帰ってきた百獣戦隊ガオレンジャー 19YEARS AFTER 伝説を継ぎし者   作:竜の蹄

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quest SP final さらば、瓏国!

 地上にて戦いを見届けていたテトム、娘々もガオインドラの勝利に歓喜の声を上げる。

 

「やったわ、やったわ‼︎ ガオレンジャーの大勝利‼︎」

 

 テトムは、ぴょんぴょん飛び跳ねながら喜ぶ。娘々も涙を流した。

 

「この国は……救われた……‼︎」

 

 漸く訪れた平穏……娘々は降り立って来たガオインドラを見つめながら呟く。ガオインドラからは、ガオゴールドが姿を見せる。

 

「お疲れ様、ガオゴールド‼︎ 」

「ああ……何とか勝てたよ……‼︎ 大神さん達は…⁉︎」

 

 ガオゴールドから陽に戻り、陽は周りを見回す。

 

 

「おーーい‼︎」

 

 

 廃墟となった王宮から、大神と佐熊が駆けてくる。兎月や虎牙も一緒だ。

 

「兎月! 虎牙!」

「娘々様! よくぞ、ご無事で……!」

 

 娘々の姿を見つけ兎月は号泣しながら抱き締める。虎牙も同様だ。

 

「……お前達の……いや、貴方がたのお陰で、この国は救われました……何と礼を尽くせば……」

 

 虎牙は兜を脱いで跪く。陽は首を振る。

 

「お礼は僕達にでは無く、ガオシェンロンに……神龍様に言って下さい……」

 

 そうやって振り返ると、ガオインドラは消滅し神龍の姿となった。

 

 〜ありがとう……異世界の勇者達よ……。これで、この国を脅かす脅威は去った……。気付いているとは思うが……お前達を、瓏国に招いたのは私だ……。異世界から来訪した、お前達の力をどうしても借りたかったのだ……〜

 

「伝説の八戦士とは……貴方の事だったんですね……」

 

 陽は、言い伝えの謎が解けた。神龍は続ける。

 

 〜それは違う……お前達の力を使わねば、私は復活する事すら叶わなかった……国の大事に備え、眠る私の魂の一部を宝珠に残していたが……その魂が、お前達を呼び寄せたのだ……。重ね重ね、済まなかった……〜

 

 神龍は謝罪した。自分達とは関係の無い世界に招き、戦いへ巻き込んでしまった事を……。

 しかし、ガオの戦士達は巻き込まれたとはつゆほども考えてはいない……自分達は、来るべくして、この国にやって来たのだと、考えていた。それが、ガオレンジャーたる自分達の使命なのだから……。

 

「いいえ……。僕達も、この戦いを通じて大切な事を学びました……。大いなる力を持つ者の使命を……そして、僕達が何をすべきかを……!」

 

 陽は、ウラやオルグドラシルとの戦いを経て、戦士として更に成長を果たした。

 助けを求める者が居たなら、自分達に拒む理由は無い……例え、世界が異なろうとも……人種や思想が違えども……その力を誰かを守る為に使えば良い……改めて、ガオレンジャーの真理の理解した陽に対し、神龍は穏やかに言った。

 

 〜よくぞ言った、竜崎陽……ガオゴールドよ! ならば、その力を、これからも誰かの為に使うが良い! お前達の世界に戻る為の道は開いておいた……元の場所へと戻り、己の戦いに専念すると良い……。

 そして……私の力もこれ迄の様だ……再び、私は眠りにつかなくてはならない……いつか、また瓏国に危機が訪れた時に備えて……! 瓏国の公主、娘々よ……これからは、お前達が明日への掛け橋を建てるのだ……これは、私からの最後の手向けだ……〜

 

 神龍は首を上げる。すると、彼の身体は光となり四散した。その光の粒子は優しく、国中に降り注ぐ。

 

 〜これで、オルグドラシルの毒に苦しむ者達は癒されるだろう……。この国全てを作り直す事は……其処まで、私は干渉する事は出来ない……。いざとなれば、私が何とかしてくれると考える様になれば、この国に住まう者達は堕落してしまうからな……。案ずる事は無い……お前達ならば、きっと国を再建出来る……私は……これからも……お前達を……見守っている……〜

 

 そう言い残し、神龍の声さえも消えて行った……。残されたのは宝珠だけだった。娘々は宝珠を手に取り……

 

「ありがとうございます、神龍様……。これからもずっと……私達を、見守っていて下さいね……」

 

 と、跪きながら礼を捧げた。そして立ち上がり、陽達を見た。

 

「ガオレンジャーの皆様、本当にありがとうございました……。皆様には感謝の言葉が表しようの無い大きな借りが出来てしまいました……。本当ならば、国を総出で貴方がたを祝したい所ですが……今の状態では……」

 

 娘々は崩れ落ちた王宮を見た。ガオインドラとアシュラの戦いにて崩落、国民も酷く傷付いてしまっている。とても、そんな事を出来る余裕は無いのだ。

 

「要らないですよ、そんなの……僕達は、自分の気が済む様に戦っただけですから……。それより、これから瓏国を立て直すのに、大変でしょうが頑張って下さい……」

 

 陽の言葉に、娘々は申し訳無さそうに頭を下げる。

 

「あ、公主様‼︎ あれを…‼︎」

 

 兎月が指をさす。すると、王宮の中から沢山の者達が出てきた。皆、ウラにより閉じ込められていた王宮の関係者達だ。

 

「オオ、娘々‼︎ 無事だったか‼︎」

 

 武官や侍女達を潜り抜け現れたのは、立派な衣装を見に纏った壮年の男性の姿だった。

 恐らく彼こそが、瓏国の皇帝にして娘々の父親なのだろう。

 

「お父様! もう、御身体は宜しいのですか⁉︎」

 

 娘々は駆け寄りながら、皇帝を労る。皇帝は優しく笑った。

 

「ああ……まるで嘘の様に良くなった……。事の顛末は全て聞いた……難儀を掛けた様だな……」

 

 父の娘を気遣う言葉に、娘々は涙を流しながら笑う。

 

「いえ……全ては彼等の活躍があってこそです。彼等が居なければ、この瓏国はオルグの物となっていました……」

 

 娘々は陽達を指す。皇帝は陽達の前に迄、歩いて来た。

 

「そうだったのか……。ならば、予言は真実であったか……異国の英雄達よ、其方達には返しようの無い恩と借りが出来た……我々は、この大恩を決して絶やす事なく語り継ぎ、讃え続けようと思う……ありがとう!」

 

 そう言いつつ、皇帝は深々と頭を下げた。慌てて、虎牙が止めに入る。

 

「お、おやめ下さい、陛下! 皇帝ともあろう方が、頭を下げる等……‼︎」

「黙れ、虎牙‼︎ 朕は皇帝としてでは無く、一人の人間として頭を下げているのだ‼︎」

「だ、だとしても……‼︎」

 

 幾ら国の救世主と言えど、人の上に立つ存在である皇帝が、他者に頭を下げる等とは本来なら、あってはならない事である。しかし、皇帝ならそう言った事は関係無い、と言わぬばかりに陽達に頭を下げる。

 

「それに……もう“皇帝”では無い者が頭を下げるならば、別に問題はあるまい?」

「は? お父様、それは?」

 

 娘々は訳が分からない、と言った具合に尋ねた。皇帝は頭を上げ、娘々を見据える。

 

「……理由はどうであれ、これだけの被害が瓏国に及ぶまで、朕は皇帝として何も出来なかった。ならば、責任を取らねばな……。朕は今日、この場を持って皇帝を退位する!」

 

 突然の宣言に対し、娘々や虎牙は勿論、その場に居た全員が驚愕した。

 

「なりません‼︎ 貴方程の聡明な方が退位されれば……それでこそ、茨の道に我が身を投じる様な事です‼︎」

 

 虎牙の言わんとする意味はこうだ。責任を取る為に退位する……それは、この事態を引き起こした原因は己にある、と認めたも同然である。つまり今、皇帝が帝位を退けば……民衆の溜まりに溜まった不満は皇帝に向く事となり、周囲から誹謗中傷を浴び兼ねなくなる。

 

「……買い被ってくれるな、虎牙よ……この国を常に最前線にて守って来た其方なら、分かっていよう……。この国にて悲鳴を上げる者達を……その程度なのだ、朕は……。

 皇帝として権力の上に胡座をかき、国の大事には何も出来ぬ……。そんな者が皇帝を名乗る等、痴がましいとは思わんか?」

 

 それは皇帝の精一杯の謝罪だった。彼とて、国を憂い人民の為に采配を執り続けて来た。

 しかし悲しいかな、聡明な名君と謳われど人は神には成り得ない。神龍の様な人知を凌駕した力を発揮出来ないのだ。

 皇帝は己の限界を認識したからこそ、自身が退位して事態の全責任を自身で負う…と言う形で、ケジメを取ろうとしているのだ。

 

「虎牙…娘々…、この事は肝に銘じておけ。皇帝等と言うのは、この国の頂点に立ち君臨する者と言う意味では無い。

 皇帝とは……神龍様がお創り賜うた国を、神龍様の代わりに治めさせて頂くと言う称号に過ぎぬのだ……!」

 

 皇帝は自分の不甲斐無さを戒めるかの様に言った。所詮、自分達は神龍と同列になる所か、彼の足下に立つ事すら憚られるのだ。

 

「し、しかし、陛下……退位された後、次代の皇帝は誰が……?」

「……朕には男子に恵まれなかった……だから、娘々の夫となる者に帝位を託すつもりでいたが……その者は探す迄もあるまい」

 

 意味深に言いながら、皇帝は虎牙を見る。

 

「のう? 虎牙」

「な⁉︎ 御冗談を⁉︎ 私の様な者が娘々様の夫になど、恐れ多い⁉︎」

「そうよ、お父様‼︎ 私に結婚など⁉︎」

 

 慌てた様子の虎牙と娘々を見ながら、皇帝はクックッと笑う。

 

「隠さずとも良いわ……娘々の幼き頃より、常に側に居たのだ。どこぞの知らぬ男に嫁すよりも、其方になら安心して任せられる。そもそも、其方自身が娘々に特別な想いを抱いている事に、朕が気付いていないとでも思うてか? 娘々も、また然りよ」

 

 今や二人揃って、顔を真っ赤にしている。どうやら、二人は相思相愛の仲……事にオルグによる国盗りが、二人の仲を一層に縮めた様だ。

 

「先程も言ったが……皇帝になる事は、神龍様の名代を務める事に過ぎぬ……。国を作るのは皇帝では無い……神龍様の意思を継ぎし者達、全員なのだ……。

 虎牙よ……神龍様の意思を汲む者達を育み、守り抜く王となれ……。今より其方が……瓏国の皇帝だ!」.

 

 皇帝の勅命は、虎牙や娘々に届き染み渡った。虎牙は両眼を閉じて、皇帝の前に跪き……

 

「御意‼︎」

 

 今此処に、神龍から系譜を受け継ぎし皇帝が誕生した……。

 

「ははは‼︎ なんかよく分からんが……話は纏まった様じゃのォ‼︎」

 

 佐熊は、カラカラと笑いながら言った。陽、大神、テトムも釣られて笑い出す。

 

「じゃあ……私達も帰りましょう? 後は、この国の問題だし……」

 

 テトムがそう言うと、空からガオズロックが舞い降りて来た。

 

「おお……これが、異世界の乗り物か⁉︎」

 

 皇帝は、見た事の無い外見のガオズロックに驚く。そうしてる間に、陽達は乗り込んで行った。

 

「じゃあ、娘々公主。僕達は帰ります。重ねて言いますけど、再建は大変かも知れませんが……頑張って下さい」

「……もう……お会いする事は無いのでしょうか?」

 

 娘々は名残惜しそうに尋ねた。国を救ってくれた英雄に何の誠意を見せずに、見送る事しか出来ないとは余りに心苦しい。

 

「……僕達が、この世界に来る時は、それはオルグが現れた時……。出来れば、そうはならない事を願いたいですが……」

「勿論……‼︎ 今度こそ、オルグに付け込まれない様に、私達が今迄以上に頑張って行きます!

 ですが……今度は、戦いの為では無く観光の為に来て下さい……その時は、国総出でお持てなしします‼︎」

「うん! 今度、来る時は妹も連れて来るよ!」

 

 陽の言葉に娘々はニッコリと笑う。彼等が命を賭して救ってくれた国を、自分達が守っていくのだ……そう強く誓う。

 その際、唐突に佐熊が顔を出して来た

 

「一つ、言伝を頼みたい。万狗と言う子供に会ったら、母親と妹を大切に、と伝えてくれんか?」

 

 出逢って間も無いが、絆を交わした少年……神龍や皇帝に対し不信感を抱いていたが、純朴な少年だ。

 

「分かりました! 必ず、伝えて置きます‼︎」

 

 娘々の返答に、佐熊は笑う。これで悔いは断ち切った。後は帰るだけだ。自分達を待っているであろう戦いの日々へ……。

 

 

 

 

 仲間達を全員、登場させだガオズロックは再び浮上する。すると、眼前に風太郎少年が姿を現す。

 

 〜皆、お疲れ様‼︎ これで、瓏国は救われた‼︎ ガオシェンロンも安心して眠れる‼︎ 本当にありがとう……‼︎〜

 

「礼なんてよしてくれ、千年の友……。元を正せば、俺達の不始末だ。まさか、ウラが異世界に暗躍していたなんてな……」

 

 大神が沈痛に口を開く。ウラは倒した筈だった、にも関わらず生きていた……。これも、テンマ率いるオルグの暗躍の所為なのだろうか?

 

 〜それは分からない……。でも、これからはこう言った事が立て続けに起きても不思議じゃ無い……。

 テンマだけじゃ無く、一癖も二癖もある奴等はまだまだ居るからね……〜

 

 風太郎の言葉に、陽は表情を曇らせた。そうだ……ウラは倒したが、自分達の戦いはまだ終わっていない……。本当に倒さなくてはならない巨悪が、未だ残っているのだ……。

 何より……行方不明のガオレンジャー達を早く助け出さなくてはならない……その為に、決着を付けねばならない敵が居た。テンマ、ガオネメシス、そしてメラン……。

 彼等を倒さなければ、戦いは終わらない……今回以上の戦いを予期しながらも、陽はガオズロックに遮られ見えなかった青空を見据える。其処には覚悟を決めた顔があった。

 

「帰ろう、皆……竜胆市に……! 」

 

 陽が言うと、ガオズロックは光に包まれて行き、やがて消失した。

 

 

 その様子を遠方より見つめる一人の影……それは、メランだった。消え去っていくガオズロックを見る様は、オルグのそれとは思えぬ何処か穏やかささえ見せていた。

 

「ふん……少しは強くなったか、ガオゴールド……。我を楽しませれる程にな……」

 

 宿命のライバルの成長を讃えるかの様な口振りで話すメラン。あの時と同じだ。魏羅鮫の時も、何時迄も成長を見せない彼に痺れを切らし、非常に不本意ではあったが助けた事もあった……。ガオゴールドは敵であり、自分にとっては邪魔な存在でしか無い筈だった。

 しかし、何時しか彼を援助している自分が居る……。何れ、己を脅かす男を己の手で育てようと言うのだ。これ以上、滑稽な話は無い。

 しかし不思議と……悪い気はしない。

 

 

「随分と優しくなったものだな、四鬼士一の狂戦士が……」

 

 

 挑発する様な声に、メランは振り返る。其処には、オルグに与するガオの戦士ガオネメシスが立っていた。

 

「ガオネメシス……!」

「ガオゴールドを何故、殺さなかった? 殺すチャンス等、幾らでもあったろう? そうすれば、貴様の願いは叶ったろうに……」

 

 何気ない一言に、メランは激昂する。明らかに、メランの周囲から殺意が立ち昇った。

 

「貴様……我を侮辱するつもりか? 暗殺や奇襲、騙し討ち等は弱者の取る行為だ! その様な形で決着を付ける事に意味は無い! ガオゴールドとは、飽くまで正々堂々と正面より決着を付ける‼︎ そもそも、我がこんな異界くんだりまで来たのは、万が一、ウラが謀反を企んだ時の保険の為では無いか⁉︎」

「フン……くだらん……」

 

 メランの言葉に、ガオネメシスは呆れにも似た仕草を取る。

 

「敵を殺すのに、面子など小さな事だ。重要なのは結果だ」

「何とでも言え。我にとって、オルグの天下などどうでも良い……この我と引き分けた、いや引き分けさせたガオゴールドとの決着こそが全てだ…‼︎

 断っておくが、奴には手を出すなよ? ガオゴールドは……我が狩る‼︎」

 

 そう言うと、メランは大剣をガオネメシスの首元に突き付ける。余計な真似をすれば、殺す……と無言の圧を掛けた。

 

「勝手にしろ……気の済むまで、決着が付くまでやっていれば良いさ。何れにせよ、あれが完成すればガオレンジャーは一網打尽だ」

「鬼還りの儀、か?」

 

 メランは以前、ガオネメシスとテンマが話していたのを聞いた事がある。

 鬼還りの儀を行えば、地上にはオルグで溢れ返ると言う。最も、興味が無かった為、メランは気にすら留めていなかったが…。

 

「そうだ……既に計略は整いつつある! 後は時を待つばかりだ……! 何の為に、オルグドラシルを人間の目に付かぬ場所に態々、植えたか分かるか?

 全てはこいつの為だ‼︎」

 

 ガオネメシスは右手に握る拳大のオルグシードに似た果実を見せた。

 

「何だ、その実は?」

「これか? こいつは、オルグベリー。鬼地獄に茂るオルグドラシルは、邪気に混じって汚れなき大地のエネルギーを吸うと、こいつを実らせる。

 この実を大量に生産するのが、この世界にオルグドラシルを根付かせた目的なのだ‼︎」

「その為に、ウラを態々、鬼地獄から引っ張り出して来たのか?」

 

 メランは、疑問をぶつけた。今日、出逢う迄に、先の戦いにて名を馳せたハイネス達には顔を合わせた事が無い。

 だが、当時から既に四鬼士として高名を轟かせていた自分達に、ウラを始め他のハイネスから勧誘を受けた際、スカウトに来たツエツエ達から、その名を聞いた為、ある程度の認識はしていた。最も、当時のメランは、その勧誘に対し「くだらん」と一蹴し、追い返したのだが……。

 

「……そうだ……。それにしても、ウラめ。俺が態々、鬼地獄の呪縛から解き放ってやったのに、くだらん野心に足下を掬われおって……所詮は、ガオレンジャーに勝てなかった敗北者か……」

 

 ガオネメシスの口調は、ウラへの侮蔑が込められていた。

 

「しかし……奴のお陰で、オルグベリーは俺の手の中だ……。鬼還りの儀は近い……鬼地獄の主、ヤマラージャよ……地上を、オルグの跋扈する混沌の世へと誘え……!

 ククク……ハーッハハハハ!!!!」

 

 ガオネメシスは天を仰ぎながら、高笑いを上げる。その様子を見ていたメランは瓦礫と化した王宮を見下ろしながら、北叟笑む。

 

「支配は興味無いが……本物の強者しか生き残れないオルグの、オルグによる、オルグの為の世界は直ぐ其処まで迫って来ている! ガオゴールド、貴様と全力で刃を交える日は、そう遠くないかもな……」

 

 メランは、宿敵であるガオゴールドとの決着を付ける日を夢見ながら、来たるその日を見据えていた……。

 

 

 

 〜ウラの目論見を見事に阻止したガオレンジャー。だが、それはガオネメシスの押し進める『鬼還りの儀』を行う為の布石に過ぎなかったのです……。

 果たして、鬼還りの儀とは一体……⁉︎〜

 

 

 

 ー予告ー

 

 

 

 鬼……古来より人間にとって忌むべき存在として恐れられていた。

 得体の知れない、まだ科学の発達が無かった時代では、天変地異や疫病の類を全て、鬼の仕業であると結論付けて人間達は、鬼の存在を信じていた。

 しかし……時代は移り変わり、科学の発達した現代では、鬼を想像上の偶像として、次第に忘れ去られて行った。

 だが、もし……その時代の流れに流され、忘れ去られて行った鬼達が復活したら? かつて、地上を我が者顔にてのし歩いていた彼等の時代が再び始まったら?

 

 

「時は満ちた‼︎ 鬼還りの儀をとり行う‼︎」

 

 遂に発起するテンマ……。

 

「私はツエツエ改め、オルグ・クイーン‼︎ 私の時代が始まるのよ‼︎」

 

 世界に反逆するツエツエ……。

 

「貴様と、戦う日を我は指折り数えていたぞ……‼︎」

「ああ…‼︎ 決着を付けよう‼︎」

 

 相対する宿敵達……。

 

「行けェ‼︎ 恐竜オルグ達‼︎ お前達の力を見せてやるんだ‼︎」

 

 新たに牙を剥く異形の鬼達……。

 

「アハッ♡ 私、こう見えて結構、強いんですよォ?」

 

 戦いに参戦する者達……。

 

「見せてやろう! この俺、ガオネメシスの力をな‼︎」

 

 

「私、兄さんの事が……好きなの……!」

 

「竜崎が苦しんでる姿、見ていられないよ……」

 

「鬼の血を引く私ですが……受け入れてくれますか?」

 

 

 陽に想いを寄せる少女達が、各々に動き出す……‼︎

 

 ヴェールを明かされる謎の戦士ガオネメシスの力‼︎ と、同時に、彼の正体について……。

 

「分かったわ! ガオネメシスの正体は……‼︎」

 

 次々に明かされて行く真実……‼︎ そして、オルグ達の牙は陽の大切な者に及ぶ!

 

「祈ィィ‼︎」

 

「兄さん、助けて‼︎」

 

「妹を助けたければ……来るが良い……! 鬼地獄に貴様等の棺桶を用意しておこう‼︎」

 

 妹を拐われ、絶望のどん底に突き落とされた陽に、オルグ達の猛攻は止まらない‼︎ そんな時、新たな味方が⁉︎

 

「私は煌めきの鳳凰、ガオプラチナよ」

「ガオ……プラチナ?」

 

 そして、原初の巫女アマテラスが遂に降臨を果たす!

 

『ガオネメシスを打ち倒すには……ガオフェニックスの力が必要です……。お行きなさい! ガオの戦士の始まりの地、邪馬台国へ!』

 

 全ての布石を整え、テンマ達との戦いに臨むガオゴールド達! そして、遂に実行に移されたガオネメシスの企て……。

 絶体絶命の時、彼等が蘇る……!

 

「命ある所、正義の雄叫びあり‼︎ ド派手に暴れてやろうぜ、ガオライオン‼︎」

 

『グオォォ!!!』

 

 金色の竜と紅の獅子が出逢う時……戦いは終焉へと動き始める‼︎

 

 

 帰ってきた百獣戦隊ガオレンジャー 19YEARS AFTER 伝説を継ぎし者 鬼地獄編‼︎ 6月7日 掲載‼︎




ーオリジナルオルグ

−アシュラ
ウラがオルグドラシルに蓄えられていた邪気と、シュテン、ラセツと共に融合、巨大化したオルグ魔人。
体格はセンキと同じ人型だが、正面の顔はウラ、右面はシュテン、左面はラセツ、三人の腕を六本、生やした三面六臂の鬼神と化している。
武器はセンキと同じ、修羅百鬼剣。

−ハンニャ
ウラに忠誠を誓う女のデュークオルグ。ウラが鬼地獄から復活する際に連れて来た。
般若を模した鬼面が示す通り、性格は嫉妬深く、ウラに仇を成す者に殺意を抱く。
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