帰ってきた百獣戦隊ガオレンジャー 19YEARS AFTER 伝説を継ぎし者   作:竜の蹄

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quest4 銀狼と金竜 後編

「ハァ…ハァ…‼︎」

 

 裏道を息を切らしながら、祈と舞花が走っていた。

 

「もう‼︎ 何なのよ、あの漫画みたいな奴ら⁉︎ 何で通学前に、あんなのに追い回されなきゃならない訳⁉︎」

 

 舞花は戦闘を走りながら毒吐く。後ろを走る祈も見た事の無い連中に困惑していたが正直、思考が追い付かないでいた。

 

「祈、大丈夫⁉︎」

 

「だ……大丈夫……。ねェ、さっきの人達、私を追ってたのよね?」

 

 祈は舞花に語り掛けた。舞花は振り返りながら眉を顰めた。

 

「多分……。ねェ、あいつ等、アンタの友達……じゃないよね?」

 

「そんな訳無いじゃない……!」

 

「だよね……。あー、もう! なんで、こんな時に限って携帯、忘れちゃうかな⁉︎」

 

 舞花はカバンの中を漁りながら叫ぶ。携帯で助けを呼ぼうとしたが忘れてしまったらしく、ヒステリック気味に怒鳴った。

 

「祈、携帯は⁉︎」

 

「ゴメン、今、修理に出してる……」

 

「アンタも? でも大丈夫‼︎ ここを抜ければ、交番があるから、そこまで……‼︎」

 

 舞花は路地の出口を指差す。さっきの奴等が何なのか分からないが、警察なら何とか助けてくれる筈。それだけが唯一の希望だ。

 

 

「オルゲット‼︎」

 

 

 前方のマンホールが突然、吹き飛び、中からオルゲット達が飛び出して来た。

 

「う……嘘……‼︎」

 

「舞花……‼︎」

 

 先回りされていた。来た道を引き返そうとするが、後ろからは、オートバイオルグが砂煙を上げながら迫って来た。

 

「見つけたぜェ、子猫ちゃ〜ん?」

 

 退路まで塞がれてしまった。前門に虎、後方に狼だ。

 

「さァ、観念しな。もう逃げられんぜ」

 

 オートバイオルグはイヤらしい口調で2人の前に立ち塞がる。出口を塞ぐ様に、オルゲット達が立っている為、逃げる事も出来ない。

 

「大人しく捕まりな。暴れると、チィと痛い目を見るぜ? 五体満足で捕まえろ、とは命令は受けて無いんでな!」

 

 荒い息を吐きながら、迫って来るオートバイオルグ。舞花は気丈にも祈の前に立ちはだかった。

 

「や…やるんなら、あたしからヤんなさいよ! 祈には指一本、触れさせないから‼︎」

 

 そう言いつつも、舞花の肩は小さく震えている。内心は怖い筈だ。意を決し祈は、舞花を押し退けて、果敢にもオートバイオルグに叫んだ。

 

「狙いは私でしょう⁉︎ 私、行きます‼︎ だから、舞花は見逃して‼︎」

 

「祈⁉︎」

 

 何で自分を狙っているかは知らない。だが、自分1人が捕まれば済む話だ。舞花を巻き込む訳にはいかない。そう考えた祈は、親友の命の嘆願を試みた。

 

「う〜〜、美しい友情って奴か? 泣かせるねェ……涙がちょちょぎれらァ! じゃあ、望み通りにしてやるぜ! 夜露死苦‼︎」

 

 2人の友情に嘲りに満ちた笑みを浮かべつつ、オートバイオルグはバイクの下半身をウィリーさせた。

 実際の所、オートバイオルグは、どちらも見逃す気は無かった。彼等、オルグの辞書に''慈悲''等と言う言葉は無い。許しを乞う人間を甚振り苦しめ、最後はボロ雑巾の如く殺す……それが、彼等の心情だ。

 そうとは知らず、祈は自分が捕まり舞花だけでも逃げて欲しい……そう考えていた。

 

 

 

「其処までにしろ」

 

 

 

 突然、2人の後ろから声がした。

 

「アァ?」

 

 オートバイオルグは声の方を見ると、オルゲット達が全員、倒れ伏していた。その後ろには、灰色の服を着た青年、大神 月麿が立っていた。

 

「……ンだ、テメェは……‼︎」

 

「名乗る名は無い。貴様を倒す者だ」

 

 大神は、そう言いながら、オートバイオルグに前に立つ。オルグは、大神の左手首に装着されたG−ブレスフォンに目をやると、ニヤリと笑う。

 

「成る程……ガオレンジャー達から逃げ果せた奴が居ると聞いていたが、テメェか……‼︎」

 

「貴様等を倒す為に、俺は残る道を取った。ただ、それだけだ」

 

「ハンッ! 物は言い様だな‼︎ 臆病風に吹かれて逃げ出した腰抜けがよ‼︎ まあ良い、テメェの首も一緒にテンマ様に差し出したとありゃ、俺様に箱が付くってもんよ‼︎」

 

「それを言うなら、箱じゃ無くて''箔''だ。見た目通りの馬鹿らしいな……」

 

「……‼︎ テメェ……‼︎」

 

 大神の挑発に青筋を浮かべるオートバイオルグ。ふと、大神は祈達が魂が抜けた様に立っているのを見て振り返らずに促す。

 

「何時まで惚けてる。さっさと逃げろ」

 

 そう言われて祈は、大神の背に語り掛けた。

 

「……でも……‼︎」

 

「さっさと行け! 邪魔だ!」

 

 少し語調を荒げた大神に、祈はビクッと肩を強張らせた。舞花は祈の手を掴み叫んだ。

 

「ほら行くよ、祈! 今なら逃げられる‼︎」

 

「だけど‼︎」

 

「分かんないの⁉︎ あたし達が居ても足手纏いにしか成らないの! 早く‼︎」

 

 そう言って舞花は嫌がる祈の手を引いて走って行った。

 

「チッ……‼︎ 邪魔をしやがって……まあ良い。テメェをブチ殺してから追い詰めてやらァ‼︎」

 

「やって見ろ……‼︎」

 

 相対する大神とオルグ。大神は腕のG−ブレスフォンを翳して叫んだ。

 

「ガオアクセス‼︎」

 

 瞬間、大神の身体は光に包まれ、光が収まるや否や、銀色のスーツと狼を模したヘルメットを装着した戦士が立っていた。

 

 

「閃烈の銀狼‼︎ ガオシルバー‼︎」

 

 

 遥か千年の時を越えて現代に甦った戦士、ガオシルバーが今、反撃の狼煙を上げた。

 

 

 

 ガオズロック内では、聖なる泉にガオシルバーとオルグの対峙する姿が映し出され、陽とテトムが見守っていた。

 

「無茶だ……‼︎ たった1人で立ち向かうなんて……‼︎」

 

「そうね、確かに無茶よ……だけど、そんな無茶な事を戦い続けたのよ……シロガネや、ガオレンジャー達はね……」

 

 テトムは優しく見つめていた。19年前、オルグ達が千年の悠久を経て復活し、人々の平穏を脅かし始めた。

 だが、ガオレンジャーに選ばれた6人の若者達は数々の苦難を乗り越えながら、遂にオルグを全て打ち滅ぼしたのだ。

 当然ながら、彼等にも自分達の暮らしがあり家族が居た。それ等を犠牲にし、ガオレンジャーとしての戦いを、やり遂げた。

 だが陽は、彼等の様な生き方は出来ない。最も、平和な日々を享受して生きてきた少年に「ガオレンジャーとなって戦え」等とは、余りに酷な選択だ。即ち、世界の為に死ね、と言われた様な物だ。

 ふと陽は気付いてしまう。泉の中にガオシルバーとオルグ以外に映る人影を……。

 

 

「祈⁉︎」

 

 

 ガオシルバーに庇われる様に逃げる少女は陽が、よく知る少女だ。誰より大切で自分の命に替えても護りたい大切な存在……。

 

「貴方の知り合い?」

 

 タダならない陽の様子に、テトムは尋ねた。

 

「僕の……妹です……」

 

 よりによって、祈が巻き込まれてしまうなんて! 陽は頭を抱える。

 

「オルグが際限なく暴れれば、貴方の妹さんにも危害が及ぶわ。妹さんだけじゃない、貴方に関わる全ての人達も……。彼等を助けられるのは、貴方しか居ないのよ。ガオレンジャーとして戦える貴方しか……‼︎」

 

 テトムの説得に、陽の心は揺さぶられる。自分しか居ない……ガオシルバー以外でなら、自分しか。

 陽は、G−ブレスフォンに握り締めた。祈だけは必ず護ると誓った。両親が死去した、あの日から……‼︎

 

「僕を……彼処に送って下さい‼︎」

 

 陽は、テトムを見る。その瞳には強い決意に満ち溢れた炎が燃え上がっていた。テトムは笑顔で頷いた。

 

 

 

 祈達は路地裏を抜け交番を目指して走った。さっきの人を助けて貰わなければ……‼︎

 ふと舞花が立ち止まる。

 

「舞花?」

 

 祈が振り返ると舞花が縋り付いてきた。

 

「……怖かったよォ……‼︎」

 

 祈に抱かれながら舞花は、さめざめと泣き崩れた。やはり、無理をしていたんだろう。祈も今更になって恐怖が湧き上がって来た。だが、何時迄も泣いてる場合じゃ無い。祈は舞花を奮い立たせ様とするが……。

 

 

「そこの娘」

 

 

 祈は声の方を振り返る。其処には頭の先から足の先まで紅い体色の異形が立っていた。頭には、さっきのオルグ同様、角が一本、生えている。

 

「ま、また出た‼︎」

 

 舞花は祈を強く抱き締めた。漸く逃げ切ったと思ったら……。

 

「我と共に来て貰おうか?」

 

 男は、そう言いながら歩み寄ってくる。もう逃げ出す気力も尽き果てた。祈と舞花は互いをしっかり抱き合ったまま、ガタガタと震えた。

 

「(に…兄さん、助けて‼︎)」

 

 祈は心中で兄の姿が思い浮かんだ。もう駄目だ。

 

 

 

「待てッ‼︎」

 

 

 

 刹那、祈達の前に誰かが立ち塞がる。全身が金色に輝くヘルメットを装着した男の人……。

 

「何者だ?」

 

 オルグは姿を現わした戦士に身構える。

 

「天照の竜‼︎ ガオゴールド‼︎」

 

 ガオゴールドは、ドラグーンウィングを構えながら、オルグと対峙する。祈は薄れゆく意識の中で、ガオゴールドの背中を見る。不思議な事に戦士の背中が兄に重なって見えた。

 

「(にい…さん…?)」

 

 兄の姿を見ながら、祈は極度の緊張と恐怖により気を失った。

 

「祈? 祈!」

 

 舞花は祈を揺さぶるが、完全に意識を手放した祈はピクリとも動かない。

 

「早く逃げろ‼︎」

 

 ガオゴールドは舞花に促す。何が何だか分からない、と言った様子だが、舞花は祈を支えながら這々の態で逃げ出した。

 

「……そうか……お前が金のガオレンジャーか……」

 

「あの子達には指一本、触れさせないぞ‼︎」

 

 ガオゴールドは、ここから先は通さない、と言う具合で、オルグの行く手を阻む。

 

「娘は用は無い。我が用があるのは貴様だ、ガオゴールドとやら」

 

「何で僕に⁉︎」

 

「貴様の腕を推し量りたい。我が名は、焔のメラン」

 

 焔のメランと名乗ったオルグは右手を翳すと掌に炎が立ち上がる。炎は形を作り、やがて一振りの大剣に姿を変えた。

 

「ガオレンジャーの力、見せて貰うぞ……来い‼︎」

 

 メランも剣を構える。ガオゴールドはドラグーンウィングを分解し二刀流にすると、メランの懐へと斬り込んだ。

 幾多にも及ぶ剣戟を繰り出すが、メランは涼しげな様子で攻撃をいなす。

 

「どうした? 貴様の力は、その程度か?」

 

 メランは嘲る様に笑う。ガオゴールドも驚く。

 強い。攻防共に全く隙が無い。

 

「……話にならんな。この程度の力で、ガオレンジャーを名乗るとは片腹痛い! 貴様の先人達は、もっと強かったぞ」

 

 メランは剣に力を込める。すると刃から炎が燃え上がる。

 

「もっと攻め込んで来い‼︎ 貴様も地球を守る、ガオレンジャーなる戦士の矜持があるなら、本気を出せ‼︎ 我を壊してみろ‼︎」

 

 まるで、敢えてガオゴールドを本気にさせようとすれ様な口ぶりだ。メランは何時でも攻め込んで来れる態勢を崩さず飽くまで、様子を伺いながら対峙して来る。ガオゴールドは師匠の言葉を思い出す。

 

 

『剣術に於いて、あらゆる局面にて対応出来る型がある。中段、上段、下段、八相、脇……この5つを纏め「五行の構え」と言う。中でも剣術の基本中の基本とされる中段「水の構え」……あらゆる状況に即座に反応でき、攻撃にも防御にも転じる』

 

 

「中段……水の構え……」

 

 その言葉に従い、ガオゴールドはドラグーンウィングの刃先を、メランの目線に向けて構える。

 

「ほう……水の構えか……。基本を知っている様だが、果たして我に通用するかな?」

 

 メランもまた、剣術のイロハを心得ている様だ。炎に燃える剣を振り上げ、ガオゴールド目掛け斬り掛かって来る。が、ガオゴールドは、その振り下ろされた剣を左手の剣で防ぎ、右手の剣にてメランの顔を斬りつけた。

 

「グッ⁉︎」

 

 不意に斬られたメランは左手で顔を覆う。だが、ガオゴールドは、その隙を逃さない。後方に下がり、ドラグーンウィングに力を込めた。

 

「竜翼…日輪斬り‼︎」

 

 剣から放たれる光が円形の斬撃に変わり、メランの身体に直撃、爆発に包み込まれる。以前の戦いにて実戦を学んだガオゴールドは、動きに飲まれる事なく動作した。

 

「く……中々、やるな……」

 

 爆煙の中から、ゆらりと立ち上がる影。メランも死んでいなかった。だが無傷では無いらしく、メランの身体は炎に包まれていき燃え始める。炎が収まると、身体が無傷の状態に戻ったメランが立っていた。

 

「⁉︎ 治った⁉︎」

 

「だが、まだ力を活かし切れていない。刃に惑いが見えている……半端者と戦っても仕方無い。この勝負は預けておく」

 

 それだけ言い残すと、メランは姿を消した。

 

 

「次の戦いを楽しみにしておくぞ……」

 

 

 ガオゴールドは辺りを見回すが、既にメランは去っていた。一先ずは勝った様だが……。そう安堵した瞬間、後ろから轟音が響き渡った。

 振り返ると、また別のオルグが弾き飛ばされて来た。それを追う様に姿を現わす銀色の戦士ガオシルバー。

 

「戦わないんじゃ無かったのか?」

 

 ガオシルバーが近付きながら、声を掛けてきた。その声に、ガオゴールドは察した。

 

「貴方は、大神さん⁉︎」

 

「……ガオシルバーと呼べ」

 

 そう言われ、ガオゴールドは先程のやり取りを思い出した。ガオレンジャーとなるならば、過去も経歴も全て捨てろ、と。ガオゴールドは小さく俯向く。

 

「……やはり戦うのは嫌です。過去も経歴も全て捨てる事は出来無い……」

 

「そうか……」

 

 半ば期待していたが残念だ、と言った具合に、ガオシルバーは呟く。

 

「……けど‼︎」

 

 ガオゴールドは顔を上げる。

 

「大切な人を失うのは、もっと嫌だ‼︎ 僕が戦わないで大切な人が傷付くなら……僕が傷付いてでも護ってみせる‼︎」

 

 その言葉には、ガオゴールド/竜崎 陽の強い意志が示されていた。言葉や動機は異なるが、彼と同じ強い意志を持つ男を、ガオシルバーは知っている。

 

「……かつて、俺達を率いて戦った男も同じ様に強い意志を持っていた……確かに、お前も強い意志を秘めている様だな」

 

 ガオシルバーは思い出す。ガオレンジャーのリーダーとして仲間達を率い、地球を護る為に命を賭した戦士ガオレッドの姿を、言葉を……。

 

「オイコラァァァ‼︎ 俺様を無視して何をコソコソしてやがる‼︎」

 

 オートバイオルグは身体を起こし、相対して来た。ガオシルバーは破邪の牙ガオハスラーロッドを構えた。

 

「だが……戦うとなれば、甘えは許されない。自分の命を秤に掛ける覚悟はあるか?」

 

 同時に、ガオシルバーは若き戦士に問い掛ける。戦いに身を置く事の覚悟を…。時には己れの死さえも覚悟しなければならない……過酷な運命に身を投じる事となるだろう。

 

「覚悟は……出来てます‼︎」

 

 ガオゴールドは決めた。戦いに身を置く事を……。地球をでは無い。大切な人の為に命を賭ける覚悟を!

 

「良い答えだ。なら、見せてみろ‼︎ お前の覚悟を‼︎」

 

「はい‼︎

 

 今此処に、世代を超えた金と銀の戦士が誕生した。

 

 

「轢き殺したらァァァ‼︎」

 

 オートバイオルグは、ウィリー走行で迫って来た。2人は即座に躱し、ガオシルバーはガオハスラーロッドを変形させた。

 

「スナイパーモード‼︎」

 

 銃の姿となったガオハスラーロッドから、秒速で10発以上の光弾が発射された。光弾を受けたオートバイオルグは堪らず、転倒してしまう。

 

「クッ……汚ねェぞ! 飛び道具なんざ⁉︎」

 

「戦いに汚いも汚く無いもあるか。それに無力な民間人に襲い掛かる貴様の方が、よっぽど汚いだろう?」

 

 ガオシルバーに至極当然な正論を返され、オートバイオルグは憤慨した。

 

「あったま来たぜ‼︎ だったらこうだ‼︎」

 

 オートバイオルグは懐から、オルグシードを取り出し口に放り込む。

 

「カァァァ、効くぜェェ‼︎」

 

 見る見る間に、オートバイオルグの身体は巨大化していった。

 

『オラオラオラァァァ‼︎ 2人仲良く、ぺちゃんこにしてやるぜ! 夜露死苦‼︎』

 

 オートバイオルグは勢い付いて、アクセル音を吹かす。ガオシルバーは再び、ガオハスラーロッドを変形させた。

 

「ブレイクモード‼︎」

 

 その状態から3つの宝珠を投げた。

 

「百獣召喚‼︎」

 

 さながら、ビリヤードの如く打ち出された宝珠は天へ舞い上がり光り輝く。

 

『オォォォン‼︎』

 

 空を裂く様に姿を現わす巨大な銀色の狼とワニ、そしてシュモクザメだ。

 

「あれは⁉︎」

 

「俺の相棒のパワーアニマル、ガオウルフ、ガオリゲーター、ガオハンマーヘッドだ。彼等だけは何とか連れ出す事が出来た。ガオウルフ、百獣合体‼︎」

 

 ガオシルバーの号令に合わせ、三体のパワーアニマル達が姿を変えていく。ガオリゲーターが立ち上がり胴体となり、右腕と左腕がガオウルフ、ガオハンマーヘッドが構成する。そして三体の尻尾が分解し三日月型の尾が胸部に、リゲーターとハンマーヘッドの尻尾が合体して巨大な剣「リゲーターブレード」となる。

 最後には別の頭部が現れた。その巨人の中にガオシルバーは吸収されて…。

 

 

 〜3つの宝珠が紋章を描く時、百獣達は一つに重なり、正義の狩人が誕生するのです〜

 

 

「誕生‼︎ ガオハンター‼︎」

 

 オートバイオルグに対峙する正義の狩人ガオハンター。

 

「ヒャハ! しゃらくせェ‼︎ ガオハンターなんざ、このバイクで引き摺り回してやるぜ‼︎」

 

 オートバイオルグはバイクにて突進を仕掛けるが、ガオハンターには見切られ、リゲーターブレードにて斬りつけられた。

 

「ぐ…‼︎ イテェ‼︎」

 

 苦しむオートバイオルグに追い打ちをかける様に、空中から火球が降り注ぐ。ガオゴールドは見上げると、昨日、姿を現した竜の巨人が姿を現した。

 

「あの巨人だ‼︎」

 

 ガオゴールドは味方が来た、と意気込むが、竜の巨人はガオハンターを邪魔するかの様に割り込み、勝手にオートバイオルグに攻撃を始める。

 

「な? どうして邪魔をするんだ⁉︎」

 

 ガオシルバーも叫ぶが、ガオハンターは加勢に加わる。だが、竜の巨人は邪魔をするな、と言わんばかりに、右腕のランスをちらつかせる。

 

『ハッハ‼︎ なんか知らんが仲間割れかァ⁉︎ 今がチャンス‼︎』

 

 二体の巨人が連携を乱すのを見て、オートバイオルグは突っ込んで来た。竜の巨人はすかさず避けるが、ガオハンターは諸にぶつかってしまう。

 

「ウワァァ⁉︎」

 

 中でガオシルバーは衝撃に耐えるが、ガオハンターはオートバイオルグを抑え付けるのに手一杯で、リゲーターブレードを振るえない。しかし、そんな事は御構い無しに、竜巨人はオートバイオルグにランスで攻撃する。

 

「おい⁉︎ どうして仲間を攻撃するんだ⁉︎」

 

 中でガオゴールドは叫ぶが竜巨人は一切、聴かない。それ所か、胸部の竜の口が開き、ガオハンター諸共、オルグを葬り去ろうとしている。

 

「‼︎ ガオハンター、逃げて‼︎」

 

 危機を感じたガオゴールドは叫ぶ。それを察したガオハンターは、オートバイオルグを持ち上げ投げた後、すかさずに飛び上がる。

 

「クッ……悪鬼突貫・リボルバーファントム‼︎」

 

 手が自由になったガオハンターはリゲーターブレードに力を込め、オートバイオルグに突撃した。

 

「ヌグァァァァ⁉︎ チクショウめ〜〜‼︎」

 

 オートバイオルグは断末魔の叫びを上げながら爆散した。トラブルはあったが、何とか勝つ事が出来た。

 しかし、勝った瞬間に、ガオゴールドは外に弾き出されてしまった。

 

「‼︎ 待て、何で……⁉︎」

 

 ガオゴールドは竜巨人に怒鳴るが、反対に竜巨人は恐ろしい目で、ガオゴールドを一瞥した。そして、そのまま何処かへ飛び去ってしまった。

 

「彼等は一体……⁉︎」

 

 敵か味方か分からない謎の竜巨人……残されたガオゴールドと、ガオハンターは只々、立ち竦むだけだった……。

 

 

 〜遂に共闘した金と銀のガオレンジャー……しかし、謎の動きを見せる竜巨人の真意は? 果たして地球の運命は、どうなるのでしょう?〜




ーオルグ魔人

−オートバイオルグ
暴走族に乗り捨てられたバイクに邪気が宿り誕生したオルグ魔人。

頭部がヘルメット、下半身がバイクと融合している。
暴走族の影響か、かなり口が悪く粗暴。
モデルは「星獣戦隊ギンガマン」の、サンバッシュ。

−焔のメラン
デュークオルグ。炎を操る。
武人気質で強者との戦いを好む高潔な性格。

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