投げ飛ばした!!』
「これだけじゃあ終わらないぜ!!」
『魔雲天宙高くジャンプし、ウルフマンの後を追い、そしてウルフマンの胴体を掴む! そしてこれはバックドロップの体勢にとらえたか!!』
「違うな、こいつの横綱のプライドをたたきのめすにふさわしい技だ!! 魔雲天居反り投げ!!」
どごぉぉぉん
「ぐわぁっ!!」
『決まった――――――っ!! 宙高くからの居反り投げ! 魔雲天の巨体の重さが載った分相当のダメージのはずです!!』
ウルフマンはまだ意識はあるが、立ち上がれない状態である。
「なかなか頑丈な身体をしているようだが、これでけりをつけてやるぜ!」
『魔雲天! コーナーポストに上がり立ち上がった!! 一体なにをする気だ――――――っ!!』
「ミスターカーメン! お前の墓にそえる花をつくってやるぜ。ただし超人の押し花だけどな!」
『魔雲天! 巨体を活かしてウルフマンにフライングボディアタックだ!!』
「魔雲天ドロップ!!」
「ぬわああ!!」
どぉぉぉん
ウルフマンの悲鳴が魔雲天の巨体で遮られた。
『強烈なフライングボディアタックが決まってしまった!! 魔雲天の巨体の下敷きになってしまったウルフマン、残念ながら絶命の可能性が高いでしょう』
惨殺の運命から逃れられないか!!