帰ってきた百獣戦隊ガオレンジャー 19YEARS AFTER 伝説を継ぎし者 作:竜の蹄
長らく、お待たせしてしまいました‼︎
次回作の予告も設けていますので、どうか、楽しんで下さい‼︎
最後になりますが、帰って来た百獣戦隊ガオレンジャーを読んで下さった皆様、感想を頂いた皆様、今日までお付き合い頂いた事、心より感謝してます‼︎
ガオケンタウロスは再び地上へと帰還を果たす。アマテラスが、テトムと祈を介して繋げた道を辿る事で帰り着いたのだ。
降り立った場所は、復活した天空島アニマリウム……オルグの手で壊滅状態だった楽園は、見事に復活を遂げていた。大地に降り立った走達は久方ぶりに吸った新鮮な空気を満喫する。
「くあァァァ〜〜‼︎ やっぱり、シャバは良いぜ‼︎」
岳は伸びをしながら言った。何しろ長い期間、水晶の中に眠り続けていたのだ。そう考えれば、水晶に幽閉されながらも正気を保ち続けた彼等の強靭な精神力には脱帽する。
「でも、やっと帰って来れたな‼︎」
海も笑って返す。走、冴、草太郎も同様だった。
「おい、あれは……⁉︎」
「ガオズロックだわ‼︎」
走と冴は久しぶりに見た自分達のアジトに嬉しそうだった。やがて、ガオズロックは着地し、中からテトムが姿を見せる。
「みんな〜‼︎ 久しぶり〜!!!!」
漸く再会出来た事を喜びながら、テトムは走にダイブした。
「走‼︎ やっと会えたわね‼︎」
「テトム‼︎ 心配掛けたな‼︎」
そう言いながら、テトムは走を強く抱きしめた。他のメンバーも、テトムを取り囲む。
「岳、海、草太郎、冴‼︎ 皆、本当に無事なのね‼︎」
「ああ…‼︎ 帰ってきたぜ‼︎」
と、岳が珍しく涙ぐみながら言った。
「また、会えて嬉しいよ、テトム‼︎」
と、海は歓喜しながら叫ぶ。
「心配掛けて済まなかった!」
草太郎も男泣きしながら声を絞り出した。
「会いたかったよ、テトム!」
冴は泣きじゃくりながら、テトムに抱き着く。蚊帳の外を食らった陽達に、猛達が近付いて来た。
「陽、祈ちゃん‼︎ よく帰って来たな‼︎」
「お疲れだったな、陽‼︎」
猛と昇は陽を労う。舞花と千鶴も同様だった。
「祈、怪我してない⁉︎ 本当に良かった‼︎」
「先輩〜‼︎ 無事ですか〜⁉︎」
二人はさめざめと泣き続けながら言った。祈は優しく微笑みながら……
「大丈夫! 2人とも心配掛けて、ごめんね!」
そう言うと、祈も泣き出す。それを聞いた二人は驚いた様子で……
「何言ってんの⁉︎ 祈のせいじゃ無いじゃん‼︎」
「そうですよ! 先輩が謝る必要なんて絶対、ありません!」
と、泣きながら祈を励ます。すると、祈が腕から泣き声がした。
「エッ? 何、この声…⁉︎」
舞花は耳を疑う。すると、祈は気付いた様に抱えていた布切れを捲る。
「ごめんね〜、起こしちゃったねェ……よしよし……」
祈があやす物を見た二人は、ギョッとした様子だ。祈の腕には赤ん坊が抱かれていたからだ。
「な、何⁉︎ この赤ちゃん、何⁉︎」
舞花は慌てて赤ん坊を見る。祈は、どう説明するべきかを悩んだ。すると、陽を取り囲んでいた猛と昇も、こちらの異変に気付いたらしく、やって来た。
「ウオッ⁉︎ 何だ、この赤ん坊は⁉︎ ま…まさか…⁉︎」
「えェェ⁉︎ 祈、父親は誰よォォォォ⁉︎」
「祈先輩、私と言う者がありながらァァァ!!!」
勝手に騒ぎ立て始める3人に、祈は困惑した。3人が大声で話すものだから赤ん坊は、また泣き始めた。
「ちょっと3人共、静かにして⁉︎ 赤ちゃんが泣いちゃったじゃ無い‼︎」
祈は叱り付ける。すると、3人はバツが悪そうにする。祈は困った様に赤ん坊をあやすが、一向に泣き止む様子が無い。
「ちょっと貸してみな」
見兼ねた走が横から赤ん坊を抱えて、あやし始める。
「おー、よしよし……大丈夫でちゅよ〜……。
ねんねん、おころ〜り〜よ〜……」
手慣れた手付きで、赤ん坊に子守唄を歌って宥める走。すると先程まで、グズっていた赤ん坊は落ち着いたらしく、スヤスヤと眠り始めた。
「寝ちまったな……」
「流石、走。手慣れてるな!」
「伊達に獣医やってる訳じゃ無いからな。しかし、この子は……」
走は寝付いた赤ん坊を祈に渡すと、神妙な顔付きに戻った。佐熊は赤ん坊を見下ろしながら、陽に尋ねる。
「しかし、この赤子は一体、何なんじゃ?」
「そ、それは……」
陽は口籠る。この赤ん坊の正体を知ったら、事情を知らない皆は困惑だろう……果たして、どう言えば波風を立てないで済むか……と、陽は思案する……。
その時、テトムは口を挟む。
「……この子は……スサノオの生まれ変わりね……」
「ヌゥッ⁉︎」
「どう言う事だ、テトム⁉︎」
案の定、佐熊と大神は目を見開いた。テトムは、ガオの巫女……それ故に、巫女の直感の様な物で理解したのだ。
陽と祈は互いに顔を見合わせた後、走に助け舟を求めた。走も意を決して、仲間達に説明した。
「……テトムの言う通りだ……。俺達は鬼地獄で、イザナミを倒した後
……降り注ぐ光の粒子を浴びたオルグ達が浄化されていくのを見た……。
その際、この子が俺達の前に現れたんだ……」
「光の粒子……それは
「何じゃ、それは?」
テトムの口から出てきた言葉に、佐熊は首を傾げる。
「ガオの巫女に代々、伝わる究極の秘技……一度、発動させれば、朽ち果てた植物や渇き切った大地を潤し、緑溢れる世界へとする事が出来ると言う……。
更には、彷徨う死者の魂を蘇らせる事も可能だと聞いたけど……発動した話は初めてだわ……」
テトムの言葉に、仲間達の視線は赤ん坊に注いだ。転生の光粒……人間への憎しみに囚われたスサノオは、巫女の秘技によって救われた……ともすれば、この奇跡は……。
その時、祈の身体から光が立ち上り始めた。それは、アマテラスへと姿を変えた。
〜ありがとう、ガオの戦士達よ……。貴方達のお陰で、オルグ達の目論みは阻止されました……。
そして……祈……。貴方にも、お詫びを申し上げ無ければなりません……。私達の母の問題に、何の関係の無い貴方まで巻き込んでしまった……〜
「そ…そんな……‼︎」
アマテラスの謝罪に、祈は困惑した。しかし、アマテラスは構わずに続ける。
〜先程、見せたのは……テトムの推測通り、転生の光粒です……。あれは、巫女の力を対価に差し出すと同時に発動する、ガオの巫女の最後の技……しかし、一度、発動してしまえば、その巫女としての力は永久に損なわれてしまう、正に諸刃の剣なのです……〜
「じゃあ……祈は、もう……」
陽は祈を振り返る。あれが、祈の巫女としての力を対価にした物なら、祈は既に巫女の力を失った事になる。
アマテラスは頷く。
〜そう……彼女からは、巫女の力は永遠に無くなるでしょう……そして、竜崎陽……貴方も……〜
アマテラスは悲しげに見つめる。陽は意味が分からなかったが、後ろに佇むガオドラゴン達を見て、確信した。
「お別れ……なんだね……」
陽は予感していた。彼等は元々、アマテラスと同じ時代から生きた存在だった。その彼女との繋がりを無くすと言う事に過ぎない……。
ガオドラゴンは陽を見つめ返す。その目は、とても優しかった。
〜陽……お前は、我々の想像を上回る程に戦ってくれた……。そして、絶望に囚われたスサノオを闇から解き放ってくれた……〜
ガオドラゴンに続いて、今度はガオユニコーンが話し始める。
〜貴方は私達に、失いかけていた人間への絆の強さを見せてくれました……それだけで、充分です……〜
次には、ガオグリフィンだ。
〜お前と共に戦えた事……それだけで、我々は誇りに思う……〜
ガオナインテールも語り始めた。
〜ただ、夢想を語るだけの若者が……夢を現へと変えてくれた……。其方こそ、アマテラスの認めた戦士じゃ……。
ガオワイバーンも認めておるしの……〜
言葉を話せないガオワイバーンに代わり、彼女が代弁する。最後には、ガオフェニックスが紡ぎ始めた。
〜わずかな期間でしたが、貴方の力となれた事……我々にとって、これ以上の誉れは無いでしょう……。
本当にありがとうございます……気高い金色の竜よ……〜
レジェンド・パワーアニマル達は称賛の言葉を個々に送った。陽は彼等を見上げて笑う。確かに辛い事は沢山あった。苦しい事も……しかし、それでも戦い抜く事が出来たのは、仲間達の支えがあったからだ。
「僕一人じゃ無いよ……この戦いは、ガオレンジャー全員の……全てのパワーアニマル達の……地球に生きる人々があっての勝利です……‼︎
この戦いで失う物は沢山あったけど……それ以上に得た物も多かった……。僕は、ガオゴールドとして戦えた事を生涯の財産として、此処に刻み続けて行くよ……」
そう言うと、陽は自分の胸を抑える。その言葉に、満足げに頷くアマテラス。そうすると、アマテラスはレジェンド・パワーアニマル達を見渡す。すると、彼女の隣に、ツクヨミも姿を現した。
〜陽……ガオレンジャー達よ……弟を救ってくれた事、ありがとう……。私達は邪馬台国にて、お前達を見守っている……さらばだ……〜
そう言い残し、アマテラス達は空気に溶ける様に透けていき……やがて、完全に姿を消した。
「……行っちゃったね……」
ポツリと呟く祈。ふと陽は左腕のG−ブレスフォンに目をやる。ブレスフォンは色を無くした様に灰色に染まり、そのまま風化するかの如く散って行った……。
「……もう、ガオレンジャーになれないの?」
祈は尋ねる。それに対して、陽は微笑む。
「地球に危機が来れば、また変身するかもね……。そんな日が来ない様に、僕達が頑張っていかなきゃ……‼︎」
「ああ‼︎ その通りだな‼︎」
二人の間に、走が入ってきた。
「これからは、君達の時代だ‼︎ そして、その子が大きくなった時の為にもな‼︎」
「その赤ん坊、どうするんだ?」
走に続き、岳も尋ねて来た。祈が大切に抱きかかえている赤ん坊……それは、スサノオの生まれ変わりだった。
祈は赤ん坊を抱き締める。
「……この子を……助けてあげたい……‼︎」
祈もまた、スサノオの過去を知って思う所があったのだろう。姉を思うが故の狂おしい情念から、全てを敵に回そうとした男……しかし、それは単純に、姉の愛を求めるが故の行動だった。最終的に、それは行き過ぎてしまったが……イザナミの仕組んだ計画だったが……彼にとっては、姉への想いだけが全てだったに違いない……。
今となっては、スサノオに対する憎しみは無く……ただただ、憐れみの気持ちしか湧いて来ない。
しかし、テトムの表情は晴れやかでは無い。
「……祈ちゃん、残念だけど……この子は貴方には任せられ無いわ……」
「どうして⁉︎」
「……地上には邪気が多い……いくら、オルグを倒したとは言え、人の心から生まれる悪い考えが、やがて邪気となってオルグを産む……結局、人とオルグは切っても切り離せない間柄なのよ……」
テトムは悲しげに告げた。しかし、祈はスヤスヤと眠る赤ん坊を抱き締めた。この子を手放したく無い……だが、テトムの言う事も一理ある……。だが、他にどうすれば良いのか……。
「なら、ワシに任せておけ!」
突然、佐熊が口を開く。仲間達は、彼を見た。
「ワシが天空島に移り住み、その赤ん坊を育てる! 今度こそ、スサノオが道を踏み外さん様に育ててやるわい‼︎」
意気込んで語る佐熊だが、大神は心配そうに言った。
「……分かってるのか? お前は今後、天空島から動く事が出来なくなるんだぞ? そうなったら、お前の人生は……」
「ワシの人生? 何を言っとる、此れがワシの人生じゃ!」
大神の問いに対し、佐熊はカラカラと笑う。
「……それにのォ……これはワシなりの罪滅ぼしでもあるしの……」
「罪滅ぼし?」
ふと佐熊は笑みを消しながら言った。
「ワシはのォ……閻魔オルグを封じる為、自ら人身御供となった……。其れは大きな間違いであった……結局、ワシが封じたのでは無く、陽が終わらせたのだ……。
ムラサキや仲間達に負わせた苦しみを考えれば、その赤ん坊を育てる事など屁でも無いわい」
「だとしても……‼︎ 尚更、佐熊さんが幸せになる事を、仲間の皆は望んでいるんじゃ……‼︎」
陽も言葉を紡ぐ。幾ら罪滅ぼしとは言え、戦いが終わった以上は佐熊には幸せになる権利がある筈だ。けど、佐熊は譲らない。
「……ワシにとって幸せとはな陽よ……お前さん達が平和に生きてくれたら、それで良い……」
そう呟いた佐熊に対し、陽達はまるで時間が止まったかの様に呆然とした。その様子を、佐熊は怪訝そうに首を傾げる。
「? どうした、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして?」
「いやァ……似合わないな……と思って?」
陽は遠慮しがちに言った。途端に、仲間達は大爆笑した。
「な、何じゃ⁉︎ 何で笑う⁉︎」
「だ、だってよ……‼︎ 熊みたいな大男が、あんなクサイ事言ったら、もう……可笑しくてさ‼︎」
猛は腹を抱えながら笑う。舞花、昇、千鶴も笑っていた。
「ちょっと、皆……笑ったら失礼だよ……ふふッ‼︎」
祈も耐えきれずに笑い出した。
「何じゃ、祈まで‼︎ もう良い! 笑わば笑え‼︎」
遂に不貞腐れて、佐熊は怒鳴る。仲間達の暖かな笑い声が、天空島を木霊した。パワーアニマル達も、そんな様子を微笑ましげに優しく吠えた。
そうしてる間に、陽達はガオズロックへと乗り込んで行く。懐かしき竜胆市へと帰って行くのだ。離れたのは僅かな期間なのに、長い年月の様に感じた。
陽は振り返ると、佐熊に抱かれたスサノオを見る。今度こそ、スサノオが道を踏み外さない様に、二度とオルグの現れない、そんな世界に自分達がして行かなくては……。
「兄さん、行こう‼︎」
祈が呼び掛けて来た。陽は笑顔で彼女を見る。
「ああ! 今、行く‼︎」
陽は返事して、ガオズロックに乗り込む。再び振り返ると、佐熊とテトムの顔を見る。
佐熊は元気よく頷いて見せた。この子は任せておけ、と言わんばかりだ。
安心した様に、陽は乗り込む……そうして、日常へと戻って行った……。
それから半年程、経った日……。
「兄さん、早く早く‼︎」
祈は楽しげに歩いていた。陽は祈に付き添い、久しぶりの休暇を楽しんでいる。
あれから、ガオレンジャーを仲間達とは解散して行った……。
走は獣医として動物達を治療し……岳は航空自衛隊に復帰し、今は若い隊員達に教鞭を取り……海は今は、サーファーとしてテレビによく出ており……草太郎は、自営業で花屋を始め……冴は故郷で空手道場を開いて……大神は再び、放浪の旅に出た……。
あれから、オルグは姿を現さない……闘いは終わりを告げたのだ……しかし、陽の内心は晴れやかでは無い……。
確かに世界は平和になった……オルグによって破壊された街並みも復興し、人々は平和な日々を享受している……自分が、ガオレンジャーとなる前の日常が帰ってきたのだ……だが……。
この平和の代償は大き過ぎた……。
確かに勝利はした……だが、勝利の下には多くの犠牲があった……ヤバイバ、ツエツエ、鬼灯隊の面々、ツクヨミ、そして……摩魅……。
彼等とは敵同士であり、人とオルグとしての越えられない種族の壁があった……だが、それでも……彼等の死の上に、今の自分達が生きる日常があるのは紛う事ない事実……。
「兄さん……もしかして、後悔してる……?」
いつの間にか隣に居た祈は尋ねる。陽は取り繕おうとするが、祈には見抜かれていた……陽は、苦笑する。
「守れた命もあったけど……守れなかった命もある……それが堪らなく悔しいんだ……。如何に、ガオレンジャーとして強くあっても……パワーアニマルが力を貸してくれても……僕は、ちっぽけな人間なんだ……。今なら、スサノオの気持ち、分かる気がする……」
陽は天を仰ぎながら、自嘲する様に言った。そんな陽を、祈は後ろから抱き付く。
「祈?」
「兄さんは、ちっぽけなんかじゃ無いよ……。大きな背中だよ? 私達を守ってくれた……心強い背中……」
祈は、ポツリポツリと呟く。陽は彼女の顔を見ると、とても優しい慈母の様な穏やかな笑みを浮かべていた。
「自分の事を卑下しないで、兄さん……。スサノオは力を得て全てを捨てたけど……兄さんは力を捨てて皆を守ったでしょう?
……兄さんは変わらなくて良いよ……今のままで良い……」
そう言った祈の頬に涙が伝う。陽は涙を拭ってやり、祈を強く抱き締めた。
「……祈……ずっと側に居るよ……」
「……兄さん……」
そうして互いに顔を見合わせる。そして、どちらからも顔を寄せ、互いに唇を重ねた。
暫くキスをしていたが、やがて陽が顔を離す。顔中が赤く染まっていた。
「……やっぱり……外でするのは恥ずかしかったかな……?」
「ううん……嬉しかった……」
祈は笑った。陽も釣られて笑う。と、其処に……。
「あのよ〜、イチャつくんなら誰も居ないか、見てからやれよな」
猛がニマニマと笑いながら、やって来た。陽は顔を更に紅くする。
「た、猛⁉︎ 見てたのか⁉︎」
「おう‼︎ ばっちしとな‼︎ しかし、兄妹でキスとか周りから見たら不純に映るかもな?」
猛は追い討ちを掛ける様に言った。祈は顔を抑える。そんな所へ、舞花と千鶴が近付いて来た。
「別に良いじゃん? もう隠す意味を無いし……そうでしょ? 祈」
「……う〜〜〜……‼︎」
舞花は祈を茶化すが、千鶴は納得が行かない様子だった。やはり、祈を陽に取られたのは割り切れないらしい。
「ま、別に責める気は無い。お前達の決めた事ならな」
「……そうだね……」
昇と美羽もやって来た。だが、美羽もまた、陽と祈の関係には複雑な様子だった。
その美羽の隣に来て…
「な〜んだよ、美羽‼︎ ひょっとして、妬いてんのか⁉︎」
「そんなんじゃ無いし‼︎ 大体、私は今、アンタと付き合ってるんでしょ⁉︎」
「へへ‼︎ まあな‼︎」
そういうと、猛は美羽に肩を回す。其れを美羽は無理に外した。
「しかし……意外だったな……。猛と美羽がくっ付くなんて……」
「ああ……世の中、どうなるか分からん……」
「本当にね……」
「美羽さんには悪いけど……兄貴には勿体無いよ……」
陽、昇、祈、舞花は口々に言った。あの戦いの後……美羽は、陽に告白した。しかし……陽は祈への想いを打ち明けて、美羽は失恋……彼女の恋は終わりを告げた。
そんな傷心の彼女に対して、その間隙を縫うかの様に励ましたのが、意外にも猛だった。美羽は失恋した心の傷を癒していた所、気が付けば側に猛が立っており……二人が接近するのには、時間が掛からなかった。
今日は、その後も付き合いを続ける、この6人にて久しぶりに遊びに行く事となった。
陽は、漸く訪れた平和を噛み締める。と、其処に陽は気が付く。仲睦まじげに歩く二組の男女……
「んじゃーよ‼︎ 久しぶりに飯でも行こうぜ‼︎」
「アンタの奢りでね?」
「き、給料日前だぜ⁉︎ それは、ヤバいぜ‼︎」
女性の方は何処となく、ツエツエに似ていた。男はヤバイバに感じが似ていた。
更に通り掛かったのは女子高生の5人組……。
「ほらほら‼︎ 早くタピりに行きましょう、でございます‼︎」
「焦るな、タピオカは逃げないぞ?」
「その次はゲーセン行こうぜ‼︎」
「またかいな? 今日は、カラオケ行こうや?」
「……私はボウリングが良い……」
何処となく、鬼灯隊の面々に似ている5人……。その後に、母と娘が通って行った。
「お母さん‼︎ 今日は晩御飯、私が作るね‼︎」
「フフッ……‼︎ また失敗しなければ良いけど?」
「大丈夫だよ‼︎」
娘の方は摩魅にそっくりだった……。陽は、その様子を見て微笑ましくなる……。ひょっとしたら、彼等は……
「兄さ〜ん‼︎ 早く行こう‼︎」
祈の呼ぶ声に再度、陽は歩き出した。漸く戻って来た平和な日々……その日を大切に噛み締めながら、陽は生きていく。
空は何処までも青い……ひょっとしたら、今も天空島ではパワーアニマル達の咆哮が響いているかも知れない……。
〜全ての戦いに決着を付け、日常へと帰って来た竜崎陽……。しかし、またいつか、オルグ達の牙が剥いてくるかも知れない……。
だが、地球にはガオレンジャーが、パワーアニマル達が、そして、ガオゴールドが居る限り、大丈夫だと信じましょう……‼︎〜
予告‼︎
地球にはかつて……人類が踏み込む事を許されない前人未到の世界があった。険しく切り立った山々、水分を奪い尽くす灼熱の砂漠、血液を凍り尽くす極寒の氷地……果てには永遠の闇に支配された深海に、無限に広がる大宇宙……。
しかし、文明の発達と共に、人は地球に足を踏み入れていない場所は無くなりつつある。と、同時に失われた古代文明の遺産である遺跡、財宝、歴史も人間達は介入して行った……。
だが……人間達は知らない……。この地球には、凡人の理解を超えた……現代の科学水準を遥かに凌駕した古の秘宝が眠っている事を……。その宝は、使い様によっては世界を支配する叡智にも、世界を破滅に導く兵器にもなり得る……。
その神の領域をも侵し兼ねない秘宝の名は“プレシャス”と言う。
世界各地に人知れず眠るプレシャスが思慮の浅い者達に渡れば、世界は間違いなく滅びる。そうならない為、プレシャスを探索し保護する組織の名は“サージェス団体”。その団体に所属し、命懸けの冒険に身を投じる冒険者達が居た!
彼等こそ、果てなき冒険
轟轟戦隊! ボウケンジャー‼︎
「プレシャトピア?」
「世界の何処かにある理想郷だよ……其処に行き着いた者は誰も居ないが……大地を埋め尽くさん程の宝が隠されているんだよ」
「ふ〜〜ん」
見識ある大人が、御伽噺と笑う様な夢物語……しかし、子供は夢を見ずには居られない……小さな頭では描き切れない程の夢物語を……。
「……おじいちゃんは若い頃から探し続けていたが……遂に発見できなんだよ……。果たして、ワシが死ぬ迄に見つけられるかの?」
「大丈夫だよ! おじいちゃんが見つけられ無かったら、私が見つけてあげる‼︎ 私が、プレシャトピアを見つけるの‼︎」
「そうかそうか……雪歩が見つけてくれるか……。それは楽しみじゃな……それじゃ、指切りをしようか?」
「うん‼︎ 絶対に約束‼︎」
小さな頃に、大好きな祖父と交わした約束……それは時を経ても決して変わらず、夢を信じる強い信念となる……。
それから、数年後……。
「私、白瀬雪歩! 夢はプレシャトピアを見つける事‼︎」
新たに、夢を追いかける若き冒険者……。
「お前一人じゃ不安だからな。俺も一緒だぜ‼︎」
「貴方がチームメイト? ハッキリ言って不安ですわ」
共に戦う頼りある仲間達……。
「君達の、武器の整備は僕に任せておいてくれ、よろしく」
「私が貴方達のチーフを務めるよ‼︎ 頑張ろうね‼︎」
戦いを支えるバックアップのチーム……。
「楽園を示すプレシャスがある……其れを奪ってくるんだ‼︎」
「オホホホ‼︎ プレシャトピアを見つけて、世界は再び我々、ゴードムの物よ‼︎」
冒険を遮ろうと暗躍する者達……。
「プレシャトピアは君達を受け入れない、諦めたまえ」
「貴方は……何者なの⁉︎」
「通りすがりの仮面ライダー……とでも覚えておきたまえ」
第三勢力の邪魔が入り、冒険は更に難航……‼︎
「プレシャトピアに手を出してはならない……‼︎ 本部からの厳命が来たわ……‼︎」
「嫌だ! 私は探すよ……だって……約束したから……‼︎」
様々な困難、邪魔が入りながらも……彼女は夢の果てを目指して走り続ける……‼︎
「……やっと来た……此処が……‼︎」
轟轟戦隊ボウケンジャー Return Adventure Of White
2021年 10月 連載開始‼︎
次回作は、小説のプロット作成と話の構成を掴む為、現在、dvdを再度、視聴しています‼︎
それまでは、ガオレンジャーの、その後の物語、そして別の小説を執筆予定なので、楽しみにしていて下さい‼︎