帰ってきた百獣戦隊ガオレンジャー 19YEARS AFTER 伝説を継ぎし者 作:竜の蹄
「ククク……遂に出しおったか、闇の精霊王を……」
遠方の崖から、ガオレンジャー達の戦いを見守っていたのは、紫色の戦士ガオネメシスだ。
「ゴーゴめ……兼ねてよりの計略通りだ。九分九厘、計画の遂行に王手を掛けながら、土壇場にてガオレンジャー共が邪魔に入り、ヒヤータを介し渡して置いた闇の精霊王を使う……クク……完璧な迄に計略通りよ」
「私が仕掛けた計略だから、当然ですわ」
ガオネメシスの下に腰を下ろすのは、四鬼士の一角、水のヒヤータ。ゴーゴを敢えての一番槍に仕向けたのも、放水オルグをゴーゴに貸し与えたのも、全てが彼女の描いた絵図だった。
「まさか、この私を顎で使う為だったとは……代償は高くつきましてよ…?」
ヒヤータは不満そうに扇子を閉じる。
「ふ……そう腐るな、ヒヤータ。そもそも貴様達を、テンマに引き合わせたのは俺だ。それを忘れるな?」
ガオネメシスが不敵に言い放つ。ネメシスと四鬼士は裏で繋がっていたのだ。其れを裏付ける様に、焔のメランと影のヤミヤミも姿を表す。
「……よもや、こんな茶番の為に、四鬼士の順列を決める為などと猿芝居を演じさせるとはな……」
メランも気に入らない、と言わんばかりに唸る。ヤミヤミだけが沈黙を貫く。
「あら……ガオゴールドに誰よりも攻撃を仕掛けた貴方が、憤る資格なんかあるのかしら?」
「フン……」
「内輪揉めは止めろ……そもそも、俺が貴様等を招集した理由はただ一つだ……人間共の殲滅だ」
メランとヒヤータを窘めるガオネメシス。其処へ、ヤミヤミは漸く口を開いた。
「テンマ様の命令に背いて迄、か?」
「そもそも、テンマを焚き付け先代のガオレンジャー共を駆逐させ、一度は敗退したオルグ達をテンマと言う旗頭を下に再編成させたのは、全て此の為だ。
一つ、予定外の事態が出たとすれば、ガオゴールドの登場……しかし、奴は其れ程に脅威にはなるまい……俺が危惧しているのは、今は力を奪われているパワーアニマル共を解き放たんとする、ガオの巫女とガオゴッド位だ…」
「千年前に百鬼丸に敗れ、先の戦いではセンキにさえ敗れた''眠れる神''が脅威? 片腹痛いわ」
メランは嘲笑う。彼に言わせれば、ガオゴールドを我が手で倒す事が最優先……ガオゴッドの存在等、眼中にすら見い出して居ない。
「侮りは禁物よ、メラン。腐っても神…ガオゴッドを敵に回せば、何かと面倒ですわ」
「一理ある…」
ガオゴッドを軽く見下すメランに反し、ヒヤータとヤミヤミはある程度の評価を下していた。
「ゴーゴ如きでは、ガオレンジャーには勝てまい…だが、奴はガオレンジャーにある種の変化を齎す。
貴様等は、テンマの下にて指示を待て……特にメラン、貴様はガオゴールドに執着している……余計な真似は慎め?」
「我に命令するな……我は我の思う様にやる」
「元々、私達、四鬼士に結束など皆無……隙あらば、互いに寝首を掻こうと伺っていた…」
「…拙者達は闇に生きる外道者…テンマ様に価値が無くなれば去るのみ…」
そう各々に吐き棄てると、四鬼士は同時に姿を消した。ガオネメシスは、フンと鼻で笑う。
「所詮はオルグ……か。我ばかり強く、どうにもならん……だが、利用価値はある…」
そう言って、ガオネメシスも姿を消した。ガオの戦士でありながら、オルグとパイプを持ち暗躍する……その真意は計り知れなかった。
それと同時に、祈はダム付近に降り立っていた。こころは人の姿に戻り、祈の隣を歩く、
「兄さんは何処に?」
祈は闇が支配する森の中で兄を探した。すると、こころが指をさす。
「あそこよ…」
こころは妙に詳しい様子だ。だが彼女が人ならざる存在だと知った今、驚く理由は祈には無い。あるのは陽の安否だけだ。
「ねェ……」
不意に、こころが尋ねてくる。祈は彼女を見た。
「貴方は、まだ''目を醒まさ無い''の?」
「え?」
藪から棒に何を言い出すんだ? 祈は怪訝な顔になる。
「貴方の中に眠る''力''は何時になったら目を醒ますの、って聞いたの」
「な、何を言ってるか分からないんだけど……」
その言葉に、こころは興が削がれた、とでも言いたげに眼を逸らす。
「気づいていないなら良い。でも、もう運命は動き出している……」
「??」
何やら意味深に呟くこころ……。祈には理解が出来ない。だが、祈は不思議な感覚だ。これ以上に無い迄、現実から逸脱した事態の真っ只中に置かれていると言うのに、奇妙な事に落ち着いている自分に驚いている。そんな彼女の様子を横目で見つめるこころ……彼女は何かを知っている様子だが、敢えて閉口した。
ガオゴールドは新たに現れた敵に驚愕する。姿こそ、精霊王だが全身が漆黒、身体を構成するパワーアニマル達の目は、ギラギラと紅く光っていた。
「あ、あれは⁈」
「ガオキング……百獣の精霊王にして、かつて俺達と共に戦ってくれた戦友だ……」
ガオシルバーは口惜し気に項垂れた。テトムも同様だ。
「何て事に……パワーアニマル達が、オルグの軍門に下るなんて……!」
テトムもショックを隠し切れない様子だった。味方である筈のガオキングの敵対……ガオゴールドは、ガオキングを知らないが、オルグに味方をしている以上、敵だ。
「……やるしか無い‼︎」
ガオゴールドは、ガオサモナーブレットを天に掲げトリガーを引いた。
「幻獣召喚‼︎」
銃口から撃ち出される3発の宝珠……ガオドラゴン、ガオユニコーン、ガオグリフィンが召喚された。
3体の幻獣達は、ガオキング・ダークネスに威嚇する。ガオキング・ダークネスは顔を獣の様に咆哮させ臨戦態勢に入る。
「幻獣合体‼︎」
ガオゴールドの号令に合わせ、3体のレジェンド・パワーアニマルが変形、合体していき精霊王の姿へと変わって行く…そして…。
「誕生‼︎ ガオパラディン‼︎」
誕生するは地球を守る為に戦う精霊の騎士王。
対峙するのは、オルグに与する闇の精霊王。
二柱の精霊の王による戦いが幕を開けた。
「ガオパラディン! ユニコーンランスだ‼︎」
ガオパラディンの右腕をユニコーンランスが激しく唸りながら、ガオキング・ダークネスに刺突する。
だか、左腕のガオタイガーによって受け止められてしまった。これでは身動きが取れない。
「何⁈」
「ハッハハハハ‼︎ そんな温い攻撃なんざ、効かねェよ‼︎ ガオキング、お返しだ‼︎」
ゴーゴの命令に従い、フィンブレードにて斬り掛かるガオキング。斬撃が直撃し、ガオパラディン内に設けられたコクピット状の空間に火花が走る。
「くッ……‼︎」
「如何した、ガオゴールド⁉︎ そんなモンかよ⁈」
ゴーゴが嘲笑う。ガオパラディンが態勢を持ち直そうとするが、ガオキング・ダークネスは、其れさえも許さない。フィンブレードで連続斬りを繰り出し、ガオパラディンは立っているのもやっとだ。
「ウゥ……グリフシールド‼︎」
ガオゴールドが、左腕のガオグリフィンの変形した「グリフシールド」を展開させ、フィンソードを受け止めた。そして、ユニコーンランスを回転させて、ガオタイガーの拘束を振り払った。
「何やってんだ⁈ さっさとガオレンジャーを倒せよ‼︎」
ゴーゴが苛立ちながら叫ぶ。ガオキング・ダークネスは、それに反応してガオバイソンで構成された下半身が飛び上がり、ドロップキックを放つ。
突然の蹴り技に不意を突かれたガオパラディンは、後ろへ倒れ込んでしまう。
其処へ、ガオキング・ダークネスが乗り上げる様にガオパラディンに跨る様にマウントポジションを取り、ガオシャークとガオタイガーで交互に殴り付ける。
その幾多に及ぶ激しい殴打を浴びせる姿は、とても精霊王の其れとは程遠い。ガオキング・ダークネスは、動けないガオパラディンを嬲り殺さんとして、何度も何度も殴り付けた。
ガオパラディン内のガオゴールドも、その打撃による反動で立ち上がる事もままならない。ガオキング・ダークネスから放たれるパンチが激突する度、コクピット内は火花が弾けた。
ガオゴールドは迷っていた。目の前に居る漆黒の精霊王が、もしオルグに操られているならば? 直接の関わりは無いが、仲間である精霊王を相手に手を掛ける事は出来ない。その迷いが、ガオゴールドの判断を鈍らせ、その隙を突かれてしまったのだ。
「良いぞ良いぞ‼︎ もっと痛めつけろ‼︎」
ゴーゴは狂喜して煽る。これで、ガオレンジャーを倒せば確実に自分の勝利だ。ゴーゴは、そう確信していた。
「ガオゴールド‼︎」
ガオシルバー、テトムは一方的に痛めつけられるガオパラディンの様を見ているしか出来ない。
「嗚呼……このままじゃ、ガオパラディンが負けてしまうわ……‼︎」
テトムは悲痛な迄に顔を歪ませる。ガオシルバーは意を決し、ガオハスラーロッドを構えた。
「……こうなったら、俺がガオハンターで……‼︎」
「無謀よ、シロガネ⁉︎ ガオウルフ達は昼間の戦いで傷付いているわ! 今、出て行っても見す見す殺されに行くだけじゃない‼︎」
テトムが、ガオシルバーを引き止める。昼間、ゴズとメズ戦いにて、かなり痛めつけられた体で、ガオパラディンの百獣武装した為、ガオウルフを始め酷く傷付き疲弊している。ガオリゲーターやガオハンマーヘッドも無理を押して出て来たのだ。
「しかし……このまま、ガオパラディンがやられるのを見ているだけには行かないだろう⁉︎」
止めようとするテトムに、ガオシルバーは食って掛かる。短期間の付き合いながら、シルバーなりにガオゴールドとの絆は深まりつつあった。
何より……仲間を見捨てて逃げた、と己を責めるガオシルバーにとって、ピンチに陥るガオゴールドが倒されるのを傍観し続けているのは、余りに酷な話だ。
だが、本調子では無い自分が救援に入っても戦況は悪化するだけだ……ましてや、ガオゴールドに万一の事があり、かつ、ガオシルバーまで倒れてしまえば、オルグに対抗出来る戦士は居なくなってしまう。そうなれば、本末転倒だ。
しかし、2人が言い争っている間に、2体の精霊王の戦いは益々、激化して行った。
ガオキング・ダークネスから繰り出される殴打の嵐は、着実にガオパラディンを消耗させて行った。
ガオゴールドは何とか、状況を打破せんと試みたが如何せん、ダメージが大き過ぎる。
ガオゴールドは既にマスクは半壊し、ガオスーツもボロボロだ。辛うじて台座にしがみ付き状態を保っているが、このままでは敗けてしまう。
ー貴方は、このままじゃ敗ける……ー
夕方の屋上で、こころの発した言葉が、ガオゴールドの脳裏にリフレインする。
敗ける……自分には無縁だと思っていた。ガオドラゴン達と和解を果たした自分なら、速攻にオルグを全滅させて元の日常に帰れると信じていた。
だが……現実はこの有様だ。
〜やはりこの程度か、ガオゴールド……〜
ガオゴールドのヘルメット内に、ガオドラゴンの言葉が聞こえて来た。決して幻聴などでは無い。
「が……ガオ……ドラゴン……?」
〜お前が戦士の本分を見失えば、我等は人間を見捨てる……そう言った筈だ……〜
ガオドラゴンの諦めた様な言葉が、ガオゴールドの胸に突き刺さる……そうだ……こんな所で敗ける訳には行かないんだ……自分を待ってくれている人が居る……守らなきゃいけない人が居る……今や、自分の命は自分だけのものじゃ無いんだ……‼︎
その強い想いが、ガオパラディンに伝わり再び、力を発揮して行く。ガオキング・ダークネスの振り下ろしたタイガーアタックをグリフシールドで弾き返し、怯んだ一瞬の隙に、逆に押し返した。
今なら、ガオキング・ダークネスも対処は出来ない……やるなら今だ……‼︎
「聖火波動‼︎ ホーリーハート‼︎」
ガオパラディンの号令に従い、ガオドラゴンの口から金色の光線が放たれた。最後の一撃にして最高の決め技……これを外せば、敗北しか無い……‼︎
「…暗黒轟鳴…ダークネス・ハート…!」
突如、ガオキング・ダークネスから禍々しい漆黒のエナジーが溢れ出す。5つのパワーアニマルの口から放たれた其れは、かつて、ガオキングが用いた必殺技『天地轟鳴・アニマルハート』と似て非なる技だった。衝突する金と黒の光線が互いの技を喰らい合い、拮抗し始めた。だが、衝突が長引けば長引く程、疲弊しているガオパラディンの方が不利だ。
勝敗を決するのは、先に力尽きた方……光線の余波により、周囲を破壊して行く……其れ迄に、2体の攻防は影響があった。やがて、ガオパラディンの方が少しずつ後退して行き……。
ーグオォォォン‼︎‼︎‼︎ー
ガオキング・ダークネスの顔が憤怒の形相で咆哮し、最大出力の光線が、ガオパラディンに直撃した。
ガオパラディンは漆黒のエナジーに飲み込まれ、凄まじい衝撃と轟音と共に消失した。
「ゴールドォォォォォォッ‼︎‼︎‼︎」
ガオシルバーが絶叫した。恐れていた事態が起きてしまった。ガオパラディンの敗北、即ちガオゴールドが死んでしまったかも知れないのだから……。
「…そんな…‼︎」
テトムは力無く膝をついた。目は虚ろで、膝をついた際に溢れ出た泥水がスカートを汚したが、彼女は気にする暇さえ無い。
「やったやった‼︎ ガオパラディン、倒してやったぜ‼︎」
ゴーゴは高笑いを始めた。ガオキング・ダークネスも、勝利の雄叫びを上げる。
「う、ウオォォォォォッ‼︎‼︎」
怒りに我を忘れたガオシルバーは、ガオハスラーロッドで宝珠を打ち上げ、パワーアニマル達を召喚した。
ガオハンターに姿を変え、ガオシルバーを吸収すると、ガオキング・ダークネスに挑み掛かる。
リゲーターブレードで、ガオキング・ダークネスに斬り捨てようとするが、ガオハンターらしく無い単調な攻撃の為、悉く躱されてしまう。
2体の精霊王の戦い、第2Rが幕を開けた。
「あ…あ…」
事の顛末を見ていた祈も言葉にならない声を漏らした。ガオパラディンが爆発に飲み込まれ行く姿を見た際、あの中に陽が居る様な気がしたのだ。
「………‼︎」
こころは苦虫を噛み潰した様に、顔を歪める。やはり、自分の言った通りになってしまった。
その際、隣に祈に居た祈は脳裏に声が聞こえて来るのを感じた。
「え…何…『私を呼べ?』」
突然の事態に、祈は激しく動揺する。そんな彼女の様子を見て、こころは何か察した様だ。
「……呼んで」
「え……⁈」
「早く‼︎」
こころは戸惑いを見せる祈に怒鳴る。何が何だか分からない……そもそも、呼べって誰を……?
そうしてる間に、祈は両手を握り締め念じた。そうしようと思ったつもりは無い。ただ……そうしなければ成らない……そんな気がしたからだ。
その後、祈は何かに取り憑かれた様に舞い始める。まるで、何かに身体の主導権を取って代わられた様に……。
〜さァ、参られん参られん……精霊達の頂に座す神よ……今こそ、現世に参られ給え〜
祈は頭に浮かんで来た言葉を話すが、自分の声では無い。何か、自分の中に居る……自分とは違う何かが祈の口を借りて、喋っている様だった……。
ガオハンターは孤軍奮闘を強いられ、ガオキング・ダークネスに挑み掛かる。だが、ゴズとメズから受けたダメージが響き、ガオハンターは思う様に動けない。
「ははは‼︎ 精霊王が、もう1人居たとはな‼︎ ガオキング、そいつも叩き潰せ‼︎」
ゴーゴが命令を出すと、ガオキング・ダークネスはフィンブレードでガオハンターを斬り付けた。
「ク……‼︎」
ガオシルバーも大きく仰け反りながら、台座に念を込める。ガオハンターは、リゲーターブレードを突き出すが、ガオキング・ダークネスには届かない。
「勝負あったな‼︎ ガオキング、やれ‼︎」
勝機を確信し、ガオキング・ダークネスから再び、漆黒のエナジーが溢れ出して来た。ガオシルバーも構えたが、既に手遅れの様だ。
しかし、ガオキング・ダークネスに空中から降り注いで来た光弾が激突した。
「な、何だ⁈」
ゴーゴは突然の奇襲に驚く。すると、天の空間が歪み始める。どうやら、あの歪みから光弾は放たれた様だ。すると、歪みの中から厳かな声が聞こえて来た。
〜地上を荒らすオルグ共よ…私の目の黒い内は、お前達の好きにはさせぬ〜
「な…何だと⁈ 誰だ⁉︎」
ゴーゴは九分九厘、勝ちかけていたのに邪魔され、立腹した様に怒鳴る。すると歪みの中から巨大な人影が現れた。
〜我が名は、ガオゴッド……百獣の神なり〜
「ガオゴッドだとォ⁉︎」
「千年の友⁉︎」
「荒神様‼︎」
ガオシルバー、テトムは、ガオゴッドの姿を見て驚愕する。先の戦いにて敗れ、他のパワーアニマル同様、異空間に封印された筈のガオゴッドが姿を現したのだ。
「ハッ‼︎ 我々、オルグに敗けた古い時代の化石が、しゃしゃり出て来やがって‼︎ ガオキング・ダークネス、先にガオゴッドから黙らせちまえ‼︎」
ゴーゴは攻撃の矛先を、ガオゴッドに向けた。だが、ガオキング・ダークネスは、ガオゴッドを前に萎縮してしまい動く事が出来ない。
「何をグズグズしてやがる⁉︎ さっさと、やらねェか⁈」
行動しないガオキング・ダークネスに痺れを切らし、ゴーゴは怒鳴る。だが動かない、ガオキング・ダークネスに代わり、ガオゴッドが行動した。
〜地球を汚す者は赦さん‼︎〜
怒りを見せたガオゴッドが、右腕を掲げると万雷が降り注ぎ始めた。
「クッ……‼︎」
ゴーゴは雷の嵐を何とか躱すが、攻撃する事が出来ない。すると、ガオゴッドの額にある宝玉から一筋の光線が放たれた。すると、ゴーゴによって破壊されたダムは、たちまち再生し壊される前の状態に戻った。
荒れていた川も緩やかとなり、辺りは平穏な様子を見せ始めた。
「アァッ⁉︎ テメェ、折角、壊したダムを⁉︎」
ガオゴッドの力で自分の一週間分の計画が水泡に帰してしまったのだから、ゴーゴが怒り狂うのも無理はない。だが次の瞬間、ガオゴッドが右腕を振りかざすと、ガオハンター、ガオズロック、テトムは姿を消していた。後に残ったのは、ゴーゴとガオキング・ダークネスだけだ。
「畜生‼︎ 俺様の計画が全て台無しだ‼︎ だが、ガオパラディンは倒した‼︎ ガオハンターと、ガオゴッドとやらだけは必ず殺してやる‼︎ 必ずだ‼︎」
ゴーゴは夜の帳に向けて、怒りの雄叫びを上げた。側に佇む、ガオキング・ダークネスは只々、沈黙を続けるだけだった。
「フン……ガオゴッドめ。しぶとい奴だ」
一本の巨木の上に立つ様に、ガオネメシスが事の顛末を見ていた。元の様に再生されたダムの様子を見て、忌々しそうに舌打ちした。
「……だが今更、貴様が出て来た所で、どうにもならん。あの天空島を封じたドサクサの中、姿を消した貴様を見た際に、凡そ見当は付いていた。いずれにしても、貴様が介入したとて我々の計画に一切、支障はきたさない。精々、無駄に足掻くが良い……それにしても……」
ガオネメシスは、森の隙間から覗く祈を見据えた。
「……まさか、生まれ変わって居たとはな……''原初の巫女''が……」
意味深な言葉を残し、ガオネメシスは姿を消して行った。
〜絶体絶命のピンチを救ったのは、百獣の神ガオゴッド。彼が介入した事で事態は変わるのでしょうか⁈
そして、爆発の中に消えたガオゴールドとガオパラディンの運命は⁉︎ ガオネメシスの言う原初の巫女とは⁉︎